2乗3乗の法則の法則で説明しようという考え方には賛成しかねますね…
なぜって、床面積を広げたからって背を高くする必要がありません。
ではそれ以外ならなぜ今以上幅広な列車が使われていないのかですが、線路の方に理由が求められませんかね。
列車が幅広なら線路も幅広にしないとこけてしまうわけですが、線路を幅広にするのも限界があります。線路幅が広がれが広がるほどカーブでの左右のレール長の差が大きくなるので、緩いカーブしか作れなくなっていきます。
(日本の標準が狭軌になっているのも、急カーブを作りやすいようにという意味があります)
あまり幅広な列車だと、そうですね、2本のレールではなく2組4本のレールにして車体の両側に台車をつける、というようなすごい設計でないとカーブを曲がれなさそうです。
で、そんなすごい設計の車両を通過させるポイントはどういうすごい設計になるんだと考えると…
車両でかくするくらいならつないで長くした方がましっつー気がしてきますね。
「無尽蔵にお金がある」という前提の議論ならば、車両を大型化するより、複線化、複々線化、...の方が合理的な気がします。関東圏みたいに特急から各駅停車まで同じ線路を走っているのを考えますと。
コストは考えなくても良いという話なので、単純に車両をでかくした時の問題のみに絞って考えたとしても、良いことばかりとは限りません。今でもラッシュで詰め込まれた状態だと、車両の奥に入りすぎたら降りられないのに、もっと車両が大きくなったらさらに大勢の人をかき分けなければ降りられませんよ。少なくとも、乗り降りに要する時間は確実に延びるでしょうね。
車体が大きい分、そんなにぎゅうぎゅうにならないぞという発想かも知れませんが、ひとたび事故や安全確認とかが入った場合はそうも言ってられなくなるでしょう。また、そんな状態の時に急ブレーキが使用された場合の車内の様子を想像すると、シャレにならないような予感がします。
確かに車体を大きくすることは定員増に対する有効な対策ですが、やり過ぎるとひとたびイレギュラーな事態が発生した場合に、一瞬でメリットをデメリットが上回ってしまうのでは?
アメリカやロシアみたいに建設用地のことをあまり考慮しなくていい国であっても、鉄道車両はそんなに大きくはありません。結局のところ鉄道車両の大きさというのは、経済性・運用性・安全性等々ひっくるめて今の大きさに落ち着いている…ということじゃないですかね。