「激甘い!」と言ってるのをあまり聞きません。
むしろ「甘さひかえめ」とか「さっぱりしてる」が褒め言葉のようです。「スイーツ」なのに。
これは何故ですか?また、いつからこのような傾向になっていったのでしょう?
※根拠ある回答をお願いします。
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URLはダミーです。
この問題は60年程前に遡らなくてはいけません。当時食料事情が激烈に悪かったわが国において、「甘い」食べ物に猛烈に飢えていました。ウチのは母(72歳)などはよく戦争中(第二次世界大戦)、戦後すぐの最もたべたかったのは「バナナ」だそうです。とにかく甘いものに飢えていました。
戦後10年程経ち、「もう戦後ではない」と言われ始めた昭和30年代から、猛烈な高度成長が始まり、食糧事情も一変しました。
戦争中の辛い経験から「甘いもの」や西洋人が好んで食べていて、それがためにガタイもデカく、強くなれると錯覚させた「肉食」メインの食事が始まりました。その結果、それまでは、(和食中心の)日本人にほとんど存在しなかった「糖尿病」や「生活習慣病」が出はじめました。昭和40年代などは、自然の砂糖のみならず、「チクロ」など人口甘味料なるものも出現して、昭和30年以降に生まれた人は、少なからず清涼飲料水に含まれていた「チクロ」「合成着色料」を飲んでいたはずです。その後それらに「発ガン性物質」であるとされてから、極端に甘みのある食品が嫌われ、挙句の果てには「砂糖は太る」ということまで、言われるようになりました。でも黒砂糖など積極的にうまく取り入れなければいけない食品もある一方で不自然に「甘いもの」は、忌み嫌われるようになりました。
「高血圧」における「塩分の取り過ぎ」と同じ様に「不自然に甘いもの」は「ガンになる」「太る」「生活習慣病」になる…と
いう風潮ができあがったきたのです。従って、「スイーツ」など甘いものを食べる時は、自分に言い聞かせるべく、「これは、そんなに甘くないよね」とか言ってしまいます(甘いものは食べたいので)、そしてメーカーというか、供給する側も「昔のように甘いもの」はウケないと悟り、「甘さ抑え目」「微糖」などとうたい、商品開発をする傾向になったのです。わが国では食料事情がすべからく落ち着いた昭和40年代後半からこの傾向が続いており、今も「太らない甘味料」とか「血糖値に影響をあたえない甘味料」等々、益々加速しているのである。質問者のこの質問は、奥が深く、鋭い。まさしく戦後60年が生んだわが国の食料事情に対する暗部である。っておおげさですが…。ご参考までに。
丁寧なご説明ありがとうございます!大変参考になりました。
事情は大体理解できました。
でも、果物なんかは逆に「甘い」が最高の褒め言葉ですよね?「砂糖」でなければ甘くても良いのでしょうか。
追加で申し訳ございませんが、
この辺の事情をご存知の方いらっしゃいましたら、ぜひご回答下さい。
>でも、果物なんかは逆に「甘い」が最高の褒め言葉ですよね?「砂糖」でなければ甘くても良いのでしょうか。
おっしゃる通りです。果実は「甘い」が褒め言葉ですね。さらに述べると果実の甘さは、前述した砂糖の甘さとは、「別物」と捉えられているようです。その証拠に、年々品種改良がなされ、昔に比べてどんどん「甘く」なっていく傾向があります。
確かに、単なる漂白された(ミネラルなどの)栄養がない「白砂糖」と比べると栄養は豊富ですし、一般的には、「白砂糖」の甘さより「果実の甘さ」の方が「自然」であり、健康に良いと思われています。確かに、その部分は否定できませんが、昔からの諺に「朝の果実は金。昼は銀、夜は銅」とあるように、採りすぎには注意が必要です。結局は「カロリーオーバー」になれば「過ぎたるは及ばざるとこ…」になります。私の身近な人で、糖尿病で入院していまして、コーヒーなどはブラックで我慢し、食事療法を一見徹底されては、いましたが、果実だと身体に良いだろう(本人には悪気はない)と果実を間食しており、カロリーオーバーで病状を悪化させました。
いずれにせよ、果実は新鮮な自然からの「贈り物」のイメージが定着しており、質問者様のおっしゃる通り、私たちは「果実の甘さ」には、かなり「甘い」と言わざるを得ません。ご参考までに。
途中で質問を追加してしまったにも関わらず回答ありがとうございます。
>「果実の甘さ」には、かなり「甘い」
ナルホド!
日本人が昔から親しんできた和菓子の甘味が、知らず知らず基準になっているのだと思われます。
URLの文中より抜粋
■干し柿
干柿は「延喜式」(平安中期の法典)に祭礼用の菓子として載っています。
★和菓子の甘さの基準
「和生菓子の甘さは干し柿をもって最上とする」という言葉があります。
柿は酸味が少なく、干し柿だと糖度が40〜70%にもなります。
砂糖など無い時代、甘味の優等生だったのですが、砂糖が出てきた現代でも、干し柿の甘さがくどくないちょうど良い甘さだと言います。
確かに和菓子は洋菓子よりかなり甘さ控えめですねー。
干し柿、砂糖使ってないのにすごく甘いですよね。
ありがとうございます!
「アマイ」と「ウマイ」の言語上の区別が曖昧になっているのが褒め言葉にも影響しているのではないでしょうか。
砂糖のようなはっきりした甘味の手に入らなかった古代の日本人にとっては「ウマイ」=甘味である・美味であるでした。
「あまい」ことと「おいしい」ことは同じ事だったわけです。
けれど辛くて美味しいものも、すっぱくて美味しいものもあるし、もちろん甘くて美味しいものも時代が下るにつれてだんだん容易に手に入るようになって来ましたよね。
ネット上でははっきりその時期を示している資料を見付けられなかったのですが、おそらく平安時代頃には甘味を感じる「アマイ」と美味を感じる「ウマイ」は(少なくとも京の都辺りでは)区別がつけられていたと思われます。
現代のように砂糖も人工甘味料もふんだんに使われるようになった時代、2の回答者の方が書かれているように、過剰な「アマイ」ものは、「ウマイ」の域、つまり甘いには違いないが美味であると思われる域を通り越して甘くなってしまったのではないでしょうか。
昔と違って簡単に手に入る砂糖を山盛りすればいいわけですから。
人工的な創造物であるスイーツのウマサを褒める「甘さ控えめ」は言葉を額面通りに受け取るより「ウマイと感じられる適度なアマサ」ということで、
果物のウマサを褒める「とてもアマイ」は、古代、なかなかアマイものの手に入らなかったときに最上の甘さとされた果物の褒め言葉がそのまま引き継がれているのだと思います。
「アマイ」と「ウマイ」ですかなるほど。面白いですねー。ありがとうございます。
>果物のウマサを褒める「とてもアマイ」は、古代、なかなかアマイものの手に入らなかったときに最上の甘さとされた果物の褒め言葉がそのまま引き継がれているのだと思います。
んんんー ?
5番の回答者ですが、言葉が足りなかったようなので補足させて頂きますね。
砂糖が手に入らなかった時代→美味しさを表現する言葉は「ウマイ=アマイ」で区別がなかった。
砂糖は手に入るが貴重だった時代→「ウマイ」と「アマイ」は別物として認識され始める。「ウマイ≠アマイ」。
砂糖が過剰に使われる時代→「アマすぎるもの」は「ウマいもの」ではなくなる。
控えめにほどよく砂糖が使われる時代→「過剰ではないアマさ」が「ウマイ」と認識されるようになった→「アマサ控えめ」が誉め言葉になる。
果物は、たとえどんなに品種改良が進んでアマくなったとしても、砂糖と同じ味にはならないでしょう。
同じ「糖度14」と計測されている果物でも、苺なら苺、林檎なら林檎、蜜柑なら蜜柑の味わいがあって、どんなに甘くても同じ味にはなりません。
砂糖が手に入らなかった時代(古代)には、果物が食べ物の中では最もアマイものでした。
アマサの王座は、砂糖に譲りました(中世)が、砂糖はその使われすぎ(現代)の為に王座の価値を下げてしまったようです。
決して過剰になりえないアマサ=ウマサを現代に至るまで保ち続けている果物においては、
「ウマイ」「アマイ」というそれぞれの言葉も、味覚上の認識も「ウマイ=アマイ」のままで変わらずに使われ続けているのでしょう。
補足の補足ですが、果物においては「品種改良で糖分が高くなる」ことの他に「水っぽくなくなって、味が濃くなる」「酸っぱさの度合いが減って、舌にのせる時の抵抗が下がる」ことも同様に「アマくなった」と表現されるようです。
この辺の追求も出来たら面白いと思いますが、適当な資料を見つけられませんでした……すみません。
いえ、足りなかったのは私の理解力です。
補足して頂きありがたく思います。
せっかくなのでもう少し質問続行させて頂きますが、大変参考になりました。ありがとうございます!
http://www.sayko.co.jp/article/leisure/2001-09.html
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スィーツというのは、甘味を表す英語で日本語ではないですよね。tedas1970さんが疑問をお持ちの表現は、日本人の味覚に関係していると思われます。こちらの「塩分と糖分」をお読みください。
おお、ありがとうございます!
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〆ます。皆様ありがとうございました。大変参考になりました。
やはり健康ブーム、ダイエットブームの影響ですかね。ありがとうございます。