医者の格差 [編集]
テニスの仲間より時々言われて、ちょと「むっと」する言葉があります。
確かに、同じクラブには開業した羽振りのいい医者がいますがーー。
「医者ってやっぱり金持ちだな」ということ。
でもこれも、確かに正しいことで、以前から多いとは思っていたが、高額納税者(年間納税額3000万円以上)の職業別ランクで、医師は企業経営者に次いで第2位(15・4%)だった。日本医師会の唐渾祥人会長が就怪談に、「{医療費の増額を求める)日医の主張は『欲張り村の村長』の主張として国民に植え付けられている」と発言していたが、所得格差が広がる中、国民が医師の職業団体である医師会にネガティブなイメージを持つのは、やむを得ないこともある。
ただ、ことわっておくが医師にも所得格差があり、前述の高額納税者の多くは特定の診療科の開業医が大多数を占めている。
わたしは、責任あるエリートである医師が高額所得者であるのはいいこと思いますし、欧米の医者では当然です。
全国病院経営管理学会の2005年病院給与・労働条件実態調査結果によると、病院勤務医の平均賃金は私立病院の場合、約85万円(平均年齢35・3歳)となっているが、正直、「もう少しもらってもいいんじゃないの」と思ってしまうほどだし、私の勤める公立の病院ではもっと少なく私立の半分程度ですね。 公立病院でやれるプライドで頑張っている医者が多いです。
セレブぶりをマスコミに吹聴したせいで、娘を誘拐された美容外科医がいたが、ああしたケースは例外としても、開業医と勤務医の所得格差はなんとかしたほうが良いのではないだろうか。
勤務医が献身的、犠牲的に支えていた医療がいま音を立てて崩れていると思います。
勤務医より開業医のほうが収入が多いのは、先進諸国ではデンマークと日本だけだといいます。
今年になって、虎の門病院泌尿器科部長の小松秀樹氏が書いた『医療崩壊』という本が話題になっているが、小松氏もこの本で、病院診療に絶望した勤務医の逃げ場が最終的に個人開業になっていると警告している。
記述を少し紹介すると-。「現在、日本の医療機関は2つの強い圧力にさらされている。医療費抑制と安全要求である。この2つは相矛盾する。相矛盾する圧力のために、労働環境は悪化し、医師が病院から離れ始めた」「個人開業医の収入は多く、病院勤務医の収入は少ない。労働時間は逆である。社会が構造的に病院医療を攻撃し始めると、病院から医師が離れるのは当然である」。
2004年度から始まった新医師臨床研修必修化で医師の偏在が加速し、全国的に勤務医の開業志向が強まっているといわれているだけに、小松氏などの主張を間くと、「日本の病院医療は大丈夫か」と少し心配になります。
生活保護世帯が100万世帯を超え、国民全体に所得格差が広がる中、本当は高額所得者のことを心配している場合ではない。
しかし、すべての医師が高いモチベーションを持って医療に取り組めるようにするには、所得や待遇、労働環境に極端な格差があってならないだろう。
そんなこと、考える管理職側になると、医療の将来が心配となります。
でも身近に手術などの治療で病気から開放され、うれしそうで感謝の言葉を言ってくれる患者さんがいる限り、立場が悪くなったいる今でも職業のいきがいとして、遣り甲斐のある職業だと思います。