【謎解き・ドリンクソムリエール・生真面目な医大生・問題文】
「ソムリエール喫茶」に、真面目そうな大学生が入ってきた。
A之「この相談所では、人生のどんな悩みも、ばっちり解決してくれるって聞いたんですけど」
B美は困惑した。
B美「ここはソムリエール喫茶ですが」
A之は驚いた。
A之「え! 喫茶店も兼ねてるんですか?」
B美は辛抱強く説明した。
B美「ここはソムリエール喫茶です。つまり、お客様のお話を伺い、合うと思われる飲み物をお勧めする喫茶店です」
A之は言った。
A之「じゃあ飲み物付きでもいいです。喉が渇いてるような気もしますし」
B美は深いため息をつくと、A之を席に案内した。A之は話し始めた。
A之「自分は18歳で、T大医学部の1年生です。今は6年後に医師免許を取るため、一生懸命、勉強しています」
B美は相づちを打った。
B美「優秀なんですね」
A之は暗い顔で悩みを打ち明けた。
A之「でも僕の、医者になろうという気持ちは純粋なものだろうかって、ときどき不安になるんです。僕の心の中に25%くらい『お金持ちになりたい』とか、『どうせなら一番、偏差値が高いところに進学しよう』といった、不純な気持ちがあるんですね。僕はそんな不純な人間のくせに、人間として固すぎるんです。周りの友達はもっと気楽に、遊んだり人脈を広げたり、柔軟にやってます。なのに僕は、うじうじ悩んじゃって。心の一部で『もっと一途な気持ちで医者を目指したい』って思いつつ、でも『頑固な人間にはなりたくない』とも思っているんです」
B美は頷いた。A之は我に返った。
A之「えーと、ここはソムリエール喫茶でしたね。じゃあ、僕は毎日、勉強漬けですので、勉強疲れにも飲める甘いドリンクはないですか? あんまり量は多くなくていいです…太っちゃいますので」
B美は宣言した。
B美「お客様にぜひ、お勧めしたいドリンクがございます」