最近までは、医者の間でも、一般に2型では、インスリンは、生活習慣の改善や食事、運動療で血糖コントロールがうまくいかない時に使用するといことが、一般的な考え方でした。
(インスリン注射は初期の糖尿病でも有効であるということ)が「近年になって、細胞のレベルで裏付けされるようになった」
というのは、β細胞のインスリン分泌能が回復したという内容であっていますか。
回答ありがとうございます。近年細胞レベルで・・・裏づけの件は、「早期にインスリンを注射することで、高血糖により休止状態に陥ったβ細胞がよみがえる」様な発言をされたと思います。そのような内容の資料が探しきれなかったものでm(--)m よかったら引き続きお願いいたします。
近年になってこのような報告がされるようになったからでしょうね。
http://novonordisk.co.jp/DITN/2002/ditn_0902.pdf
Online DITN 第295 号 2002 年(平成14 年)9 月15 日発行
■ Diabetes Front(3)
東京スタディ 5年間のデータ
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最近わかったことの1つには、早期からの非常に少量のインスリン療法は、
インスリン依存状態にまで進行する頻度をスルフォニル尿素薬治療群に比べると
非常に低くするということです。これは有意差をもって出た結果です(図)。
特に、最初に内因性のインスリン分泌能がある程度保たれている例、具体的にいうと、
ΣCペプチドが10ng/mLを超える例では、インスリン投与によりインスリン依存状態にまで進行する頻度が非常に低いということがわかりました。
もう1つは、GAD 抗体が10 単位以上であるというグループも、同じようにみてみると、
進行する頻度がインスリン使用群では非常に低いということがわかりました。
簡単にいうと、ΣC ペプチドが10 ng/ mL 以上、かつ、GAD 抗体が10 U/mL 以上の群では、
早期の少量インスリン投与療法が非常に有効であることがわかったわけです。
ただ、この治療法の限界というのもあり、初期のΣCペプチドが10 ng/mL 未満である例では、
インスリンを早期から少量投与しても、インスリンの分泌能障害の進行にあまり阻止効果がないということもわかってきました。
■ Diabetes Front(4)
インスリンを投与することによって、インスリン依存状態への進行を抑制できたことは、
世界的にも非常に素晴らしい評価を受けると思います。
●ドクター江部氏はNHKの番組(ためして?)は誇大広告とおっしゃってますがね。
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-1838.html#comment
確かに、軽症の罹患期間が短い糖尿病で強化療法を行うと、疲弊していた膵臓のβ細胞が休養を得て回復して、半数以上が、一旦インスリンフリーになるという報告があります。
しかし、一旦インスリンフリーになった糖尿人が、以前と同様に糖質を1日3回以上摂取するなら、またしばらくしたらβ細胞が疲弊して、糖尿病に戻る可能性は高いのです。
(皮肉にもNO.1の回答にもドクター江部氏のブログが紹介されていますね)
回答、資料ありがとうございます。10年近く前の研究報告ですね。近年細胞レベルで・・・の近年はここ1-2年というイメージでしたが、結構前から知られていたのですね?。江部先生の紹介も感謝デス!
なぜメジャーにならなかったのでしょうか?? →
憶測ですが、早期にインスリン注射をおこなってβ細胞を回復させたとしても、その後大変な節制で血糖をコントロールしなければ元の木阿弥(β細胞が傷ついてインスリン分泌が↓)ですよね。
なかなかそこまでして血糖をコントロール(β細胞の維持)ができなかったからではないでしょうか。