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なぽりん ●100ポイント ベストアンサー |
中東在住の日本(から、嫁いだあと移住した)女性のブログで「お風呂の水を入れるとすでに体温を大幅に超える熱湯だから、湯船に浸かるために氷をたくさんつくっておかないと入浴できない」という話を思い出しました。水泳はまず感覚的に省エネや環境にはよろしくなさそうです。
他にも宗教的な理由で遊興があまりいい顔をされないとか。
最終的には温度でしょう。
「庶民や子供に(スポーツ観戦は人気でも)スポーツ自体の人気がない」らしいです。
確かに暑いため屋外での爽快感がえられなさそう。
アラブ人がスマホゲーに廃課金する理由「娯楽がないし、暑すぎてサッカーも出来ない」アナリストに聞く新興国のゲーム市場。 | アプリマーケティング研究所
スキーサウジアラビアの女性にとって大切な空間である理由 – マルチリンガル国際評論家が明かす、人生を楽しむ技
からも追加してまとめますと
・屋外スポーツは暑くてダメ(ゴルフ、サッカー、野球、陸上長距離などは屋内になりにくい)
・ウォータースポーツ、ウィンタースポーツは人気だが施設の数が少なく贅沢品、毎日やるスポーツではない
・女性が肌を露出したり外で働かせるのは宗教上ダメ(オリンピックを見ていると部分的に緩和ありそう。アマチュアチームならOKかと)、肌を見せるスポーツ施設は厳密に男女分離
・→女性を惹きつける手段にも、女性の肢体を楽しむ手段にもなりにくいため男性にも人気がない。
・モータースポーツは(動くエアコンつき個室だから?ダカール・ラリーをフランスがやっていたから?https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%BC)人気がある
結局温度と宗教にねざした総合的生活習慣が欧米のスポーツ向きでないのではないかとおもいます。
屋内種目というだけなら卓球とかバトミントン、短距離走、柔道くらいはおすすめしてみたいですが、女性がプロチームに所属するのダメとか海外留学はダメ、ラマダン(断食)とかハラルフードといった特殊な食生活とか礼拝が必須とかいった宗教的制約はいかんともしがたいですね。人材引き抜きをするにもこの生活スタイルの違いが不利かと。ある程度育成土壌があり、スポーツ人生が尊重される国にしか選手もいきたがらないですよね(ねこひろしさんのように「選手層の厚い母国を捨て、どうしてもオリンピック出場選手になりたいために他国に帰化する」選手も、母国以外のおよそ150国から、わざわざ面倒な国は選ばないでしょう)
逆に乗駱駝、鷹狩、砂漠走破自動車レースなどのアラビア伝統スポーツがオリンピックに採用されたら中東諸国は有利でしょう。自動車レースはお金がかかりすぎてやっぱり採用されないかな。
余談ですが、日本とか先進国も学歴重視で「スポーツ大好き」という人は少数派になってオリンピックで不利になっている部分はあるという気がしますけど。
お母さんが子供の部活のために早起き、1合弁当を朝と昼とおやつで3つずつもたせて、毎日ユニホーム洗濯、土日練習試合の応援でつぶすとか、そろそろ美談に属してきている気がします。
§イスラムとスポーツ - 中東断章
§イスラムとスポーツの妥協 - 中東断章
10年以上前の書込みなので、諸事情は多少は変わっているかもしれませんが、大筋はこういうことなのかと。
他の「イスラムとスポーツ」カテゴリの書き込みも、興味深いです。
§イラン女子レスリング事情…UWW女性委員会メンバー、ファルナス・パナヒザデフさんに聞く(上) | Japan Wrestling Federation - 日本レスリング協会公式サイト - JWF
§イラン女子レスリング事情…UWW女性委員会メンバー、ファルナス・パナヒザデフさんに聞く(下) | Japan Wrestling Federation - 日本レスリング協会公式サイト - JWF
レスリングは強いイメージのイランですが、女性ができるようになったのは 2015年のことなんだとか。
§[イランの女子レスリング誕生に逆風? 女性の国歌演奏が禁じられる | Japan Wrestling Federation - 日本レスリング協会公式サイト - JWF
また、こういう面倒なことも。
§仁川アジア大会でも問題に...イスラム教徒のヒジャブとスポーツの問題 - NAVER まとめ
他にも、女性アスリートには、こんな悩みもあるようで。
§一緒にスポーツしたいけど…宗教・国籍の壁に悩む子ども:朝日新聞デジタル @Internet Archive
当然、水泳はやりづらいでしょうね。
§イスラム教徒ポケモンGO禁止 マレーシア - 社会 : 日刊スポーツ
金メダルの獲得数とは直接関係ありませんが、「権力や偶像への欲望につながりかねない」というところが。
§インドネシアの文化|インドネシア移住|海外移住.com|人気国のロングステイ・永住ビザ情報
インドネシアでは、バドミントンが盛んなのだそうで。女子ダブルスも準々決勝まで行ってました。
産油国の範疇からは外れますが、イスラム教徒が多い国。
はてさて。
ドバイを本拠地とするスポーツニュースサイト、Sport360 のバックナンバーに、Proper planning essential for Arab world’s Olympic dreams(拙訳:アラブ世界のオリンピックの夢には適切なプランが必要)という記事がありました。
内部からの視点という事でご紹介します。
2013年12月4日付けになってますが、2012年のロンドン五輪を振り返っての記事のようです。
以下、拙訳を交えて。
Across the Arab world, the support and attention given to individual sports is almost negligible compared to the attention given to team sports like football.
アラブ世界では、サッカーを始めとしたチームスポーツへの注目度と比較すると、個人スポーツへのサポートと注目度は無いに等しいもののようです。
Other countries have four-year-plans, while our athletes get last-minute calls to boot camps a month before the event starts.
他国が準備期間に4年間を費やしているのに対して、アラブでは強化合宿の招集がオリンピックの1ヶ月前です。
our federations start looking for champions a few months before the Olympics rather than putting years of work into creating them.
各国のスポーツ連盟が出場選手を探し始めるのはオリンピックの数ヶ月前で、何年もかけて強化した結果ではありません。
The lack of funding to individual sports often leads to the lack of high-quality coaches in the region.
個人スポーツへの財政支援の欠如は、質の高いコーチを招聘する資金の欠如につながります。
The lack of media interest is also a problem.
報道メディアが興味を持っていないという点も問題です。
オリンピックで突然注目された選手はプレッシャーに負けてしまいます。
That’s not to say there aren’t Arab success stories.
アラブにサクセス・ストーリーが無いわけではありません。
サウジアラビア乗馬連盟は、馬と騎手の強化に資金を投入して、ロンドン五輪で銅メダルを取りました。
カタールのムタズエサ・バルシムは、ドーハにある最新式の施設、Aspire Academy でトレーニングし、ロンドン五輪の走り高跳びで銅メダル、リオ五輪では銀メダル(男子走高跳 決勝)を獲得しています。
というわけで、産油国はその気になればもっとメダルを獲得できる資金力はあるはずですが、その気になっていないだけ、と言えるでしょう。
なぜその気にならないかは、既出の回答にもあるように、国民性とか宗教の問題とかに帰着するかと。
以上、ご参考になれば幸いです。