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「いらっしゃませ」「ブルーマウンテンを」わたしが、この小さなコーヒー専門店でアルバイトをはじめて、そろそろ一年になる。「その人」はいつも決まった時間に、決まった席に座って、決まってブルーマウンテンを注文する。そうして、静かに茶色のあまり大きくない手帖に目を落とし、ときどき、窓の外を見て、ときどき、何かを書いている。申し訳なそうに置いてある、新聞にも、硬派な週刊誌にも一度も手を触れたこともない。そういえば、わたしと目を合わせたこともないような気がする。マスターとアルバイトの二人だけの小さな店で、無口なマスターに尋ねても、さあ、いつからだったかな、もうずいぶん昔のような気がするよ。ただ、覚えているのは、はじめて見えた日、あの日は、雨が降っていたんだよ。「創作はてな」です。よければ続きを考えてみてください。時間はたくさんあります。

●質問者: aoi_ringo
●カテゴリ:生活 人生相談
✍キーワード:はてな アルバイト コーヒー スター ブルーマウンテン
○ 状態 :終了
└ 回答数 : 8/8件

▽最新の回答へ

1 ● peach-i
●10ポイント

傘を持たないで居たその人は、急いでココに雨宿りした。

外で雨宿りしていたもんだから、私は、中へと誘った。

コーヒーを一杯。

そのときも何も語らず。

一枚の写真を握り締めていた。

雨に濡れて、ぐしゃぐしゃになった写真。

その日から決まって、ここに来るようになったのさ

◎質問者からの返答

ありがとうございました。


2 ● unison_com
●15ポイント

突然の雨だった。傘の持ち合わせもなく仕方がないので、たまたま目に留まった喫茶店らしき店に入った。店には陰気くさいマスターとこれまた愛想のかけらもないアルバイトらしき店員がいた。「メニューは?」というと「ブルーマウンテンだけです」という。ブルーマウンテンといわれても、もう一度店の外にでてみたが何の表示もない。しかも雨は一層強く降っているし、西の空も暗い。仕方なく「ブルーマウンテン一つ」とオーダーした。マスターが渋々という感じで、スプーンの摺りきりを削るように豆を計り、ミルに入れた。その瞬間、陰気な店内を和やかな雰囲気に変えるような芳香が立ち上った。マスターも少し微笑みながら、ミルで引いた粉をドリップに入れ、お湯を注ぎ珈琲を入れてくれた。それをアルバイトの店員が丁寧に受け皿付のカップに入れ、お盆にのせテーブルまで持ってきてくれた。

◎質問者からの返答

視点がユニークで楽しめました。

ありがとうございました。


3 ● きゃづみぃ
●15ポイント

今日もこのコーヒーを飲みながら、いそいそとメモをする。

今度は、タクシーの話かとつぶやきながら

外をたまに ちら見し、思いをはせる。

どんな文章がいいのだろうか。

とびきりのネタをかましても、意味がわからないようだし

もっとわかりやすいネタにしないとダメなんだろうか。

あれから何年経ったのかは 覚えていない。

私は限られた時間内に好きなコーヒーを飲みながら

湧き出る空想を書き留めるのだ。

そうこのコーヒーを飲むと 湧き出してくるのだ。

不思議なことに。

私とこのコーヒーは相性がいいのかもしれないな。

いつぞやは、浮気して新しくできた喫茶店に行ってみた。

しかしなんだかしっくりこなかったのだ。

どういうわけかは わからない。

ブルーマウンテン。

頼むのはいつもこのコーヒーだ。

そりゃ家にいるときは、カフェオレとか飲んだりはするが

この喫茶店では ブルーマウンテンしか頼まない。

ふとウエーターがじっと私のほうを見ているのに気がついた。

いつもは 何も言わないのだが、ついこの時は、気分がよかったので

「なにか?」

と言ってしまった。

実を言うと人付き合いが下手なのだ。

言ってから しまった と後悔した。

ウエーターは「いつも何を書いてるんですか?」と話した。

私は「ああ、たわいもないことです」と答えた。

実際、たわいもないことなのだ。

今日は いい天気ですよねと 話をそらし 私は 立ち上がり

いつものように お金を渡して 「じゃ また」

と いつもは 言ったことがない言葉を 交わして

立ち去った。

あのお客さん、また来てくれるかな?ウエーターは ふとそう思った・・・。

◎質問者からの返答

わたしも実は外ではほとんど口を利けません。

いつもへんてこな質問につきあってくださり、本当に感謝しています。パソコンなら、しゃべらなくてもいいので・・。

ありがとうございました。


4 ● ElekiBrain
●20ポイント

「すみません、ご来店ありがとうございます。あの……あなたはいつもなにを書いているんですか?」

店のゆったりと流れる空気が止まった気がした。私は少し固まってしまったが、「その人」――シルクハットの男はゆっくりと顔を上げると細い目を大きく見開いた。今まで見たこともなかったその人の瞳孔は、くすんで視点が定まっていない。眼が不自由であることは要に想像できた。私はハッと息を飲んだ。しかし、悟られまいとして

「すみません、気になったものですから」

と、言葉ついでに取り繕った。しかし、男は意に介す様子もなく、

「私の眼のことなら気にしないでください」

と一言ささやくように言った。低音のダミ声、それもどこか別の世界から聞こえてくるような雰囲気の声だった。空気が振動するような、重低音のスピーカーの振動だけを切り取ったような、心地よい響きだった。

「眼が見えないと、いろいろなことが分かるのです。あなたが立っている位置、あなたの顔、それだけじゃない、いろいろな情景や風景、鼓動、木々の息吹、時には道ばたの石の呼吸まで」

そう言うと、ゆっくりとコーヒーカップを口元へともってゆき、静かにテーブルの上へと戻した。不思議なことに、男の喉も鳴らなければ、熱いコーヒーをすする音さえしなかった。しかし、コーヒーは確かに減っている。この店の空気は確かに静かだ。しかし、この男の空気はそれとは全く違う、ピンと張り詰めた湖面のような静けさなのだ。

「手帳はですね」

男は背もたれにゆったりと腰掛けた。

「ここから見える世界全ての行く末を書いているのです。例えば、さっき言ったこともそうですし、これから生まれる生命、その人の人生の岐路、ある巨大な国の衰亡、そして……人間の滅亡」

そういうとしばらく押し黙った。

コポコポというサイフォンの音とまるで線香の揺らめきのような細く、消え入りそうな空気に耐えきれず、私は思わず、

「あの、面白い話ですね。お仕事がお忙しいのに余計な話を聞いてしまったようで」

と言い、男に背を向けてテーブルを拭き始めた。

「いや、私は誇張も嘘も言っていないよ。例えば、ローマ帝国が滅びるのを見たことがある」

誇張とは思えなかった。この異様な存在感と静けさはどこから来るのか。私はただ、ごまかしたかっただけなのだ。そうでなくてはこの男の世界に飲み込まれてしまう、そう思った。

「君に言わなければならないことがある」

そういって、また沈黙した。私の体中から汗が噴き出る気がした。マスターは怪訝な顔つきで、「この世界」の外側から私たちを見ている。マスターには分からないのだろうか。この男から発する空気が。

「君のご両親に電話してみなさい」

そういうと男は音もなく立ち上がり、マスターに無造作に札を渡すと、お釣りも受け取らずに出て行ってしまった。

「いつもよりお早いお帰りだね」

マスターはそう言っていたが、いつもより早く帰った男のことを、まるでかみ合わない不協和音のように感じていた。予定通り、いつも通りにあの人は帰らなければならなかった。

それが、何かの拍子で狂ってしまった。背中に冷たいものが走った。それと同時に男が言ったことを思い出した。私は大急ぎで控え室に戻ると、携帯の電源を入れ、実家の番号を呼び出した。なかなか出てこない。焦る気持ちばかりが募る。呼び鈴が一分ほど鳴り続けた後、ガチャリという音とともに、繋がった。

「お母さん!? 家で何か起こってない?」

しかし、受話器に出た母親は特になにもない様子で、

「あら、おまえどうしたの? 久しぶりね、たまには顔をだしなさい」

と言った。私の体から力が抜けるとともに、安堵が広がり、その後いくつかの会話をした後、電話を切った。




翌日、男は定刻通りにやってきた。そして、いつもの場所へ座り、いつものブルーマウンテンを注文すると、手帳を取り出した。きっとまた、今日もこのままだろう。

私は意を決して男へと近づくと、先日の件について切り出してみた。

「あの、先日心配になって実家へ電話してみたのですが、特になにもありませんでした。お客様にこういうことを言うのも気が引けますが、からかうのはおやめください」

私は少し怒っていた。何しろ、この雰囲気で、あの口調で、言うことときたら「実家へ電話してみろ」、では心配になるのも無理はない。

男はゆっくりとコーヒーを口元へ当てると、テーブルへと戻した。表情はいつもと変わらない。

「地上から、光が空へと登ってゆくのが見えるよ。綺麗な光だ。全てを覚悟して、別世界へと旅立つ光はいつ見ても、綺麗だ」

男はそう独りごちた。

「いい加減にしてください、わけのわからないことを!」

私はついに怒鳴ってしまった。それとほぼ同時であった。ポケットにしまっていた携帯が店内に鳴り響いた。

「失礼します」

男に背を向けると、私は携帯のボタンを押した。

「はい、もしもし」

背中が凍るような衝撃だった。開口一発、受話器の向こうの人物は言った。

「あなたのお母さんが今朝亡くなったそうよ」

すぐに振り向いた。受話器は手から滑り落ち、男を凝視することしかできなかった。

「君は」

しばらく天を仰ぎ見ると

「私のことを知ってしまった。そしてこの手帳のことも。予定は全て順調だったのに……しかし、君が私を知ることもまた予定だったです」

まだ、入店間もない男はカウンターに札をおいてゆくと、入り口で立ち止まった。

「ここのコーヒー、まるで生き返るかのようです」

そういうと、会釈して音もなく店を後にした。男がほとんど飲んだ形跡のないはずの、コーヒーカップの中身は空になっていた。


「まるで、生き返るかのようです」

◎質問者からの返答

すごく不思議な話でした。

ありがとうございました。


5 ● Ayukawa
●10ポイント

「その日は秋になって初めて冷え込んだ日で、あの人は厚手のジャケットを着ていたね」

マスターは白い眉毛が覆い隠している目をさらに細め、記憶を辿るように話出した。

「霧雨だったので傘もささずに店に入ってきて、ジャケットの肩は濡れていたよ。タオルを差し出した私に、ありがとう、と。そういえば、それが初めて聞いたあの人の言葉だったかな」

マスターは私の方を見て、内緒話をするように声をひそめて続けた。

「それ以降は、毎回「ブルーマウンテン」と「ごちそうさま」だけしか聞かないな……」

内緒話はそれで終わり、わたしは棚の整理を始め、マスターは裏へ行ってしまった。

1時間後……

あの人は立ち上がり、テーブルの上に800円を置く。

そして、

「ごちそうさま」

店を後にした。

◎質問者からの返答

静かな余韻ですね。

ありがとうございました。


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