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「SUDDEN FICTION 2 超短編小説・世界篇」の冒頭に収録されていた、
わずか9ページの超短編小説、ディーノ・ブッツァーティの「落ちる娘」に衝撃を受けたのですが、
この小説を読んだことのあるみなさんの解釈を教えていただければと思います。
(もちろん原文で読んだ方でもOKです)

[1] ラスト、どうして「でも今回はそれも駄目みたいだぜ」なのかわかりません。なぜ今回は音が聞こえないのでしょう?
[2] この話は全体的に、何を象徴してるのだと思いますか? 「落ちる娘」は要するに何をしたの?
[3] 「大きなパーティ」(p.22 6行目)が意味するものは?
[4] なぜ夕方→朝 にかけての話なの? 「太陽」が意味するものは何?

●質問者: lionfan2
●カテゴリ:書籍・音楽・映画
○ 状態 :終了
└ 回答数 : 1/1件

▽最新の回答へ

1 ● meefla
ベストアンサー

英訳版で読みました。
"The Falling Girl" by Dino Buzzati(MS Word ファイル)

読者によっていくつか解釈の方向がありそうですが、私見を。

[2] この話は全体的に、何を象徴してるのだと思いますか? 「落ちる娘」は要するに何をしたの?

即物的ですが、成功を目指して挫折した少女のお話し、と解釈しました。
サクセスストーリーなら上昇の方向で描かれるわけですが、ベクトルが真逆になっているわけです。
「芸能界に身を投じた」とすればわかりやすいかと。

より一般的には、娘を「流行」とか「新商品」とかの象徴にする解釈もありうるでしょうが。

[3] 「大きなパーティ」(p.22 6行目)が意味するものは?

芸能界の例えで言えば、アカデミー賞とかでしょうね。
でも娘はそこに到達できずに老いていく。

[4] なぜ夕方→朝 にかけての話なの? 「太陽」が意味するものは何?

一般的なサクセスストーリーなら、若い頃が朝で、老年期が夕方から夜になりますが、「落ちる・登る」が逆転しているのと同じく、夕方に始まって朝に終わる構造になっている、と考えられます。
とすれば、「太陽」は死の象徴になります。

芸能界の例にこだわれば、娘の求めた名声が人工的なもの・虚飾的なものなので夜に向かって落ちる、という解釈もできるかと。

[1] ラスト、どうして「でも今回はそれも駄目みたいだぜ」なのかわかりません。なぜ今回は音が聞こえないのでしょう?

これが一番むずかしいので後回しにしました。
パーティーに間に合わずに死んだ娘が音をたてるとすれば、マルタはまだ生きていて20階くらいで漂っている、つまり老いさらばえて皆から忘れられているけど死んではいない、とも解釈できます。
即物的な私見では、音が聞こえる=マスコミに死亡記事が出る、として、死んでいるのにマスコミにも取り上げてもらえなかった、とも考えられます。
音が聞こえてしまえばマルタが死んだことが確定してしまうので、生きているのか死んだのかは読者の解釈に任せる、というリドルストーリー仕立てなのかもしれません。


ショートストーリーのお手本のような作品ですね。
一度でいいから、かきつばたでもこんなのを書きたいなー。(見果てぬ願望)


lionfan2さんのコメント
meefla様、回答ありがとうございます。英語版で読んだというのに驚きです。すごいですね!! [2]は了解です。こちらは、売春でもはじめたのかと解釈しましたが、芸能界入り説の方がすっきりしますね。[3]もすんなり解釈できます。 [4]は素晴らしい!! 脱帽です。 [1]については、「マスコミに死亡記事」はなるほどー、と感心しました。さすがです。 お見事でした。
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