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http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/law_series/law.html
これは、動物愛護運動に対して、ちょっと誤解がありそうです。
たとえば道交法の趣旨を普及啓発する交通安全運動と同じで、
「動物愛護法」の趣旨を普及啓発していくのが「動物愛護運動」なんです。
動物愛護法の趣旨というのは、
第1条 この法律は、動物の虐待の防止、動物の適正な取扱いその他動物の愛護に関する事項を定めて国民の間に動物を愛護する気風を招来し、生命尊重、友愛及び平和の情操の涵養に資するとともに、動物の管理に関する事項を定めて動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害を防止することを目的とする。
第2条 動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない。
といったところに集約されます。
簡単に言ってしまえば、
この二点の普及啓発が、動物愛護運動の目的なんですね。
ですから、畜産動物のと殺などに関する運動全体の対応としては、
第23条 動物を殺さなければならない場合には、できる限りその動物に苦痛を与えない方法によつてしなければならない。
2 環境大臣は、関係行政機関の長と協議して、前項の方法に関し必要な事項を定めることができる。
に基づいて適正に行われているかどうかを
チェックしていくことが重点です。
法で許可された畜産動物のと殺を心情的に許容するかしないかは、
あくまで個人レベルの問題、ということです。
ちなみに、日本の動物愛護運動は幅広い団体によって推進されていて、
その中には市民が主体となった団体もあれば、
獣医師やペット関連産業が主体となった団体もあり、
さらに動物愛護週間など様々な行事の中で、
畜産動物関係の団体も一緒に入って活動しています。
様々な立場の人たち、そして幅広い考え方の人たちが集まり、
動物愛護法の趣旨の普及啓発を通してより良い社会作りを目指していく。
この一点で一致して共同していく運動。
それが動物愛護という運動なんですね。
ですからそこにはベジタリアンもいますし、
食肉業者もいる、というわけです。
たかじんのそこまで言って委員会
◆第64回:2004/10/24 放送
に出演された 会田保彦 氏(財団法人日本動物愛護協会理事)が普通に肉を食べ、珍しい動物を食べた経験などを面白おかしくお話されていました。団体によって活動方針は大きく違うようです。
動物愛護と菜食主義はちがうと思います。
ステーキ大好きな動物愛護家も多いでしょう。
日本仏教だと僧侶は生き物は食べられませんが、信徒だと鳥くらいは
大目に見られたようです。牛乳もむかしは飲みませんでした。
また一般に動物愛護主義者は、動物にはやさしいけど、人間にはきついのが普通です。
現実的にそれはありえませんし、植物も「生命」をもっていると考える方もたくさんいます。また、動物愛護団体に配慮し、動物実験を一切行いません、としているメーカー(特に製薬、化学企業など)は、いわゆる外注で動物を用いた実験を施行しているケースが多いですね。もちろん、動物を使わない実験法の開発に取り組んでいる学会もあります。