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乳児に関しての質問です。
「赤ちゃんは粉ミルクを消化するのに時間がかかるので、一度飲ませたら3時間間隔を空けなくてはいけない。母乳の場合はすぐ消化されるのでいつでも飲ませてよい」という論がネットにあるようですが、これは科学的に正しいですか?
実際の研究や論文の引用・リンクでの回答をお願いいたします。

●質問者: Lhankor_Mhy
●カテゴリ:医療・健康 科学・統計資料
○ 状態 :終了
└ 回答数 : 3/3件

▽最新の回答へ

1 ● なぽりん
●200ポイント

定本育児の百科 (岩波文庫)〔全3冊セット〕

定本育児の百科 (岩波文庫)〔全3冊セット〕

という小児科医が実体験にもとづいて研究した本を愛読していました。
そこにあった要旨を覚えているだけでかきますと
「たいへんだが母乳育児をすすめたい(いろいろ理由あり)。
粉ミルクはほ乳瓶のゴムの穴を大きくすればすぐのませおわることができる。母親は楽ができるが子供が過大になりやすい。気づくと運動しづらい体になって肥満してしまうことがある。
したがって母乳でない場合は「人工ミルクの量を制限せねばならぬ」。夏など喉がかわいてもっとほしがるときは、白湯(さゆ。沸騰させて冷ました水のこと)やうすめた果汁(半年以降。新生児には与えない)などを与えたい。」
人工ミルク会社はミルクがよくうれた方がうれしいですから「少なめにあげろ」とは絶対にいいません。(研究でそういう成果がでていたとしても)

消化は母乳もミルクもさほどよくはありません。乳児性下痢をするのは通常の赤ちゃんです。
必要な量より飲ませすぎたら体の姿勢を立ててげっぷをさせているうちにけぽっといくらか吐くのもごく通常のことです。
ほかにもいろいろ詳しくかいてあるのでおすすめの本です。


Lhankor_Mhyさんのコメント
これはよさそうな本ですね。買ってみようかな。

2 ● しぐま。
●10ポイント

粉ミルクの場合、飲ませてはいけないと言う人と
飲ませていいという人がいるようですね。
http://okwave.jp/qa/q3036207.html
粉ミルクは絶対に3時間あけなければダメでしょうか?
この質問の回答にも、

私はとりあえず3時間空ける、というのは守ってました。

というように、守る方がいいと言う意見と、

保健士さんに相談したところ体重増加だけ気をつければOKとのこと

と、関係ないという意見もあります。

http://mamanomori.jp/column/ikuji/m_7.html
ここでは、ミルクの授乳感覚について
詳しく書かれているので、
是非見て下さい。


Lhankor_Mhyさんのコメント
ごめんなさい。 その辺のことについては分かっているつもりです。 授乳間隔をどうしたらいいのかとか、赤ちゃんが泣いているときにミルクを上げた方がいいのかどうかとか、そういうことを聞きたいのではないのです。その辺は経験でなんとなく分かるようになりましたので。

3 ● a-kuma3
●300ポイント ベストアンサー

まず、母乳と乳児用調製粉乳(以下、粉ミルク)の成分的な違いについて。
http://www.nyukyou.jp/dairy/powdered/powdered06.html
牛乳と比べれば、ぐっと母乳に近い。
蛋白質のカゼインと乳清の比率まで調整して、母乳に近づけているんですね(芸が細かい)。


で、本題。
お医者さんが書いてるものも、ちらほら見受けられたので、文献を探してみました。
こんなのとか、こんなのとか

ちょっと、思っていたのとは違ったものが見つかってしまいました。

まず、「公益社団法人日本麻酔科学会 術前絶飲食ガイドライン」という文書。

6.母乳
推奨
母乳の摂取は麻酔導入 4 時間前まで安全である.(推奨度 C)
論拠
放射性同位元素で標識して胃内容量を測定した試験では,胃内の母乳は 120 分後に
18%になっており,人工乳や牛乳に比べて有意に少ない[23].

7.人工乳・牛乳
推奨
人工乳・牛乳の摂取は麻酔導入 6 時間前まで安全である.(推奨度 C)
論拠
5 歳以下の待機手術患者において,人工乳の術前投与に関して放射性同位元素で標識
して胃内容量を測定した試験では,胃内の人工乳,牛乳は 120 分後に 47%,55%になり,
母乳に比べて有意に多い[23]. メタアナリシスで牛乳の術前摂取について評価できる

http://www.anesth.or.jp/guide/pdf/guideline_zetsuinshoku.pdf

参考文献[23]というのは、こちら。

[23] Billeaud C, Guillet J, Sandler B.: Gastric emptying in infants with or without
gastro-oesophageal reflux according to the type of milk. Eur J Clin Nutr
1990 ;44(8):577-583.

http://www.anesth.or.jp/guide/pdf/guideline_zetsuinshoku.pdf

んー、古い。
でも、一応、内容を確認します。

Abstract だけですが、ここで読めます。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/2209513

GE did not differ with age or sex, but differed mainly according to the type of milk. In the control group, gastric residual content (GRC) at 120 min was 18 +/- 11 per cent with human milk (n = 7), 16 +/- 21 per cent with whey-hydrolysate formula (n = 8), 25 +/- 17 per cent with acidified formula (n = 13), 26 +/- 19 per cent with whey-predominant formula (n = 22), 39 +/- 17 per cent with casein-predominant formulae (n = 20), 47 +/- 19 per cent with follow-up formulae (n = 16) and 55 +/- 19 per cent with cow's milk (n = 12).

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/2209513

whey は、乳清。牛乳から、乳脂肪分やカゼインを除いたもの。
casein は、カゼイン
120分後に 47% になるのは follow-up formula (多分、フォローアップミルク)。
これを人工乳としてしまうのは、とても大雑把(とにかく、胃が空っぽになるには、というガイドラインなので、時間がかかる方を採用する、ということだと思います)。
とはいえ、乳清が主体的なものでも、二時間で 26% が胃に残っているらしい。

もうひとつ見つけたんですが、こちらはもっと古くて 1981年。
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1651-2227.1981.tb05760.x/abstract

The average gastric half-emptying time for meals of human milk was 48 min, and for meals of infant formula 78 min. After 1 hour an average of 29.5 ml of human milk and 22.7 ml of infant formula per 0.1 m2 of body surface area had emptied from the stomach.

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1651-2227.1981.tb05760.x/abstract

胃内の残存量が半分になるまで、母乳は 48分、粉ミルクは 78分。
一時間で、母乳が 29.5 ml、粉ミルクが 22.7 ml (体表面積 0.1m2 当たり)が、胃からなくなっている、と。


二十年前から、粉ミルクが進化していないとは、とても思えないんですが、消化に影響がありそうなカゼインの量の調整は、日本だと昭和30年代の終わりには、行われていた様子。

特殊調製粉乳時代
日本の経済が急速に回復する中で、正しい栄養摂取のあり方、母乳成分の研究、新しい技術の導入などで、育児用粉ミルクはさらに母乳に近いものとなりました。
「調製粉乳」に加えて昭和34年、乳等省令で「特殊調製粉乳」の規格が制定されました。これまでは牛乳に不足する成分を添加していましたが、この頃になると母乳の研究も進み、より母乳に近づけるため、牛乳の成分そのものの置換が認められるようになりました。牛乳に多いカゼイン(たんぱく質)を少なくして乳清たんぱく質を多くする、脂肪酸組成を変えるため牛乳の脂肪を一部植物性脂肪に換える、さらに、ミネラルバランスの改善などが次々と行なわれました。昭和30年代の終わり頃には、各社の製品はすべて特殊調製粉乳になり、昭和50年以降は、砂糖の添加もなくなりました。

http://www.nyukyou.jp/dairy/powdered/powdered05.html

先の「術前絶飲食ガイドライン」は 2012年7月とありますが、論拠にしている論文は 1990年。
それなりに新しい文献も参考にされているので、先の論文が古くても信用に足るもの、もしくは、新しい論文が無い、ということなのかも。
# 探し方が悪いのかもしれません ><


「赤ちゃんは粉ミルクを消化するのに時間がかかるので、一度飲ませたら3時間間隔を空けなくてはいけない。母乳の場合はすぐ消化されるのでいつでも飲ませてよい」

この物言いですけど、次のように言いかえると、あまり気にならなくならないかな、と。

母乳の場合には、赤ちゃんが欲しがるだけあげて良い。
でも、粉ミルクの場合には、母乳に比べて、吸い口が飲み易い、胃内残存時間が長い、という特徴があるので、飲み過ぎてしまう可能性もある。
なので、三時間ほど間隔を空けることを意識した方が良い。

結局のところ、加減とか塩梅が大切だと思います。
赤ちゃんの個体差や、そのときの体調を無視してできる話ではないですし。
何にせよ「過ぎたるは及ばざるがごとし」。
# うちの場合には、量が多過ぎた ><

因みに、ぼくは、「お腹が空いた」って泣いているのが全然分からなく*1って、しばしば、我慢をさせたことがありました。
というわけで(何が)、子育て、頑張って下さい。

*1:ごはんか、おむつか、眠い、のどれかだろうに、何故かミルクのことを忘れちゃう


Lhankor_Mhyさんのコメント
その辺の研究どおりだとすると、安全を取って3時間というのは一応ありうる話ですね。 ただ、胃にミルクが残っている状態で授乳することが良くないかどうか、についてはまた別の話、ということになりますか。
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