土壌中の難溶性の鉄を吸収して利用するために植物は大きく分けて2つの鉄獲得機構を進化的に発達させてきた。
還元戦略 と
キレート戦略 である。
イネ科以外の植物は、3価の鉄を2価鉄イオンに還元して可溶化して吸収する還元戦略をとる。
これに対して、イネ、ムギ、トウモロコシなど、主要な穀物が属するイネ科の植物は、キレート物質であるムギネ酸類を根から分泌して、土壌中の3価鉄を水に溶けやすいキレート化合物にして「3価鉄・ムギネ酸類」のままで吸収するキレート戦略をとっている。
http://nobukawa.exblog.jp/13137695より
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植物は、細胞にとって危険な活性酸素が生じないように、
遊離の鉄イオンではなく、ファイトフェリチンなどに結合した形で
細胞内に鉄を蓄えています。詳細はこちらが参考になるでしょうか。:
http://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=2177
しかし、鉄イオン、とくに2価の鉄イオン、Fe(II)、が細胞内にあると、次の反応で過酸化水素(H2O2)から、活性酸素の内で最も反応性の高いヒドロキシル・ラジカル(OH)が生じます。H2O2と同時に発生するO2- (スーパーオキシド)がFe(III)からFe(II)を再生し、この反応によってH2O2からOHが連続的に生成するようになります。
H2O2 + Fe(II) OH + OH- + Fe(III)
Fe(III) + O2- Fe (II) + O2
OHは細胞内の成分を無差別に酸化し、細胞障害を引き起こすため、細胞内に遊離の鉄イオンが存在することは植物にとって非常に危険です。(動物にとっても同様で、ヒトでも鉄過剰症が知られています。)そのため、根から吸収した鉄イオンはファイトフェリチンとよばれるタンパク質(分子量;約44万)に結合した形で細胞内に蓄えられています。