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神経線維の太さはミクロン単位でとても細いと言うことですが、その一方で「切断した指を手術でつなぎ、神経もつないだら動かせるようになった」という話も聞きます。
ミクロン単位の神経線維1本1本を外科手術でつなげられるとは思えないので、「神経繊維が束になってある程度太くなっているもの」をつないだということなのでしょうか?
だとすると、その束の中の神経線維はもともとと違うように接続されてしまい、意図したところと別の筋肉が動いたり、皮膚感覚がでたらめにマッピングされたりしてしまいそうな気がしますが、大丈夫なんでしょうか?

http://q.hatena.ne.jp/1163258626 の関連質問です。「運動器・感覚器と脳が神経線維で1本ずつ直接つながっている」ことを前提にしています。

●質問者: takomasa
●カテゴリ:医療・健康 科学・統計資料
✍キーワード:マッピング ミクロン 単位 大丈夫 意図
○ 状態 :終了
└ 回答数 : 3/3件

▽最新の回答へ

1 ● きょくせん
●30ポイント

http://kk.kyodo.co.jp/iryo/news/1022yubi.html

ご指摘の通り、指の接合手術では神経線維一本一本を接合している訳ではなく神経束を接合しているので旧来の神経同志が必ず繋がる訳ではありません。上記サイトではその回復率は70%程度とされていますから、残り30%は誤った接合が起こり機能が失われてしまったという事になりますね。

(実際は繋がった神経ルートによる機能の代替・迂回が発生するので神経が元通りに繋がった確率はさらに落ちるのかな、とも思います。かくいう私も右薬指の指先をプレスで潰してしまい、当初は指先の感覚がなかったのですが、今では感覚もだいぶ戻ってきました。これは多分神経細胞の機能代替?脳神経での再学習/ネットワークの組み変え?が起こったのだと思うのですよ。この辺りのソースがちょっと見当たらなかったので申し訳なく。)

◎質問者からの返答

かなりずばりの事例をありがとうございます。勝手に正しくつながるというのはすごいですね。

あるいは、神経同士は適当につながるだけで、正しく意図したとおりに動くように脳の側でもネットワークの再構築が行なわれるのかもしれませんね。

視界が上下さかさまになる眼鏡をかけても1ヶ月経つと正しい向きに見えるようになるという実験もありますし。

その場合、「どれが正しく意図したとおりで、どれが意図に反している」というのを、どうやって再構築に反映させているのかがなぞです。

本当に神経や脳の働きは不思議ですね。

指の御怪我は大変だったと思いますが、回復されつつあるということで何よりです。


2 ● ichthyostega
●60ポイント ベストアンサー

神経とその終末器官(皮膚の細胞とか筋線維)は完全に一対一ではなく、一本の神経線維に対して複数の終末器官が支配されています。手は細かい知覚を必要としますので神経線維と終末器官との対応は一対一に近くなりますが、太ももとか、粗大な感覚や運動しか必要としない部分は一対一から離れ、一本の神経線維で多数の終末器官を支配しています。また、神経支配は線維間でもその支配領域はオーバーラップしています。例えば、隣の筋線維を収縮させてしまうようにまちがって支配しても、筋全体として収縮すれば問題とはなりません。

そのため、完全に神経線維一つ一つを対応させる必要はないのです。


また、質問者様のご想像通り、神経縫合の際には細い神経線維を一本一本縫合するのではなく、神経の束(神経束と言います)を包んでいる膜(神経周膜といいます)を縫合するのです。あるいはもっと大ざっぱに、神経束を束ねている神経上膜という膜を縫合する方法もあります。いずれも神経線維そのものを縫合するわけではありません。電気コードで例えると、内部の金属の導線をつなげずに、外側のビニールだけを縫合するのです。そうすると、神経線維はそこから縫合したトンネル内を終末器官に到達するまで伸びていきます。そのさい、神経線維は一本当たり百本ほどの線維を伸ばし(イソギンチャクのような感じです)、手当たり次第に伸びていき、終末器官に到達しますが、ここで神秘的なことが起こります。神経線維と終末器官に相性のようなものがあり、相性の悪い神経線維は到達してもつながりにくいのです。相性のいい線維だけが終末器官の細胞とつながることが出来るのです。そうすることで、感覚線維が筋肉に入ったり、運動神経が皮膚につながったりしにくくなっているとされています。

マッピングが変わることはあり得ますが、神経縫合する場合には、顕微鏡を使います。そこで、神経の断面を見て、神経束の形や、神経周囲に沿って走っている血管の形などを参考に、元の形からズレにくいように縫合します。そうすることでマッピング異常を出来るだけ少なくするのです。また、多少のズレがあっても、脳が認識を変えてくれます。そのためにリハビリが重要なのです。


下記のサイトはPDFファイルですが、整形外科医のすべてが知っているというような有名な医学書の神経縫合術に関する部分です。かなり専門的な記載ですが、神経の構造も載っています。よろしければご参考ください。

http://www.elsevierjapan.com/books/detail/campbel/chap59-60_vol8...

◎質問者からの返答

素晴らしい回答をありがとうございます。断面がだいたい揃うように膜を縫い合わせれば、正しくつながる確率が高くなるというのはなるほどです。

神経が1対1の電線のようなものではないことも理解できました。


3 ● katsu
●40ポイント

とても難しい質問ですね。一応私は神経科学の末席におります。専門は無脊椎動物なのですが...

まず、神経のひとつひとつを電線のように考えるのは、ちょっと違います。感覚神経から繊維が全てパラレルに脳へと送られていることをイメージされているようですが、そうではなくて、介在神経も存在しています。

感覚性、運動性いずれにしても、途中で電気的信号の伝導以外に化学シナプスにおける伝達過程も存在します。それ以外にも、神経内分泌的な伝達も存在したり、NOなどの拡散する物質による情報伝達もあり、感覚器、脳、運動器とそれをつなぐ繊維で話ができるほど簡単でもありません。

また、どの信号もただ一方通行で伝わるわけではなくて、途中途中でフィードバック、フィードフォワード的な接続も多くあり、調整、処理されています。が、これらをバックアップする事実は多くありますが、実際にどう処理されているのかに関してはまだまだ分からないことだらけです。

結局、感覚性の信号が「感覚」を生むプロセス、逆に運動性の信号が「運動」を生むプロセスは未だ不明な点が多くあります。

が、少なくとも、途中で数々の分散、収斂過程があるのは確かです。恐ろしく柔軟で精巧なデザインがなされ、さすが、数十億年かけて創られたものです。

たとえば、神経の配線が途中で変わってしまっても、あるいは逆さ眼鏡をつけて情報が変わってしまっても、他の感覚情報を基に狂った情報処理を補償し、適応できるというのは、いかなるメカニズムによるのか。

こういった問題に答えるために、例えば、私の所属している研究室ではザリガニの平衡反射をモデルにこういった問いに答えようとしていたりします(宣伝みたいで申し訳ない)。

http://crayfish3.sci.hokudai.ac.jp/class/graduation/graduation.h...

分からない、分からないという話を解答としていいか、自分でもこんなことを書いてますが厳密さを欠くあいまいな表現になっているのではないか、そんな気がしてますが、思いきって書き込みます。

◎質問者からの返答

いえいえ、何が分かっていないのか、どんな不思議なことがあるのかも、知る価値があることです。

単純な「電線の束」モデルとも少し違うことを教えていただいたのもありがたいです。

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