堅いものをかんだとかだったら、歯根にひびが入ってるかも。
噛み締めるときだけ痛いのなら・・。
ほかの場合も当然あります。単なる1例です。
確率は低いとは思います。
つめた物の高さなどがあってなくて、きちんと噛み合わさってない。
歯科医師です。
その症状は、私達がよく直面する現象です。
M1566さんが虫歯であったことを大前提でお話します。以下、リンク先を参照しながら読んでいただけると、分かりやすいと思います。
http://www.urban.ne.jp/home/tanejiro/kouzou.html
そもそも、歯がしみるようになった時点で、虫歯がご自分が考えていたよりも大きかったり、深かった可能性があります。(逆にそうではない場合もあります。一概に言えませんが、冷たいものが凍みるという症状は、かなり色々な歯科疾患・・・歯周病、咬合性外傷、虫歯などがその最たる代表例ですが・・・によって発現する症状で、虫歯ではなくとも凍みることもしばしばあります。もちろん、そのような場合は歯を削る必要はないことが多いわけですが。)
ならば、なぜそれほどの大きさや深さの虫歯の症状が凍みる程度だったかというと、一つは軟化象牙質という、歯の大部分を成している象牙質が“虫歯菌”によって軟かくなっているものの存在が理由として挙げられます。この軟化象牙質、名前の通り軟かくなって、着色してボロボロなくせに、多少なりとも外界と神経との間で壁・・・バリアの役目を果たしているわけです。しかし、歯科医師としては、虫歯の治療においてこの軟化象牙質を放置しておくわけには行きませんから、基本的には完全に取り除いてしまうわけです。これによって、治療前より却って凍みやすくなったりすることもしばしば起きてしまいます。患者さんが、症状はないけれども、歯に穴が空いていることに気付いて治療を受けに来られ、それを治療すると「最初は凍みていなかったのに、治療が終わったら凍みるようになった。」というような苦情を受けることも多々あります。
さて、M1566さんは、しかしながらその後遺症は出ていないようなので、話を先に進めます。
先述したように、患者さん自身が思っている以上に、虫歯は来院した時点(症状が現れてきた時点((ここで言う症状というのは、痛みだけではなく、患者さん本人が「穴が空いている」と気付くだけに過ぎないことも含みます)))で、既に大きく深くなっていることが多いものです。それで、健康な象牙質などの歯質を残して、深すぎる分には歯科用セメントなどで底上げをするように裏層(この場合、神経側の深い部分を埋める行為)するのですが、更に虫歯の入り口をも大きく削る必要が出てきます。
これも一般の方には案外知られていませんが、歯の構造上、特に初期?中等度の虫歯は基本的に入り口(歯の表層のエナメル質部分の穴)が狭く、中(象牙質部分)で広がることが圧倒的に多いのです。ですから、中で大きくなってしまった虫歯をきれいに取り除くためには、虫歯になっていない虫歯の入り口、すなわちエナメル質を大きく、基本的には象牙質で広がっている虫歯と同等の大きさまで削らなくてはならないのです。これは、患者さんからすると、削りすぎじゃないのかと思われるかもしれませんが、そうしないと実質的に虫歯の治療(虫歯菌に感染した歯質の完全除去)は不可能ですから、不可避なことであるをご了承ください。
そして、結果的に残っている歯質は思っていた以上に薄くなっている部分が出てきます。つまり、『削られてできた穴の底の部分?歯の神経』、この距離が短い、残っている象牙質が薄い部分が存在する、ということです。
ちなみに、現在の歯科医療ではできるだけ歯の神経を残そうとする傾向にありますから、大半の歯科医師はもしかすると、あとで凍みたり、噛んだときの痛みが出るかもしれないと思いつつ、極力、神経を残すように努力しているはずです。逆説的なことを言うと、患者さんから治療が終わった後に、なるべく苦情を言われたくなければ、神経を抜いておくのが無難だとも言えますが、、、ねぇ、やはり、そこは歯科医師としての良心が働くんでしょうね(^^;。神経抜いてれば、凍みることも、噛んで痛むこともないのでしょうけど、それは生きていた歯が死んでしまうことを意味しますから・・・。(誤解されては困りますが、神経を取らなくてはならないことだって、実際には数多くありますからね。神経を取ることが悪い行為だと決め付けるのは止めてくださいね。それが良いことか悪いことかは、状況によって異なりますし、それを判断するのが専門知識を持った私たちの仕事なのですから。)
すみません。また、話がそれてしまいました。話を戻します。
もうひとつ、知っておいて頂きたいのが、歯質、特に象牙質は“しなる”ということです。「硬い歯がしなる?」とお思いでしょうが、確かに表層のエナメル質は人体で最も硬い組織です。ですが、内部の象牙質は、多少なりとも弾力があるのです。行き過ぎた例えですが、比較的若い木の枝と同じようなものだと考えれば分かりやすいかもしれません。折ろうとしても、そう簡単にはポッキリと折れたりはしないですよね。
ここからが本題です。
深かった虫歯は、いくら歯科用セメントなどで底上げをしても、実際に残っている象牙質の厚さは変わりはしません。表面にレジン(プラスチック)を詰めようが、金属を詰めようが、硬いものや歯応えのあるものを噛むと、その圧力が歯の内部に伝わり、残った象牙質にまで力が及びます。圧力を受けた象牙質はごくごくわずかながらしなって(内部に歪んで)更にその内部にある神経を多少なりとも圧迫します。このときに、圧力を受けた歯の神経が、『痛い』と感じるわけです。
これが、元々凍みるだけだった(もしくは何の症状もなかった)虫歯の治療を受けた後、噛んだら痛い症状が出てくる過程です。他にも、いくつかの要因がありますが、大抵の場合は上記のようなことが起きていると、私は思っています。
最後に、M1566さんは、それじゃこの痛みはずっと続くのかと心配されていることでしょうが、これもほとんどの場合は症状が自然になくなっていきます。患者さんたちは、よく「慣れて痛くなくなった。」と言われますが、実際は歯の内部で第二象牙質という生態防御反応の結果、通常の象牙質よりも硬い象牙質が形成されて、それが神経を圧迫する力を止める・・・象牙質が厚くなるからです。
ただ、不安をあおるようで申し訳ないのですが、噛んだときの痛みが尋常じゃないくらいに強いのでしたら、第二象牙質が形成される前に神経が耐え切れなくなって死んでしまったりすることもありますから、強い症状でお悩みならば、(元も子もないことを言ってしまいますがm(__)m)治療を受けた歯科医院に相談されるなり、説明を受けるなりされたほうが良いのではないかと思います。質問文を読む限りは、そう切迫したような印象は受けませんでしたので、それはつまり現状はそれほどひどい症状を起こしておらず、心配する必要はないと思っていますが(^^)
もし、分からないことがあれば、この回答文に質問してください。あと1回は回答できるみたいですから、可能な限り答えてみます。
治療した後、一時的にそうなることはあります。
1週間経っても治らないなら、詰め物の位置が悪い可能性がありますのでもう一度歯医者に行きましょう。