3度目の書き込みですみません。
以前、ウェブ情報の信頼性についていくつかの本を参考にしましたが、割と批判的な本が多かったです。
・大谷卓史 アウト・オブ・コントロール,岩波書店2008
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/X/0220390.html
・森健 インターネットは「僕ら」を幸せにしたか? アスペクト,2005
・山本達也 アラブ諸国の情報統制,慶應義塾大学出版会2008
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4766415159.html
・星野芳郎 インターネットの虚像,技術と人間1997
技術評論家の星野芳郎による「コンピュータによる情報の加工にあっては,いい加減な,さらには嘘の情報をつくることはきわめて容易」であり,「数千万人の人々に対して,一挙に嘘の情報をばらまくことができる」と批判していますが、ネットから得られる情報の最大の問題は、それが本当であるのか、嘘が交じっているのかを、確かめる手段がないことにあるでしょう。
たとえば、図書館のOPACのように、向こう側に専門家である司書がいる場合は、その人の責任と能力によって、信頼できる情報を得ることができますが、OPAC情報だけだと、蔵書しているはずの本がなかったりすることもあります。
ジェフ・ハウの『クラウドソーシング』は斬新でした。同じ「クラウド」でもcrowd=多数の人という意味です。
人々のパワーを使うビジネスや社会の動かし力がネットのなかで生まれている。うまく組織化すれば集団知性が生まれ、社会に貢献することができます。
wikiやオープンソースなどが例として取り上げられています。確かに、ITをうまく使えば人々に希望と力を与えられるという好例でしょうね。
SNSやtwitterなどのソーシャルメディアの潜在力を一歩踏み込んで論じたところがこの本の持ち味だと思います。
クラウドソーシング―みんなのパワーが世界を動かす (ハヤカワ新書juice)
逆説的なご紹介。
会社帰りに立ち寄った本屋でパラパラっと見た中で、なんとなくタイトルを覚えているものです。
従来のメディア論や、企業コンサルの方たちが、「Facebook 使ったぜー」みたいなノリで書いたと思われる本です。
どれを読んでも、笑えますよ。
ただ、こういう類の本が、ある程度売れている、という事実は、今の時代を表しているのではないか、とも思ったり。
間違っても、全部なんて買わないように。お金の無駄です。
TCP/IPの勉強をし始めてまずは以下を読み始めました。
(入手して読んでいるのはアマゾンで見つかったのよりひとつ前の版ですが)
すると、「基本的に性善説・無償でなりたっているけどだれがどうして運営しているのか?どこでお金が発生するのだろう?」という疑問がおこりました。
勉強し始めた当時、以下の本は出版されていなかったのですがあのときこれがあったらもっと腑に落ちたなぁと思いました。
読み物の体裁ではありますが、付録が豊富で技術的にも楽しめる本です。
#補足
日本ではブログやSNS、掲示板も匿名(Anonymous)が主流ですが、匿名というより無名(名無しさん)という意識で名乗らない文化なのではという論評を読んだ記憶がありますがどの本かは思いだせないので、思いだしたら追記いたします。
IT社会における情報社会論はどうでしょうか。
IT社会における情報社会論―情報化社会の歴史的変化に基づいて
情報化の概念が日本に誕生してから40年以上が経過したことをふまえて、歴史的視点から情報化の事象を再検討する。
脱工業化からネットワーク化にいたる情報化の課程を、理論、技術、社会文化、産業、政策といった多角的局面から分析・検討し、複雑かつ重層的な構造と変動の関係を解明。それらの知見を踏まえた上で、論理的に今後の産業先導による情報化の視点を予測した。