古典の教材で読んだと思うのですが、

平安時代の文章で、女の子が「私の髪が長くなったら一人前のレディーとしてちゃんとした結婚ができるわ」といったような文章がありました。この場合、髪が長くなったらというのが大人になるという比喩である、という説明を受けたのを覚えています。

この出典を知りたいのです。ご存じの方、教えてください。

源氏物語か何かだったような気がするのですが、もしかしたら和歌なのかも……? と思っています。

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回答4件)

id:jo_30 No.1

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伊勢物語―付現代語訳 (角川ソフィア文庫 (SP5))

伊勢物語―付現代語訳 (角川ソフィア文庫 (SP5))

  • 作者: 石田 穣二
  • 出版社/メーカー: 角川学芸出版
  • メディア: 文庫

伊勢物語「筒井筒」ですね。


幼なじみの男の子に対して女の子が歌を詠みかけます

「くらべこし 振り分け髪も 肩過ぎぬ 君ならずして たれかあぐべき」

(貴方と長さを比べた私の髪も、肩より長くなりました。貴方以外の誰が、この髪を結い上げてくれると言うの?)


髪をあげるというのが、この場合結婚をするという意味になります。正確には「髪が長く伸びたけど、この髪をあげるのはあなたよ」という感じでしょうか。古典教材としては定番なのでおそらくこれではないでしょうか。

id:ntksk

ありがとうございます。

この話は知っているのですが……うーん、これだったのかなあ?!

2005/10/23 00:29:42
id:sonizo No.2

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すらすら読める伊勢物語

すらすら読める伊勢物語

  • 作者: 高橋 睦郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • メディア: 単行本

伊勢物語 (校注古典叢書)

伊勢物語 (校注古典叢書)

  • 作者: 片桐 洋一
  • 出版社/メーカー: 明治書院
  • メディア: 単行本

『伊勢物語』第二十三段の


くらべこし振分髪も肩すぎぬ君ならずして誰かあぐべき


という歌ではないでしょうか。

この段は男性が幼なじみの女性に「筒井つの 井筒にかけし まろがたけ 過ぎにけらしな 妹見ざるまに(しばらくあなたを見ない間に、私の背丈は井戸の囲いより高くなりました…まだ結婚しないの?」と求婚し、それに答えて女性が「くらべこし 振分髪も 肩すぎぬ 君ならずして 誰かあぐべき(あなたと長さを比べ合った私の髪も、肩を過ぎるほど長くなりました。この髪を上げ、私と結ばれることのできる人はあなた以外にいるでしょうか」と詠みます。

つまり、髪を結い上げて結婚できる成人女性となりましたよ、という歌ですね。


ちなみに、この歌を原典として幼なじみのことを『筒井筒』というようになりました。

id:toda78 No.3

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更級日記 (岩波文庫)

更級日記 (岩波文庫)

  • 作者: 西下 経一
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • メディア: 文庫

更級日記の18、物語ではないでしょうか。


「物語のことをのみ心にしめて、われはこのごろわろきぞかし、盛りにならば、かたちも限りなくよく、髪もいみじく長くなりなむ、光の源氏の夕顔、宇治の大将の浮舟の女君のやうにこそあらめと思ひける心、まづいとはかなく、あさまし。」

id:ntksk

あ、これだ!

ありがとうございます!!

2005/10/23 13:00:14
id:yokikotokiku No.4

回答回数164ベストアンサー獲得回数2

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源氏物語〈3〉 (新日本古典文学大系)

源氏物語〈3〉 (新日本古典文学大系)

  • 作者: 紫式部 柳井 滋
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • メディア: 単行本

更級日記 (岩波文庫)

更級日記 (岩波文庫)

  • 作者: 西下 経一
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • メディア: 文庫

源氏物語「紅葉賀」、

光源氏のおうちに迎えられて、立場上「側室」となったものの、まだまだ子供っぽい若紫に対して、お付きの女房が

「かく、御男など設けたてまつりたまひては、あるべかしゅう、しめやかにてこそ見えたてまつらせたまはめ。

御櫛まゐる程をだに、物うく せさせたまふ」

と言う場面がありますが、これですか?


このように夫をお持ちになったのですから、それらしく大人っぽく(相手に)見ていただけるようにしなくてはならないのに(そうじゃないのは困ったものです)。

そのうち髪を上げて成人する時期になるのに、そのときの事が思いやられます。


とかそんな意味のはず。

これを聞いて若紫は、初めて自分が夫を持っているという立場なのを自覚するシーンです。

(かわいがってくれるお兄さんのおうちに住んでいる程度の意識しかなかった)。


あとは「更級日記」の最初の方で、源氏物語にかぶれた少女時代の作者が


「われはこのごろわろきぞかし、盛りにならば、容貌(かたち)もかぎりなくよく、髪もいみじく長くなりなむ、光の源氏の夕顔、宇治の大将の浮船の女君のやうにこそあらめ」

私は、今は不細工だけど、年頃になったら顔もすばらしくもきれいになって、髪もとても長くなるでしょう、夕顔や浮舟みたいになるかしら、


と夢想するシーンも、ちょっとシチュエーションは違いますが、表現にかぶる部分がありますが、どうでしょうか。


「古典の教材」というのが、学校で配布されたレベルのものか、赤本やZ会みたいな、多少マニアックなのもアリのレベルかがわかると、探しやすいかもしれません。

前者だと源氏、更級、蜻蛉、伊勢あたりに限定されますが、後者だと「浜松中納言」とか「とりかへばや」、「堤中納言」、古今以外の六大集なんかも視野にはいるので。

id:ntksk

ありがとうございます!

2005/10/23 13:00:59
  • id:yokikotokiku
    古典の先生に文句垂れるわけじゃないですが、


    文章前半ですでに「盛りになりなば(年頃になったなら)」と言っているのですから、
    「髪が伸びる」というのは、特に「大人になる」という比喩ではないと思います。
    単に「源氏」に描写された女性たちの美しい長い髪にあこがれて言っているんだと思いますよ。
    「いみじく長くなりなむ」ですから、年頃になれば髪は伸びるに決まっているけど、どうせなら「すごく長い、ステキな髪」になりたいと言っているのです。

    長い髪は「大人」の象徴ではなく、「美女」の象徴です。
  • id:ntksk
    Re:古典の先生に文句垂れるわけじゃないですが、

    数年前のことで、全てがうろ覚えで、そう習ったような樹がする、というニュアンスでの質問でした。
    人の記憶は確かではないですね……。
    捕捉、ありがとうございます。

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