ミトコンドリア脱共役蛋白質(UCP)によって熱産生が起きます。
詳しいことは下記PDFをお読みください。
http://jams.med.or.jp/symposium/full/124062.pdf
脂肪酸など、基質の酸化が著しく亢進して、熱産生が起こる(脂肪酸のβ-酸化が促進され、熱エネルギーが放出される)。体内の代謝で生じる生体エネルギーの内、ミトコンドリアでATPに変換される(筋肉などの仕事に利用される)分は、15?20%と言われる(最大でも45%程度)。残りの生体エネルギーは、熱エネルギーに変換される(熱産生に利用される)。
http://hobab.fc2web.com/sub2-respiratory-chain.htm
エネルギー変換の工程がウィキペディアに載っていました。
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およびとのことで(^^;
http://hikawa.takara-bune.net/hDietUCP.html
電子伝達系はミトコンドリア内膜と外膜の間に水素イオン勾配を作る回路といえます。で、脱共役タンパク質はこの濃度勾配をATP産生なしに解消させ、その代わりに熱を産生するタンパク質だという事ですね。
ミトコンドリアにおけるATP産生はこの水素イオン濃度勾配によって、その勾配が解消される形で産生されていく訳なのですが、この脱共役タンパク質はその濃度勾配を熱エネルギーへ変換させるため、ATP産生なしに……つまり、運動などATPの消費を行わずに可能であるということです。ATPが消費されなければATP産生系はストップします。ATP産生系がストップすれば、水素イオンの濃度勾配は解消されず、と、なれば電子伝達系も止まります。電子伝達系を動かし続けるには水素イオンの濃度勾配を解消させる必要があるのですが、これを行うのが脱共役タンパク質という事ですね。
紹介したサイトの揚水発電のモデルは秀逸だと思うのですが、つまりは、ミトコンドリア内の水素イオン濃度勾配を脱共役タンパク質が解消する事により、運動によって消費されなければ産生が継続しないATP産生系の介入なしに電子伝達系を動かし続けることが出来、この働きにより熱が産生されるのだ、と考えてよさそうです。
もちろん、いくつかある脱共役タンパク質の中で特に褐色脂肪細胞に存在するUCP1が熱産生能力に優れているという記述もあり、と、言う事はこのUCP1が水素イオン濃度勾配を利用して熱を生み出しているのだ、と考えてもよさそうなのですが、ちょっと確証が持てる記述を見つける事が出来ませんでしたのでぼやかしておきます。
と。つらつら書きましたが結論としてはこんな風。
1)脱共役タンパク質はミトコンドリア内における水素イオン濃度勾配をATP産生なしに解消させる。
2)これにより電子伝達系はATP産生なしに動き続ける。……つまり、脂肪酸代謝が促進され、これにより熱が産生される。
3)脱共役タンパク質も熱を産生する能力を持っている可能性は否定しない。
こんな感じでしょうかねぇ。
つまり、水素イオンが熱になるのではなく、その濃度勾配が解消される事により脂肪酸分解経路が働き続けるので熱が出るという理解でよさそうです。