「パラレルワールドもの」の名作を教えてください。
ジャンルは問いませんが、なぜ名作かということを力説していただけませんか?
質問者は、荒唐無稽なようであっても、作者の作りあげた世界に存在感があれば、名作であると思っています。
それでは、よろしく御願いします。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4594029434/hatena-q-22
Amazon.co.jp: パヴァーヌ: キース・ロバーツ, 越智 道雄: 本
ちょっとbk1重くて沈んじゃてますので、AmazonのURLで代用です。
キース・ロバーツの『パヴァーヌ』です。
ギブスン&スターリングの『ディファレンス・エンジン』のように蒸気機関が日常的に使われる20世紀イギリスの物語ですが、圧倒的な存在感で魅了されます。
タイトル通り、パラレルワールドが舞台ではありますが、決してラブストーリーではありません。
もしも自分だけがパラレルワールドを感じることができ、その原因がわからずにいたら…。
そんな主人公が抱く不思議な感覚を、鮮やかに感じ取ることのできる作品です。
そしてパラレルワールドの原因が、実は自分自身にあったならば?
人が人としてあり続けられるのは「自分の記憶」があるからですよね。
この作品はパラレルワールドが持つ不思議な感覚よりも、むしろその原因に重きが置かれている衝撃の結末をもつ作品です。
東野圭吾の計算されつくされた伏線が完璧すぎて唸らずにはいられません。
オススメ!!
東野圭吾さん、日本の作家の中ではかなり気になっている一人です。
ありがとうございます。是非読んでみます。
「扉を開けて」
ちょっと懐かしいところで。
これは名作ですねー。新井素子の初期の作品ですが、非常に引き込まれる物語です。
誘う声に導かれて扉を開けて…その向こうで繰り広げられる戦。しっかりした世界観があり、そこで描かれる物語は別の世界の出来事なのに非常にリアルに感じます。
子供の頃に読んだので、なんだかすごく、「本当にそんな世界がありそうな」気がしてどきどきしたものです。
最初、漫画で読んだんですが、その面白さにすっかり魅了されて、その後小説で読んで更にハマりました。もう十年以上も昔に読んだ本ですが、今も非常に印象に残っていて私の中では傑作です。
あー、いいですねー。
パラレルワールドものって日本の作家のほうが得意なのかも・・・でも、翻訳されてない名作ってのもあるのかな〜、あ、わたしは英語はだめなので洋書はすすめないでくださいね。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)
村上春樹の最高傑作と言う人もいる(私もそう思ってますが)この作品。一見無関係な、どことなく中途半端な二つの物語が次第に交錯していきます。謎も解かれ、話は最終的に一点に収束するのですが、読後感は広大無辺な世界に放り出されたような気分に。
>村上春樹の最高傑作と言う人もいる
これはわたしも同意します。しっかりとした世界観で書かれていて、実在感があります。
月の影 影の海〈上〉 十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート
黄昏の岸 暁の天(そら)〈上〉―十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート
日本のパラレルワールドもので一番の名作といえば十二国記は外せないでしょう。世界観がかなり深いです。中高生対象ですが、大人にも幅広く支持されています。
十二国記、なるほど。
まだまだ出そうですが、あとは明日の朝ということで・・・・ヽ(  ̄○)ゞ。o○
パラレル同窓会 (小学館文庫―藤子・F・不二雄〈異色短編集〉)
パラレル同窓会
(小学館文庫 藤子・F・不二雄〈異色短編集〉 4)
短編集の中の表題作品。大げさなハッピーエンドでもなく、アンハッピーエンドでもなく、またありきたりの日常へ戻っていく結末の渋い味わいが好きです。
これは、まんがですよね〜。ゴメンナサイ、今回は小説限定、ということで。
http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/41f90c13699460...
オンライン書店ビーケーワン:エロス 集英社文庫
広瀬正『エロス』。
ヒロインのちょっとした選択によって枝分かれしたふたつの物語が交互に描かれるという構成ですが、舞台である昭和初期の東京とそこでの生活の描写が素敵だと思います。
広瀬正、忘れられたSF作家ですが、好きです。短編集も持ってます!!
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%81%E9%80%94
征途 - Wikipedia
佐藤大輔作「征途」三部作をお勧めします。
太平洋戦争によって分断国家となってしまった日本。
ソ連の占領下で社会主義国家となった日本民主主義人民共和国とアメリカ占領下で経済成長と宇宙開発に邁進する日本国。
この二つの国家に引き裂かれたある軍人一家の宿命を描いた架空戦記の傑作です。歴史に翻弄される軍人一家の悲しいまでに愚直な生き様に感動しました。
あー、これは「在りえたかもしれない世界」として面白そうですね。村上龍の『5分後の世界』シリーズよりリアリティがありそう。
定番の長編ファンタジーから。
『はてしない物語』
主人公の世界と物語の世界が一冊の本を解してつながります。
『はてしない物語』という本に書かれた世界と、少年が一気に近づき、入り込むあの瞬間の描写は他ではない感覚。こちらも物語に引き込まれてしまう。
2つの世界を2色刷りによって分けて印刷してあるところも面白いですね。
『黄金の羅針盤』
オックスフォード大学から、物語が始まる。ここは私たちの世界のパラレルワールド。共通点もあるようで、全く違う世界です。異世界から始まる物語で冒険が始まり、あとで私たちの世界ともつながってさらに大きく話が発展してゆきます。
ここで読者も異世界からの視点で主人公の少女に共感し、こちらの世界を不思議だな、と眺めることになる。これが面白い。
また、パラレルワールドは2つの世界だけでなく、おそらく無限にある。これは「ナルニア」シリーズとよく似ていますね…
(『黄金の羅針盤』『神秘の短剣』『琥珀の望遠鏡』の3部作。)
ということで、ナルニア国物語です。
これはぜひ7冊全部を読んでもらいたい本です。この世界の構造はとても不思議です。(この物語での「パラレルワールド」は、あるひとつの世界が、そのほかの無数の世界の入り口になっています。ライラシリーズはこれによく似ている。)
『ライオンと魔女』では、大きな家の洋服ダンスが実は異世界ナルニアへの隠れた入り口。そこで主人公の子供たちが冒険する、という物語です。
ナルニアの時間と、こちらの世界の時間は流れ方がずいぶん違います。
こちらでは少ししか経たないのに、ナルニアでは何十年も過ぎていたり。シリーズ全部を通して、真新しいナルニアができた時の物語も、そしてその世界が終わる瞬間にも私たちは立ち会うことになります。
ナルニアが始まる時(同時に別の世界が終わるところだったり)がかなり好きです。
キターO(≧▽≦)O 。『指輪物語』も映画のようにホビット族を人間に置き換えれば立派なパラレルワールドですものね。
ライラの冒険シリーズは未読ですが、書かれた年代が新しい分だけ、より説得力を増した設定になっているような。これは楽しみが増えました。
ありがとうございます。
http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/419b6556b5da70...
オンライン書店ビーケーワン:エロス 集英社文庫
『エロス』(集英社文庫)
「4087505065 はbk1に登録がありません。」だそうですので、URLをお付けします。
(入手が難しい可能性があるんですよね。すみません。)
現在と、架空の過去とが同時に進行していく形式で進められています。描写や、架空論理の「精密さ」、時間軸の処理の巧みさが非常に素晴らしいと感じています。直木賞を取れなかったものの、司馬遼太郎(この名前と「SF」というのは意外な組み合わせという印象だと、人から言われたことがありますが)が強く推した作家として知られています。
作者は、屈指の国産タイムマシン作家として知られる人物なので、「ご存知かも?」とは思うのですが、「広瀬正はタイムマシンだけじゃないぞ」ということで。
あと、微妙な題名に関しては、下記をご参照ください。
「どの作品にも共通しているが、彼は題名のつけ方で損をしていたのではなかろうか。内容を暗示させる、もう少し親しみやすいものを考え出すべきだった。」(星新一)。
http://homepage1.nifty.com/naokiaward/kogun/kogun64HT.htm
広瀬正-直木賞候補作家-64HT
広瀬正いいですよねー。3年前くらいに偶然、『ツィス』を手に入れてハマリ、最近、集英社文庫の「広瀬正・小説全集」を手に入れました。
もっと知られていい作家ですよね。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101373221/hatena-q-22
Amazon.co.jp: ターン (新潮文庫): 北村 薫: 本
自分の年齢で「シンデレラ迷宮」「シンデレラミステリー」(コバルト文庫!!)を薦めるのは恥ずかしいのですが、高校の時、読んで印象に残った本です。
乙女チックですが、切なくてちょっと苦くて思わず泣いてしまいました。
(今読んだらどう思うだろう?)
乙女チックと言えば北村薫のミステリーを思い出します。私が好きなのは人間の機微を鮮やかに細やかに描いた「円紫師匠シリーズ」なのですが、同じ作家の別の小説を読んで、あまりの少女趣味(ちなみに著者は男性)に辟易して以来、それ以外のものは敬遠がちでした。
でもふと何気なしに読んだ「ターン」と「スキップ」は面白かったです。やっぱりポイントは「機微」。
この2冊と「リセット」で構成される「時と人」3部作は、世間の評価もかなり高いようです。
ちなみに「スキップ」主人公は円紫師匠シリーズ「秋の花」の主要人物としても登場し、合わせて読むとパラレル感が増します。
北村薫もいいですよ。以前の質問http://bk1.hatena.ne.jp/1103466710
で、『街の灯』を勧めてくれた方がいましたが、少女趣味の小説って、それかな?
たしかに、『ターン』『スキップ』『リセット』はコンピュータエイジには題名からしてワクワクさせるものがありますよね。
ありがとうございました。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4086105659/hatena-q-22
Amazon.co.jp: パラレルワールド大混線 (集英社文庫―コバルト・シリーズ): 若桜木 虔: 本
パラレルワールド大混線
若桜木 虔著
高校生のカップルがパラレルワールドに迷い込んで、
様々な体験をする小説です。
文庫本でしか出版されていませんが、結構面白かったですよ。Bk1では入手できませんが、アマゾンでは、購入可能なようです。
『フリーゾーン大混戦』とはまったく関係がないんでしょうねぇ。
題名が似ていても中身はまるっきり別っていうベストセラーもあったけど。
見てて思ったのですが、「別世界に行く」というのもありなんでしょうか?(果てしのない物語は出たみたいなので…)
1北村薫の「ターン」はあるのに、これが無いのに異議あり。何回も何回も人生を繰り返すはめになった男の話です。欲望を叶えていくとこうなっていくのかなって感じで。なぜか漫画の原作に。
2これの中に収録されている「酔歩する男」ですね。男の語りにどんどん引き込まれます。昔「玩具修理人」の方が気になって立ち読みしたのがきっかけですが、こっちの方が怖いです。(ジョジョのエクスペエンス・G・レクエムって知ってます?あれに少し似てます)
3ゲームで出ていたのがなぜか文庫になってました。日本が「無条件降伏」せずに地下に潜って戦争を続行している世界に入り込んでしまった男の話。なんか文を読んでいて引き込まれます。(さっきからこればっかり)リアルなのです。ただ、読んでいて好き嫌いが分かれるかも。
1.そうですね。話としてはこちらの方が楽しめるかも。
2.これは未読です。ホラー小説とのことですが、bk1の書評に「ディックの作品に通ずる」とあるので、ちょっと読んでみたいかも。
3.村上龍の人生観が反映しているかもしれません。幻冬舎が立ち上がったときに出版された作品ですよね。
ちと古いですが、フレドリック・ブラウンの名作SFを。
SFというジャンルにはまりかけていた頃に読んだので余計に印象深いのです。1940年代なのに宇宙旅行が可能でしかも宇宙人と戦争をしているなんていうとんでもない世界へ来てしまった主人公の冒険譚。次はどうなるんだろうとワクワクしながら読んだものでした。ラストが主人公にとってはこの上ないハッピー・エンドだったのも感動を深めてくれました。
解説を筒井康隆が書いていて、それも思い出深いのですが、どうやら絶版のようです……。
やったー♪ゝ(▽`*ゝ)(ノ*´▽)ノ
これが出ないと「パラレルワールド」名作シリーズにならないですよね〜
>どうやら絶版のようです……。
ダイジョーブです。アマゾンでも楽天フリマでも、「日本の古本屋」でも「スーパー源氏」でも、在庫は豊富のようです。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4828840087/hatena-q-22
Amazon.co.jp: 黒い時計の旅: スティーヴ エリクソン, 柴田 元幸: 本
スティーブ・エリクソン『黒い時計の旅』です。
ヒトラーのためにポルノグラフィーを書く男、バニング・ジェーンライトの妄想力?によって、ヒトラーはソビエト遠征をあきらめ、ドイツはイギリスを征服し、メキシコあたりでアメリカと戦っている、という「もう一つの20世紀」を描いた作品。
世界設定とかよりもとにかく世界を貫く人間の愛や妄想のパワーを強烈に感じる作品です。訳者の柴田元幸はその力を「幻視する力」と評していますが、まさにその通りだと思います。
ただ、この本は絶版でかなり手に入りにくい本のため、同じ作者の『Xのアーチ』も紹介しておきます。トマス・ジェファソンに黒人奴隷の愛人がいたという話から、この二人の歴史的な舞台や架空の町などさまざまな場所での時空を越えた愛が描かれます。
すごいことを考える人がいるものですね〜。
『鉄の夢』(ノーマン・スピンラッド 荒俣 宏 訳)を思い出しちゃいました。
ジャンルはミステリなのですが、設定がSFです。
主人公は同じ1日を9回繰り返す体質を持っていて、ときどきその体質が「発動」してしまいます。自分の行動いかんによって、その9回はそれぞれ違う結果になることがあり、主人公の少年はそれを楽しんだり面倒に思ったりしていました。
ところが、この「発動」日に、彼の祖父が殺されてしまいます。彼はなんとか祖父を救おうと孤軍奮闘。しかし祖父はそのたびに別の方法で殺されてしまい・・・。彼は、祖父を救うことができるでしょうか?
というあらすじです。
殺人というテーマなのに、そのたびに殺されてしまうというのがユーモラスで、おもしろいです。
西沢保彦さんはほかのミステリも設定が凝っていて隙です。
パラレルワールドものというかタイムパラドックスものというか・・・
でも、こまかい理屈はいわずに楽しんじゃえ、というところでしょうか?
ありがとうございます。
ところで、回答とは直接かんけいないですが、
bk1
┗(-_-;)┛オ・・オモイ… ー
リニューアルが待たれます。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150102694/hatena-q-22
Amazon.co.jp: 永遠の終り (ハヤカワ文庫 SF 269): アイザック・アシモフ, 深町 眞理子: 本
品切れ状態でbk1からは検索できないので、amazonのURLで代用します。
アシモフのファウンデーション・シリーズの番外編であるタイムトラベルものですが、人類が破滅しないように急激な変化を起す因子を摘み取る役目のタイム・パトロール員が過去に干渉して、そのたびに歴史が書き換えられる。
とはいえ、彼らもた「過去の改変」で影響を受けるはずなのに、改変された時間線とは別の「永遠」に居住するためにタイム・パラドックスを免れる、という想定です。
このあたり、パラレル・ワールドっぽいし、作中でアシモフ自身が、改変される前の世界も改変後の世界も同等に存在する権利がある、というようなことを言っていて、面白いです。
古書サイトでは何とかゲットできるので、ぜひお読みください。
アシモフは『神々自身』でもパラレル・ワールドを科学的に扱って興味深い話にしてますよね。
どうもタイムトラベルものが増えてきました。でも、いいかー(⌒^⌒)b うん
「夢の木坂分岐点」筒井康隆らしいパラレルワールドもの。パラレルワールドというか虚構がテーマかも。他の世界に主人公が移動するのではなくて、自我が類似した別の世界に移動し続ける。この作品も村上春樹の「世界の終わりと」と似た狙いがあるような気がします。それは現実と現実でない世界(空想、虚構、夢)の境界線なんてあてにならないってことではないでしょうか。だからどちらの作品も、一生続くほどのなんともいえない読後感をもたらすのでしょう。
分岐点という表現がいいですね。ディレーニィの『アインシュタイン交点』という表現も秀逸ですが。
>自我が類似した別の世界に移動し続ける。
そうした形のパラレルワールドもあり、かも。
再回答です。ポイントなくてかまいません。
モモはカウントされますか?一応別の世界にはいくのですが…
(されていなかったら申し訳ありません)
タイムトラベルものokならこれもいかがでしょうか。
主人公が2.26事件が起きる日に立ち会う話です。
どんな時代でもその時代を一生懸命生き抜くって事が大事なのだという内容が印象的でした。(一応事実が変更されますが)
定番中の定番、時をかける少女はいかがでしょうか。他にもパラレルワールドに飛ばされた話もあります。筒井康隆は色々パラレルものかいてますね。部分的にですが七瀬シリーズにもありましたし。(内田有紀が主演していたドラマの方が面白かったのですが)
七瀬シリーズー好きでした。
『時をかける少女』は映画の方がいいですね。筒井康隆って基本的にはアイデアで勝負、ってところがあるのかも?
http://home.catv.ne.jp/dd/fmizo/legend.html
THE LEGION OF TIME
時間の絡んだパラレルワールドものとして、ジャック。ウィリアムスンの『航時軍団』はどうでしょう。発表された年代を考えると、非常に新鮮な内容と思います。
bk1もamazonも書影もなく、そっけないので、SFファンのサイトで代用です。
なるほどー。
古典SFはファンの方のサイトがヒジョーに充実してますよね。
時間SFが混じってきたので、今度は「時間テーマ」でやろうかな。
今回はここで終了とします。
回答者のみなさま、ありがとうございました。
へー、おもしろそう。
越智道雄さんって、こうした本も訳されるのですね。
購入リスト行きです。