死の床で老人は息子に話しかけた。「…窓を…」息子は泣きじゃくりながら聞く。「お父さん何だって?」「…窓を閉めてくれ…人生の最後にこれでは悲しすぎる…」息子は不思議そうに言った。「窓? 閉まってるじゃないか。ああお父さん、幻覚が」老人は息子の耳元で叫んだ。「…社会のだ馬鹿たれ!」
▽6
●
lionfan2 ●13ポイント ベストアンサー |
さっさと支度してもうエレベータ来てるわよウチ24階だから下まで時間かかっちゃうでしょもうタクシーも来てるんだし急いでちょっと啓太も連れてきてあんたお姉ちゃんでしょもう下に行ったって嘘おっしゃいさっきまでベビーベッドで寝てたじゃないなに急いで下に行かせたってどこから?
言うべきか、言わざるべきか、それが問題だ。
なんと言っても相手はあの部長だからな、不用意な一言が致命傷になりかねん。
いや、しかし、見て見ぬ振りをしたことが後日発覚して何と言い訳するんだ?
どうすれば、どうすればいい?
「ん。中沢君、どうしたのかね?」
「あの、部長、社会の窓が」
「開けてくれ」
背後から声。仕事中。何を開けるんだって?
ああ、窓。窓なら私の後ろに。
「開けてくれ」
なんだか女性。窓ふきか。最近は女性もガテン系だね。遅くまで大変だ。何時だっけ?2時か。そう2時。ん?2:00って
丑三つ時
ここは13階。
後ろは、カーテンの無い窓。
「開けてくれ」
到着まであと一分だ。ホームに降りたらトイレに駆け込み、列車が消えてからさりげなく乗り換えるんだ。これで、俺のアリバイは完璧だ。ここは、特急の停車駅じゃなくて、時間調整だけだからな。さあ止まったぞ。窓を開け
開け
はめ殺しだ。開かないじゃないか。クソッ。アリバイが 俺の未来が
「開けてくれ。」
信号で停車していると、交差点が目もくらむ明るさにな
「浮いてる」
隣で妻がささやく。眼下にはスカイツリーの輪郭が遠ざかって行く。
「高い」
上空は何かに覆われていた。
開かない窓越しに、日本列島の輪郭が浮かび上がっている。
「世界一の夜景ね」
妻の声を背に、私は戻るために窓を叩く
「開けてくれ」
キミ、誰なの?
「ボクだよ」
どうして、ここに来たの?
「キミに、伝えたいことがあるんだ」
なに?
「ココロを、トウメイにしてちゃダメだよ」
ココロ?
「うん、暗いカオしたらダメ。周りも暗くなっちゃうよ。カラダは薄くても、ココロは明るくなきゃダメだよ」
…。
「じゃあね、明るいカオでいてね。ボク」