人間の感覚というものは思った以上にあてになりません。
外界の物理的な現象を検知したから感覚が生じたのかというと、そうとは限らないんですよね。
で、それを第三者として診療する医師の立場からです。
患者さんが口腔内違和感を自覚した、それは事実でありもちろん事実として受け止めます。で、口腔内を調べてみる。第三者の目(検査も含めて)では特段かわったところは見受けられない。
さてどうするかです。
この場合医師として大事なことは、見逃したらまずいものを見逃さないという一点です。口腔癌を見逃したりしたら、まずいですよね。歯周病も虫歯も、あれば見逃さずに治療したいところです。
逆にそういう「見逃したらまずいもの」も見当たらなかったらどう考えるか。
自覚症状はあるが所見は見つからなかったという謎は未解決だけど、未解決でもいいじゃない、まずいものはないんだし、が現時点で最も妥当な結論となります。
だから本人としては、少なくとも放置してまずいような病変はないので、ここは堂々と「気のせいだろ」で済ませておくのが精神衛生上よろしいのではと思います。
くちんなかのねんまくがすりきれてると味するよ。