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「トウガラシ日本伝来説」に異論 | Chosun Online | 朝鮮日報
http://www.chosunonline.com/news/20090219000038
特に自国起源や自国領を主張する際、韓国で行なわれる古文書読解が極めて恣意的であることは、今までの経験上多々ありました。
上記記事で『救急簡易方』にあるという「体の具合が悪いとき“トウガラシ(椒)を煮て食べよ”という記述」が本当に椒=トウガラシの意味なのか、「“椒”を“トウガラシ”と明記している」という『訓蒙字会』の原文は救急簡易方の意味も規定できるものなのか、『郷薬集成方』や『食療纂要』の「椒醤」が本当にコチュジャンなのか、原典の記述と合わせてご教示ください。
なお、質問者は単に「事実」を知りたいだけです。朝鮮から日本に持ち込まれたのか、日本から朝鮮に伝わったのか、現時点ではまったく予断を有していません。テキストクリティーク的な視点を含む回答をお待ちしています。

●質問者: 松永英明@ことのは
●カテゴリ:政治・社会 芸術・文化・歴史
✍キーワード:コチュジャン テキスト トウガラシ 事実 原典
○ 状態 :終了
└ 回答数 : 5/5件

▽最新の回答へ

1 ● nozomi_private
●20ポイント

質問とは少し外れた答えになりますのでポイントは結構です。インフォーマルの方でお書きになったことからの連想です。

山椒と言えば中国四川省の麻味と辣味。

そのうち辣味としては三椒と言われ、辣椒(唐辛子)、胡椒、花椒(山椒)があるようです。

http://loveloveyuuyuu.web.fc2.com/folk2/cook/cook4.htm#☆川菜

http://www.oisii-net.co.jp/tousai/0506/tokusyu.html

この三つの椒のうち『救急簡易方』に引かれたのは何か。

文献はありませんので推測です。

胡椒というのは中世末期のヨーロッパで薬として輸入されていた経緯があります。

この三つの椒のうち、薬品として使われた習慣があるものがあればそれが可能性が高いかと思います。

また『訓蒙字会』の椒=唐辛子説ですが、それが中国で言われているところの辣椒なのか。

中国に唐辛子が伝わったのは清代で、四川に伝えたのは湖北省の移民だそうです。

ここで17世紀の日本の文献を引きます。

『本朝食鑑』

http://www.mct.ne.jp/users/bonjour/honchoshokkan.htm

ここでは大根のことを「辣味」と言っています。つまり、それが17世紀の日本の「辣い」という感覚でした。

16世紀の朝鮮の「辣」がどんなものか。唐辛子のような舌が熱くなる感覚なのか、山椒のようにしびれる麻味なのか、胡椒のようにぴりりとした味なのか。

私見では胡椒と大根の感覚は似ているような気がします。

一番わかりやすいのは中国と韓国の当時の辞書でしょうが、中国語も韓国語もできないので読むことができないのが残念です。

◎質問者からの返答

漢方(というか中医学)の資料を調べてみるとよさそうですね。

薬膳情報.net?中薬(花椒)

http://www.yakuzenjoho.net/chuyaku/kasho.html

薬膳情報.net?中薬(胡椒)

http://www.yakuzenjoho.net/chuyaku/kosho.html

薬膳情報.net?中薬(椒目)

http://www.yakuzenjoho.net/chuyaku/shoumoku.html

残念ながらこのサイトには辣椒はないようです。

大根のことを「辣味」というのは参考になりますね。

いずれにしても、「椒と書かれたら唐辛子」という解釈は無理がありそうです。


2 ● nozomi_private
●20ポイント

すみません、「辣」について補足です。

本朝食鑑には「五辣」というものが記述されており、辣韮(ラッキョウ)・韮(ニラ)・葱(ネギ)・蒜(ノビルやニンニクの類)・薑(ショウガ)を指すそうで、魚を煮るなどの項を見ると香草と同等に使われていたようです。

http://homepage2.nifty.com/onibi/wakan51.html

また同じく本朝食鑑には、酒が辛辣である、つまり辛口の酒を評して「辣」としているようです。

http://www.wsk.or.jp/work/d/kamei/04.html

「辣」にもいろいろあったようで追加訂正でした。

◎質問者からの返答

コメントにありましたが、一つめは和漢三才圖會ですね。ラッキョウが「辣」であったとすれば、そういった辛みがあればよいわけで、山椒や胡椒も十分に該当するといえます。


3 ● nozomi_private
●20ポイント

韓国のマネートゥディに原文が出たようです。

http://imgnews.naver.com/image/moneytoday/2009/02/18/20090218105...

唐辛子については、いろいろな呼び名があったようです。「苦椒」で安定したと言われていますが、「苦い」「椒」ですから、「椒醤」だけでは醤に山椒か川椒が使われていたかもしれませんね。

http://www.koreasauce.or.kr/jpn/hotppst/story/history/index.html

中国は辣椒、朝鮮では苦椒と、もともと東アジアになかった味だったのでいろいろと表現がばらついていたようです。「辣」は少し問題と外れていましたね。失礼しました。

◎質問者からの返答

朝鮮では唐辛子を「苦椒」と名付け、「コチョ」と発音したというのであれば、漢字と音が一致しているように思います。

コチュジャンは「苦椒醤」であって古来の「椒醤」ではないんじゃないか、と思えますね。

苦椒で検索して見つけましたが、以下のページの記載は順当であるように思えます。

Welcome To Korean Sauce-韓国ソース韓国の味

http://www.koreasauce.or.kr/jpn/hotppst/story/history/index.html


4 ● nozomi_private
●20ポイント

原文が出たので蛇足です

これは唐代の中国文献『食療本草』の梨のところが相当するようです

http://www.theqi.com/cmed/oldbook/book44/index.html

「又,卒咳嗽,以凍梨一顆刺作五十孔,?孔中?

以椒一粒。以?裹于熱灰中?,令極熟,出停冷,

去椒食之」

梨の中に椒を一粒ずつ50個入れて熱し、冷まして椒を除

いて食え、というもので、咳、喘息の処方のようです。

(梨は今でも喘息患者さんの間では保湿に効果があるので大根

飴と同様に痰きりに重宝されているようです)

漢文ではそうですが、コメントのハングルではどう書いてあるのかは残念ながらわかりません。

が、これを作ったのは当時の高名な医師で、都市部でなくても緊急措置が可能なように、救急マニュアルとして王命で作ったそうなので、漢方としておかしな措置を書くとは考えにくいともいえます。

http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2009/02/18/20090218021...

http://100.empas.com/dicsearch/pentry.html?s=K&i=234908&v=44

http://www.heojunmuseum.go.kr/board/board_view.asp?intBoardID=11...

なお、山椒は

当帰湯(芍薬・甘草・桂枝・生姜・山椒・当帰・人参・黄耆・半夏・厚朴)

背中が冷えて腹にガスが溜まり咳き込むひとに使用

として今でも喘息に使われているようです。

http://www.inoue-clinic.net/lecture/application/02_02.html

唐辛子は漢方として使われなくはないようですが、喘息にはとてもよろしくないとされているようです

http://www.ky-herbs.com/zennsoku-youjou.html

問題の「コチョ」については胡椒か山椒かですが

胡椒の古名では、とする説もあります。(2ちゃんねるより)

??(コチョ)

[名詞][古語]

1.‘胡椒’の古語

出展「救急簡易方諺解」(1489) 6:63

「救急簡易方諺解」(1489) 1:32

「訓蒙字會」(1527) 上:6

2 ‘唐辛子’の古語.

出展「ハンチォングムンガム」(1770?) 12:41

http://krdic.naver.com/detail.nhn?docid=2927600&offset=713


もう一つ、推測を立ててみます。

http://www.uni-graz.at/~katzer/engl/Zant_pip.html?style=flow

Chinese shan jiao [山椒] is also the source of Korean sancho [??]; note, however, that this name refers to a related spice with completely different flavour. The spice corresponding to Chinese jiao is known as chopi [??] in Korean; this name also shows a syllable derived from jiao.

とあるように、朝鮮半島には山椒に類した植物が二つあったそうです。

中国種の「椒」を半島固有の植物「サンチョ」と間違えないよう、原文にない「コ」をつけて、「チョピ」を使わせようとした、という仮説はいかがでしょうか。

そこで、「コ」が何かですが、唐辛子が入ってきたときに「倭芥子」と呼ばれた、という話がありました。

それと同じに、「高麗(??)」の「コ」であるとは考えられないでしょうか。字は同じ(?)です。

胡椒も漢方で利用されていますから、胡椒で喘息に有効な漢方の処方があれば、胡椒でアタリかもしれません(読みは胡椒が近いと思います)。この仮説は、ただ漢方で有力そうなのが山椒ではないかと考え推測したものです。

◎質問者からの返答

食療本草での記載は、どちらかというと梨の効能によるものではないでしょうか。

中医沙龍 秋といえば梨

http://www.explore.ne.jp/articles/zhongyi2/98.html

「梨は中医学の世界では一般に消化の働きを整え、肺を潤すことができる果物とされています。さらに、咳を抑え、喉を守る働きがあるともいわれています。」

食療本草の同じページには、いくつか「椒」の記載がありますね。

蜀椒?秦椒〈?〉には「(五)又,椒??,辛,有毒。」とあります。次の項目は蔓椒。胡椒は「治五臟風冷,冷氣心腹痛,吐清水,酒服之佳。亦宜湯服。若冷氣,?三七枚。」とされています。

巻中は動物を薬として用いる話のようですが、海月〈平〉のところに「(二)以生椒?調和食之良,能消諸食,使人易飢。」とあります。「椒?」と書いてあるわけですが、これがまさかコチュジャンだなどと言うんじゃないでしょうね(というより、どうせならこっちを引用して、唐代にコチュジャンがあったと言えばいいのに)。

コショウ・・胡椒中医生薬解説

http://www.sm-sun.com/family/syouyaku/syou-ka/kosyou.htm

「主として胃寒による嘔吐・下痢に用いる。胡椒は刺激性健胃剤で、作用は強烈である。民間の経験方で、胡椒15gを洗浄したブタの胃袋に入れて両端をくくり、煮たものを、上腹部の冷痛・水様の嘔吐などの胃寒の症状に使用している。」

サンショウ・・山椒中医生薬解説

http://www.sm-sun.com/family/syouyaku/syou-sa/sansyou.htm

「脾胃虚寒による腹痛・悪心・嘔吐などで、明らかな寒象をともなうときに用いる。回虫駆除に使用する。腸内寄生虫により腹痛・嘔吐する虚寒のものに適し、烏梅などを補助薬として配合して、腹部の血液循環をよくする(温中)と同時に殺虫する。 寒飲に用いる。蜀椒を配合すると他薬の温化寒飲の効能を強める。」

ちなみに、このサイトでは蜀椒=山椒としています。

日本でも、中国語の文字を借りながらまったく別のものを表わす単語は多数あります。

「高麗椒」説もおもしろいですね。


5 ● nozomi_private
●20ポイント

申し訳ありません

原典は『食療本草』ではなく、更にさかのぼり、東晋の葛洪(かっこう、283年 - 343年)による『肘後備急方』だったようです。

http://www.theqi.com/cmed/oldbook/book35/b35_04.html

肘後備急方- 卷三

治卒上氣咳嗽方第二十三

「又方 椒二百粒,(搗末之),杏仁二百枚(熬之),棗百枚(去核)。合搗,令極熟,稍稍合如棗許大,則服之。 」

(中、かなり略)

「以梨一顆,刺作五十孔,?孔?以椒一粒,以?裹於熱火灰中?令熟,出,停冷,去椒。食之。

孟?云,卒咳嗽。 」

原文の画像で引かれた最初のパラグラフと次のパラグラフが逆になっており、また、かなりの療法がカットされていますが(理由はわかりませんが)ほぼここからの引用と見て間違いないと思います。



ここでも「椒」が出ており、ハングルでも同じ「コチョ」が使用されています。

胡椒は『史記』にあるようにすでに紀元前から中国に伝来していたので胡椒、山椒、どちらともとれます。



ここでいくつかの可能性が考えられます。思いつくまま書き出してみます。

1.『救急簡易方』では「椒」をすべて「コチョ」と記していた。

2..『救急簡易方』の中で「咳、喘息」の項のみ「椒」を「コチョ」と記していた。

3.当時の朝鮮では「椒」をすべて「コチョ」と記していた。

4..当時の朝鮮では「咳、喘息」に有効な「椒」をすべて「コチョ」と記していた。

5.『救急簡易方』の中で胡椒と山椒を区別するため「椒」をあえて「コチョ」と記していた。

6.『救急簡易方』の中でサンチョとチョピを区別するため「椒」をあえて「コチョ」と記していた。

7.今の唐辛子に連なる品種が朝鮮に存在し、なおかつ喘息にもよい品種であり、それをコチョとした。



こんなところでしょうか。

最後の7は個人的には漢方の話から可能性は低いと思っていますが、今の時点では排除できないと思います。



なお、前の回答に寄せたサンチョはどちらかというと八角(アニス)に近い香り、植物だそうで、「椒」として当時の朝鮮で認知されていたかはわかりません。別物と認識されていた可能性もあります。



文献的には、すべては『救急簡易方』で「椒」をどう記していたか、どう解釈していたかによるのでしょう。

全体に「コチョ」が使われていて、更に他の文献でも「コチョ」だけが使われていたとしたら、当事の朝鮮では「椒」の通称として「コチョ」という単語が使われていた、ということにもなりますし、特定の事例に「コチョ」が使われていたのならその単語と症例をつき合わせて特定することができるかと思いました。どちらにせよ通読は必須ですね。

また、7については唐辛子の品種改良など、元の論文を読むべきだなあと反省しました。


・・・余計な愚痴というか疑問ではありますが、漢文もハングルも読めない(その分野に不案内で他の事例、背景をまったく知らない)私のような人間が検索でこんなことを調べられてしまうというのは見落としも多い可能性があり、危険でもあり、なんだかなと思ってしまいます。あくまで検索での結果ですので、全体を通してのテキストクリティークは必須だと思います。自省もこめて、専門家の方の読みを期待します。

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