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匿名回答1号 ベストアンサー |
(四六段)
せちはさつきにしくはなし。しょうぶよもぎなどのかおりあいたるもいみじゅうおかし。ここのえのうちをはじめて、いいしらぬたみのすみかまで、いかでわがもとにしげくふかんとふきわたしたる、なおいとめずらしく、いつか他折(たせつ?)はさわしたりし。
そらのけしきのくもりわたりたるに、こうぐうなどには、ぬいどのより、おんくすだまとていろいろのいとをくみさげてまいらせたれば、おきちょうたてまつるおもやのはしらのさゆうにつけたり。ながつきここのかのきくを、あやとすずしのきぬにつつみてまいらせたる、おなじはしらにゆいつけて、つきごろあるくすだまとりかえてすつめる。またくすだまはきくのおりまであるべきにやあらん。されどそれはみないとをひきとりてものゆいなどして、しばしもなし。
おせっくまいり、わかきひとびとはしょうぶのさしぐしさし、ものいみつけなどして、さまざまからぎぬ、かざみ、ながきね、おかしきおりえだども、むらごのくみしてむすびつけなどしたる、めずらしゅういふべきことならねどいとをかし。さてもはるごとにさくとて、さくらをよろしゅうおもうひとやはある。
つじありくわらわめの、ほどほどにつけては、いみじきわざしたると、つねにたもとをまもり、ひとにみくらべ えもいわずきょうありとおもいたるを、そばへたるとねりわらわなどにひきとられて、なくもをかし。
むらさきのかみにおうちのはな、あおきかみにしょうぶのは、ほそうまきてひきゆい、またしろきかみをねにしてゆいたるもおかし。いとながきねなどふみのなかにいれなどしたるひとどもなども、いとあでなるへんじかかんといいあわせかたろうどちは、みせあわしなどする、おかし。ひとのおんな、やんごとなきところどころにおふみきこえたもうひとも、きょうはこころことにぞなまめかしゅうおかしき。ゆうぐれのほどにほととぎすのなのりしたるも、すべておかしういみじ。
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現代語訳は漢字まじりが普通ですので、読み方をしめす現代仮名遣いのひらがなと解釈しました。
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