無い小説構成には、つけ入る隙がない」
と、書いてありました。
そこで、お尋ねします。
「そのような小説に出会ったことがありま
すか」
「ありましたら、作品名と読後感を教えて
ください」。短文・長文OK。
あっても、無くても回答とします。真面
目、不真面目もOKです。ポイントは15。
約10名ほど。コメントはつけませんの
で、ご了承ください。
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Amazon.co.jp: 潮騒 (新潮文庫): 三島 由紀夫: 本
三島由紀夫『潮騒』が思い当たりました。
短い小説ですが、無駄も不足もない。
つけ入る隙がない、という気がします。
若さと老い、
男と女、
父と娘、
母と息子、
個人と地域共同体(コミュニティ)、
財産と相続、
海と山、
人間と神、
といったテーマが実にみごとに収まっています。
http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/69_14933.html
芥川龍之介 河童 どうか Kappa と発音してください。
芥川龍之介『河童』
太宰治の『人間失格』をさらに削りに削ったという読後感です。
もちろん文学史的には、芥川→太宰なのですが、情緒過多の太宰は一人では死ねなかったのでしょう。芥川の知性には感服するものがあります。彼の生きた時代を考えると「自死」もやむなし、という気がします(賛美するわけではありません)。
竹取物語
古典の学習の時に、あまりにも短くてビックリしました。いわゆる昔話の話が決してダイジェストではなかったんだな…と。本当に最短でギッシリと詰めこんでいた物語だなと感じました。
http://plaza.rakuten.co.jp/onisoto/diaryold/20040316
福内鬼外(月日が往く) - 楽天ブログ(Blog)
辻邦生『安土往還記』です。
後に『背教者ユリアヌス』『春の戴冠』『フーシェ革命歴』のような堅牢な構成の歴史小説を執筆する彼ですが、本質は『ある生涯の七つの場所』を構成するようなきっちりとした短編を得意とする作家だったと思います。
初期の作品である『安土往還記』は、その本質が生かされた中編だと思います。織田信長を、これだけ鮮烈に描き出した作品には、これまで出会ったことがありません。
「竜馬がゆく」司馬遼太郎著です。
坂本竜馬(だけではないですが)が起点となって
日本を変えたのは紛れも無い歴史です。
綿密な取材による史実にもとづいた物語と
本当に日本を変えるためだけに幕末を駆け抜けたと
思えるほどの描写(暗殺は事実ですが)にファンタジー(というにはもっと無骨な感じのもの)
を感じています。
小松左京『くだんのはは』
小松氏の創作になる怪談話ですが、まるで本当にあったできごとの報告のように無駄のない構成、不足のない描写で一気にラストに向けて恐怖が高まります。
くだん=件=九段とかけているところに著者の反戦思想を感じるのは読み過ぎかもしれませんが・・・。
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Amazon.co.jp: 季節の記憶 (中公文庫): 保坂 和志: 本
保坂和志『季節の記憶』。
たんたんと書かれているようだが、推敲の重ねられた文章にむだはなく、生活のなかで生と死を考えさせる構成に不足はない。
つげ義春の作品を思い出させるような不思議な読後感である。
みなさん、有難うございました。