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【人力検索かきつばた杯】#71
お題:〇〇だけど、〇〇じゃない


めでたく開催の運びとなりました。
ショートストーリーを募集します。
締め切りはだいたい1週間後を予定してますが、延長もOKです。
難しいこと分からないので、講評はなしで感想をつけたいと思ってますが、予定は未定。

はてなキーワードさん↓
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%CD%CE%CF%B8%A1%BA%F7%A4%AB%A4%AD%A4%C4%A4%D0%A4%BF%C7%D5

なお、開催者がわたしですので、文字数は限界突破! 1万字前後まで受け付けます!! (140文字以内でもあり←ついったー小説家さん用)

●質問者: 只野迂舞某
●カテゴリ:芸術・文化・歴史 ネタ・ジョーク
○ 状態 :終了
└ 回答数 : 3/3件

▽最新の回答へ

1 ● サディア・ラボン
●50ポイント

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%82%B3%E3%83%A4%E3%82%B9%E3%82%AC%E3%82%A8%E3%83%AB
f:id:taddy_frog:20150203072633j:image
コキーコヤスガエル




我輩はカエルの子である。
だがオタマジャクシではない。
我輩は産まれた時からカエルであった。
生活には、
特に不自由はしなかった。

ある年に、旱魃が起きて、食べ物が無くなったので、
旅に出た。

空を飛びたいので、魔法使いに頼んで、
サイボーグにして貰って、
空を飛べるようになった。

飛ぶときの姿は、オタマジャクシみたいだと言われた。
f:id:taddy_frog:20150203074451p:image


只野迂舞某さんのコメント
なんか面白い異色の作品でした。設定集というかイラストが良かったですね。

2 ● たけじん
●75ポイント

「あたらしき人」

「エドガー、エドガー、聞こえるあるか」
耳元に聞こえてきた大音量の声は、変な日本語だった。昔大学の後ろの席で講義中呟いていた、中国人留学生ワンのしゃべり方にそっくりだった。
「あ、ああ」
俺は、自分が発した声が妙にかすれている事に驚いた。それに、自分がどこにいるのかよくわかっていないことにも、何も見えていないことにも。
「お、おれは」
「気がついたか、エドガー。ここは救護球体1382の内部な。お前は大腿骨と尺骨と肋骨を3本折り、頭がい骨陥没、角膜損傷、肝臓と肺も損傷、皮膚の7割が焼け、低体温症と低酸素状態で失血死寸前だたある。覚えてるあるか」
耳元でまくし立てられる情報は、量と質で俺を圧倒していて、何が何だかわからない。
「角膜と皮膚の再生以外は治療おわた。皮膚と角膜再生完了までマテ」
目が見えないのはそのせいか。でも、何かもやもやしたものが見えるんだが。
「映像情報を、直接接続しる。シンクロ完了なるまでマテ」
妙に強い命令が下るが、モヤモヤした何かは目の前というより、頭の真ん中で形になりつつある。
様々な色の球体があちこちに浮かび、灰色の細長い構造物が横たわる。その向こうには、小さな丸い天体が光っている。あれは、月だな。その向こうに青い地球が小さく丸く光っているのもわかる。
「ここは」
「ラグランジェポイントL2、通称宇宙港ある」
「それぐらいはわかる。技術屋として、浮遊ドックを視察に来たのも覚えてる」
目の前に横たわっている細長い物は、実際には全長2km以上ある浮遊ドックとマスドライバを組み合わせたものだ。これは、俺のチームが設計したものだ。
「ドックから遠いようだが」
「事故を覚えていないだな」
事故?そういえば、死にそうな怪我をしたんだっけ。
「エド、エド、生きてるの」
ユミの声だ。
「ああ、なんとか生きてるらしい」
間が開く。ユミは今どこにいるんだろう。地球だとすると、電波の飛距離から言って返事は
「よかった。でも、どうなの」
10秒かからないってことは、月なのか。
「今どこにいるんだ」
「何で事故にあうのよ。安全安全って言ってたくせに。エドの創るのは人を幸せにする機械なんじゃないの?あ、えと、月よ月。事故があってから、シャトル乗り継いで月まで来たのよ。今なら宇宙港に近いからって。でも、ここから先は行けないって」
タイムラグもなんのそのだな。延々しゃべってそうだ。
「死んだと思わなかったのか?」
「もう、だから、図面書いてるだけにして。私が月に来るのも危険なんでしょう?違うの?エドの会社の機械は大丈夫な、ううん、死んだと思わないわ。生きてる信号とかいうのが来てるって、ケンさんが言ってた。そうそう、場所もわかってるって。でも連れて来れないんだって言って」
そういえば、事故ってのからどれくらい経ってるんだ。さっきの説明だと、相当な大けがだが、全然痛みを感じない。
「エドガー、無意味な接続を切った。エドガーは、5日間この空間を浮遊している、治療完了まで自由落下安静あるから、移動できない、いいな」
だから連れて来れないってのか。
「それと、今我々は、ストライキ中である」
なんだ?
「おいおい。何の話だ?」
「本保護球体の所属する宇宙空間技術者集団、通称SEは、正当な権利の保証を求めてストライキを行っている。ある意味、エドガーは緩い人質なのだ」
声が変わった。この声は、宇宙港でも聞いたことがある。
「私は、SEの代表として話している。宇宙港のケントだ」

俺は、5日前の情景を思い出してきた。月から、宇宙港へシャトルで向かっていたのだった。
「エドガー、聞こえるか。こちら宇宙港のケントだ。」
浮きドックが見えてきて、最初に聞こえてきたのは、この声だった。
「聞こえる。こちら地球連邦設計技師の江戸川だ。初めまして」
「硬い話は面倒だ。ケントと呼んでくれ。君をエドガーと呼ぶ、いいな」
月からのシャトルの内部のモニタには、浮きドックが大きくなってきている。そこに、上から丸い物が降りてきた。銀色の球体は、マニュピレータを一回振り、その先端のパイロットランプがチカチカと瞬いた。
「銀色が俺、ケントだ。その先の緑がナオミ、鈍い赤がトム、黒いのがジョーだ。今回の案内と作業をするチームだ、よろしく」
画面の中の球体が振動する。宇宙港の作業員は、球体状の作業ポッドに乗っていると聞いていたが、これがそうなのか。
「伝えてある通り、宇宙港のネットエリア内は、こちらの操作に従ってもらう。まず、噴射系の操作は止めてもらう」
近づいてきた赤と緑の球体が、軽く接触した。船殻を通して、音が伝わってくる。
ナオミとトムがけん引し、しばらくして巨大な浮遊ドックにシャトルがドッキングした。


シャトルから浮遊ドック内では、いわゆるツナギの作業服で過ごす。皆ツナギだから、身分とか立場とかはあまり気にしない。ドックの責任者のモーリーも、巨大プロジェクトを背負っている割には気さくだ。
「エドガー、待ってたよ。君たちの設計は、基本的には素晴らしい」
モーリーと握手しながら、俺は答えた。
「基本的にはってことは、細かいところは直さないといけないってことだな」
笑顔のモーリーは力強く手を握り、こう言った。
「宇宙人にしかわからんところは、宇宙人に聞け。これは、年単位で宇宙にいないとわからない。あの、玉のなかにいる宇宙人だけがわかることがあるんだ」
「玉って、さっき外で作業してたケントとかのことか?」
「そうだ。あの宇宙人たちだ」
会議ルームには、外の様子が写っているモニタがあった。マスドライバの射出口付近の様子が写っている。そこには、銀色の球体が漂っていた。
「あの球体の中はどうなって」
「一つの衛星になっているんだ。全て自己完結。エネルギーも代謝も排泄物も内部で循環している。太陽エネルギーを使って、すべてまかなっている。食べ物さえ、内部で生産しているんだ。」
「え、てことは、あの球体から出てこないって事?」
「そうなんだ、あそこの中で一生過ごす奴がほとんどなんだよ。このエリアの作業ポッドは」
知らなかった。作業ポッドの存在は知っていたが、まさか降りないとは。
「だから、宇宙人って呼んでるんだ」


浮遊ドックとマスドライバを、外から見ることにする。球体型移動ポッドに乗って、外部作業に出る。けん引は、ナオミの緑のポッドに任せる。マスドライバの射出口が見えてきた。射出ラインに乗らないように、迂回しながら接近する。
「ナオミ、君はその球体に乗って何年くらいなんだ?」
「乗るってどういうこと?」
「その、中に乗っているんだろう?」
「わからない。私はこのポッドそのものだから。入るってどういうことなの?」
「君も僕たちと同じ、人類なんだよ。人のかたちをしているだろ」
「あなた方の形はわかる。でも私は球形なの。違うの」
俺は、設計技師のセルゲイと顔を見合わせた。どうにも理解できないという顔を、お互いにしていたはずだ。

マスドライバの射出口に接触した。射出の瞬間を見るためだ。ポッド内に警告音が響く。
「カウントダウン中。10…9…8…」
ポッドが振動する。ナオミはこのポッドの影に隠れている。射出口が苦手だという。
「2…1…」
ポッドの外の振動が細かくなったなと思った瞬間。





記憶が途切れている。白の後は、さっきの呼びかけまで何も覚えていない。
たぶん、マスドライバの射出口に、射出物体が接触して、爆発事故が起きたのだろう。


「ストライキを継続中だ。我々の存在を認可してもらいたい」
ケントの声が続けている。
「存在の認可って、人類として権利が認められているだろう」
「いや、生物学的な人類ではないのだ。我々は、このポッドなのだ。このポッドを含めた、我々の存在を認めてもらいたい。」
「認めるという事はどういうことなんだ?」
「エドガーが怪我した事故で、ナオミとトムがけがをした」
「そうだろうな、俺が大けがだったんだから」
「地球連邦は、ナオミの怪我を直すのに、ポッドからナオミを降ろそうとしたんだ」
「けがを治すんだから、普通じゃないのか」
「いや、直るまで戻さないし、定期的にポッドから降りろと言ってきた」
「ポッドのオペレータではなく、人類として生活しろと言うんだからありがたいじゃないか」
「最新のポッドは、内部の人間と接合していて、皮膚や内臓のアシストもしている。循環器系も内部にポンプがあって、その補助が受けられる。簡単な治療も、投薬も、組織の接着さえできる。」
「て、ことは、降りないんじゃなくて、降りられないってことじゃ」
「ああ、すでに我々は、歩けない。骨は極めて弱いし、筋肉も動作信号が出せる程度しか力が無い。しかし、機械のメンテナンスを怠らなければ、200年くらいは作業が可能だ。」
「君たちは、新しい人種なのか」
「SEは、ポッドとして生物種に登録してもらいたいんだ」
「登録する必要があるのか?」
「これは、尊厳の問題だ。我々は、人類だけど人類じゃない。新しい生物種なんだ。それを認めてもらいたいんだよ」
宇宙空間で怪我をして、こんなに哲学的な話になるとは思わなかった。
「エドガーをこの救護球体で養生させているのにも、意味があるんだ。」
「どういうことだ」
「他の技術者たちは、火傷がほとんどなかったから、そのまま浮遊ドックに戻せたんだ。君は、皮膚の損傷がひどく、宇宙空間を漂い過ぎた。近くの救護球体に押し込むのがやっとだった。」
「ありがとう。おかげで今生きているということだ」
「君の皮膚は、今、全て存在していない。」
「え、どうなってるんだ」
「救護球体中で再生作業中だが、皮膚シートは時間がかかる。その間は、我々と同じ環境になっている」
「ケントたちと同じって」
「皮膚の替わりに球体が皮膚になっている。感覚も、体液の保護も温度調節も。」
「わからないんだが」
「私が、その球体に触れるとわかるはずだ」
急に、二の腕を抓られた。次には、足の裏をくすぐられている。
「この球体が、君なんだよ」
「はは、船殻だけど船殻じゃないのか」
「我々の気分が味わえたかな。この宇宙港を自由自在に飛び回れるようになると、病み付きになるぞ」
「新人類か、宇宙人か。皮膚が再生されるまで、ゆるい人質って訳なんだ」
「悪いが、ポッドから降りる気はないんでね」
「では、命の恩人のお役にたてるかどうか。回線を繋いでくれないか、救護球体君。いや、今はエドガーそのものか。」
「回線を繋ぐあるね」
「救護球体1382に一言だけ言っておく、俺の皮膚になるんだから、これは知っておいてくれ。俺の名前は、江戸川なんだよ」
「わかるあるね、エドガー」
「わかってんのかなぁ」


※中途半端なのは、長編用の断片のパッチワークだからだったり。
※枯れ木も山のにぎわいってことで、これで参加しますわ。


只野迂舞某さんのコメント
さすが、長編の断片というだけあって、情報濃いですし、パターン化されているとはいえ新人類のかたちを提示するというところが良かったです。

3 ● sokyo
●75ポイント

『呼ばひ』


ちっ。ちっ。秒針の音がする。
——今日も眠れる気がしない。
シーツの海の上、毛布の雲の下、何度も打った寝返り。



ちっ。ちっ。秒針の音がする。
右足の裾、めくれ上がってすきま風。
水面はすっかり冷たくなって、彼を眠りから遠ざける。



ちっ。ちっ。秒針の音がする。
——右手が温かい、左手が温かい。
催眠術に頼っても、シーツは静かにつめたいままで。


ちっ。ちっ。秒針の…。
…。
今日も夜が長い夜が長い夜が長い夜が長い。



* *



ぎい。扉が開く音。がする。


ような気持ち。


とん。扉が閉じる音。がする。


ような気持ち。


それはどうせ空耳。



* *



さら。さら。衣擦れの音がする。
瞳を開けてみる。右は真っ暗。左も真っ暗。
右足が温かい。


ような気持ち。


…嘘だ。


気持ちだけじゃない。
本当に温かい。


世界に、明かりが灯る。
世界に、温と冷の境界線が引かれる。


右足の裾が直る。


どうして?


右足の熱は、いつしか左足へ。
左足の熱は、いつしか膝頭へ。
脚から膝。膝から腿。腿から、


その上へ。
宇宙の交差点へ。


柔らかい感触。
湿っぽい微熱。
立ち上る吐息。


シャンプーと、
タンパク質と、
血液のにおい。


誰?


臍に。乳に。首筋に。
吐息が印をつけて上ってくる。


暗いシーツの上を。
固まった彼の上を。


誰?


隧道を抜けてよ。



* *



はぁっ!



* *



気が付いたら、その顔はすぐ目の前。


——姉ちゃん…!?


彼の口は、人差し指で遮られる。


“お姉ちゃんだけど、今日はお姉ちゃんって呼ばないで。”


唇に印。


熱が手を伸ばしてもう一度下のほうへ。
ほつれた彼女のボタンは彼の手の中へ。
そして彼女の手は彼の服を全て越えて。


この夜の中心へ。


ミルク色の芯へ。



* *



* *


ちっ。ちっ。秒針の音がする。
ああ、朝の光。


彼の手には見覚えのあるボタン。
そうだ。昨日の夜。


——もしも、もしもだよ、01010
——今からリビングに降りて、姉ちゃんのパジャマのボタンが一つ取れていたら。


——僕、今日、姉ちゃんのことなんて呼ぼう。


只野迂舞某さんのコメント
雰囲気はよかたです。テーマもぎりぎりをついているというか、かきつばたに相応しいのかどうなのかわかりませんが、新鮮でした。ケータイ小説のようでケータイ小説じゃない。 よかたです。
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