人力検索はてな
モバイル版を表示しています。PC版はこちら
i-mobile

【人力検索かきつばた杯】
テーマ:方程式 スイーツ

創作文章(ショート・ストーリー)を募集します。
ルールははてなキーワード【人力検索かきつばた杯】を参照のこと。
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%CD%CE%CF%B8%A1%BA%F7%A4%AB%A4%AD%A4%C4%A4%D0%A4%BF%C7%D5

締切は 5/15(火)の夜を21?22時くらい

●質問者: グラ娘。
●カテゴリ:芸術・文化・歴史 ネタ・ジョーク
○ 状態 :終了
└ 回答数 : 11/11件

▽最新の回答へ

1 ● garyo
●23ポイント

『スイーツの方程式』

「ビーッ、ビーッ、ビーッ、……」
頭が割れんばかりに船内に響き渡る警告音が操縦席でうたた寝をしていた俺を叩き起こした。
操縦席のメインパネル全体で赤く点滅するアラートの文字。
画面にタッチし、詳細情報を確認する。
「マジかよ。お約束だな」
そう。古来一人乗り宇宙貨物船に必ず現れるというアレである。
操縦席から立ち上がり、中央制御室から船倉へ向かい第三コンテナのドアを開けた時に目的のものを発見した。『密航者』である。

宇宙服の外からでは人物は把握できないが、かなり小柄に見える。
「手を上げろ」
保安用の銃口を目の前に突きつけた。
宇宙服の手が上がった。
「ゆっくりとヘルメットを取れ。不振な動きをすれば射殺する」
ヘルメットを外すと中から豊かなブロンズの髪があふれる。
軽く頭を振った15・6歳の少女は利発そうな目に強い意志を浮かべ震えながらもはっきりした声で言った。
「私はティセレニ連合王国の正統皇女です」
目的地の星の皇女様かよ。自称だが。
「ご存知の通り、わが王国はクーデターにより厳しい入出国審査が行われています。通常の方法では王族の身である私は入国できないため、密航させて頂きました。ご迷惑をおかけしてすみません」
彼女は頭を下げた。
「どんな謝礼でも差し上げます。ティセレニ連合王国まで連れて行ってください。お願いします」涙のあふれそうな目で彼女は訴えかけた。
「駄目だ」
「お願いです。星間ニュースでも流れましたが、亡命できなかった妹がクーデター派によって処刑されます。反クーデター派をまとめて妹を助けるに私が行くしかないのです」
「残念だが『物理的』にできない。船の燃料は航行に必要な量しか積んでいない。君を乗せて航行すれば燃料不足により船は惑星に墜落する」
「そんな」
彼女は口元を手でおおい息をのむ。
「悪いが、君は即時に船外に破棄される。王族も例外ではない」
「冗談はやめて下さい。死んでしまいます」
俺は大きく首を振った。
「したくはないが、このままでは俺も死んでしまう」
彼女は泣きだした。
「なんとかする方法は無いのですか?……死にたくないです」
「ただ一つだけ方法がある」
「本当ですか?」彼女の顔に笑みが戻る。
「船の積荷を知っているか?世界初の電子転送装置だ」
彼女の後ろの暗がりにある2つのワイヤーで固定された機械を指差した。
「それは……どんなものですか?」
「送信元の全原子情報を読み取り、送信先に送り原子を再構築することで、離れた場所に人間を転送する機械だ」
「それで王国まで転送して頂けるのですね?」
「いや、世界初といっただろ。送信機も受信機も世界でここにしかない。惑星に受信機がないので送ることはできない」
「それではどうやって?」
「送信機の電源だけを入れ、君を転送する。受信機の電源が入っていないので送信機はひたすら送信を繰り返す。惑星に着いた後、受信機側の電源を入れ、君を受信する。君は惑星に無事たどり着け、船内の質量問題も解決する」
「本当に可能なのでしょうか?」
「大丈夫だ」
「分かりました」彼女は観念したように頷いた。
俺は送信機側の電源を入れセットアップを始めた。電送機の内部に灯りが点り、透明なドアの内部の複雑なメカが暗闇の中に浮かび上がる。
「これで準備オッケーだ。中に入ってくれ」転送装置のドアを開け彼女を中に押し込もうとした。
「本当に大丈夫ですか」彼女は両腕で体を中に入れないように抵抗しながら振り返った。
「大丈夫だ。今も燃料は消費されているんだぞ。早くしないとこの方法でも無理になる」
「でも……」そういいながらも彼女は腕の力を抜き、俺は彼女を転送機に押し込んでドアを閉めた。
「行くぞ」転送機の制御版に近づき転送開始ボタンに指を伸ばした。
「まって、転送されると私はどうなるの?」
「情報を読み取った後、原子に分解される」
「それって死ぬことじゃないの?」
ドアの向こうに恐怖で引きつった顔が見える。
「大丈夫。全く同じ情報で再生されるから、それは君だ」
「でも、でも……」
俺はスイッチを押した。低いモーター音が響き機械が作動を始めた。
「出して!やっぱり変。いくら同じでもそれは私じゃない!」
ドアの中から両手で必死に叩く様子が見える。
「絶対!その理屈はおかし……」
最後の絶叫と共に彼女は原子へと分解された。
「……おかし……」彼女の最後の声が船内にこだまする。


俺は誰も居なくなった転送機の中をのぞきこんで、船外に破棄するため、ドアの中の「元」彼女を取り出した。

...

「ふうっ」
惑星の宇宙港へ無事着艦した俺は燃料計を見て冷や汗をかいた。管制官の上空待機指示が後5秒長かったら生きて着陸できなかっただろう。
急いで第三コンテナに向かった。送信機は無事動いているようだった。
受信機の電源を入れ、モニタのメニューから受信開始を選び押す。
受信機は小刻みに振動を始め、ドアの中が白いもやに包まれる。
モニタの受信終了のメッセージを確認し、ドアの前まで行きロックを解除する。
ドアは内側から勢いよく開かれ中から白いもやに包まれながら何か飛び出してきた。

「おかし!あれっ?」
俺の胸の中に飛び込んできた彼女は涙で濡れた目で不思議そうに見上げていた。
「お菓子?。スイーツならおごるってやるから、もう泣くな」
彼女の目の涙を人差し指で拭って頭を軽くなでた。肩を抱くと小刻みに震えているのがわかる。よっぽど怖かったらしい。
「私生きてるの?スイーツって?」気持ちがまだ混乱しているようだ。
「無事着きましたよ、お姫様」
そういえば、宇宙港ランドマークの最上階ラウンジで昼間はケーキバイキングやってるから行ってみるか。
「スイーツは好き?」っと聞いてみた。
「はい」、と泣きながらも笑顔を浮かべて元気良く彼女は答えた。
古来一人乗り宇宙貨物船に必ず現れるという密航者問題を「○○の方程式」と呼ぶのだが、スイーツと聞いて喜ぶ笑顔を見て俺の解法は「スイーツの方程式」と呼ぶことに決めた。なんとなくだが。
まあ、この後色々トラブルに巻き込まれて、帰りはなぜか密航者が2人に増えるんだが、それはまた別のお話。


グラ娘。さんのコメント
アレですね。 文章巧いですね。もっとかきつばたに参加したらいいのにと思いました。 ストーリもありがちな感じですがよくできてます。 あの質問があったのですんなり入り込めました。 残念なのはお題のさばきかたですね。わたしが不勉強なだけかも知れませんが なにがなんやらわかりませんでした。 それ以外は優秀作です。ありがとうございました。 ちなみに、やっぱりわたくし、原子分解されて、再構成されても(自我が)大丈夫な 気がしてしまいます。

garyoさんのコメント
ありがとうございます。 >文章巧いですね。もっとかきつばたに参加したらいいのにと思いました。 あれ?と思って見てみたら私はまだ2回しか回答していないんですね(^^;) 昔の「創作はてな」の方には何回か参加してたのですが。 http://q.hatena.ne.jp/1266686926#a996558 >残念なのはお題のさばきかたですね。わたしが不勉強なだけかも知れませんが >なにがなんやらわかりませんでした。 最初は「その理屈はおかし」「いえスイーツです」お後が宜しいようで。 みたいな落語落ちを考えていたのですが、うまくまとめ切れませんでした。 少し結末を変えてみましたm(__)m

グラ娘。さんのコメント
結末変わったの読みました。 1.25倍くらいに良くなった感じです。思想としては無理やりこちらに寄って いただいたのかも知れませんが。

2 ● minoru-0413
●21ポイント

移項、両辺に夏蜜柑。

「御疲れ様です、御先失礼します。」
新入りが居残り練習を終えて帰って行った。
深夜の店内は、相変わらずガラスの色が騒がしく、暗闇に声をかけるように八方美人だった。
銀色のボウルの中に作りかけのピスタチオクリームを置き去りにして、厨房を出る。
新作のケーキがなかなかうまく作れない。
上手くも美味くもならない糖分の塊はただ鬱陶しく過ぎていった日々を追いかけて、季節が変わるというのに苺がのったケーキに敵わなかった。
アイディアは出し尽くした。
初夏の甘酸っぱさがどうしても自分の指先からは流れてこないのだ。
季節ごとに新作のケーキを出したり、イベントに向けてアレンジを加えたり、当たり前のことが何故かできない。
何が足りないのだ。
主役の居ないガラスの奥には、ガラス玉や花びらで静かに賑わっていた。

突然の音に驚いて振り向くと、扉の手前に人が立っていた。
「もうとっくに終わっちゃいましたよ?」
人影はゆっくりと近づくと、明りでも顔が見えない位置で足をとめた。
細くて白い指が顔を撫でながら浮き上った。
掌が隠れるくらい長い袖はゆったりと視線を惑わせた。
「ちょっとだけ。何も悪い事はしませんから。」
少し高い、柔らかい声が震えた。
若い男のようだ。
男のくせにだいぶ女らしい仕草で彼は店内を歩き始めた。
「あの、できれば早く終わらして下さいね。本当は駄目なんですから。」
細い体は頼りなさそうに椅子の傍らに立ち止まる。
分かってますよとでも言うように、微笑んだ口が見えた。
靴音の名残りが耳元でクツクツと笑いだす。
「懐かしいですね。覚えてますか?僕がこの店に来たの。」
楽しそうに語る男性は明りの届く場所までくると、瞳で問いかけた。
綺麗に整った顔は見覚えがあり、記憶のほつれたところに引っかかる。
彼は嬉しそうに私を眺めていた。
その眼の使い方、表情の奥に蠢く別の感情が滲みでた薬指の先が、あと少しというところまで思い出した記憶を更に引っ掻きまわす。
「私が入りたての頃ですよね。あの頃はまだ試食用の皿ばかり持たされていて。」
「そうそう。僕がケーキ食べるの必死に見てらして。ふふ、それから毎月此処に通いましたね。」
何度も顔を合わせ、少しずつ会話も増えて、仲良くなったのが5年前。
何故来なくなってしまったんだっけと考える暇を与えずに彼は話を続ける。
「此処のケーキ、凄く好きです。与え過ぎず、求め過ぎず。」
初恋を語るような恥じらいを見せながら、視線を下げる彼に見惚れていた。
5年前もこうして恋心に発展しそうな気持ちを抑えていたのだ。
「そろそろ新作、出ますよね?楽しみです。久しぶりに沢山買いたいなぁ。」
「それなんですが、実はうまくいかなくて。どうしたら美味しくできるのかなぁ…」
「そっか、もう5年も経ってるんですよね。貴方のケーキ、食べてみたいです。」
「…あんまり期待しないで下さいね。」
彼は微笑むと、夜道に消えるまで私の帰りを見送ってくれた。

「これ4つ!」
御遣いで来ましたと言わなくても分かる女の子が、大きな声で注文をしている。
のを奥から見ている私。
の掌に包まれた赤いケータイ。
「何呆けてるんですか??ひょっとして彼氏からメールでも来たのか!」
同僚が引っ手繰ったケータイの画面には、メール画面が開かれているというわけでもなく、ただ待ち受けにしている猫の画像が映っている。
別に何か事件があったわけでもない。
「あたしに彼氏なんて一生できないだろうねぇ…」
視線を下げると、自分の掌が映えた。
夏蜜柑をつまんだ指。
泡だて器を握った掌。
この手で、握りたかった掌が思い出せない。
居残りで作業をして、気付いたら家で寝ていた。
夢で、何か大切なものを見つけた気がした。
それは新作のケーキのアイディアとかじゃなかったはずなのに。
何か凄く、欲しかった物が壊れた気分だ。
「さ、仕事仕事!」
新作の夏蜜柑のケーキは、午前中で売り切れてしまった。


グラ娘。さんのコメント
これは、アレですね。 非常に素晴らしいっぽい感じがしなくもない感じ。 全般に流れる、前向きな姿勢が伝わってとても、心が洗われるかもしれないというか。 なにかボタンを掛け違えたら120点になる可能性を秘めているというか。 好きっちゃ好きな部類の近いとこまで辿り着いた感じです。

minoru-0413さんのコメント
すみません、何だか読み返しても本当に微妙な話というか…。 ド直球は難しいですね、私のは全部内容薄いですし…。 時間あったら書き直します。

グラ娘。さんのコメント
誤解の無いように言っておきますが、全然悪くはないですよ。 これだけ、普通のことを普通に書けて、読み味もそれなりに仕上げるだけでも 凄いと思います。私が比べているのは『森 絵都』さんとかに対してですから、 そんなハードル越えられたら困ります。しかもこれだけの文量で。

グラ娘。さんのコメント
いや、こういう作品こそ、(時間があれば……ですが)推敲して、より高みを目指すべきだとも思うのですよ。 おそらく、短時間でそれなりの作品が書ける人なので、それを時間をかけて よりよくする努力をやってこなかったんじゃないかなと。 推敲は大事ですよ。わたしもさぼりがちですが。作品によっては推敲次第で大化けしますからね。 特に注文をつけるなら、最後の台詞で、人を幸せにする方程式とはこういうことだ! みたいなのが、バーンと突きつけられたりしたら、素晴らしいと思うんですがね。 と、個人的な願望です。

minoru-0413さんのコメント
じゃあ頑張って書き直してみます! 書き直したらたぶん内容ガラリと変わっちゃいますけど…

3 ● 楽1978
●9ポイント

題「テイスティング」

ここは、とある研究所の研究室。
白衣を身に纏い、事務用回転椅子を並べて横になっているおじさんが、大学生風の青年に体を揺さぶられている。
「博士、はてな博士。起きてください」
博士はうっすらと目を開けながら言った。
「うーん・・・なんだね。助手のひんと君」
助手は嬉しそうに言った。
「ついに自分も発見しました!」
博士は、冷静に聞き返した。
「ほぉー、ではその発見を発表したまえ」
助手は明るい声で言った。
「はいっ、バナナとマヨネーズで、メロン味になります」
博士は、ムクリと起き上がり、冷蔵庫からバナナとマヨネーズを取り出した。そして、バナナとマヨネーズを交互に口にして助手に近づきこう言った。
「ひんと君、これは・・・」
その瞬間、博士は助手の後ろに回り込み、鋭い速さで膝カックンを喰らわした。
「ぐはっ!」
助手は思わず声をあげて地面にうずくまった。
実は博士、全国膝カックン選手権で優勝したほどの実力の持ち主で、その破壊力は普通の人の想像しているものとは比べものにならないくらい凄まじい。
「博士・・・なんで・・・」
助手はジーンとくる痛みを堪えながら言った。
「ばかやろー!!!ひんとよ、これ、実際に食べてみたのか?」
博士は大声をあげて言った。
「いいえ」
助手はうつむいたまま、返事した。
「よしっ、じゃぁ今から、食べてみろ」
博士は、こう言って手にしたバナナとマヨネーズを助手へ交互に一口食べさせた。
「うわっ、何じゃこりゃ」
助手は、声をあげた。
「ひんとよ!なぜテイスティング(試食)しなかった!」
博士は眉をつり上げ、助手に今にも襲いかからんばかりの勢いで言った。
「すっ、すいません、味覚の才能がないぼくにはもう限界で・・・つい誘惑に負けてネットの情報から拾ってきました」
助手が申し訳ない顔をしながら言った。
「いいか、例え理論的にこの味とこの味が合うと分かっていても、実際の実験を怠ってはいかん」
博士は助手に忠告し、続け様に言った。
「まず、普段から食品に対して味を記憶するくらい慣れ親しむこと。そして、味と食品の成分からこれとこれが合うんじゃないかと想像する。味覚の能力がなければ、とにかくひたすら実験してみる」
博士は、さらに続けた。
「これは、まだ私が助手だった頃の話だ・・・」

私が所属する学会での出来事だ。
「では、次、助手のはてな君、発表したまえ」
と、とんでも博士が言った。ちなみにとんでも博士とは、私が助手時代の教授だ。
「はい、カレーライスとオレンジジュースでマロン味です」
と私が答えると、とんでも博士は、カレーライスとオレンジジュースを取り出し、交互に一口食べて言った。
「はてな君、これは、本当にマロン味かね?」
私は、疑問に思いながら言った。
「えっ?マロン味と思いますけど・・・」
とんでも博士は、少し考えて言った。
「これは、どう考えてもハゲたオヤジの頭を舐めった味だよ」
そう、その時、私は、まだ味音痴だった。
「はいっ、分かりました」
私は、疑問に思いつつ納得した。
「また次がある。頑張りたまえ」
とんでも博士は、私を励ましてくれた。
私は、その言葉に後押しされ精進することにした。
そして、何ケ月か経ってまた学会で発表する機会が来た。
私は、その時学会で、オレオとオレンジジュースでメロンソーダ味になると発表した。
またしても的外れな成果だった。
そうやって、的外れな成果ばかり出しているうちに、「学会一の落ちこぼれ」と呼ばれるようになった。
ただ、ただ、悔しかった。泣いた。苦しかった。苦汁をなめるとは、こういうことだと体感した。
私は、次第に研究所に行かなくなった。
ある日、とんでも博士が私の家を訪ねてきた。
「はてな君、いるかね」
私は、急な訪問に驚いて出た。
「はい、何ですか?」
とんでも博士は、ある本を渡してこう言った。
「今は、一ヶ月ぐらい休むといい。その間に、君に課題がある。食事の時は必ずこれを使用すること」
渡されたのは、「減塩食事レシピ」というものだった
「はぁー」
私は、疑問に思いながら言った。
「じゃあね」
と言って、とんでも博士は去っていった。
――なんでこんな本を渡したんだろう。
と思いつつ、とんでも博士の言う通りにやってみた。
そして、一ヶ月して渋々研究所に行ってみた。
そこで、私は自分の味覚に驚いた。
どんな些細な味でも感じ取れるようになっていた。
そのおかげで、はちみつときゅうりでメロン味、ヨーグルトとマヨネーズでクリームチーズ味など数々の実績を得ることができた。
あとになってわかった事だが、味音痴とは、味の濃い物ばかり取っているとなるらしい。とんでも博士は、減塩生活することで味覚を取り戻してくれたのだ。

博士は、助手を励ますように言った。
「だから、お前も諦めるな!例え辛いことがあっても何度でもぶつかっていけ!」
博士は助手の拳をぎゅっと握って言った。

「最後にこれだけは言っておく。努力しない奴に価値は無い」

助手はくしゃくしゃの顔で
「博士ー」
と言って博士の方に抱きついた。
「よし、よし、今は泣くだけ、泣け。悔しさを噛締め、乗り越えろ」
博士は助手の頭を撫でながら言った。

薄々感じている方もいると思いますが、この研究所は、ある食品とある食品を混ぜることでスイーツの味を導き出す計算式を研究している。
研究者の間では、その計算式を「スイーツ方程式」と呼ばれている。

つづく・・・


グラ娘。さんのコメント
アレっちゃあアレですけど。 さすがに読みやすさ満点ですね。 もうちょっとテーマが骨太だとか、笑いどころがひざかっくんだけじゃないとか そういう感じだったらいいかも。

グラ娘。さんのコメント
>さらに詳しい指摘 けちょんけちょんに指摘(しかもなんの根拠も無く上から目線)されても 大丈夫であれば、わたしのブログ(はてなダイアリー)でも覗いてみてください。

グラ娘。さんのコメント
アレですね。 ざっくりと、ですが、作品に込められたテーマというか情熱みたいなもんが、 あんまり伝わって来ません。 何故、このストーリを選んだのか、どうしてそんなにこのストーリを書きたかったのか 何を伝えたい? どう思って欲しい? どんな感想を引き出したい? みたいな感じのところが、伝わらない分、迷走している感があります。

4 ● minoru-0413
●21ポイント

甘いみづ

街灯の下には蛍が沢山集まっていた。
キラキラと眩しいくらい光りながら蛍たちは僕にこう言ったんだ。
こう言ったん、だ、あああ あ ……

「辛いかい?甘いかい?」
羊が喋った。
なかなか寝付けなくて、羊を数えていた筈だ。
夢か…?
「君は心にフォークを刺して歩いているようだ。」
羊は1匹だけだった。
草原に、白い羊と黒い僕、白木で出来た柵と、小さな家が一つ。
数えていた筈の羊は居ない。
1匹しか居ないじゃないか。
「君の頭にストローが付いているようだ。」
頭に手をやっても何も無い。
この羊、何を言っているんだ…?
疑問は沢山ある。
「此処は何処だ?君の知らない場所さ。」
こいつ、いったい何なんだ!?
口を開こうとすれば先に答えられてしまう。
「如何やって此処に来たのか?君は寝惚けているんだろう。」
「私が誰かって?見りゃ分かるだろう、羊さ。」
「何を話しているかって?君のことを教えてあげているのさ。」
羊の口は止まらない。
横に睨んだような眼が、まっすぐ僕を見ている。
とくとくと、心の音と一緒に胸が痛む。
息が細くなって、その場に座り込むと、羊は喋るのをやっと止めた。
喉の奥から小さな木枯らしが滑り出るように、必死に息をした。
下の瞼から景色が歪んでいく。
胸を掻き毟るに、苦しさにもがく。
羊が増えている。
「食べてやろうか。喰べてやろうか。減らしてやろうか。そいつをさ。」
羊は氷の砕けるような声で言った。
羊が手を伸ばすと、胸から伸びたフォークが見えた。
「頭が痛い、胸が痛い、息が出来ない。」
必死にあげた声が、空にぶつかった。
木霊して、地を揺らす。
「ふふ、よく言うじゃないか君たちも。私もこれが好きなのさ。」
羊はフォークを掴むと、僕の心を粉々になるまで割って口に運んだ。
手を休めては頭に刺さったストローを口に入れ、またフォークを胸に刺す。
羊が食事を終えて走り去ると、痛みも苦しいのも溶けて無くなった。
フォークは刺さったままだった。
真っ暗な空から星が降ってきて、仰向けに倒れていた僕に、僕の心に降り注ぐ。
「右の世界は窮屈だ。左の君に譲ってやろう。」
去り際に羊が言った。

「お前は弱い。けれど、彼らもまた弱いのだ。」
ティーカップは写真を見て溜息を吐くと、僕に向き直った。
これも夢か。
「蛍か。お前にはあの美しい蛍に見えたのか。」
安心と哀れみの混じった顔をして、ティーカップはコーヒーシュガーを皿にのせた。
そして動かなくなった。
コーヒーシュガーの粒は「お前は甘い奴だ。」と並んでいた。

蛍は居なくなった。
変わりに人が沢山集まって、街灯の下に立っていた。
「本当に許してくれるのかい?」
人が言った。
人の目は皆濡れていた。
僕のフォークが抜けた。


グラ娘。さんのコメント
これは、アレですね。 いい雰囲気なんですけど、もう一声って感じです。 『胸から伸びたフォーク』とかの場面が見えてこなかったり(表現が中途半端)、 ティーカップ以降のくだりとかラストの展開が、意味不明だったりします。 雰囲気は好きです。 ただ、村上春樹とかと比べると雲泥の差です。

minoru-0413さんのコメント
これは、アレなんです。 意味不明が褒め言葉なんですっ! 精神病んだ人っていう、あの、 「信頼できない語り手」を目指して外した感が自分では気に入ってるんです← すいません、これは完全に趣味の領域です。

5 ● GM91
●29ポイント

『宇宙の掃除士』 #01 take2


「こちらウィロー、前方に目標を捕捉。編隊の規模L、接触は15分後の見込み。
至急、増援の派遣を要請します」

俺は1200宇宙キロ向こうの司令部へ打電をした後、愛機のコクピットで息を殺したまま返事を待ち続ける。
もちろん、宇宙空間で喚いたって誰にも聞こえやしないが、これは物の例えだ。
外部へ俺の存在を知らせないように、座標を絞った指向性通信以外は一切の通信/索敵レーダの類を殺しておく。
司令部へ打電が到達するのが約10分。応答が来るまで更に約10分少々といった所か。
ベッドで二度寝するんなら一瞬だが、じっと孤独と不安に怯えて待ち続けるには永遠にも等しい時間だ。

俺は時間を持て余して、正面のディスプレイから目を逸らす。
ディスプレイの脇の銘板に刻まれた「オウガヘッダーβ」の文字。これがこの機体の名前だ。
戦術行動用機動掃宙艇、通称モビルスイーツ。正しくは何ちゃらTacticalShipとかの略称だが、昔風にいえば宇宙戦闘機とか戦闘艇とでもいったところか。

この仕事を始めてもう5年になる。気がつけばベテランの仲間入り。
やってることと言えば、専ら宇宙の掃除。
とは言ってもデブリの回収みたいな立派な仕事じゃない。むしろゴミを生産し続けるのが俺らの仕事か。
ゴミの原料になる連中の名はAIMS。まあ奴らには話が全く通じないから、コチラが勝手に呼んでいるだけだが。コレも何とかって略称なんだが何度聞いても覚えられないので、もう気にしないことにしている。略称ってのはなかなか便利だ。

重要なのは、以下の2点、
一つ、奴等が俺たちに危害を与えるということ。
二つ、奴等が自己増殖する機械だってことだ。

特に二つ目が重要なポイントで、生命の定義をちょっと見直すならば、機械生命体とでも呼ぶのが良いのかもしれない。新天地を求めて宇宙の海をさまよう俺達の船に、群れを成して襲いかかってきた連中は、群れの親玉を始末しないと何度でも復活してしまう。
反応兵器でも使って雑魚もろともまとめてドカン、とできりゃあ楽なんだが、群れの雑魚共をチマチマ始末しないと親玉は姿を現さない。
雑魚共も、一匹ずつの動きはトロいものの、数が多いとなかなか厄介な相手だ。

小さい群れなら単機でも対応できなくはない……が、今日の群れはなかなかデカい。
正直、コチラも徒党を組んで出直したいところだ。

しかし、残念な事に、うかうかしてると群れ毎トンズラされちまう。
見つけ次第、誰かが張り付いておくのが鉄則だ。そうして寄ってたかって袋叩きにする。
それが俺達の勝利の方程式。

――打電してから既に15分が経過している、そろそろ奴らにもコチラの存在がバレる頃だ。

(しゃあねえ、いっちょやってやるか。)

そう腹を括った瞬間、受信機が希望のファンファーレをかき鳴らした。

『ウィロー、こちらササダンゴ。要請を了解した。増援は手配済みだ。
それまで持ちこたえろ。健闘を祈る』
「了解!」

律儀に応答しておくや否や、俺はスロットルペダルを思いっきり踏み込んだ。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

俺にケツを引っぱたかれた愛機は、流星の様に奴らの群れへ突っ込んで行く。
重力制御装置で吸収できない加速Gが俺を襲うが、どうってことはない。

キッチリ16匹が横一列に並んだのが6行分、整然と、しかし左右へ蛇行しながらという奇妙な動きでこちらに迫ってくる。
これが連中のお決まりフォーメーション。何の意味があるのかはわからない。
わかってるのは、この形のときに懐へ飛び込むと連中は一切手出しができないって事だ。
見つけた奴にちなんで、「ナゴヤ撃ち」と呼ばれている。

わかっていてもなかなか度胸が要るが、ほぼゼロ距離から最前列を横から片っ端に落としていく。
弱いものイジメをしてるみたいで気が引けるのも事実だが、こうやってマメに「駆除」をしないと死ぬのは俺達だ。
と、敵の陣形が崩れ、そのうち乱戦になる。

もちろん奴らも飛び道具を使ってくるが妙に弾速が遅いし、1?2発当たったところでこっちにはシールドがあるから、ボンヤリしてなけりゃ早々やられることもない。
しかし、大勢に無勢とはこのことだ。あたり一面全て敵。笑うしかない。

シールドのお陰で致命的なダメージは無いものの、シールドは回復するのに大分エネルギーを消耗する。このままではジリ貧だ。

「近接目標多数。ファイヤーバーストの使用を提案します」
オウガヘッダーの戦闘支援システムが、ヨシコ・サカキバラの声で無様な俺に催促する。
要は、防御シールドをわざと暴発させ、周囲の連中を吹き飛ばすって魂胆だ。
しかし、その後シールドの回復には数十秒かかる。その間、俺と愛機は丸裸。

「こんな状態で使えるか!それこそ袋叩きだ!」
「ファイヤーバーストは、このような状況下で使う為の装備です。」
「わかったよ!」

腐肉に群がる蝿の群れ(って言うのは俺も映像アーカイブでしか見たことが無いが)のド真ん中で炸裂したファイヤーバーストは、俺の心配をよそに周囲の蝿共を綺麗さっぱり吹き飛ばしてくれた。
残された腐肉としては、ここで勝利の凱歌でも歌って昼寝でもしたいところだが、そうは問屋が卸さない。

難を逃れた蝿共が、俺に向かって殺到するのにさほど時間はかからなかった。
丸裸でひたすら逃げ回る哀れな俺。

「被弾、索敵システムにダメージ」
「あ、もうダメかも」
「まだ大丈夫です。」
有難い事に、いつでもどんなとこでもヨシコの声は冷静だ。

「システム稼働率85%、致命的ダメージ無し。エネルギー残量が警告レベル。」
(それって、あんまり大丈夫じゃねえな。……帰れねえ)
ぼちぼち年貢の納め時か……と思った時だった、

『こちらマルボーロ、ウィロー調子はどうだ?』
ワープアウトして来たマルボーロことワカエから入電。

「こちらウィロー、見てのとおりでござんすよ。」
『減らず口叩けるなら心配ないな、援護する!』
続けざまにワープアウトしてくる僚機達。

『こちら、パンナコッタ。生きてるかセガワ!』
『こちら、ガトーショコラ。待たせたな』
『こちら、ドンドルマ。戦闘宙域に到着。これより戦闘に入る』

『こちらマルボーロ、おせぇよお前ら!』
「お前が言うな!」

瞬く間に蹴散らされる蝿共。
いや、さっきまで俺が同じ数を一人で片付けたって事を忘れるな。

「そう言えば、スガセはどうしたんだ?」
『モギビワゼリーは、GBDの換装に時間がかかるそうだ。直に到着するだろう』
「え?アレもう使っちまうのか?」

『そろそろお出ましだぞ』

ようやく姿を現した、コードネーム:“ボスギャラガ”
青く光るでっかいカブトムシにも見える。
コードネームの由来は太古に流行したTVゲームらしい。そんなどうでも良いことはよく覚えている。

『こちら、モギビワゼリー。目標を確認した。GBD、エネルギーチャージ。各機、散開せよ』

GBDは重力場制御による攻撃、早い話が極小のブラックホールをぶつけて相手を空間丸ごと殲滅するってトンでもない兵器だ。
とにかく巻き込まれたら堪らない、俺はスロットルを蹴っ飛ばし、全力で目標から離脱する。

『エネルギー充填120%、発射!』
“ボスギャラガ”へ伸びる一筋の閃光。
一瞬の後、敵を飲み込んだ巨大な光球が黒く変色しながら1点へ圧縮されていく。
――そして宇宙は再び静寂を取り戻した。

『『『『『「よっしゃあ!」』』』』』

「……こちらウィロー、スイーツ隊任務完了。これより全機帰還する」
『『『『『了解!』』』』』

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

「……あいつら一体何がしたいんだろう?」
『奴らのテリトリーを犯しているのは俺達の方だからな』
俺の独り言に、ワカエが律儀に応えた。

『かもしれん。しかし何か?じゃあ引き返すのか?生き残る為には前に進むしかない』
熱血漢のエゾエらしい意見だ。

「まあそうだけどよ」
『考えても仕方のないことは考えるな』
エトーはいつも冷静だ。いや、一番冷静なのは無駄口を叩かないトキスか。

『そろそろだ……よしよし感度良好』
ガス欠の俺の機体を曳航するスガセは、ラジオを弄っているようだ。
生命維持モードになっている俺の機体ではわからないが、どうやら母船の船内放送が受信できる距離まで近づいたらしい。
俺もつられてラジオのスイッチに手を伸ばす。

『今夜はクラシック・ナイト!最後のナンバーは、ダイスケ・イノーエ「めぐりあい」』

勝利の方程式、今のところなんとか健在。
俺にはまだ還れるところがある、こんなに嬉しい事はない……。






☆ ☆ ☆ C A S T ☆ ☆ ☆

SWEETS-01 “ウィロー”瀬川 cv: 山寺宏一
SWEETS-02 “マルボーロ”若江 cv: 大塚芳忠
SWEETS-03 “パンナコッタ”江副 cv: 堀内賢雄
SWEETS-04 “ガトーショコラ”衛藤 cv: 井上和彦
SWEETS-05 “ドンドルマ”時須 cv: 井上真樹夫
SWEETS-06 “モギビワゼリー”菅瀬 cv: 森功至

スイーツ隊司令 “ササダンゴ” cv: 古川登志夫



……誰も、一人では生きられない。


END


グラ娘。さんのコメント
これはアレかなあ。 お題をさばいた系ですね。まあ、設定とか展開とかはいい感じかも知れません。 バジュラというか、ESLというか、よくあるアニメに出てくる敵ですね。 折角なので、ロボットに乗って闘って欲しかったです。 可にして不可ならず、良には届かずという感じです。 #これの続編が2000文字超えるなら、あわせて(再編集して追記して)一個の回答にしといてください。 今回は、ひとり2回答でFAにしときます。すみませんが。

GM91さんのコメント
了解です。でもロボットはダメ。もうすぐできるから。

GM91さんのコメント
でけました! 後半のグダグダ展開をばっさり切ったら結構スッキリした。

グラ娘。さんのコメント
アレです、褒めますんでそのつもりで読んでください。 ベタな設定に、特に捻りの無いストーリ。探せば似たような話はなんぼでもあると思います。 ありがち過ぎる感じ。 でも、作者がこういうの好きなんだとか、こういうの好きな人に読ませたいんだというか そういう意図が伝わってくるし、文章もこなれているので、それが、全部良いほうに 受け止められます。第一回答(garyoさんの)でもそうでしたが、作品への愛着というかそんな感じのアレが、いい感じで、読んでて嬉しくなります。 欲を言えば、各機体のコードネームがモンブランとかミルフィーユとかで、ひっくるめてスイーツ小隊とかって設定のほうが個人的には好きです。

GM91さんのコメント
>各機体のコードネームが じゃあそれいただきます!

GM91さんのコメント
いただきました! ついでに悪ノリしておきました!

グラ娘。さんのコメント
※いぇすまいうぃー うぇーすまぃぶうぃーえー あがなえぶぁねーびーえ?え?? 愛しい人よ?も?いちど??? ※繰り返し 誰も?ひとりでは?生きられない? 声優事情には疎いですが、ガンダムのベストアルバム持ってて良かったです。

1-5件表示/11件
4.前の5件|次5件6.
関連質問

●質問をもっと探す●



0.人力検索はてなトップ
8.このページを友達に紹介
9.このページの先頭へ
対応機種一覧
お問い合わせ
ヘルプ/お知らせ
ログイン
無料ユーザー登録
はてなトップ