画像検査に一般的に使用される5Mピクセルのカメラの解像度は大体2500×2000ピクセルです。
撮影範囲を若干の余裕を見て縦820mmとします。
この時、5mmのパーツは約2.4×2.4ピクセルの画像となります。
何かがあるかないかの判別くらいはできるかもしれませんが、パーツかどうかの判定は不可能と思います。
よってワンショットは厳しいので最低でも12分割くらいは必要になるのではないでしょうか。
PCがあることを前提とし、インタフェースがUSB、またはGigEのカメラにすればキャプチャボードも不要になります。
この5Mピクセルカメラが安いもので5万円台(Basler acA2500-14gc、但しローリングシャッター)、ちゃんとしたもの(グローバルシャッター)だと20?25万円くらいです。
レンズはメガピクセル対応のCCTVレンズ。
視野角が大きい(焦点距離が短い)方がカメラとの距離を短く出来ますが、いわゆる魚眼レンズっぽく歪みます。
視野周辺部には小さなパーツを置かないようにするなど注意が必要です。
1?5万円くらい。(ミスミ メガピクセルCCTVレンズMLCV等)
次に画像検査には安定した照明が必要です。一般的にLED照明を使用します。
これは民生品のLEDライトでいいかなと思います。四方から当てましょう。
1?2万円くらいでしょうか。
最後にソフトですが、これが難しい。
自分でプログラミングできるならOpenCVを使用して0円で実現可能でしょう。
検査方法にもよりますが、例えば以下の様な感じです。
?各パーツを決まった位置・向きに設置するベースを作成します。くぼみがあってそこにパーツをはめ込むようなものです。12分割なら12枚で1セットです。
?出荷前後に画像を撮影します。カメラ、照明、ベースの位置が同一になるようにします。
?出荷前後の画像の差分を取り、大きく変化したところが無くなったパーツ(あるいは破損・入れ違ったパーツ)です。
その他、画像に応じてフィルタ等の前処理や、判定時のモフォロジ処理が必要になるとは思います。
パーツの向きを判別するにはパターンマッチング等必要になりますが、あらかじめテンプレート画像の登録が必要です。
60種類もあることを考えると、運用上パターンマッチングを必要とするアルゴリズムは手間が掛かるので向いていないと思います。ゆえに?のようなベースを作っておくことが重要になります。
その他、カメラ、照明、ベースの設置がずれないように一体型のスタンド(架台)を製作しましょう。
プログラミングできないなら、有償ですが対話型でアルゴリズムを構築できるツールはあります。(NI Vision Builder AIとか。これで25万くらい。USB、GigEカメラドライバ付き)
カメラ・照明・レンズで約10万円、有償の画像検査ツールで25万円、これにベースとスタンドの製作費が加わる感じでしょうか。(PCは含まず)