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サムライ債に関連しての質問です。円建て住宅ローンの発行残高はどのくらいあるのでしょうか?
40兆円あるという説もありますが、ある程度信頼できる統計お願いします。http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=FN&action=m&board=1001491&tid=cf309db6h&sid=1001491&mid=132447
デフォルトが表面化しているようには見えないので、その理由も知りたいです。

●質問者: isogaya
●カテゴリ:経済・金融・保険 科学・統計資料
○ 状態 :終了
└ 回答数 : 1/1件

▽最新の回答へ

1 ● meefla
●100ポイント

欧州における「円建て住宅ローン」の情報を最も集めやすいのはオーストリアですので、オーストリアを主体にして回答させていただきます。


2008年10月の論文、"Borrowing in Foreign Currency: Austrian Households as Carry Traders"

http://www.eu-financial-system.org/fileadmin/content/Dokumente_Events/Prague_2008_11th_conference/Beer.pdf

によれば、

By the end of 2007, more than є 32 billion ($ 50 billion) were outstanding in loans to Austrian households in foreign currency, almost 30 percent of the total amount of loans that were made to Austrian households.

ですので、2007年におけるオーストリアの外貨建て住宅ローンは、320億ユーロ(現在の相場で3.4兆円)以上で、全住宅ローンの約30%に及ぶそうです。(PDF P6)

ここで、PDF の43ページにある Figure 1 のグラフを見ると、2002年10月には円建てとスイスフラン建てがほぼ同じだったのに対し、徐々に円建てが減少し、2008年2月にはスイスフラン建てがほとんどになっている事がわかります。

この円建て減少の要因については、ユーロに対して円が強くなったので円建てで契約する人が減少した、という点も考えられますが、これほど急激な減少にはならない筈です。

著者が PDF 16ページで指摘している所によれば、円建てでローンを組んでいた人も、対象外貨の変更オプションを行使してスイスフランに変更したようです。

変更オプションには手数料がかかるようですし、全てのローンにこのオプションが付いているわけではなかったようですが、少なくとも半分以上のローンにはオプションがあったようです。

この結果、2008年の時点での円建て住宅ローンの割合は、"just below 3%"(3%弱)だそうです。

isogayaさんがコメント欄で引用されている「欧州で流行る『円建て住宅ローン』」の「詳しくはこちらのリポートをみて頂きたい」のリンク先は、現在ではリンク切れになってますが、そのドイツ語版元記事と思われる Fremdwährungskredite in Österreich(おそらくは2006年のレポート)でも、一番下の帯グラフで円建ての割合は3.3%になってますので、多く見積もっても3%前後でしょう。

従って、現在のオーストリアにおける円建て住宅ローンの残高は、


3.4兆円×3%=1020億円


前後であると考えられます。

なお、オーストリアでは2008年10月に Financial Market Authority が、外貨建て住宅ローンの禁止勧告を出していますので、この数字が今後増加する可能性はないでしょう。

(Foreign Currency Loans – The Austrian Experience スライド12枚目)


オーストリア以外のヨーロッパ諸国の場合ですが、例えばイギリスでは1980年代に円建て住宅ローンが流行したようですけど、円高・ポンド安になったためにブームは終了してます。

(上記 PDF P18 脚注7)

ギリシャのデフォルトで注目されているイタリアやスペインですが、これらの南欧諸国は文化的に持ち家の比率が高いので、大きな影響はないでしょう。

Southern European countries like Italy, Greece and Spain have higher rates of homeownership, reflecting cultural values,

International Comparison of Mortgage Product Offerings PDF P11


それでも、外貨建て住宅ローンが流行している東欧諸国は考慮する必要があると思われます。

先日もハンガリーで救済措置が打ち出された所です。

外貨建て住宅ローン、時間かけて消滅させる方針=ハンガリー首相

ニューヨーク・タイムズの Hungary Blames the Banks を見ると、ハンガリーでは住宅ローンの約6割が外貨建てです。

ハンガリーを含めた東欧諸国11ヶ国の現状をまとめた、オーストリア中央銀行のレポート "Households’ Exposure to Foreign Currency Loans in CESEE EU Member States and Croatia"

http://www.oenb.at/de/img/feei_2011_q1_studies_01_tcm14-224901.pdf

の P2 Chart 1 によると、11ヶ国の残高総額は、個人の住宅ローンで約1兆ユーロのようです。

ただし、これらの国で外貨建てローンが流行しだした2005年あたりにはすでに円高傾向になっていた筈なので、円建てローンの比率は少ないものと思われます。

実際、このレポートを "yen" で検索してもヒットしません。


以上、ご参考になれば幸いです。

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