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なぽりん ●15ポイント ![]() |
例えば、日本では100円のハテナ株(仮名)を持っていると、毎年ほぼ必ず2円の配当がつくとする。
去年アメリカから1ドル50円の時代に株を買おうとすると2ドル出さないと行けなかった。
2ドルで1株買えた。毎年2円もらえる。
今年アメリカから1ドル100円の時代に1ドル出して株を買おうとすると、それで2円もらえる。
今年なら2ドルで2株買えた。毎年4円もらえる。もちろんその4円の価値を今すぐアメリカのお金に換えるのなら1ドル50円時代の2円と大差ないけれど、あとで円安から円高に戻るだろうとおおかたは思っている。それまでもっていれば倍もうかったことになる。利子が倍になる貯金があればだれだってやってみたい。
大人気。株足りない(株は貨幣とちがって無制限に印刷できない)。希少価値があがって株価あがる。
今買えばすごくお得なのはわかってるんだから自分は数セントずつなら上乗せして他人に買い占められるまえに買ってやるってことです。
これがB説。外国人には割安感があるよねってこと。
それプラス、そもそもハテナ株は輸出関連なので業績があがるはず。配当も額面100円の1株あたり3円になりそうだ。為替に関係なく今までの1.5倍の配当が得られるなら本体価格も1.5倍高くたって買いたい。150円で買った1株が3円もうかるのなら、いままでと同じですからね。
これがA説。日本国内でも企業の人気があがったという意味です。輸入関連(食品加工企業や、電力関連)などは基本的にはA説にあてはまりませんのであがったならB説の外国投資家がきたから、です。
C説は「もう気分的な問題だろ。アベノミクスなんつったって、あとで円安が円高に転じるかどうかとか、輸出産業の各企業がこのまま不祥事だの風評被害事件を起こさないかどうかなんてだれもわかんないのにサ。関係ない関係ない、波みたいなもんだ。株価を予想するなんてギャンブルにすぎないんだよ。あ、でも一瞬だけやって儲かるならいいんじゃない」
そんなニヒルな人なんじゃないでしょうか。これもあたっています。投資家も人間なので、噂や雰囲気などでも株価は大きく左右されます。短期投資家の動きに注目したわけです。
結局株価はAKB48のCDの値段と同じです。CD、というか握手権、を欲しがる人がいっぱいいればオークションでの値段が上がっていくのです。結局人気投票なのです。ファンの心理を後付で理屈に添わせているだけです。
現実は、説Aと説Bのミックスです。
円安で輸出が伸びているのは事実ですから、説Aは正しいです。
http://www.nikkei.com/article/DGXDASGD0605Y_W3A200C1TJ0000/
輸出企業の業績が伸びていることに加え円安なので、外国人投資家は輸出企業の株を買っています。これも事実ですから、説Bも正しいのです。
http://kabushiki-blog.com/article/22757604.html
今回の円安株高に関してはアベノミクスや黒田総裁の政策のインパクトで今後物価が上がっていくという期待を保たせ、それで市場に、価格が上がるんだったら早めに買っておかなければいけないということを思わせたからです。
これから景気はよくなるのかな、投資した方がいいのかなと思わせたB説が大きな要因です。もちろんA説も少しはあります。ですが今回はB説。
http://news.mynavi.jp/articles/2013/04/25/abenomics/index.html
アベノミクスとは?
http://www.asagaku.com/jkp/2013/1/0119.html
上場している日本企業の価値は世界基準なので。実質的に一株が何ドル相当と平時より換算され・比較評価されています。
比較対象は一般に海外の同業種企業だと考えてください。
円が安くなっても企業価値が変わらない場合は、ドルに対しての株価を維持するため円基準で評価すると株価が上がります。
一ドルが110円くらいまでは、ある程度の輸出部門を持つ日本企業が価値を落とす可能性が希薄なので。機械的に連動して株価が上がると思われます。
A,Bに加え、Cも一因になっていると思います。
日本の金融緩和。
これにより円が大量発行されますが、これの行き場がありません。
一部は日本株へ流れます。
今まで、欧米の積極的な緩和策により、行き場を失ったユーロやドルが消去法による退避策として日本円(円債権)へ大量に流れ込んでいました。
これにより円高。
日本の景気が楽観視されていた訳ではなく、単にEUよりは安全だろうという程度なので債権だけで株にまでは回りませんでした。
ところが、日本の方向転換による金融緩和に加え、アメリカの景気回復傾向によって引き締め方向が見いだされ、円からドルへ回帰する方向へ向かっています。
これにより円安ですが、同時に日本の金融緩和によるダブついた資金の一部が日本株へ流れます。
もちろん、円安による輸出企業への投資も重なります。
日本が景気回復なら円の価値が高まるはずですから矛盾もあります。
それが、市場操作のための金融緩和なのではと批判されたり、財政再建を行って膨大な赤字国債を削減すべきというような批判に現れています。
つまり、取りあえず円安によって輸出企業中心に株高にはなっているものの、経済環境全体が改善した訳ではなく非常に危うい状態である事もあって、必ずしも円高にはなれない、逆に、極端な金融緩和に不安を感じて円から逃げているのでは、と思わせる部分もあると思います。
加えて、アメリカの雇用統計改善に見られるような景気回復傾向により、今まで円に退避していた資金がドルへ戻っているのです。これは、アメリカの3度のQEなど大量の資金の一部が円債権へ投資されていた部分が戻っているだけの事で、決してドルへ新規投資されているのでは無いと思います。
ただ、日本への投資がゼロになる訳もなく、金融緩和でさらにパフォーマンスの下がった円債権から、一部は上昇傾向にある日本株へ向かってもいると思います。
ただ、規模としてはずっと小さくなっています。
ドル円市場に比べて日本株市場は数分の一以下です。
アメリカがくしゃみをすれば日本が風邪をひくのと同様に、アメリカが調子良いので日本もおこぼれにあずかっている程度に過ぎないのでは?