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民法719条1項後段で、加害者不明の共同不法行為において損害を被ったことは明らかだが、複数の損害について、それぞれ共同不法行為者のうちの誰による加害結果なのかわからない時に、全員に共同責任を認めると規定しているのに、
同条1項前段の、狭義の共同不法行為が成立するためには、共同不法行為者の各人の行為と損害はすべて因果関係で結びついていなければならないとする説が判例・通説であるのはなぜですか?

誰による加害結果なのかわからなくても、客観的関連共同があれば共同不法行為責任を追及できるとする719条1項後段についての判例の見解と矛盾するように思えるのです。

●質問者: orph
●カテゴリ:ビジネス・経営 学習・教育
✍キーワード:不法行為 判例 加害者 因果関係 民法
○ 状態 :終了
└ 回答数 : 10/10件

▽最新の回答へ

[1]思うに hukuoka01

因果関係の証明を被害者に求めた場合、被害者保護に欠けるからと

考えます。

注釈民法(19)326Pにおいても

(2)加害者不明の共同不法行為につき、「この種の被害にあっては、加害者の証明が出来ないために被害者の救済がきわめて困難となるわけであるが、それを避けるために、ここでも共同責任の原則が認められるのである。」との記載があります。


[2]実際の判例を参考にされてはどうでしょう? kumonoyouni

受験勉強ですか?解釈や学説にはいろいろあるとは思いますが、過去の判例をいろいろ調べると参考になると思います。

例えば

http://www.thefuture.co.jp/hanrei/2003/19.html

の最高裁での判決。基本的に最高裁までいった判決は、後々それが指針となりがちだし。


[3]>1 すみません。質問の仕方が下手なので伝わらなかったのかもしれません。 orph

719条1項後段の「加害者不明の共同不法行為」の場合は、損害が共同不法行為者の中の誰による加害結果なのかわからないので、その挙証責任を共同不法行為者全員に転換した、ということはわかるのですが、

因果関係の証明を被害者に求めた場合、被害者保護に欠けるというのは、719条1項前段の「狭義の共同不法行為」の場合であっても同じだと思うのです。

「狭義の共同不法行為」とは、共同者全員が「損害の発生につき」共同している(加害行為に直接関っている)ことが明らかな場合です。

通説・判例は「狭義の共同不法行為」の成立要件を、

?各行為が独立して不法行為の要件を満たすこと

?各人の行為と損害との間がすべて因果関係で結びついていることとしています。


?は、共同者全員が「損害の発生につき」共同していることが明らかとまでいえるのなら、各人の行為と損害との間がすべて因果関係で結びついていることも証明できるだろうという、意味なのでしょうか。

仮にそういう意味だとしたら、共同不法行為者相互間の求償の問題を解決するためには、各人が損害発生にいかなる寄与をしたかについて考慮することが必要なので、共同不法行為者の各人の行為と損害はすべて因果関係で結びついていなければならないと思いますが、それはあくまで共同不法行為者相互間の問題であって、共同不法行為者全員が被害者に対して負っている不真正連帯債務には関係のないことだと思います。

?の要件については、満たしていれば各人について一般不法行為責任が成立するので719条で共同不法行為制度を適用する必要がないとも思えますが、加害者の一人に無資力者がいた場合、その無資力の負担をほかの加害者に負担させるために加害者に連帯責任を課して被害者の保護を図るという719条の趣旨から共同不法行為の要件として存在する意味があるようにも思えます。

しかし、719条1項後段の「加害者不明の共同不法行為」として、その挙証責任を共同不法行為者全員に転換し、共同不法行為者各人に不真正連帯債務を負わせることが可能なのですから、そもそも719条前段の「狭義の共同不法行為」という規定(上述??の成立要件)が必要ないように思えます。

わざわざ「狭義の」共同不法行為をいうものを、定義する意味があるのでしょうか?


[4]>3 ご参考までに kumonoyouni

http://www2.kobe-u.ac.jp/~yamada/02dc3/02dc324.pdf

についての見解が参考になるかと思いますが、いかがでしょうか?


[5]>4 回答していただき、ありがとうございます。 orph

大阪地判平成7年7月5日の結論が、参考になりました。通説よりも妥当な考え方だと私は思いました。


[6]>3 719条1項前段と後段 sptmjp

?について

それ以外にも因果関係の緩和すなわち

各人の行為と直接の加害行為の間に因果関係があり、そこに共同性が認められれば、共同の行為という中間項を通すことによって損害の発生との間に因果関係は満たされたものとする(判)

という意義があるとも言われています。ここが709条との違いです。



?について

一項と二項の因果関係の要否の違いはそれぞれの状況において被害者保護をどの程度厚くするかという法政策的配慮といわれています。

因果関係が明らかならば原則どおりその立証責任を被害者に負担させてもよいだろう、それが不明ならば因果関係は存在するものと推定した上でその不存在を加害者に負担させるのが妥当であろうということです。

選択的併合で両請求をするだけのことだと思います。


参考までに:

後段の場合の共同不法行為は前段の狭義の共同不法行為とは性格が異なり加害者各人の因果関係の存在に関する被害者側の立証の困難を救うために因果関係が推定されたものと解されている。したがって、共同行為者は自らの行為と損害の間の因果関係の不存在を立証しなければ免責されず逆に立証されれば免責されると解すべきである

(コメンタールp275)


[7]>6 回答していただきありがとうございます。 orph

?について

私は、因果関係の緩和という意義は、

1項後段の加害者不明の共同不法行為や、2項の教唆・幇助の場合のための意義だと思います。

各人の行為と直接の加害行為の間に因果関係があり、そこに共同性が認められれば、共同の行為という中間項を通すことによって損害の発生との間に因果関係は満たされたものとする(判)

という判例の見解は、

加害者不明の共同不法行為の場合や、

不法行為は行ったが直接の加害行為を行ったとはいえない者で、その行為と損害との因果関係はある場合、すなわち、教唆や幇助を想定したものだと思うからです。


?について

狭義の共同不法行為だから被害者が因果関係を証明しなければいけないのではなく、被害者が因果関係を証明できたから狭義の共同不法行為と呼ぶことができる。

つまり、被害者が加害行為と損害の因果関係を証明できれば、1項前段の狭義の共同不法行為に分類し、

被害者が加害行為と損害の因果関係を証明できなければ、1項後段の加害者不明の共同不法行為に、分類するということですね。


[8]>7 719条前段と709条 sptmjp

?について

私は、因果関係の緩和という意義は、

1項後段の加害者不明の共同不法行為や、2項の教唆・幇助の場合のための意義だと思います。

いえいえ、1項後段や2項の教唆・幇助とは関係なく1項前段の場合そのものの要件においても因果関係を緩和するのです。何度も申し上げるように709条との差別化を図るためです。


通説・判例は「狭義の共同不法行為」の成立要件を、

?各行為が独立して不法行為の要件を満たすこと

?各人の行為と損害との間がすべて因果関係で結びついていることとしています。

この点はよろしいですね。


ここでの問題点は709条が成立するのに709条と同じ要件を課す719条(前段)をわざわざ定める意味があるのか、更に719条(前段)の場合709条よりも加重された要件(客観的関連共同)が要求される、それでは被害者保護の観点から709以外に特に719を定めた法の趣旨を没却するではないかというところから出発しています。


だから719条前段では709条よりも緩和された因果関係でよいとするのです。



例えば

AがCを暴行し同時にBがCを暴行した。AがCの腕を骨折せしめ
BがCを脳挫傷に至らしめた。Cは脳挫傷を直接の原因として
死亡した。

というケースが719条前段の典型パターンです。



709条をAに当てはめた場合「加害者は自己の加害行為と事実的因果関係のある損害についてのみ賠償責任を負う」のが原則でありCの脳挫傷によるCの死という結果までは責任を負わないのが原則です。


そこで719条前段で因果関係を緩和するのです。すなわち前述したように、

各人の行為と直接の加害行為の間に因果関係があり、そこに共同性が認められれば、共同の行為という中間項を通すことによって損害の発生との間に因果関係は満たされたものとする(判)

Aの暴行とCの脳挫傷との間に直接の因果関係はないがAとBの同時襲撃という客観的共同性が認められればその同時襲撃という中間項を通すことによってCの脳挫傷による死の結果という結果発生との間に因果関係があるものとするということです。


[9]>7 719条一項後段 sptmjp

?について

因果関係が明らかならば原則どおりその立証責任を被害者に負担させてもよいだろう、それが不明ならば因果関係は存在するものと推定した上でその不存在を加害者に負担させるのが妥当であろうということです。

失礼しました。

「加害者が明らかならば?それが不明ならば?」の間違いです。

後段は前段と異なり「加害者不明」の場合です。


典型的なパターンは

AがCに向けて銃を発射し同時にBがCに向けて銃を発射しCが一発の弾丸によって射殺された。しかしAとBが同じ銃を使用したためにその弾丸がいずれの銃から発射されたものかわからない

という場合です。


このような加害者不明の場合に因果関係を推定し加害者の方にその弾丸が自分の銃から発射されたものではないとの証明を課していくのです。


[10]>9 私の考えの根拠はこうです。 orph

無資力者がいた場合、その無資力の負担をほかの加害者に負担させるために加害者に連帯責任を課して被害者の保護を図るという719条の趣旨から考えると、

各行為と各損害の因果関係が証明できたとしても、そのことで逆に連帯責任を課すことができなくなるのでは719条の意味がなくなる。だから、要件として因果関係には縛られない(捉われない)ということではないでしょうか?

共同不法行為の成立要件として客観的関連共同で充分とはいっても、

各不法行為が成立している段階で事実上、因果関係は存在し、

逆に言えば因果関係のない「狭義の」共同不法行為(各行為と各損害の間に因果関係が存在しないのに、各不法行為が独立に成立する状態)というものは観念しえないと思うのです。

1項前段の場合、因果関係それ自体を緩和するというよりは、要件を緩和するということではないでしょうか。

因果関係そのものの緩和という意味では、

損害は存在するのに加害者が不明で、被害者が不法行為と損害の因果関係を証明できない場合に、それぞれについての「因果関係がなくても(被害者が証明できていなくても)」共同不法行為が成立する「1項後段」や、

直接の加害行為を行っていなくても損害について因果関係ありと認められるという、一般不法行為より広く因果関係を認められている「2項」が当てはまると思います。

だから、

被害者による因果関係の証明を共同不法行為の成立要件として必要とされてはいないが、

事実上は加害行為と損害の因果関係を証明できるような場合(強い関連共同が存在する場合)は、1項前段の狭義の共同不法行為に分類し、

被害者が加害行為と損害の因果関係を証明できないような場合(弱い関連共同しかない場合)は、1項後段の加害者不明の共同不法行為に、分類する、

と私は考えます。

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