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【ハード・ボイルドはてな】
[ハードボイルド小説を募集します]
ハード・ボイルドというと、つい刑事とヤクザ、刑事と犯人、探偵と事件という展開を想像しがちですが、江戸時代を舞台にした『鬼平犯科帳』のようなものでも構いませんし、中世西洋を舞台にしたダーク・ファンタジーでも構いません。ハード・ボイルドであれば発想は自由です。

条件:
・最低、400字詰め原稿用紙10枚分、3000字程度(全角)を条件とする。
・ハード・ボイルドですから、ジャンプ漫画風の作品、萌え属性の作品はご遠慮ください。こういった作風の場合、返信欄にハード・ボイルドなコメントを書き込む可能性があります(笑)。
・作品の批評はコメント欄にて行っても構いません。ただし、礼節を持って、良いところ、悪いところを冷静に分析の上、書き込みましょう。コメントによる批評はポイント配分、いるか賞の配分に影響を与えます。

※文字数の計算は
『Text Analyzer (Windows95,98,Me,NT4.0,2000,XP)』
http://home4.highway.ne.jp/efu15/Txal.html
などで自動計算することが可能です。全角の計算はメニューの[解析]から行う事が出来ます。

●質問者: ElekiBrain
●カテゴリ:芸術・文化・歴史
✍キーワード:Analyzer Windows95 XP いるか賞 はてな
○ 状態 :終了
└ 回答数 : 1/1件

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1 ● miyahiko
●60ポイント

「ジョニー!仲間がやってきた!私達は助かったんだ!」

空爆の燃え盛る中、煤けた姿の彼女はそう叫んだ。

死者3,100,000名。世界大戦末期で最も被害の出た事件だった。

「ジョアンナ。俺はもうそんなに長くない、被爆する前に

おいていってくれ。私達はいつも一緒だよ。たとえ離れていも」

彼がそういうと、なにいってんのとばかり肩を引っ張りあげて、

一緒に歩きだす。もう少しで塹壕から出れるだろう。

「誰かいるのか?いたら返事しろ!」

遠くからこちらのほうに声が近づいてくる。

私達は助かった。大勢の死者を出したこの事件を後世まで

語りつなげなければならない。そのためにもなんとしても、生きる。

私は渾身の声で叫ぶ。

「こっちよ!まだ私達が残っているわ!」

ガザッザッと走る足音がいくつか聞こえてくる。目の前に現れたのは、味方の

特務衛兵だった。こちらを見て驚いているようだ。これだけの空爆で

生き残っているのは私達ぐらいしかいなかったので当然といえば当然だが。

「生きていたのですね・・。良くご無事で・・・。」

特務衛兵は穏やかな表情を浮かべる。肩のレッドスターが眩しく見えた。

「ええ、助かったわ。J??」

ドン。破裂音が塹壕に響く。空爆の音と重なって何かは解らなかった。

ジョニーは息絶えた。

「何をするの?」

静かに味方の特務衛兵が口を開く。

「私は、愛する2人を助けたい。」

「なにを??。」

彼女が言葉を吐き出すよりも速く、乾いた銃声が彼女を黙らせた。

「・・私は、2人を助けたいんだ・・・。」

死者3,100,000名。世界大戦末期で最も被害の出た事件だった。

後にコード468事件と呼ばれる。

==========3年後=============


「おいジョン。仕事はいいから書類を片付けろよ。今日はジョースターさんに会いに行く日だろ?」

二日酔いの私に、ジャックが声をかける。世界大戦が終わってから3年が経過していた。

しかし、まだどの街も復旧にまで至っていない。

「ジャック、そんなにあわてるな、まだ2時間以上も在るんだ。」

私は、この街で特務警官の任務を担っている。ジャックは私の相棒だ。

「ジョン。真面目すぎると肩凝るぞ?

まだまだ仕事なんてたくさん在るんだ、終わるまでそのペースでやる気か?」

バサッと30センチ近くある書類の山をわざとらしく叩く。

この書類は街の復旧依頼や、強盗、殺人といった犯罪を主とした報告書だ。

まだ戦争の名残か、犯罪は増加する一方だった。

ジョンを無視してたまった書類をかたづけていく。

「あーあ。何が悲しくて戦闘のプロが書類整理しなきゃならないんだ。

レッドスターの名が泣いちまうぜ。」

「・・ジャック、特殊任務ばかりが我々の仕事じゃない。」

はいはい、と適当に返事を返して彼は休憩に入る。

私は、彼の腕は認めるが、サボる癖は好きじゃない。

「??よし、終わった。じゃ、行こうかジャック。」

「・・おう。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

「チーフ、お久しぶりです。」

私はジョースターさんの家に着くと軍隊式の挨拶で敬意を示す。

日ごろ大雑把なジャックもこと時だけはきちんとしている。

チーフはレッドスターの中でも群を抜いて戦闘力に優れており、

また、人望も厚い。

「ああ、よく来ましたね。ジャックにジョン。

どうぞ中に入ってください。」

戦争中、軍から死者をださなかったとして、特別勲章をもらっている。

私達も、このチーフのグループで行動できたことを誇りに思っている。

「さあ、久しぶりの再開だ。無礼講で飲もうじゃないか。あと、もうチーフは止めてくれ

戦争は終わっているし、思い出したくない。ジョースターでいいよ。」

チーフは得意の料理をすでにテーブルに用意して、私達を待っていてくれた。

あそこまで実績を出しながら、気面ない態度が人望の秘密なのだろう。

私はそういった部分でも尊敬している。

「ジョースターさんこれおいしいですね。」

ジャックはもうすでに料理に手をつけていた。

「おいジャック。」

私が止めようとするのを、ジョースターさんが手で制する。

「では、いただこうか!」

ジョースターさんがそういうと、久しぶりのグループでの会食を始めた。

このメンバーだと話が盛り上がる。私も調子に乗ってしまうぐらいだ。

息子がどうだ、最近の街は、戦争のときはどうだというたわいのない話で

談笑する。

「??でも、最終決戦の時は正直危ないところでしたね。ジョースターさんがいたから助かったような

もんですよ。」

と、饒舌気味なジャックが言う。ジョースターさんは少し複雑な表情で

「その話はよせ。そのために多くの市民が亡くなった。」

ジャックはしまった。といった顔で固まる。

「すまなかった。ジョン」

「・・・・。」

私は、無表情にワイングラスを見つめていた。

確かに、生存していた市民を乗せてそのまま出向する予定だった運送ヘリに

機転をきかせて軍隊を乗せたのはチーフのお陰だった。

私達は、現場に残って玉砕する覚悟だったが、幸運にも2名分の空きがあった。

それに便乗したのだ。

その時にはすでに戦死していたとはいえ、市民を3万人近く残してきたのだ。

私の婚約者、ジョアンナもその中に含まれていた。

「ジョン。まだお前はコード468事件を追っているのか?」

ジャックが言う。

私は縦にうなずいて肯定の意を表す。

「・・・ジョン。戦争は終わったんだ。復讐は、復讐しか生み出さない。万一犯人に会ったとしても復讐はいけないよ。」

ジョースターさんは優しく私を諭す。

「ーーご馳走様でした。ジョースターさん」

私はそれだけ言って、チーフの家を後にした。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「なあ、ジョン、俺が悪かったよ。今日はおごらせてくれよ。」

ジャックが後ろからついてくる。

私もこのまま帰れる気分ではなかった。

「な、一緒に飲みなおそうぜ!ほら、ここいつもの」

ジャックが指を指す方向に行きつけの酒場が会った。

どちらかというと癖のある奴が集まる荒くれ者の酒場だ。

今日も大盛況のようで、野太い笑い声が中で響いている。

私が中に入るとジェニファーが待っていた。

「あら、ジョンにジャック、二人おそろいね。」

変装、偽装なんでもありの特務衛兵、

隠密部隊の一員だ。

美人では在るが、軍隊独特の雰囲気を

持っており、普通の男は声をかけるのさえ

ためらうだろう。

「やあ、ジェニー」「よう、ジェニー」

私とジャックは似たように挨拶する。

「ジョン?どうしたのうかない顔して」

心配そうに私の顔を見上げる。

そのままニコッと笑うと

「ジョン寂しいなら私がお相手してあげるわよ?」

と冗談か本気かわからないことを言う。

「よせ、ジェニー。今はそっとしてやれ」

ジャックがそっとジェニーの肩をそえて私からずらす。

「・・また婚約者のこと?」

「マスター!ビール3つ、くれるか?」

とジャックが話をずらす。

「ジェニーもその場にいたんだんだよね?」

私は毎度同じことを聞くなと自嘲しつつまた聞いてしまう。

当然、468事件の現場のことだ。

「いたわよ、だけどジョアンナさんにはあっていないわ。」

いつもどおりの答えが返ってくる。

酔いも手伝っていつもより突っ込んだ質問をする。

「ジェニーはその時どんな任務に当たっていたんだい?」

「それは・・・禁則事項だわ。」

と言いよどむ。まあ当然だろう。隠密部隊が秘密をしゃべれるわけがない。

ビールが三つ、ドンっと置かれる。

「ジョン、私はきっと良いお嫁さんになるわ。ね?今のうちに手をつけといたほうがいいわよ。」

ジェニーもどんどん酔いが回っているようで、私に絡んでくる。

「ジェニー、俺はダメなのかい?」

ジャックが無謀なことを言う。

「あんた、奥さんと子どもいるでしょ!」

案の定ばっさり切られる。

そんなやり取りを何時間か続けた後、私とジャックは酒場を後にした。

ジェニーは泥酔しているが、まあ彼女なら大丈夫だろう。

「ジョン・・・。あーもうジャックでもいいかも!」

女一人で酔いつぶれかけていた。

そこへ、男が2?3人連れでジェニファーをはやし立てる。あわよくばといった感じだ。

「ようジェニー。お気に入りにまた振られたのかい?」

「俺達と一緒にどうだい?」

介抱する気は全くないらしい。

ダンッと激しい音がした。ジェニファーがテーブルを壊した音だった。

騒がしかった喧騒がいっせいに静まる。

ジェニファーの殺意のある瞳に気おとされて、男達が凍っていた。

「・・ジェニーって呼んでいいのはあの二人だけよ。」

ジェニファーは、場を凍られたまま、酒場を出て行った。

「・・私は信じない。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「おはようジョン。」

「おはようジャック。今日は早いな」

珍しくジャックが先に来ていた。

「ああ、ジョンの書類を少し手伝ってやろうと思ってね。」

その割には、書類が余計まとまっていない気がするが。

まあ、大雑把だからな。昨日の件も含めて少しだけ感謝した。

「ありがとう。実は今日現場に行ってみようと思うんだ。」

「!現場ってあの現場か?」

私はうなずく。

「止めといたほうがいいんじゃないか?まだあそこは復旧どころか遺体まで

片付けてないんだぜ?」

ジャックはとても嫌そうだ。

「いや、もしかすると手がかりがつかめるかもしれないんだ」

ビー・ビー・ビー・ビー・ビー

当然呼び鈴が鳴る。

「おい、ファイブだぞ?」

ジャックが緊張気味に言う。

ベルが5回ということは緊急任務だ。

私は書類を持って現場に向かう。

急いで集合場所のジョースター家に向かう。

ジョースターさんはすでに然るべき準備を整えて待っていた。

「遅くなりました!ジョースターさん!」

「よくきた。話は車の中でする。現場はコード468だ。」

お前達すまない、と一人ごとで呟いたジョースターさんを

私は聞き逃さなかった。

車を運転しながら、私はジョースターさんの任務を聞き取る。

468事件検証で保護されている特定地域に元衛兵が侵入し、

破壊活動をしているという。遺体の金品が目的だろうが

プロとなると少々厄介だ。現在3人確認されているらしい。

現場に到着すると、ジョースターさんから指示が飛ぶ、

私・ジャックで突撃し、ジョースターさんが後方支援に当たる。

「できるだけ現場を荒らさせるな。お役所からの命令だ」

「今から作戦に入る。ヒト・マル・サン・ゴー。開始!」

私とジャックは、ビルの陰から犯人を割り出す。

いくらレッドスターとはいえ油断すれば返り討ちになる。

バン。バン。銃声が2発。あの塹壕から飛んできていようだ。

目でジャックと確認する、ジャックはスタン・グレネードを

1つ投げた。閃光と爆音が響く中、突入する。

「ジョン、左に気をつけろ!」後ろから声が来る、前に私の左肩が

打ち抜かれる。私はそのまま倒れて、ジャックはそのまま突入した。

「ジョン大丈夫か?」ジョースターさんが駆け寄ってきて、一番近い

瓦礫に飛び込む。

私はジョンとはぐれてしまったが、そのまま突入した。

案の定スタン・グレネードでもがいている獲物が2人いた。

手早く縛ると、二人放り投げる。

「よし、出来上がり!」

ジョースターさんが300m上方のスナイパーを倒すと、

もうすでに銃声は聞こえなかった。私は、念のため特殊鋼弾を獲物に

詰めると、ジャックのいる塹壕に突入する。

「ジャック!無事か?」「お前こそ」

お互い声を掛け合う。特に問題はないようだ。

「??よし。君達動くな。銃を静かに下に置くんだ。」

ジョースターさんの声が塹壕に響く。

その手には、拳銃が握られている。

「チーフ?どうされたのですか?」

私が答える。ジョースターさんはさびしそうに私達を見た。

「・・私は本当はお前達2人とも助けたかった。だが、もうここまでだ、すまない。」

私はジョースターさんが言っている意味が理解できなかった。

「チーフ?」

「つまりはこういうことよ。」

聞き覚えのある女性の声がした。

「ジェニファー・・」

私はついフルネームで呼んでしまう。その手にはやはり拳銃が握られている。

なぜ塹壕の奥にいた?

「レッドスターに戦時中同胞殺人の容疑がかかっているの。遺体から特殊鋼弾が発見されたわ

レッドスターのメンバーは3名。ジョースターさんはすでに取り調べは済んでいます。

つまりあなた達のどちらかが同胞に対して拳銃を発砲したということになるわ。残念だけど。」

ジャックが叫ぶ。

「嘘だ!何かの冗談に決まっている!これはハロウィーンのドッキリか何かだろ!!」

しかし、張り詰めた沈黙が冗談ではないことを証明していた。

私は、何がおきているか解らなかった。私が犯人?ありえない。それじゃジャックが?

それもありえない。何がおきている?

「昨日発掘された特殊鋼弾が二つ在るわ。」

ジェニーが目をそらしたその刹那??

私はジェニーに向かって体当たりをぶちかます。

スタン・グレネードをついでにおいて塹壕の奥へと走り抜ける。

「よせ、ジョン!」

チーフが叫びながら威嚇射撃を試みるが、もうすでに遅かった。

閃光と衝撃が今までいた場所からはじけてくる。

「まて、ジョン!」

ジャックが私の後からついてくる。

私は、ジェニーからぶんどった特殊鋼弾を取り出し、

弾痕照合の書類数枚から、誰のものか割り出す。

走る足が遅くなり、やがて、止まる。

後ろからついてきたジャックもそれに合わせて止まる。

私はもし犯人が特定できたら怒りで我を忘れるだろうと

思っていた。しかし、実際現実になってみると意外と

冷静だということに気がついた。

「なぜ殺した?」

普通に質問する。

「ちょっと待てよ、あんな話を信じるのか?俺達は仕組まれたんだよ。」

ジャックは平然と言ってのける。

「嘘だ。きちんと弾痕が残っていたことは私も確認している。」

はらはらと書類をジャックの足元にばら撒く。

「なぜ殺した?ジャック?」

ジャックは黙って私を見つめている

「黙るな!なぜ殺したと聞いている。」

「・・・私はジョースターさんとジョンを生き残らせたかった。」

ジャックが少しずつしゃべり始める。私はできるだけ冷静に理解しようとしている。

「そんなの理由になるか!」

声がどうしても荒くなる。

「もし、運送ヘリに空きがなかったら俺達は犬死にしていた!

俺達は生き残って市民を守る義務が在る!」

ジャックも釣られて大声になる。

私はジャックの言葉が理解できなかった。自分の命を懸けて一人でも多くの

市民を救うことにこのレッドスターの意味が在るはずだ。

「俺はそんなの認めない!!いったいお前はジョアンナ以外に何人殺した!」

「・・・・・・・・・・ジョアンナ・・1人だ。」

ジャックはポツリと答える。

私とチーフはジョアンナを犠牲にして助かったというのか。

そんなの認めない。

「・・ジャック。・・決闘だ。」

私はそう告げると、特殊鋼弾入りの拳銃を取り出した。

「よせ!ジョン!私はお前を殺したくない。お互い無駄死にになる!」

「だったらお前が死んで償え。ジャック」

「やめろ!」

ドン。破裂音が塹壕に響く。二つの音が重なって何かは解らなかった。

??私は大切な相棒を撃ち殺してしまった。ことが起こってから

自分自身が何をしでかしたか理解できないでいた。

ただ、目の前の相棒がすでに息絶えていた。お互いの志をかけて。

私にとって、信念とはなんだったのだろう。涙だけが感情を表していた。

いつまでも止まらない。

遠くから女性の足音が聞こえてくる。女性は二人を確認すると、

拳銃を私に突きつけた。女性も泣いていた。

「なぜ殺した!・・なんで死ななきゃいけないんだ!答えろ!!

?????ジャック!!!」

「・・もうどうでもいい・・もういいんだ・・私を殺せ。ジェニファー。」

「当然だ。私の大事な人を亡き者にしやがって死んで償え!」

再度拳銃の発砲音が響く。

弾丸はやすやすと人の頭を貫くことができる。

しかし拳銃自体は貫けなかった。

「!!」

ジェニーの拳銃が弾かれる。

「よせ。ジェニファー。戦争はもう終わっているんだよ。復讐は復讐しか生み出さない。

ジャックは法廷で裁かれるべきだ。」

ジョースターはそういうと泣きじゃくるジェニファーの肩を抱いてやった。

ジャックに手錠をかけた後、ジョースターは胸についている勲章を剥ぎ取り、持っていた

拳銃で打ち抜いた。破片が地面にはらはらと落ちていく。

「イチ・ニー・マル・マル。作戦完了!死傷者2名」

形式的な言葉がどこまでもむなしく響いた。

◎質問者からの返答

まず、けして悪意や中傷の意図がないことを先に表明しておきます。

実は、書いてくれたことに関してはこの上なく感謝しています。

私の質問には、なかなか回答者がつかない傾向にあるので、本当に助かります。

ただし、感想は率直に書かせていただきます。


悪い点

(01)ジョアンナの容姿の描写が冒頭にありません。

煤けた姿、とあるが、どのような色合いで煤け、着ていた服の色はいかなるものであったか。また、どのような調子でジョアンナは叫んだのか。後にジョアンナの記述がありますが、読み直して始めて冒頭にジョアンナが出現していたことに気がつきました。


(02)その直後に世界大戦の説明がありますが、やや説明を省略しすぎの感を受けます。現在の情勢はどのような情勢で、時の総理(大統領?)はいかなる判断をこの国で下したのか。大戦の概要。


(03)全体的に情景描写が少なすぎます。例えば……、

[遠くからこちらのほうに声が近づいてくる。]

を、

遠くからは爆撃音がひっきりなしに聞こえてくる。それは、上空から飛来する、悪魔の様相を呈した爆撃機からだった。黒いエイのような機体を持つ奴らは、私たちの頭上から排泄物みたく、丸い、シルバーの雨を降らせると、大地を揺さぶり、えぐり取ってゆくのだ。

地響きが腹の底まで伝い、そのたびに砂煙が立ち上った。熱と光は辺りの視界を著しく遮り、逆に私たちの行方をくらませることになった。その間だけは、あの悪魔に狙われずに済む。ここでの希望は、せいぜいそんなものでしかない。

突然、砂煙の向こうから、かすかな声が聞こえた。そいつは次第に爆音の嵐よりも強くなり、やがて大きな音となって二人の耳に飛び込んできた。

「誰かいるのか? 居たら返事しろ!」

とすると、より情景が浮かびやすいかも知れません。本当は、彼らが立つ大地の惨状、即ち、倒れた兵士の亡骸、散乱するトーチカの跡、助けてくれと叫ぶ半死半生の民間人、それらに手が回らず、死にゆく様をただ黙って見守るしかない主人公達など、挙げればきりがありませんが、ここはストーリー展開のスピード感を考えて、ある程度省いてみました。

また、同時に彼らの心理描写なども必要でしょう。いったいこの状況を彼らはどう感じていたのか、どうやって切り抜けるつもりなのか、という描写です。


(05)

肩のレッドスターが眩しく見えた。

ここも最初に詳細を説明すべきだったかも知れません。後、徐々に判明しますが、そういった手法を取る場合、

肩にある腕章には、泥と砂煙でよく見えない。だが、特務衛兵の肩に見えるのは、紛れもないレッド・スター。そいつは埃と泥をかぶっていて薄汚れてはいるが、窮地の私の目に、まぶしく輝いた。

と、レッド・スターの特別性を一言書いておくべきだったと思います。レッド・スターが唐突に出現すると、結構面食らいます。あと、余談ですが、仮にこの状況で衛兵が穏やかに笑ったとしても、爆音と共に真剣な表情に戻るほうが緊張感があっていいかもしれません。また真剣な表情のままであるという手もあります。


(06)

ジョニーは息絶えた。

すみません、怒られるかも知れませんが、吹き出してしまったのも事実です。唐突に、情景描写どころか台詞もなく「ジョニーは息絶えた」と書かれると、さすがにツボにはまらずにはいられませんでした(申し訳ない)。


(07)

世界大戦が終わってから3年が経過していた。

どのように3年が経過したのか、ちょっとした経過課程が書かれていると、今の現実との対比があり、よりよい表現になったかと思われます。


(08)

私は、この街で特務警官の任務を担っている。ジャックは私の相棒だ。

ジャックとジョンの話が、一行で纏まるはずもなく、やや説明不足の感があります。特務警官の心の愚痴(心理描写)の一つでもあれば、洒落た文章になった可能性大です。また、ジャックとの友情エピソードを主人公が一人で思い返すようなエピソードも、わざとらしいですけど、必要かと思われます。


(09)

「??よし、終わった。じゃ、行こうかジャック。」

終わるのが早すぎます。時間経過を大事にしましょう。なにせ、

書類の山をわざとらしく叩く。

ほど書類が積み重なっているのですから。


(10)

私はジョースターさんの家に着くと軍隊式の挨拶で敬意を示す。

日ごろ大雑把なジャックもこと時だけはきちんとしている。

チーフはレッドスターの中でも群を抜いて戦闘力に優れており、

また、人望も厚い。

チーフの身体的特徴と、容姿が描かれていません。家の内部描写も欲しいところです。ついでに、外の状況も書きましょう。今は昼でしょうか、夜でしょうか。カラスは鳴いてますか? フクロウは鳴いてますか? それとも喧噪響く都会の夜? 朝日は昇っていますか? それとも、燦然と輝く太陽が窓から射し込み、部屋の情景を二色のコントラストで彩る、昼間でしょうか。


(11)

あそこまで実績を出しながら、気面ない態度が人望の秘密なのだろう。

私はそういった部分でも尊敬している。

「そういった意味でも」、とあるからには、他の尊敬理由が書かれるべきです。


(12)

ジャックはもうすでに料理に手をつけていた。

「おいジャック。」

私が止めようとするのを、ジョースターさんが手で制する。

これでは喧嘩の仲裁のようです。これを、

ジャックの奴は、予想通りというか、いつものノリで既にテーブルのチキンを手にとって頬張っていた。モシャモシャと、うまそうにチキンを平らげるジャックに対して、私は少しだけ声を荒らげた。

「おい、ジャック」

だが止めようとするところを、ジョースターさんが肩を叩き、私の方を向いて子供のように微笑んだ。

とすると、穏和なジョースター氏の人柄が伺え、良かったかも知れません

(※ところで、彼はやはり、ハーミット・パープルを使って、巧みに食事を摂るのでしょうか……冗談です)。


(13)

私が中に入るとジェニファーが待っていた。

「あら、ジョンにジャック、二人おそろいね。」

変装、偽装なんでもありの特務衛兵、

隠密部隊の一員だ。

美人では在るが、軍隊独特の雰囲気を

持っており、普通の男は声をかけるのさえ

ためらうだろう。

「軍隊独特の雰囲気」に対する説明があれば、よりリアリティが感じられたと思います。即ち、彼女がいかに優れた戦闘員であるか、ということです。

説明があれば、自ずと声がかけづらい雰囲気も伝わるのではないでしょうか。


(14)

ジャックがそっとジェニーの肩をそえて私からずらす。

これはきっと、「ジャックがそっとジェニーの肩に手をそえて私からずらす。」だと思うのですが、そこは重箱の隅をつつく感じなので、あえてこれ以上は申し上げません。かくいう私も、書き終わった後で誤字、脱字が大量に見つかるタイプです。

しかし、「ずらす」という表現がちょっと気になります。

ジャックがジェニファーと私の間に指先を滑り込ませ、割ってはいる。

というくらいが丁度良いのではないでしょうか。これは、後で出現する「ジャックが話をずらす」も同様です。この場合、「話をそらした」と書く方が良いと思います。

また、例文ではあえて人名を「ジェニファー」と書き直していますが、これは、キャラクターの台詞は「ジェニー」であっても、台詞を除く文中の表現では「ジェニファー」で統一した方が、見る側にとって混乱が無くて済む、という考えからです。


(17)

「!現場ってあの現場か?」

頭にエクスクラメーションが来るのは、いただけません。

「!」

ジャックの目が驚嘆のあまり、一瞬大きく見開かれた。

「現場って、あの現場か!?」

と間にワンクッション置くと、緊迫感がより引き立ちます。


(18)

ビー・ビー・ビー・ビー・ビー

当然呼び鈴が鳴る。

「おい、ファイブだぞ?」

ジャックが緊張気味に言う。

ベルが5回ということは緊急任務だ。

私は書類を持って現場に向かう。

擬音を多用すると、読み手に聞こえる音が均一になります。それはつまり、どんな音が聞こえているかを逆にイメージしづらくなるということでもあります。出来るだけ、他の表現で代用しましょう。また、ここでも、どこから鳴った音なのか、という記述が不足しています。

私の腰に巻かれていた無線機から、突然アラームが鳴り響いた。私とジャックの動きが一瞬にして固まった。

不協和音に無理矢理エコーを聞かせたような不快な音は連続で五回鳴り、死に神が呼びかける合図であることを我々に知らせた。

「おい、ファイブだぞ?」

ベルが5回、それは緊急指令の合図。

私は凄まじい早さで身支度を調えると一挙に部屋を飛び出した。

一分。

長い訓練と血塗られた修羅場を駆け抜ける中、身についた動きだった。私は書類を小脇に抱えたまま、ひたすら現場へと疾駆した。

緊張感を持たせましょう。


(19)

「今から作戦に入る。ヒト・マル・サン・ゴー。開始!」

このしゃべり方からして、日本なのでしょうか。いえ、それともアメリカなのでしょうか、はたまた、アナザーワールドでしょうか。ここで、(02)にて説明した、舞台設定の重要性が再び浮上します。


(20)

ジョースターさんが300m上方のスナイパーを倒すと、

もうすでに銃声は聞こえなかった。私は、念のため特殊鋼弾を獲物に

詰めると、ジャックのいる塹壕に突入する。

「ジャック!無事か?」「お前こそ」

お互い声を掛け合う。特に問題はないようだ。

特殊鋼弾とはいかなる弾丸であるかが見えません。ここでも、俯瞰した絵が無く、塹壕が突然登場します。スナイパーもどこにいて、どういう場所に潜んでいるのか、判然としません。また、主人公が味方であるジャックの塹壕に「突入」したのでは、ジャックもたまったものではありません。

そこで、

遙か上方には、一見何もないかのように見える。しかし、我々の目を欺くにはまだまだ早すぎる。我々はレッドスター、生え抜きの精鋭にはその手は甘すぎだ。

隠された塹壕から光る銃身を見た瞬間、ジョースターの銃口がそいつに向かって火を噴いた。

前のめりになって、黒ずくめの覆面をかぶった男が塹壕のわきにうなだれるのを、ジョースターはスコープから確認した。背中には貫通した弾丸の跡と、太陽に揺らめく赤黒い血が流れていた。

スナイパーに止めが刺された事を確認すると、ジョースターは私にOKサインを送った。私は特殊鋼弾に弾丸を機械的な動作で詰めこんだ。学校時代の鬼軍曹が銃弾の装填を一分で済ませろ、と言っていたのを思い出す。こいつは存外強力な拡散弾で、当たれば人体はまず間違いなくミンチになる代物だ。

まだ、どこかに奴らがいるとも限らない。私は周囲を警戒しながら、出来るだけ迅速にジャックの元へと走った。やがて、ジャックの塹壕が、乾いた砂煙の舞う先に姿を現した。

厳重な警戒にもかかわらず、敵の反撃はなく、私は無事ジャックの塹壕に滑り込んだ。それを見たジャックが私の方へと振り向き、緊張した顔を一瞬でほころばせた。

「ジャック! 無事か?」

ジャックは余裕さ、といわんばかりに、口角を上げてにやりと笑った。

「お前こそ」

ジャックの表情がここでニヤリとするのが、作者的にはNGかも知れませんが、おそらくジャック今までの性格を考えると、後の動機を隠してここでニヤリとする方がジャックらしいと言えるでしょう(お気に障るかも知れませんが)。

なお、情景はいくらか省略してあります。300メートル上方というからには、本当は撃たれた敵を、西部劇みたく落下させても良かったのかも知れません。

特殊鋼弾の「拡散弾」という記述は特に考えずに、あくまで参考程度に入れてみました。改ざんの意図はありません。

ジョースターに関してですが、“さん”付けで呼ぶのは台詞だけに統一した方が良いと思います。


(21)

私は、何がおきているか解らなかった。私が犯人?ありえない。それじゃジャックが?

それもありえない。何がおきている?

焦った真心理を描写したかったのでしょうが、「ありえない」の連続は読者としてはすっきりしない印象を受けます。


(22)

私はジェニーに向かって体当たりをぶちかます。

スタン・グレネードをついでにおいて塹壕の奥へと走り抜ける。

「よせ、ジョン!」

チーフが叫びながら威嚇射撃を試みるが、もうすでに遅かった。

閃光と衝撃が今までいた場所からはじけてくる。

「まて、ジョン!」

ジャックが私の後からついてくる。

ついでに置く、という表現が、あまり的を射ているような気がしません。また、「はじけてくる」の二段使いも気になります。「ぶちかます」ではなく、「ぶちかました」、の方がこの場合は良かった気がします(この辺は意見が分かれるところでしょう)。

私はジェニファーに向かって突進すると一挙に体重を乗せ、ぶちかました。刹那、手に持っていたスタン・グレネードを地面に放る。出来るだけ目配せせず、相手の隙を突いた瞬間に転がすと、私は身を翻して向かい風へとダッシュした。

遠く後ろから銃声が聞こえ、そのたびに小さな砂煙が噴水のように立ち上がる。ジョースターの威嚇射撃だった。私は振り返りはせず、そのまま前方だけを凝視して走った。

息を荒らげて突っ走る私の背後で閃光が炸裂し、私の前へ白と黒のコントラストを作り出した。威嚇射撃の銃声が一瞬止まったのが分かった。置きみやげは功を奏したらしい。

「まて、ジョン!」

ジャックが目を閉じたまま走ってくる。この方向感覚の凄まじさは、奴の歴戦の証だ。


(23)

私は、ジェニーからぶんどった特殊鋼弾を取り出し、

いつぶんどったのか、説明が欲しいところです。この流れでいうと、体当たりをした瞬間に奪い取ったのでしょうが、その事実を読み手に隠したいのであれば、せめて複線張りをすべきです。


(24)

私はもし犯人が特定できたら怒りで我を忘れるだろうと

思っていた。しかし、実際現実になってみると意外と

冷静だということに気がついた。

なぜいきなり冷静さを取り戻すのか――なのですが、これは最近私もやってしまったことがあります。長文を書くとどうしてもディテールが甘くなります。お互いがんばりましょう。


(25)

はらはらと書類をジャックの足元にばら撒く。

すみません、ここは作品の組み立てにも関係し、もっとも神経をとがらせる部分だと思いますので、あまり言いたくは無かったのですが、ジェニファーにタックルし、スタン・グレネードを置いてゆき、さらには手品のようにいきなり書類が現れると、さすがに、

「耳がでっかくなっちゃった!」

と書かざる得ません ○| ̄|_ 。


(26)

「俺はそんなの認めない!!いったいお前はジョアンナ以外に何人殺した!」

「・・・・・・・・・・ジョアンナ・・1人だ。」

序盤のジョアンナの描写が甘く、また、中盤以降にも回想シーンとしてジョアンナ像が描かれているわけでもありません。しかし、件のジョアンナは終盤に突然出現します。印象深いシーンに入る前に、キャラクターを印象づけましょう。


(27)

「・・ジャック。・・決闘だ。」

私はそう告げると、特殊鋼弾入りの拳銃を取り出した。

「よせ!ジョン!私はお前を殺したくない。お互い無駄死にになる!」

「だったらお前が死んで償え。ジャック」

「やめろ!」

ドン。破裂音が塹壕に響く。二つの音が重なって何かは解らなかった。

決闘はかなりの見せ場です。事細かに、流れるような文体で、かつ詳細に全ての状況を描写しましょう。風景、風の向き、砂煙、心臓の鼓動、ジャックとの思い出、時間はゆっくりと動いているのか、それとも止まっているのか。

「ドン」はまずいです。


(28)

遠くから女性の足音が聞こえてくる。女性は二人を確認すると、

拳銃を私に突きつけた。女性も泣いていた。

女性の足音を明確に聞き分けることはできません。また、聞き分けることが出来る、という設定ならば、複線を張るべきです。そして、ここでは女性、とあえて伏せて書かず、状況が分かり切っているのですから「ジェニファー」と率直に書くべきでしょう。登場人物も、ここではジョースターと主人公とジャックとジェニファーしかいません。


(29)シナリオ全体の事について

実は、復讐劇や、男の友情・裏切りに関しては私の好きな分野で、以前、私もこういったジャンルの話を書きました。最近開催された「燃やし賞」用にです。その完全版は私のダイアリーに置いてあります(数日経って今読むと欠陥だらけです)。

http://d.hatena.ne.jp/ElekiBrain/20061026

(2006/10/26日に掲載。ジョニーという名前がかぶっていたのは驚きました。ですが、全くの余談になるので、ここまで書きませんでした。id:miyahikoさんは意図せずかぶったのだと思います)


閑話休題。シナリオ全体のテイストは良いかもしれませんが、もっと戦場にあるドロドロ感だとか、深い傷を心に負っているにもかかわらず、それを押し黙ってクールに振る舞う主人公だとか、静かな口調と何も語らないはずの背中が語り、男の生き様がにじみ出るとか、そういう設定が欲しかった。

ハード・ボイルドとはそんなものだと私は解釈しています。






良い点

(01)

「なぜ殺した!・・なんで死ななきゃいけないんだ!答えろ!!

?????ジャック!!!」

この台詞がもし、

「なぜ殺した! ……なんで死ななきゃいけないんだ! 答えろ!!

ジャーーーック!!」

とハリウッド風になっていたら、結構白けていたことでしょう。良い書き方だと思います(個人的にですが)。




最後に

大作、ありがとうございます。

長文が書ける才能は、文章の才能が伸びない人には全く縁のない世界です。また、そこから文学的表現で物語を書くとなると、さらにその人口はぐっと減少します。そこから推敲を積み重ねて、人が見て恥ずかしくないものを書ける人口はもっと減少するでしょう。その上、そこからドーパミンを放出させるストーリーを組み立てなくてはならないとなると、その人口は限りなく狭まります。ですから書けるだけでも才能だと思っています。

こんなにビシバシきついことを書いた私も、ふと我が身を振り返ると日々駄文を垂れ流す毎日で、他の人たちが書く文章が時に私の中に反省を生むこともしばしばです。

きっと、次回はid:miyahikoさんの“良い点”の項目が一杯になることと信じています。是非、次回応募ではリベンジを。

お待ちしています!

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