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【人力検索かきつばた杯】#55


かきつばた杯を開催します。
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%CD%CE%CF%B8%A1%BA%F7%A4%AB%A4%AD%A4%C4%A4%D0%A4%BF%C7%D5

〆切は
12/13(金)23時? 自動終了期限前(質問者の都合により前後します)

お題:
次の文章の「前」若しくは「後ろ」を書いてください。

*************************
「で?別れちゃったわけ」
コーヒーを若菜の前に置きながら、明菜は呆れたように天を仰いだ。
「そう。そうなの。そうなのよ。」
ジッとコーヒーカップを見つめている若菜の頭を、明菜はポンポンと叩く。
「損な、若菜」
若菜の目からあふれた涙は、カップから立ち上る湯気を揺らし、コーヒーの表面に波を立てた。
*************************

「前」「後ろ」の定義はお任せします。
他の人が書いた「前」や「後ろ」とのカップリングもOKとします。(その際は、どの作品とのカップリングか明記すること)

感想程度は書きます。

●質問者: たけじん
●カテゴリ:芸術・文化・歴史 ネタ・ジョーク
○ 状態 :終了
└ 回答数 : 8/8件

▽最新の回答へ

1 ● GM91
●30ポイント

「で? そのまま別れちゃったわけ」
コーヒーを若菜の前に置きながら、明菜は呆れたように天を仰いだ。
「で、えもっちゃんは何て言ってるの?」
「お前の好きにすればいい、ってさ」
「なにそれ、恋女房にずいぶん冷たい言いぐさよね。あきれた」
恋女房なんてずいぶん古臭いな、と言い返されることを期待した明菜に対して、若菜はうつむいたまま答えない。ついに痺れを切らした明菜が、ちょっと乱暴に椅子を鳴らして立ち上がると若菜も顔を上げた。
「真弓は……チームに必要だから」
自分に言い聞かせるようにつぶやいた若菜に、明菜はふう、と大げさにため息をついて見せた。
「あなたっていつもそうよ、自分のことは二の次」
「そうかな」
「そう、そうなの。そうなのよ。」
ジッとコーヒーカップを見つめている若菜の頭を、明菜はポンポンと叩く。
「損な、若菜」
若菜の目からあふれた涙は、カップから立ち上る湯気を揺らし、コーヒーの表面に波を立てた。

「それで、これからどうする気?」
「アメリカにでも行こうかな」
「また留学するってこと?」
「ちょっと違うけど……まあ似たようなもんか」
「いいんじゃない? 行ってきなよ」
「そうするか」
「よし決まり」

そして、若菜嘉晴の新たなる挑戦は舞台をアメリカに移すことになった。


GM91さんのコメント
よっしゃ、一番乗り!

GM91さんのコメント
感想くだされ!

たけじんさんのコメント
了解しております。後ほど。

たけじんさんのコメント
前とか後ろとかに入れてって言ったのにぃ。 間に挿入って、何てことするの。 ではなくて。 当然出てくるだろうなと思っていた「若菜」は苗字パターンですが。最初に登場するとは思ってもいませんでした。 涙流すなんてちょっと女々しい若菜は、アメリカにこうして旅立ったのですね。 女性のセリフを若菜に言わせないというのはいい感じです。第一センテンスまでは、地の文の文体も近いし。 ただ、第二センテンスがセリフだけってのが、ちょっと不満です。 最後の一行。決め所だったけど、ちょっとねじれてます。 うまくアイデアをまとめてくださって、楽しい一遍になってます。ありがとうございました。

GM91さんのコメント
ありがとうございます。 ラス一行、確かにちょっと悩んだんですよね。反省。 後半、改めて読み返すと確かにちょっと手抜きでしたね。

質問者から

もう書かれちゃいましたが、間に挿入してもOKです。


2 ● 琴木
●25ポイント

首都東京に新たに作られた電波塔の袂に、規模は小さいけれど常連客が多く、どんなバンドでも受け付けるライヴハウス、『キサラギ』がある。そこで歌って喝采を浴びると出世すると言う伝説があり、キサラギ出身とプロフィールに掲げる有名なバンドも少なくはない。そんな環境が根付いた街に住んでいたからか、自然とミュージシャンを志していた、白鳥若菜、高校二年生の春。
「ミュージシャンを目指したいから、高校をやめたい」
父親は激怒して顔を紅くし、母は驚きのあまり顔面蒼白になった。たどり着いた答えは“勘当”。高校退学の手続きを済ませ、三日以内に出て行けと言われて宿無し金無しになった時に、助け舟を出してくれたのは結婚を間近に控えたお姉ちゃんだった。

「“若菜さんの歌声がすごく好きです”だって」
「本人だって、意外と好きよ」
「“若菜さんのファッションも大好き。絶対デビューして”ですって」
「……ファッションはお姉ちゃんが買ってくれたワンピースの着回し。デビュー云々はもう無理な話だ」
「まったく。若ちゃん、頑固なんだから。折角、若ちゃん宛てのファンレター届いてるのに」
「だからなんですか、明菜オネエサマ」
昨日の話だ。一緒に退学した仲間と作ったバンドで、キサラギでライヴをやらせてもらった。出来は上々、だと思っていたが、ベースとドラムが喧嘩を始めた。あそこはどうだ、ここはああだと、争っているのを周りは見ているしかなく、行きつく先は解散。それは、親に勘当された頃を思い出させて余計に泣けてきた。
「そりゃ、若から音楽とったら何もないですよ。ニートとか言うやつですよ」
「そうね、家もないものね。新婚の姉夫婦の家に自分の部屋作ってるぐらいだものね。あと、自分のことは私って言いなさいよ、いつまでも“若”じゃ、笑われるよ」
「……お姉ちゃん怖いよ、その微笑み。音楽も人間の性格と一緒でね、進みたい方向に違いがあるのよ。音楽に正解はないの。若は自分を貫いただけ」
「で?別れちゃったわけ」
コーヒーを若菜の前に置きながら、明菜は呆れたように天を仰いだ。
「そう。そうなの。そうなのよ。」
ジッとコーヒーカップを見つめている若菜の頭を、明菜はポンポンと叩く。
「損な、若菜」
若菜の目からあふれた涙は、カップから立ち上る湯気を揺らし、コーヒーの表面に波を
立てた。
「もうやめるよ。音楽やめる。私には才能も人脈もないのよ。辛い思いはもうこりごりよ。だってさ、ベースとドラムは高校にいた時からあんまり仲良くなかったのに、“若菜のヴォーカルに惹かれた”とか言ってさ。キサラギの舞台に立つ夢の踏み台に、若を使っただけじゃない。もういやーやめてやるー!」
ぐいっと少し涙味のコーヒーを飲み干す。お姉ちゃんは空のカップを受け取って、新しいコーヒーを注いでくれた。私の好きな、特別な配合のブレンドコーヒー。ああ、明菜お姉ちゃん。あなたはなんて妹思いなの、と、優しい言葉を期待していたら、
「じゃ、やめれば?」
にっこりと、おそらくいつもと違わぬ天使の笑みで、悪魔の言葉をささやいた。
「でも、勘当されているから、若ちゃん部屋に住むんでしょう?目的も目標もないのだから、バイトでもしてお家賃は払ってね」
心が凍りついた。いつも笑顔で助けてくれるこの姉が、勘当された時、宿無し金無し人間の妹に助け舟を出してくれたこの姉が、まさかこんなことを言うなんて。天使の顔をした悪魔だ。
「フフフ、お家賃は半分冗談」
半分?ああ、恐ろしい我が姉。
「若ちゃん、本当は分かってるでしょ。人間ね、挫折があって成功するのよ。あなたの好きなキサラギ出身のミュージシャンも、たくさん挫折しているはずよ。挫折するから、振り返る。間違いを見つける。それを改善する。人生なんてこのローテーション」
「ああ、お姉ちゃんの好きな正のサイクルね」
「間違いは確かに間違い。若ちゃんのバンドのみんなの方向性を確かめなかったのは敗因よね。意味的には間違いはしてはいけないことだけれど、道徳的にはしなければいけないことよ」
お姉ちゃんの言葉が心に突き刺さる。失敗は成功のもと、とはいうけれど、実感したことなんてなかった。流石、我が姉。誇り高き私の姉。
「お姉ちゃん」
言いくるめられた気がして、少し、悔しい。
「私……音楽やめるかもしれない」
「うん」
「でも、やめないかもしれない」
「そう」
「バイト……やってみようかなと思う。お家賃も、ちゃんと払うよ。違う刺激があれば、何か見つかるかもしれないし」
「それがいいよ、お家賃は安くしとくから。夢は持つだけじゃなく、動いていかないとね」
未来なんて見えないから、どんな結果になるか分からないけれど、進まなければ何もわからない。
「あ、お義兄さん、お帰りなさい」
「あれ、若菜ちゃん、来てたんだ」
「悠斗、お帰り」
ありがとう、お姉ちゃん。待ってろキサラギ、今度はパワーアップして登場するよ。


琴木さんのコメント
二番乗り!感想等頂けたら嬉しいです。

たけじんさんのコメント
若菜、明菜の関係は素直に受け取れるまま料理していただいたようで、すんなり前後がつながっています。 非常にいい感じです。 ただ、前後の時間変化が少ない分、説明的なところがあるのと、物事の起伏が少ない感じがします。 後半部にもう少し「転」があってもいいかな、という感じです。 淡々と状況を切り取ってきている臨場感はいいのですが。

琴木さんのコメント
感想ありがとうございます。 「非常にいい感じ」、感涙です。 字数にとらわれすぎたのか、「転」の部分は確かに少ないですね。今見ると。 推敲の時点で気づけよって話ですが(^_^.) 説明文病から抜け出せずにやきもきです。 それでも「いい」という言葉をいただいて嬉しいです。 重ね重ねありがとうございます。

3 ● libros
●30ポイント ベストアンサー

若菜は辛そうに呟いた。
「自分なりにできることは全てやったわ。でもダメだった。やっぱり一緒にはいられなかった」
「で?別れちゃったわけ」
コーヒーを若菜の前に置きながら、明菜は呆れたように天を仰いだ。
「そう。そうなの。そうなのよ。もうこれ以上は無理」
ジッとコーヒーカップを見つめている若菜の頭を、明菜はポンポンと叩く。
「損な、若菜」
若菜の目からあふれた涙は、カップから立ち上る湯気を揺らし、コーヒーの表面に波を立てた。
「まあ、そうとう重症ね」
明菜がポケットティッシュを差し出すと、若菜は自分のトートバッグを引き寄せ、ボックスティッシュを取り出した。
「常備してる。これじゃないと足りないもの。…あーあ、今頃みんな楽しんでるだろうな、お花見」
涙をぬぐい、洟をかむ若菜を、明菜は気の毒そうに眺めた。
「こんな気候の良い行楽シーズンに外出が辛いなんて、本当に損ね、花粉アレルギーは」


librosさんのコメント
極短で恐縮です。

librosさんのコメント
お子様カレー並の甘口批評をいただけると嬉しいです。

たけじんさんのコメント
文体の継承も、涙の理由も、起承転結も、コンパクトにまとまっていて気持ちいいです。 会話主体で、説明っぽくなく決着をつけるのは結構難しいのですが、うまくクリアしてくださいました。 涙の理由がこの文章の謎解きなのですが、花粉症というのは意表をついていていいですねぇ。 ありがとうございました。

librosさんのコメント
お子様カレーどころか、砂糖菓子の蜂蜜がけ並に甘々な評をありがとうございます。 「アレルギーという発想はきっと誰かとかぶるから早い者勝ちだ!」と大慌てで書いたので、かきつばたにしては破格の短さとなりました。 いつか「辛口コメントどんと来い!」と言えるようになるべく、精進いたします。

4 ● コイル
●25ポイント

キャッチボールで窓を割り・・・

「龍也!いくよ?」
「はーい、姉ちゃーん」
若菜と龍也は、庭でキャッチボールをしていた。
「はいっ!」 ビュッ!
ビシッ! 「獲ったよ!姉ちゃん!」
「いいよ、龍也?!」
「よーし、行くぞォォ」 ビュッ!!
「よーし、とるゾ・・・?」
ヒューーーー・・・玉は若菜を通り過ぎた。・・・ヒュ―――――――
パリン!バリバリバリバリ…ガシャアアアアァン!!
自分の家の窓ガラスが割れた
「・・・・・・」


「龍也!どんな投げ方してるの!窓ガラスが、割れちゃったじゃない!!」
「は?!姉ちゃんがとってないから、割れたんだよ!」
「窓ガラスをよく見て投げなさいよ!」
若菜は、龍也に怒鳴ると、龍也は、キレて言い返してきた。
「僕は悪くないからね!」
「謝りもなしなの!?そっちから投げておいてさ!」
「もういいや!ゼッタイ姉ちゃんとなんかキャッチボール、しないからね!」
ビュン! 龍也は、若菜に向かってグローブを投げた。
「ちょっと、龍也!ねえっ!」


「で?別れちゃったわけ(縁切っちゃったわけ)」
コーヒーを若菜の前に置きながら、明菜は呆れたように天を仰いだ。
「そう。そうなの。そうなのよ。」
ジッとコーヒーカップを見つめている若菜の頭を、明菜はポンポンと叩く。
「窓ガラス代、損な、若菜」
若菜の目からあふれた涙は、カップから立ち上る湯気を揺らし、コーヒーの表面に波を立てた。


ゴクッ、ゴクッ、プー・・・。
明菜は、コーヒーを頼み直し、自分のコーヒーをぐいっと飲んだ。
「・・・・・・」
若菜は涙が混ざったコーヒーを見るまま、うつむいていた。
「若菜、ひょっとして、龍也くんのせいにしてるの?」
「・・・・・・ッ!」
「・・・そこまで泣く事ないじゃない」
「だって、龍也…皆、…私のせいにするんだもん......」
若菜は、泣き顔になりながら、明菜に言い訳をした。




「ふうん、あれ以来仲直りしたの?」
「それが・・・、してないの」
明菜は、若菜に軽い顔で聞くと、若菜は涙が混ざったコーヒーを見た。
「じゃあ、若菜はこれからどうするわけ」
「・・・・・・」
若菜は明菜の回答に答えられなくなっていったのだ。
「まあ、仲直りするかどうかは、貴方次第だからね。私には関係ないから勝手にして。それじゃ、またね」
明菜は、席を立ち、若菜にサヨナラを告げて店を出た。

次の日
「姉ちゃん!」
龍也は、若菜に元気な声で言った。
「なぁに?」
「今日晴れてるし、外でキャッチボールしようよ!」


コイルさんのコメント
>> で?割れちゃったわけ << 多少いじってみました

たけじんさんのコメント
挿入は可としたけど、変更はダメとします。際限ないので。

コイルさんのコメント
ありゃ、そうでしたか。すみません。 とりあえず直しました。

コイルさんのコメント
簡単に感想を希望しときます。 (´・ω・`)ボソッ

たけじんさんのコメント
1 やりたいことはわかる。 2 提示された文章をなんとかしようとした努力は認める。 3 涙の理由が、ちょっと弱い。 4 明菜との会話のシチュエーションが唐突。 5 次の日以降、書きたいことはよくわかる。 ので、グローブを仲直り(というか一方的な龍也君の接近)の小道具にするとか(伏線を張って回収する) 涙が出そうな理由を絞り出す、とかすると、もっと深い話(のように)になるわけです。 6 もうすこし削れるところがあるから、ここまで書いたら、五行を四行にする位の感じで削る。削り過ぎたら別のパテを張ろう(同じ文言じゃない方がいい)。 7 オノマトペはできるだけ減らした方が、効果的。コーヒーをグイッとのんでるんだから、ゴクゴクってのは省いた方がいい。音を聞かせたいのならグイッと飲んだは省く。コーヒーを飲み干す音が聞こえた。という風に。 しかし、課題文からここまでシチュエーションをひねり出すのは、結構頑張ったと思う。 ありがとうございました。

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