クォークを独立して加速できるのかってとこね。
陽子さえ存在すれば、物質がありえます。物質の質量はヒッグス場が与えます。そもそも、陽子は、アップクォーク2個とダウンクォーク1個の計3個が、同時三重衝突で生じうるのでしょうか。ビッグバンや超新星爆発時に、その同時三重衝突の確率は高まるのではないでしょうか。
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matryosika ベストアンサー |
宇宙創成時における陽子の生成では「衝突によってできた」というのはあまり適切ではないと思います。
宇宙が超高温・超高密度だったとき、クォーク・グルーオンプラズマ(QGP)が存在していて、そこから陽子をはじめとするハドロンなどが形成されたと考えられています。
QGPはハドロンの構成粒子であるクォークとその糊付け役を担うグルーオンが自由度を持って混合している状態です。
高温・高圧条件下でハドロンより作ることができると考えられていて、ハドロン同士が重なり合うことによって隣のハドロンのクォークとも相互作用できる状態になっています。この状態では単体としてのハドロンの境界は意味を成さなくなり、クォーク・グルーオンがある程度の相互作用を持ちつつ混合することになります。つまり、QGPを構成する粒子は完全な自由粒子というわけではなく、QGP自体は気体というよりも粘性の無い「完全液体」のような物性を示すと考えられています。
さて、QGPからハドロンが作られるときのことを考えてみると、クォークが圧力・温度低下によって特定のクォークとしか相互作用できなくなり、結合を起こします。この結合した状態をハドロンと呼んでいて、陽子や中性子もその一種です。イメージとしては「衝突」ではなく「凍る」とか「結晶化する」みたいな相転移のイメージがあっていると思います。
ちなみにクォーク単体を取り出すのはできないと思います。クォークの閉じ込め効果によるとハドロンからクォークを引き離そうとすると、そのエネルギーにより、結合が切れた途端にその結合の端にクォーク・反クォーク対が生成してしまうからです。最初から単独のクォークが存在していて孤立していれば大丈夫かもなんて思ったこともあります(強い相互作用の伝播距離が小さいため)が、この状態が安定なのか不安定なのかに関わらず、宇宙がQGPの塊だったことを考えると、すべてのクォークが冷え固まってハドロンになっていると考えるべきですね。