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papavolvol ベストアンサー |
世界の動向からすると、IBMが2005年にPC部門をLenovoに売却して、PCの開発製造から撤退しました。現在のPCはIBM PCをベースに発展したものなので、技術動向を予測する上で象徴的です。実際に、データのPC内からネット上への移行が加速しています。2010年に、スマートフォンの世界出荷がPCの世界出荷を上回りました。2011年秋にはAppleのiCloudサービスが始まります。
日本ではdocomoとauの携帯が独自のプロトコルでネットサービスを提供しています。独自規格の通信方法で、端末識別番号で接続し、料金収納を代行して docomoや auが収益を上げるビジネスモデルです。
docomoは、NTTの成功体験のDNAを持っています。特権的に政府の許認可を受けて独占的な事業を展開し、料金を高く設定して、御用達の納入業者を限定してピラミッド構造を構築します。日本独自規格を採用して、日本メーカーを国際競争から保護して、ピラミッド構造を維持します。
そこに斬り込んだのは、またもや孫正義氏でした。以前、アメリカ規格のADSLルーターを街頭で無料配布して、NTTのISDN網から日本を開放してブロードバンド時代に導いた時には、救世主でした。携帯の自由化のための孫正義氏のウェポンは、iPhoneです。総務省はdocomoとauだけに800MHz帯を認可して、SoftBankには認可しない事で対抗しています。それでもiPhone人気は爆発しました。docomoやauは国産の御用達業者以外のSAMSUNGなどの端末採用に追い込まれます。docomoとauは2つの危機に直面しています。第一に自らを頂点とするピラミッドの崩壊です。特権的地位を失った国策企業はJALの轍を踏みます。第二に収益性の高い、料金収納システムを失う事です。世界標準の機器では、端末識別番号のプロトコルが使えません。
私は、日本での次のビッグビジネスは、スマートフォンの料金収納事業だと思っています。日本版PayPalです。日本には、EdyやSUICAの優れたインフラがあります。これらとの連携がキーです。日本とアメリカは違います。日本は現金払いが潔癖だと考えられています。アメリカでは、デビットカードとクレジットカードと小切手の支払いが普通です。生まれながらにSSNという番号を持ち、支払いに本人確認は当たり前です。現金を好むのは犯罪者か、旧共産圏の人だと思われています。
スマートフォンの料金収納事業は、今の流れだとAppleとGoogleに持っていかれてしまいます。