日本は外圧がないと変わらない国なのでしょうか？

日本で革命(対象は明治維新)が起きたかどうかということは、学派によって考え方が異なります。そもそも「革命」の定義も難しいとは思いますが、一般的に考えるマルクス主義史観(経済の発展段階を基準に考える歴史観)に則ることにします。

講座派と呼ばれた学派は明治維新を天皇を頂点にした絶対君主制の成立と捉え、革命とはみなしませんでした。労農派と呼ばれた学派は逆に明治維新をブルジョア民主主義革命とし、日本で革命が起きたと考えました。(かなりいい加減な説明ですが)

講座派・労農派という区分け自体は戦前のくくりですが、系統としては現在も東大は講座派系(丸山真男ら)、京大は労農派系(宇野弘蔵ら)の学者が多いです。

私の意見ですが、日本は民衆が自分の意思により抑圧を跳ね返すために闘った経験を持たない国だと思います。明治維新は政権担当をめぐる権力闘争だし、戦後民主主義はアメリカに与えられたもの。全国的な規模で権利を獲得するために人々が動いたのは第一次護憲運動ぐらいじゃないですか。と考えると、革命は日本では起きていないという意見に賛成します。

日本は外圧が無いと変わらないと良く言われます。正にそのとうりです。これは、第2次大戦に負けたことにより、政治や官僚が自信を失い、自ら能動的に政策を決めて行くという判断を怠ってきたからです。その点、小泉内閣は改革という思想の元に着実に政策を進めています。世の評論家の批判に騙されず、ジット見ていて下さい。

日本では革命が無いとのお話ですが、過去の戦国時代、征夷大将軍や、関白、幕府など政権が変わったのは一種の革命と思います。近代では明治維新は立派な革命と思います。

世界の革命の歴史に付いては次のリンク集をご紹介します。

有名なフランス革命ではロベスピエールをリーダーとし、共和制の樹立のために国王をギロチンにかけました。しかし、その後「頭がすげ変わっただけ」と言われてしまう程にロベスピエールは反対派を処刑し、それを恐怖政治と云われてしまっています。更にその結果として、ナポレオンという皇帝を生み出し、長年に渡って戦争を起し続けてしまいます。

日本では民衆主導の革命は起こっていないといわれています。明治維新ごろの教育水準では、一揆（暴動）を起すことはあっても、組織だって幕府の転覆を狙うのは難しかったのだと思います。しかし明治維新が起こり薩長出身者中心の体制となりましたが、その後彼らは法律を整え、教育制度を整え自ら政治的な権利を国民に移譲し共和制を樹立しようとしました。

…………ともいえなくはないです。

【「革命」という語句の世界史】

とりあえず革命とは、その定義について考えてみる。

いわゆる４大革命に清教徒革命（ピューリタン革命、名誉革命（マグナ・カルタ）、アメリカ独立革命、フランス革命がありますが、市民革命といった場合をいえば、日本では起こっていないと私も思います。政権が変わったのは幾度とありますが下層の人間がそれを積極的に起こした・加わったという運動はないんじゃないでしょうか？それは現代においてもいえますね。第2次大戦後はアメリカが変えたものですし、明治維新にしても黒船という外圧があってのものでしょう。

「愛と幻想のファシズム」：村上龍はこの本の中で、「米国という強い男にいいように蹂躙（じゅうりん）されている弱々しい女。それが、戦後から現在までの日本の姿だ」と書いていますね。歴史書ではありませんがおもしろいですよ。先進諸国の中で混血がほとんどなく、ほぼ単一の民族だけで構成されている国が日本です。

定番ですが。フランス革命。

ヨーロッパの近代の歴史の情報ページです。

革命についてすこし記載されています。

日本の歴史の情報ページです。

ピューリッツァー賞一般ノンフィクション部門を受賞したこの作品に「上からの革命」「配給された自由」とあります。諷刺画、ラジオ、風俗などから日本の戦後がどのようにＧＨＱによって形作られたかが分かります。戦中と戦後がなにが変わって何が変わらなかったか、興味のある方におすすめです。