『吉本隆明×吉本ばなな』(ロッキング・オン,1997)のp278〜279に、ばななの大学進学の話が出ています。「行ったほうがいいとかって。四年間も自由な時間があるっていうのはかけがいのないことだからって」
ー実に普通の親みたいなこと言ってますね。
「そう。行きなさいって。もし就職とかしたらそんな自由な時間もないからって。ごく普通の理論で」
と、ばなながインタビューに答える箇所があります。
記録されている限りは、この親子の対談しかないと思います。内容が、期待しているものと異なりなすが、
大学進学に関する親の意見として出ています。
管見の限りはこれが、唯一のものでした。
求める答えになっていませんが、ばななの大学進学に
関する父・隆明の意見として。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4896674006/hatena-q-22/...
Amazon.co.jp: 人生とは何か: 吉本 隆明: 本
参考URLのレビューにこうあります。この本ではないでしょうか?
”吉本はまた大学には行ったほうが良いという。が、その理由は、大学がいかにくだらない場所であるかを確認しておくことは後々余計なコンプレックスを感じずにすむからよいというのである。で、中上健次を引き合いに出して、彼は文学者として優れていたが、終生自分が大学を出ていないということに対する引け目があって、余計なコンプレックスに労力を費やしたからだめだと言うのである。私には彼の意味するところは大いにわかる。人間器を気にすると、ことごとく疲れるものである。”
引き続き質問を継続します。
http://www.hatena.ne.jp/1101123870#
人力検索はてな - 吉本隆明は、大学進学を渋るばななさんに、「大学に行けば、そこがどんなにくだらないところか分かる」と言って説得したといいますが、正確な台詞が知りたいです。この話の..
二度目です。URLはダミーです。
「合格点スレスレの父親史」(『人生とは何か』)のなかに、ばななの姉の漫画家ハルノ宵子さんに、父親として言った言葉でした。
「上の娘の、「漫画家を本気でやりたい」という気持ちを知ったとき、僕は「どこでもいいから大学には行ったほうがいいよ」と、子どもに云いました。行ってみれば、「なんだ、大学なんてこんなもんか」とよくわかり、妙なコンプレックスがなくなるからです。」(p64)と出ています。
初出は『婦人公論』2002.5.22 です。
この章の見出しが
ー「大学なんてこんなもん」とわからせるために行かせたーとなっています。
これまたお時間を割いて、文献をひもといていただいて、ありがとうございました。書名の紹介だけでなく内容を確認していただいたところに感謝もひとしおです。
さて、巷説ささやかれるようにばななさん宛の言葉ではなく、お姉さん宛の発言だったというのが残念ですが、もしかしたら妹にも同じことを言っているかもしれません。そう想像して納得してみます。
朝日出版社「悪人正機」では、糸井重里さんを聞き手に多様なテーマを語る形式で、教育についても語っています。「大学は、まあ、国立公園みたいなところなんですよ。」といきなりきりだし、国立公園=一休みしながら考える場所、という意味らしいのですが、さらに、「普通の人だったら一度行って『なんだ、こういうところか』って、知っておくのもいいんじゃないですか。そういう意味では大学に行くってことは失恋を経験するみたいなもんで、がっかりすることが重要なんです。こんなもんかって見当がつくようになりますからね。」と語っていました。
娘さんたちとのやりとりなどの言及は残念ながらここではありませんでした。すみません。
この引用もなかなか愉快ですね。言いえて妙といいますか、含蓄があると思います。この質問でズバリ探しているものとは違いますけれど、おもしろい言葉に出会えたと思います。ありがとうございました。
http://www.1101.com/makanai2/11.html
ほぼ日刊イトイ新聞 -吉本隆明・まかないめし。
悪人正機の出版後に再び糸井重里氏と対談した中での発言です。
したがって、この記事は発言の初出とはいえませんし、
この記事ではばななさんに対しての発言だったかが定かではありません。
なるほど質問の条件には合ってないですけれど、平易で分かりやすい部分ですね。いいものをご紹介いただきました。ありがとうございました。
書棚から出してページ数まで当たってくださったあたり、丁寧なご解答をありがとうございました。ファンの方なのでしょうか、著作にお詳しいとお見受け致します。
この台詞は含蓄があってニヤリとさせられるもので、私も一度言ってみたい。でも、確認もせずに「吉本隆明が言っている」と名前を持ち出すのは無責任。――というのが、質問の動機です。ですので、「吉本隆明が本当に言ったのか定かではない」という答えもアリではあります。