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meefla ベストアンサー |
英訳版で読みました。
"The Falling Girl" by Dino Buzzati(MS Word ファイル)
読者によっていくつか解釈の方向がありそうですが、私見を。
[2] この話は全体的に、何を象徴してるのだと思いますか? 「落ちる娘」は要するに何をしたの?
即物的ですが、成功を目指して挫折した少女のお話し、と解釈しました。
サクセスストーリーなら上昇の方向で描かれるわけですが、ベクトルが真逆になっているわけです。
「芸能界に身を投じた」とすればわかりやすいかと。
より一般的には、娘を「流行」とか「新商品」とかの象徴にする解釈もありうるでしょうが。
[3] 「大きなパーティ」(p.22 6行目)が意味するものは?
芸能界の例えで言えば、アカデミー賞とかでしょうね。
でも娘はそこに到達できずに老いていく。
[4] なぜ夕方→朝 にかけての話なの? 「太陽」が意味するものは何?
一般的なサクセスストーリーなら、若い頃が朝で、老年期が夕方から夜になりますが、「落ちる・登る」が逆転しているのと同じく、夕方に始まって朝に終わる構造になっている、と考えられます。
とすれば、「太陽」は死の象徴になります。
芸能界の例にこだわれば、娘の求めた名声が人工的なもの・虚飾的なものなので夜に向かって落ちる、という解釈もできるかと。
[1] ラスト、どうして「でも今回はそれも駄目みたいだぜ」なのかわかりません。なぜ今回は音が聞こえないのでしょう?
これが一番むずかしいので後回しにしました。
パーティーに間に合わずに死んだ娘が音をたてるとすれば、マルタはまだ生きていて20階くらいで漂っている、つまり老いさらばえて皆から忘れられているけど死んではいない、とも解釈できます。
即物的な私見では、音が聞こえる=マスコミに死亡記事が出る、として、死んでいるのにマスコミにも取り上げてもらえなかった、とも考えられます。
音が聞こえてしまえばマルタが死んだことが確定してしまうので、生きているのか死んだのかは読者の解釈に任せる、というリドルストーリー仕立てなのかもしれません。
ショートストーリーのお手本のような作品ですね。
一度でいいから、かきつばたでもこんなのを書きたいなー。(見果てぬ願望)