こちらにそのニュースが記されています。
「同州大気資源局によると、火を付けたたばこから出る煙は、ベンゼンやヒ素などの有害物質同様、『死や深刻な病気の原因になりうる大気中の有毒物質』と定義される。同州政府は昨秋、肺がんや胎児への影響などに加え、女性の乳がん増加と受動喫煙に関連があるとの報告をまとめている。」
とのことです。
http://www.nistep.go.jp/achiev/ftx/jpn/stfc/stt042j/0409_02_topi...
Science&Technology Trends September 2004 topics
[1]世界における大気汚染物質による健康影響研究の動向
大気汚染物質によって生じるDNA損傷の化学構造決定やDNA損傷が引き起こす突然変異の解析、突然変異誘発の分子機構、そしてPM(粒子状物質)が健康へ与える影響などの研究が各国で行われており、その結果が規制強化にもつながっている。
国立環境研究所は、オゾンなどの大気汚染ガスや環境変化が植物に及ぼす影響及びそれに対する植物の反応を分子レベルで解明するために、大気汚染に弱いシロイヌナズナを用いて研究を行っている。
アメリカではEPA(米環境保護局)の研究者によって、2種類の異なるディーゼル排気粒子のサンプルを用いた組成、毒性および突然変異誘発性を比較した2つの研究が発表された。今回の発表は、フォークリフトおよび自動車の排気ガスから採取された2つの排出源を比較した初めての研究である。この研究では、2つのディーゼル排気粒子が、異なる物理的・化学的性状を有し、大腸菌への突然変異誘発性及びマウスの肺への毒性についても、異なる影響を及ぼすことを明らかにした。最近EPAは、大気汚染と心臓血管疾患との関係に関する研究について、これまでEPAが科学研究に対して提供した中で最高額の3,000万ドル(36億円)の補助金をワシントン大学に提供した。さらに、全米研究評議会(NRC)は、粒子状物質に関するEPAの調査を評価した際、粒子状物質への長期的な暴露について、政府の知見を拡大するため、疫学的研究の必要性を強調した。
カナダのマクマスター大学の研究者チームは、製鉄所がある基幹道路沿いに、一方はそのまま、片方はHEPAフィルターを通した空気が呼吸できる2つの環境に実験用マウスをさらし、どの汚染成分が突然変異を誘発するのかを探る実験をした。この結果、汚染環境下のマウスから生まれた子は、父親から変異を受け継ぐ例が、他と比較すると2倍となった。原因は、煤煙や粉塵などの微粒子に付着しているVOC(揮発性有機化合物)と思われる。
ディーゼル自動車が主流のヨーロッパでも活発な動きが見られる。フランスのエコロジー・持続可能な開発大臣は、国の環境・健康計画の策定及び大気政策の中で、「大気中微小粒子のヒトへの影響」に関するフランス環境衛生安全局の報告書を発表し、この問題について国民へ広く喚起していく姿勢を見せている。
ドイツ連邦環境省は、Norddeutsche Affinerie社の有害粒子削減プロジェクトに対し、「環境負荷削減のための投資プログラム」から約150万ユーロ(1億9,500万円)を助成することを発表した。
また、室内汚染物質への曝露に関する研究成果がEUの共同調査センター(JRC)によって発表された。これによると、欧州市民は90%の時間を屋内で過ごしているが、室内環境には特有の健康リスクがあり、場合によっては汚染が屋外環境の2倍に及ぶこともあると述べている。室内からは、数百ものVOCが検出され、中には有毒性や発ガン性、突然変異を引き起こす性質を持つものもあり、潜在的発生源は非常に多い。例えば、欧州のぜん息患者の20%は、屋内で吸入した物質によるものとされる。また、建物の中に放出されているタバコの煙、アスベスト、ラドン、ベンゼンは、ガンが増加している原因として最も疑いをもたれている。
大気汚染物質は、隣国にまで影響を及ぼすことから、これら各国の動向は各国の今後の規制にも深く関わるものとして注目される。
詳しい情報をありがとうございます。それでもタバコはやめられない、という人があるのですから。
早速にご回答ありがとうございます。日本は何年遅れているでしょうか。