隆慶一郎「死ぬことと見つけたり」
国枝史郎「神州纐纈城」「蔦葛木曽梯」
などが私のお勧め。みなさんのお勧めは? ジャンルは問いません。
なるほど。「完成稿」はないんですよね、たしか。あと欠落もあるし……。でもちょっと思いつかなったですね私は。どうもありがとうございます。
人間失格 桜桃 グッド・バイ (小学館文庫―新撰クラシックス)
心中してしまった太宰の遺作。
たくさんの愛人に別れを告げて回る優男の
軽妙なラブコメディ。
最後まで読みたいのに〜!
ですよね〜。読みたいです。
絶対にこれは大長編じゃないんだから、最後まで書き上げてから……なんていうと、長い短いは問題じゃない! ってファンに怒られたりして。
未見でした。ぜひ読みたいです。55歳で亡くなっているんですね。若い。
作家さんは60過ぎてからも活躍される方が多いので、60前の死は速すぎるなあと思います。例に挙げるのもアレですけれども、泡坂先生が60前に亡くなっていたら……と思うとぞっとします。
さすが野沢さん、未完でも本が出たんですね。知りませんでした。
傑作、というよりも怪作というべきなのかもしれません。何しろ数十年かけて書かれていながら、物語の中では数日しか経過していないのです。登場人物達がひたすら内省し、語りまくる世界。読んでいるうちにこちらまで思考の堂々巡りに引きずり込まれ、ちょっとした快感も味わえます。入院中など、他に何もする事が無い時にお勧めです。
高校時代から文庫になったら買おうと思ってた本だったのですが、まさか社会人1年目で発売とは。こんなに早く……という感じでした。でまあ、2冊読んで、3冊目がいまだに途中かけです。埴谷先生も3冊目に収められた章を書くには大変な時間を要しているので、読む方もゆっくりでいいかなあとは思っていますが。
中里 介山著『大菩薩峠』は、未完の大長編です。机龍之介を巡って登場人物が100名を超えていると思います。ニヒリズムの極地。冒頭の2〜3冊を読むだけでも、面白い。絶対、お勧め!
埴谷雄高の『死霊(シレイ)』が未完です。観念の自己増殖、自同律の不快、存在の革命など、人類の未来を変えようとする壮大な意図のもと、書かれています。第9章までですが、読み応え十分です。難解なところが良いのです。。。
「大菩薩峠」全1巻のバージョンが発売されたので読んでみようと思ったのですが、何と未完ですか。いやまあ、未完でも面白い作品を教えてください、ってことなんで、いいんですけれども。
http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/3e74d14b28b090...
オンライン書店ビーケーワン:エイプリル・ロビン殺人事件 ハヤカワ・ポケット・ミステリ・ブック 524
クレイグ・ライスの『エイプリル・ロビン殺人事件』と
レイモンド・チャンドラーの『プードル・スプリングス物語』です。
『エイプリル・ロビン殺人事件』はエド・マクベインが、『プードル・スプリングス物語』はロバート・B・パーカーが、それぞれ補筆しています。
後者はパーカーが書いた文章の比率の方が多いため、難有りなんですが・・・。
それでも各シリーズを読むことが出来て有り難いのではありますが。
「プードル・スプリングス物語」はパーカーの作品としては別にまあ……。というか、チャンドラーが書いたのは冒頭だけですからね。誰が書いても……という感じはします。「エイプリル・ロビン殺人事件」は未読。機会をみつけて読んでみたいですね。
「推理小説の先駈けでは?」と言われるような作品(例えば「荒涼館」など)をいくつか残した文豪ディケンズの絶筆・未完の作品。本格推理小説になる予定だったそうです。
(創元推理文庫の巻末の解説は確かディクスン・カーだったっけなあ。)
ちなみに2番目は別の人が書いたもので、私は未読。未完のまま終わったエドウィン・ドルードの謎をホームズとワトソンが解決するらしいです。
立ち読みしたので内容を覚えていないのですが、推理小説ばっかり読んでいた頃なので、「推理小説」というので反応しただけで、実は傑作というほど面白くないのかも知れません。(ディケンズが書いたという話題性もあったし。)
ディケンズ氏、友人であるウィルキー・コリンズから、彼の作品「月長石」を献呈されたことへの返礼として書き始めたのだそうです。
「月長石」は名作の誉れが高い推理小説なので、「もし」完成していたら、あっと驚くような作品が出来ていたのかも・・・・・・。
ディケンズは敬して遠ざけていた作家の一人。推理小説は大好きなので、これをきっかけに手に取ってみようか、と思います。
芥川龍之介の「邪宗門」です。
珍しく娯楽色の強い作品ですが(偏見か?)、これからどうなっちゃうのっていういい処で終わっているのが惜しいです。
夢枕獏が続きを書くという話もあったらしいです。
夢枕獏なら、文体は別にして内容的には合ってるんじゃないかと思って楽しみにしていたんですが、まだ実現していません。
何で読んでないんだろう、という作品。これは読みたいですね。夢枕獏先生は大長編を仕上げて肩の荷が下りたところでもあり、いろいろ細かい仕事を仕上げていっていただきたいところではあるなあ、と思います。いやー、完結してよかったです。完結してよかったといえば「東京セブンローズ」もそう。井上先生は筆が余りに遅いので、あれも完成しないんじゃないかと心配してました。何せ事前にプロットを立てずに書き始めたそうですし(読むと、とてもそうは思えないのが凄いところ)。
・『紅楼夢』については参考URLに詳しく書いてありますが、「北京に移った雪芹は晩年の10年間を「紅楼夢」の執筆に注ぎますが、未完のまま病没しました」。ちなみに平凡社ライブラリー版で全12冊。
・ノヴァーリスの『青い花』(Heinrich von Ofterdingen)はドイツ浪漫主義の名作ですが未完。
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0132.html
松岡正剛の千夜千冊『青い花』ノヴァーリス
↑松岡正剛氏による書評です。
・プラトンの書いたアトランティス伝説は『ティマイオス』と『クリティアス』に載っていますが、『クリティアス』は未完のまま(いいところで)終わっています。小説かと言われるとちょっと微妙ですが……。岩波書店版『プラトン全集』第12巻がティマイオス/クリティアスなのですが、ISBNがついてないので代わりにSF作家による良書をリンクしておきました。なお、プラトンの絶筆は『法律』です。
「紅楼夢」は中国古典画本シリーズで読みましたが、未完とは知りませんでした。画本で全5巻でしたので、物語としては抄録なのでしょう。区切りよく終っており、すっかり満足していました。原作は全12巻……これはきちんと時間を作らないといけませんね。
と思ったら! 参考のところにちゃんと書かれていましたね。高蘭墅の補筆により完結していたんですか。なるほど。
ノヴァーリス「青い花」はまったく知らなかった作品。松岡正剛先生の書評はいつもながら読書欲をそそりますね。「千夜千冊」は本にしたら全3〜5巻になることは確実で、そうなると商品として成立するのかどうかわからない。ウェブがあってよかったという連載であります。
「クリティアス」は学生時代に耳にした作品名。でもご紹介いただいた本を読むにとどめておく方が私のレベルにはあっているような気がします。
どうもありがとうございました。
トリニティ・ブラッド―Reborn on the Mars 嘆きの星 (角川スニーカー文庫)
ラノベなのですが、つい先日亡くなってしまった吉田 直先制のトリニティブラットがお勧めですね。
割と軽めな入りからこつこつ積み重ねてきたフラグがやっと生かされてくる一番いいときに亡くなってしまい、未完となりまして非常に残念です。
が、未完といえど、既刊の面白さはかなりのものです。
番外編・本編の二つの方向から核心に迫って言うのは中々面白いと思います。
最後まで書いて欲しかった・・・・残念ですね。
ライトノベルには、大長編というのか、シリーズ連作というのか、とにかく本筋の話がちっとも完結しない作品が多々あります。4クール完結のテレビアニメの1クール分を単行本にする、みたいな。
なんだかんだいってジャンル自体が新しいから、今はまだいいですが、20年後、30年後には、未完のまま作者が亡くなってしまうケースが非常に増えていると思います。
私は滅多にライトノベルを読みませんが、サイドストーリーを書き込むことで1冊になってしまう、そしてそれが許される市場があるという状況を考えるに、人気作品の少なからずについて、ずるずると完結が引き延ばされ未完への道を歩む危険があると思います。
隆慶一郎先生は偉大なる未完小説作家……本当にもう、一番いいときに。惜しいですね。本当に惜しい。先生の作品はどれも大好きです。