頒布権についての質問です 外国人ですので、日本語の文法等の間… - 人力検索はてな こちらで全く同じ疑問にこたえています。
一応再度お答えします。
映画・ゲームの著作物については頒布権(レンタル権と譲渡権をまとめて扱う言葉)であらわされます。
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/text/pdf/h26_text.pdf
文化庁(日本の著作権を守る役所)がつくってウェブに掲載しているテキストの17ページのウを読むと
頒布権(無断で公衆に頒布されない権利)
「映画の著作物」(映画,アニメ,ビデオなどの「録画されている動く影像」)の場
合に限り,「譲渡」と「貸与」の両方を対象とする「頒布権」という権利が付与され
ています(第26条)。
「頒布」とは,公衆向けに「譲渡」したり「貸与」したりすることですが,「映画
の著作物」の「頒布権」は,譲渡・貸与する相手が公衆でない場合(特定少数であ
る場合)であっても,公衆向けの上映を目的としている場合には,権利が及ぶ「頒
布」に該当するとされています。
この「頒布権」のうち譲渡に関する部分については,「譲渡権」の場合とは異なり,
「いったん適法に譲渡された後には消滅する」という明文上の規定がありませんので,
適法に譲渡された後の再譲渡にも権利が及ぶことになります。
しかし,この強力な権利は,市販用のビデオなどが出現する前の「劇場用映画」の
配給形態を前提としたものであり,公衆に提示することを目的としない映画の著作物
のコピー(市販用ビデオ・DVDやゲームソフトなど)を譲渡することについては,
いったん適法に譲渡された後には,この「頒布権」も(公衆に再譲渡することについ
ては)消滅するという判断が示されました(平成 14(2002)年 4 月 25 日の最高裁判
決「中古ゲームソフト差止請求」事件参照)。
となっております。
上映などを業とするのでない個人が一度お金を払って手に入れたDVDやゲームを、無断で譲渡するというのはこの判例法の存在からして現在のところ侵害になりません。
つまり現状では頒布権は1回つかえば消尽するという判決がでています。
ただし、ゲームメーカーは再頒布を防止する仕組みを独自に作成し、ゲームに付与している場合があります。(コード入力が1回だけうけいれられたり、ソーシャルゲーム・オンラインゲームのアカウント別課金など)
またいうまでもないことですが再頒布にともなって上映をおこなえば上映権の、複製すれば複製権の、それぞれ侵害になります。
…
というわけで、今スマホゲーム・ソーシャルゲーム・オンラインゲームといったダウンロード必須ゲームに業界全体が移行しているのは、パッケージソフトは中古売買が合法化されていることによります。
著作権法は親告罪であり、訴訟となれば手間や費用もかかる上にタイトルイメージも傷つくので、伝家の宝刀であり、個人相手にそうそう簡単には抜けません。パッケージソフトの中古売買は多くは小学生・中学生と親です。
技術上もパッケージにプロテクトかけてマジコンの進化のいたちごっこをするよりは、ダウンロードで売っておいてアカウント人力通報・監視のほうがゲーム業界にとって合理的な部分もあるとおもいます。
あと、マジコン販売業者は不正競争防止法ですぐ逮捕されるようになり下火になりました。次はマシンエイデッドプレイの実行や公開が問題になるかもしれません。
なんでも著作権をつかえば一足飛びに解決できるだろうと(勉強もしないまま)考えるのはおかしいですよ。権利行使にあたって必要なマンパワーが多すぎます。よく勉強したり周辺法もみれば著作の保護については社会システムがどんどん合理的に進化しているのが見えるかもしれません。
過去の最高裁にて、著作権侵害は認められませんでした。
■中古ゲームソフト事件(最判平成14年4月25日)
http://www.saegusa-pat.co.jp/copyright/cr_02_4_3.htm
最高裁は、ゲームソフトを映画の著作物と認め、頒布件を肯定しつつも、ゲームソフトの頒布権は適法な第一譲渡によって消尽するとして原告の請求を棄却しました。
質問が舌足らずで申し訳ありません。
質問の趣旨は、この最高裁判決のおかげで、優れた家庭用ゲーム機ソフト会社が傾いたりして、新しい優れたゲームができなくなっていると思うか、それが残念と思うか、という意味でした。
質問の趣旨が「どう思うか」という事ですので。
中古ゲーム市場が、単に制作会社の不利益になっていると決めつけるのも早計かと思います。
差し引きしてプラスマイナスどちらが上かは断言できませんが、中古市場の持つプラス面をすべて無視してマイナス面だけを問題視するのは、あまり正当な主張とは思えません。
テレビゲームが「なかった」(ニンテンドー=歌留多と花札)の
時代から生きていますもので、特に何ともおもいません。
最近はPSO2、ぷよぷよクエストなど初期の優れたゲームが
リサイクルされているのが目立ちます。
KOFなどもキャラが古いながらオールドファンの財布をあてこんで音ゲーになったり、
龍虎の拳が全く違うキャラでパチンコになったり。
(さすがにサクラ大戦などキャラメイクが古いのでリサイクルされないでしょうが)
20年もやってきたら
「据え置きテレビゲームだけでできる遊び」のアイデアが掘り尽くされて来ているので、
スプラトゥーンやオンゲーなどが注目されるのでしょう。
優れたゲームメーカーが衰退している(とはおもいませんが)としても
著作権法はその育成にたずさわり、見守ってきた法律なので、
もしどこか保護できてないところがあれば法をおぎなっていこうねという
今のやり方で特に問題は感じていません。
というかむしろ未成年廃課金ユーザーのほうを取り締まるべきですし、
楽しく課金させてみつがせてくれるゲームは大好きですよ。
DMMのふるさと納税復活希望。
というわけで、散々たよってきた法のせいには今さらしないでほしいです。
ニンテンドーやらゲームメーカーの法務も
ユーザーの目に見えにくい場所ではかなり獰猛に戦って
ゲームを守ってきました。
その戦いを見ていないユーザーが「売り上げが、成長が…」って心配するのは
逆に成長をつぶす行為だと私は思います。
楽しんで適度に課金してあげてください。