条件
・法律的な回答を期待しています。倫理的・生物学的な答えは評価が下がります。
・傷害罪が親告罪ではないらしい、というあたりまでは調べています。
・人肉そのものに興味はありません。人肉食には興味があります。
すみません。昨夜の回答に間違いがありましたので、お詫びの上訂正いたします。
下腹部をナイフで刺したSMの判例ですが、私の記憶違いで、これは加害者に未必の殺意があった事案でした。従って、傷害か同意傷害かではなく、殺人か同意殺かが問題になった事案で、ご質問とは無関係なものでした。
ただ、類似の事案でかつ殺意がなかった場合に関し、傷害致死でなく過失致死を適用したという判例が、確かあったはずなのですが。ちょっとぐぐってみたりしたのですが見つかりません。お教えするにふさわしいような、適当なリンクも見つけられませんでした。文献としては、判例なら「判例百選」、学説なら前田雅英「刑法総論講義」あたりがメジャーなところですね。
ただ、同意を得た上で人肉を切り取らせてもらう行為が傷害罪として処罰されないという結論は、同意傷害を一切不可罰とする有力な刑法学説の立場からはもちろん、表向き社会的相当性をも要求しているようにみえる判例の立場からも、おそらくヤクザの指詰めの場合とは異なって、肯定せざるを得ないと思われます。これを社会的に不相当であるとして処罰してしまうと、刑法に過度の倫理色を付与するものと批判されることは、目に見えておりますので。
あと、正当防衛・緊急避難についての指摘が散見されるので、それについても言及しておきます。
まず、正当防衛(36条)。正当防衛の要件として、学説上は「防衛目的で行為したこと」という主観的側面は不要と考える説がかなり有力です。一方、判例は防衛目的を一応要求しますが、もっぱら防衛目的のみで行為することまでは必要でなく、他の目的と並存していてもよいとします。従って、誰かに襲撃される等した場合に、「食べる目的で相手の体の一部を切り落とす」ことまでは、問題ないと思われます。
しかし、その後それを食べる行為が、質問者様も疑問を抱かれているとおり、問題を含みます。現代の医療技術では縫い合わせることも不可能でない以上、切り落とされた肉片が、いまだ被害者の所有物として、刑法上の「財物」に該当する可能性があるからです。ただし、それを被害者から切り落とす行為自体は正当防衛で不可罰になっているということを前提とすると、この場合、成立するのは非常に軽微な犯罪であるところの、遺失物横領罪にすぎません。なお、この「切り落とす→拾って食べる」が、「噛み千切る→飲み込む」に変わっても、問題の所在は変わらないことを付記しておきます。
次に緊急避難(37条)。これは、侵害から身を守るため、侵害者に反撃する場合に適用される正当防衛とは異なり、自分又は他人の身に振りかかった危難を避けるため、何らの罪もない第三者を巻き込むことを認めてしまう規定です。
この点10の回答は全く正しく、例えば雪山で遭難した際、他に自分が助かる術がなければ、パーティーの誰かの肉をいただいてしまっても罪には問われません。なお、緊急避難については、それにより守った法益が、侵害した法益より小さくないことが要件とされていますので、殺して食べてしまう場合は自分が死にかけていることが必須でしょうが、先に死んだ隊員の肉をいただく程度のことなら、食料が底をついている限り、死にかけるまで待たずとも可能と思われます。
13は完全にアウトです。死体損壊幇助どころか、場合によっては殺人教唆罪さえありえます。ちなみに教唆犯の刑は、正犯と同じです。
あくまで、道徳観念、社会的・倫理的評価を全く無視し、合法的と云う言葉を
刑法犯にならないで済むと云う意味だけに限定するという前提で考えました。
1.自傷行為を取り締まる刑法はないので自分で自分の肉を切って食べる。
2.医療廃棄物処理法で遺体扱いされない人体の部位等を食べる。
但し、2.の場合は、医療廃棄物処理業者に自分がなって、回収作業まで自分で
担当すれば、治療や麻酔に使われた薬物の影響や鮮度の判断を自分で行い、
食べるのに適した部位を比較的容易に入手できると思われます。
あくまで、法的論理にのみ立脚した「一種のブラックな論理ゲーム」として考え
てみただけなので、これを読んだ良い子の皆さんは、ぜ~~ったいやっては
駄目です!「絵空事」、「机上の空論」として読んで下さいね。
参考:
「医療廃棄物の種類と処分方法・問題」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%BB%E7%99%82%E5%BB%83%E6%...
切除された組織片など
日本では、四肢などの大きい物では、生きている患者の一部でも、また中絶胎児は妊娠12週以上のものは人として、墓地埋葬法上で遺体として扱い、これらは火葬の後に埋葬される。それ以外の組織片は、前出の焼却処分される医療廃棄物として扱われる。
http://homepage1.nifty.com/awaya/hp/ronbun/r004.html
1.に補足する形の回答になりますが、「論理ゲーム」ではなく出産時に出てくる胎盤を料理にして食べる風習が日本にも存在します。「胎盤料理」で検索すると海外のも含めかなりの件数がひっかかります。かなりショッキングな画像を含むものもありますのでここではあえてURLを挙げません。ですので胎盤であれば合法的に食べるチャンスは日本で実際にありえます。
教えていただいたサイトも含めて、大変興味深い話です。人肉の定義が曖昧でしたね。
参考までにこの質問の発端を書きますと、リンク先が言う「憎悪や逆に愛情に基づくところの感情的カニバリズム」の亜種でしょうか、「拷問としてのカニバリズム」が合法的に成り立つのかという疑問から始まっています。
が、以降の回答者の方はその点を考慮してもしなくても結構です。最初の条件に挙げていませんので。
http://www.ihealth.co.jp/main/ages/woman/010.html
http://www.taiyodo-kanpo.com/syoukai/p-syou.htm
人肉食と限定すると範囲外かもしれませんが、胎盤由来の薬を服用することができます。
紫河車という漢方処方です。
知識として面白いので、こういった回答も歓迎します。 3 の回答のリンク先にもありますが、こうした話は「じゃあどこまでが人肉食なのか」「臓器移植はカニバリズムではないのか」という問題に行き着くようですね。
パンを食えばいいだす。
パンはイエスキリストの肉
ぶどう酒はイエスキリストの血
パンを食う=イエスキリストの肉を食う。
キリスト教徒は全員カニバリズマーだということでしょうか?
(2006-04-09 21:00 追記)
一つ問題がありました。復活以降のキリストは人なのでしょうか?
この点を突き詰めると神学論争になってしまうのですが、個人的には、パンがキリストの肉かつ人肉たりえたのは最後の晩餐~処刑までのごく限られた期間ではなかったかと思います。
自分の肉か自分の肉を培養して食べちゃう!
もし、通り魔などが襲ってきたら耳を噛み千切って
食べればセーフなのかな?正当な防衛ですよね
3 のリンク先にある「食糧(栄養)補給としてのカニバリズム」ですね。言い換えるなら「緊急避難的カニバリズム」でしょうか。
通り魔の例では食べることの必然性証明が難しいですが、「それ以上襲われることを防ぐために相手を威圧する必要があった」という方向で反論できそうな気がします。
やっぱりこの質問をして正解でした。いろいろネタになりそうです。
他人、たとえばAさんが「自分の意志」で切り取ったAさん自身の人肉を、
Aさんの意志で質問者さんに提供する。
質問者さんがそれを食べる。
これは合法的に成立しうると思います。
ただ、質問者さんがAさんに「強制していない」「脅迫・マインドコントロールしていない」「売買その他の利害が絡まない」ということを、客観的に証明しておく必要がありそうです。
たとえば、Aさんと質問者さんの間で「Aさんは全くの自由意志で質問者さんに自分の肉体を提供する」という誓約書を作り、精神科医の診断書と公証人による認証を得たうえで人肉をいただく、とか。
条件にあるように、 xx-internet 自身は人肉を食べたいとは考えていません。念のため。
誓約書云々に関しては、正しいことは正しいですが、手順が多いのでエレガントな答えではないという気がします。まあ、エレガントな法律などないのかもしれませんが。
輸血や臓器移植は合法です。これば、カニバリズムの一種といえるのでは。
"ここで、いわゆる移植カニバリズム論について少し触れておく。臓器移植の本質がカニバリズム(人肉食)であることは、フランスのジャック・アタリや日本では札幌大学の鷲田小彌太教授によって指摘されている(19)。"
"まして、人間が、ドラキュラのように人間の生き血を飲み、猛獣のように人間の内臓を食するならば、それは狂気を通り越している。だが、輸血や臓器移植の形で血液や臓器を摂取しても、誰も何も非難はしないだろう。しかしながら、両者は本質においてどこが違うのか。少なくとも、他者の身体の一部を自己の身体に取り込む、という点では同じである。人類は文化という形で野蛮さを隠している。文化が本質を隠蔽する。すなわち、文化は本質の隠蔽装置である。現代では、文化という名の「野蛮」の隠蔽システムができあがっている(21)。私は、文化というものは、文化人と呼ばれる人たちと同じほどにうさんくさいと思っている。鷲田教授の指摘は当たっているといわざるをえない。 "
"人間の血液の成分 (血漿) からできている、飲む局所止血剤 (ヒト由来トロンビン製剤) や人間の女性の胎盤からできている、飲む滋養強壮剤 (ヒト胎盤製剤) などがその例である。これらはカニバリズムではないのか。"
http://homepage1.nifty.com/awaya/hp/ronbun/r004.html
「したいことをしろ、それが法のすべてだ」—ジェフリー・ダーマー
3 の回答とほぼ同じですが、ジェフリー・ダーマーの言葉はいいですね。おまえが言うなというか。
「人肉を食べる以外に生き残る方法が皆無だった」という極限状況下での出来事だったのならば、刑法37条の緊急避難で違法性が阻却されるから、違法ではないということになるんでしょうけど。
今の日本で、そのような極限状況はなかなか考えにくいですね。
(緊急避難)
第三十七条 自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。
2 前項の規定は、業務上特別の義務がある者には、適用しない。
7 の回答とほぼ同じですが、法律というものは制約条件が曖昧ですね。
極限状況は小説であれば何とでもなるので、まあ、大丈夫でしょう。
殺人→人肉を食す→遺体を完璧までに除去する。
(遺体を焼いて、骨をアセチレンバーナーで焼いて炭にして散骨したら絶対に遺体が見つからないので法律に引っかかりません。)
・・・というのは半分冗談です。
やっぱり、自分の身体の一部を食べるのが一番だと思います。
バレなきゃあ犯罪じゃないんだぜ、という思想は法律的に NG ではないんでしょうか。立件できないのは理解できますが。
親知らずに肉が被さっていて、
親知らずが痛むようになったとしたら、
その親知らずを抜くべく治療をしてもらい、
その被さっていた肉を食べると、
人肉も食べれて、親知らずもなくなり、
一挙両得、一石二鳥。
若しくは、すごい噛み辛い食べ物を食べて、
うっかり口の中を噛み切ってしまうとか。
生活の中から、あまり痛みを伴うことなく、
人肉を食したほうが、健康的だと思いました。
その歯科医の話は法律的にグレーではないでしょうか。何となく暴行罪が成立するような気がします。(詳しくは分かっていませんが)
それと、自食は基本ですね。ネタバレになるので詳しくは書きませんが、綾辻行人の小説に同様の話があります。
「自分でも知らない間に人肉を食べさせられていた」という状況なら、当然法律に抵触することはないですよね?
問題は、どうやってそのような状況を作るかということですが、たとえばこんな方法はどうでしょう。
ネット上で実名や住所などを晒した上で「私は人肉が食いたい。でも、人肉を食ったせいで法律に違反するのは嫌だ。どうかそんな私のために、『知らず知らず人肉を食わされた』という状況を実現してください。方法は問いません。参考のため、私がよく外食するステーキハウスと、しばしば肉を買っている肉屋の住所を公開します」というようなことを書いておくのです。
この方法は他人の無償の善意に頼るので絶対確実ではありませんし、仮に成功したとして、いつどこで食べた肉が人肉だったかがわからないという欠点がありますのでお薦めはしませんが、いちおうこんな手段も考えられるということで。
「人肉を食べたい」と表明してしまった時点でアウトでしょう。特にログが残るネット上でやるのは致命的です。罪名は何でしょう、「死体損壊罪幇助」だったら嫌ですね。
全くのとばっちりで人肉を食べさせられたケースは、当然食べた人は無罪でしょうね。逆に食べさせた方に最低でも暴行罪が成立すると思います。暴行罪も親告罪ではない(らしい)ですね。
なお、何も知らない人に人肉を振舞うという小粋な悪戯はハニバル・レクター博士が逮捕される前にやっていたと思います。
日本ではありませんが、Googleで『中国 胎児 食』のキーワード検索してみて下さい。回答対象にはならないかもしれません。
http://www.google.com/search?q=%e4%b8%ad%e5%9b%bd%e3%80%80%e...
また人力検索はてなでも紹介されています。
http://q.hatena.ne.jp/1128187407
以前何かのメールマガジンでURLを紹介してました。日本ではありませんが、ここに行けば合法??
画像はかなりグロいので、ご注意下さい。でもどこまで本当なのでしょうか?今でも? 文化の違いなのでしょうね。
残念ながら「現在の日本」という When / Where から外れるため、回答対象外です。
食人の事例については少し調べたので、この話やドイツの事件も知っています。食人行為自体は物理的に可能なので、いつかどこかで行われていることにはそれほど興味がなく、むしろどういう防ぎ方があるのか、どういう根拠で違法とするかに関心があります。
蛇足ですが、「文化の違い」という言葉には思考停止の響きがあるので、用法を守って適切に使われた方が安全です。
血液に限定されるのですが、
『恋人が料理中に指を怪我した際に、その指を咥えて消毒』
『仲間が蛇に噛まれた際に、傷口から血液ごと毒を吸い出す』
といったシチュエーションなら、法律的にも倫理的にも何の問題も無いかと思います。
7 の回答に近い緊急避難のケースでしょうか。「人肉食を治療行為と言い張る」という方向で何かありそうです。
問題は、 7 もそうですが「何でそこで食う必要があるのよ」というツッコミを如何にかわすかでしょうね。この場合も別に血液を飲み込む必然性はありません。
それと、毒を吸い出すのは口内の雑菌が感染するので逆によくないという話があったような。
2回目なのでポイント不要です。
映画「ファイトクラブ」でやってた方法の応用ですが、
(美容整形で切り取った脂肪やら肉)を何らかの方法で持ち出し、食べる。
医療行為で切り取った人肉は医療廃棄物なので、食べたとしても
傷害罪等に問われることはないです。
盗んだら窃盗ですし、
廃棄するという名目で食べたら、廃棄物処理法違反?にはなりますが。。。
違法性を完全に排除するには、 1 の回答のような注意が要りそうです。
ところで、『ストーンオーシャン』の元ネタとしてしか『ファイトクラブ』を知らないのですが、あれはそんなアグレッシブな話だったんでしょうか。
かつて理系の研究室に在籍していた立場からお答えします。
質問者御自身もご指摘のように、本質問は「人肉」の定義次第で
如何様にでも答える方法があるかと思いますが。
まず、
http://www.sanko-junyaku.co.jp/product/bio/catalog/nhc/index...
ここにヒトの多種多様な培養細胞がありますので、
入手して食されると良いでしょう。合法です(おそらく)。
ちょっとお金と手間暇をかければ、ガン細胞なんかも食せます。HeLa細胞とか。
培養細胞ではなく、「組織片」としてのヒト肉を手に入れたければ、
研究目的での入手する方法などが考えられますね。
研究者としてしかるべき立場に立ち、
手術前のヒトに対し、研究目的での組織供出を依頼して承諾を得る。
手術の最中に余った組織片を入手する→食する。
http://www1.mhlw.go.jp/shingi/s9812/s1216-2_10.html
上記は、「手術等で摘出されたヒト組織を用いた研究開発の在り方について」
の答申ですが、これのどこを読んでも
「入手した組織片を食べてはならない」とは書いてないので
食べても大丈夫なのではないかと思います。研究目的でなら。
ただし、私は法律の専門ではありませんので、
他でちゃんと成立している法案に
「研究目的で供出された組織片を食することは、これを禁ず」
とかいう条文があったら、知りません。ごめんなさい。
「漢方薬の効果実証」という言い方が一つの手としてありそうです。周知のとおり人肉は漢方薬の一種なので。(ただ、今簡単に調べた限りでは、胎盤と髪の毛以外は漢方としての正式名が分かりませんでした)
しかし、二番目のリンク先を見た限りでは相当インフォームドにコンセントする必要がある上、「ヒト組織を用いた研究開発によって得られた結果は、一定期間を経たのち、公表するものとする」とありますね。ここまでオープンだと無理矢理にでも違法化されそうです。
合法もなにも、死体遺棄その他に触れない限り、食人そのものに違法性は無いと思いますが、何か?
何か。「食人が合法であるか」は問うていません。その具体的な方法を質問しています。ご存知ありませんか。
1:このお国のトップに上り詰める。
2:北朝鮮以上の独裁政権を作り上げる。
3:あとは、法とやらを自分の都合のいいように変えてしまう。
4:これ以上は述べる必要はないでしょう。
非常につまんない回答だが、問いに対して条件は満たされていると思う。
「現在の日本で」という条件を満たしていません。
綾辻行人のホラー短編小説集「眼球奇譚」の中のに、その方法がのっていました。タイトル「特別料理」です。
12 の回答への返信で触れていますが、その短篇は既読です。オチは違法でしたね。
生肉でいいのでしたら。
暴漢に襲われて、身を守るために噛み付かざるを得ない状況に陥った場合は正当防衛として成り立つのではないでしょうか。
例えば両手が縛られていたとか。
7 の回答で返信済みですが、そのままだと飲み込む必然性がありません。
自傷行為のみならず、被害者の同意を得た上での傷害も、基本的には処罰されません。
①:刑法というのは法益(法的保護に値する利益)を守るためのものであって、倫理を守るものではない。従って個人的法益に関しては、本人による放棄が可能であり、放棄された法益を侵害しても、原則として犯罪は成立しない。
そしてその例外は、同意殺人罪や13歳未満の女子に対する強姦罪のように、同意があっても処罰する旨を刑法が明示している場合にのみ認められる。
②:傷害罪は、人の身体という個人的法益を保護する罪である。
③:傷害については、同意殺に相当する特別規定は設けられていない。
結論:①②③より、同意傷害は不可罰である。
というのが、現在、学説上有力な刑法解釈です。ただ、判例の立場は、①の刑法の保護目的について、一元的に法益保護とはとらえておらず、社会秩序保護をも含ませているようです。そこから同意傷害についても、同意のみでは正当化されず、行為の社会的相当性が必要であるという見解がとられています。例えばヤクザの指詰めは、本人の同意があっても傷害罪として違法である、というわけです。この判例に従うならば、人肉を食らうための同意傷害は処罰されることになりそうです。
しかし、もう一つ興味深い判例があります。SMプレイの一環として、被害者の依頼を受けて下腹部にナイフを突き刺し死亡せしめた(殺意なし)という事例で、過失致死罪が適用されたのです。
というと、なんだ結局処罰されてるじゃないかとお思いになるかもしれませんが、そうではありません。刑法には、人を傷害するつもりで殺してしまった場合に関する、傷害致死罪という罪があるからです。つまり本件に、傷害するつもりすらなかったのに人を殺してしまった場合に関する過失致死罪が適用されたということは、傷害+過失致死である傷害致死罪のうち、傷害の部分が不問に付されたとしか考えられないのです。
とすると、上記2判例は矛盾しているのではないかということになります。確かに前者の判例の「社会的相当性」という理由付けからは、後者の判例は正当化しにくい。しかし、両判例の結論を、矛盾を含まない新たな理由付けによって、統一的に説明することは可能です。そしてそれは、結局議論の端緒に戻って、被害者の同意による法益放棄の有無なのです。
すなわち、同意による法益放棄は可能であるが、それが自由意志のもとになされねばならないのは当然であり、自由意志を奪われた状況下での同意は無効である。そしてヤクザの指詰めなどは十中八九、真に自由意志によるものとはいえない。そうであれば裁判所としても、同意の無効を理由に指詰めを違法と判断すべきだった。しかし判例は、安易に社会的相当性などという基準を持ち出してしまった。
他方、後者の判例の事案は、前者の判例の事案の論理を貫徹するなら、傷害致死にせざるを得ないものであった。しかし裁判所としても、それが一定のモラルの法的押し付けにつながるという自覚(というか、無自覚的自覚というか、直感のようなもの)があったため、過失致死罪にとどめた。そしてここで、実質的に裁判所の判断を左右したファクターは、結局真摯な同意の有無以外には考えられない。・・・というわけです。
ずいぶん長くなりましたが、結論としては本人の同意さえ得ておけば、本人に切り取らせず自ら肉を切り取っても、適法だと思われるということです。
もっとも、コメント欄で言及されていた「拷問としての・・・」という趣旨には、本人が同意してしまっている時点で沿わないかもしれませんね。ただ、傷害罪が親告罪であるか否かもお調べになっていたようですので、合意があってもよいということだろうと解釈の上、回答させていただきました。
なかなか理想的な答えです。ありがとうございました。
法律というのは社会秩序を維持するためのもの、要するに常識の集合体だという認識なので、人肉食のような行為は何かの不文律で禁じられているのではないかと想像していました。「社会相当性」ですか。なかなかワイルドカードに使えそうな概念です。
なお、一対一で合意した上での食人が可能であれば、「拷問としてのカニバリズム」を成立させるアイディアはないこともないです。
ところで、判例に PermLink はないのですかね?
すみません。昨夜の回答に間違いがありましたので、お詫びの上訂正いたします。
下腹部をナイフで刺したSMの判例ですが、私の記憶違いで、これは加害者に未必の殺意があった事案でした。従って、傷害か同意傷害かではなく、殺人か同意殺かが問題になった事案で、ご質問とは無関係なものでした。
ただ、類似の事案でかつ殺意がなかった場合に関し、傷害致死でなく過失致死を適用したという判例が、確かあったはずなのですが。ちょっとぐぐってみたりしたのですが見つかりません。お教えするにふさわしいような、適当なリンクも見つけられませんでした。文献としては、判例なら「判例百選」、学説なら前田雅英「刑法総論講義」あたりがメジャーなところですね。
ただ、同意を得た上で人肉を切り取らせてもらう行為が傷害罪として処罰されないという結論は、同意傷害を一切不可罰とする有力な刑法学説の立場からはもちろん、表向き社会的相当性をも要求しているようにみえる判例の立場からも、おそらくヤクザの指詰めの場合とは異なって、肯定せざるを得ないと思われます。これを社会的に不相当であるとして処罰してしまうと、刑法に過度の倫理色を付与するものと批判されることは、目に見えておりますので。
あと、正当防衛・緊急避難についての指摘が散見されるので、それについても言及しておきます。
まず、正当防衛(36条)。正当防衛の要件として、学説上は「防衛目的で行為したこと」という主観的側面は不要と考える説がかなり有力です。一方、判例は防衛目的を一応要求しますが、もっぱら防衛目的のみで行為することまでは必要でなく、他の目的と並存していてもよいとします。従って、誰かに襲撃される等した場合に、「食べる目的で相手の体の一部を切り落とす」ことまでは、問題ないと思われます。
しかし、その後それを食べる行為が、質問者様も疑問を抱かれているとおり、問題を含みます。現代の医療技術では縫い合わせることも不可能でない以上、切り落とされた肉片が、いまだ被害者の所有物として、刑法上の「財物」に該当する可能性があるからです。ただし、それを被害者から切り落とす行為自体は正当防衛で不可罰になっているということを前提とすると、この場合、成立するのは非常に軽微な犯罪であるところの、遺失物横領罪にすぎません。なお、この「切り落とす→拾って食べる」が、「噛み千切る→飲み込む」に変わっても、問題の所在は変わらないことを付記しておきます。
次に緊急避難(37条)。これは、侵害から身を守るため、侵害者に反撃する場合に適用される正当防衛とは異なり、自分又は他人の身に振りかかった危難を避けるため、何らの罪もない第三者を巻き込むことを認めてしまう規定です。
この点10の回答は全く正しく、例えば雪山で遭難した際、他に自分が助かる術がなければ、パーティーの誰かの肉をいただいてしまっても罪には問われません。なお、緊急避難については、それにより守った法益が、侵害した法益より小さくないことが要件とされていますので、殺して食べてしまう場合は自分が死にかけていることが必須でしょうが、先に死んだ隊員の肉をいただく程度のことなら、食料が底をついている限り、死にかけるまで待たずとも可能と思われます。
13は完全にアウトです。死体損壊幇助どころか、場合によっては殺人教唆罪さえありえます。ちなみに教唆犯の刑は、正犯と同じです。
女性限定ですが、
子を受胎し、子供がいつから人になるかという条件を考慮し
民法の場合には胎児が母体から全部露出した時点で「人」となり、刑法の場合には胎児が母体から一部露出した時点で「人」となります。
と言う人間になる以前の状態をまず考えます。
ですので、以下の場合の特に1の場合に、胎児を食す可能性があります。
母体保護法14条1項によって①妊娠の継続または分娩が身体的または経済的理由によって母体の健康を著しく害するおそれがある場合、②暴行もしくは脅迫によってまたは抵抗もしくは拒絶することができない間に姦淫されて妊娠した場合には、本人と配偶者の同意を得て堕胎を行えば罪にはなりません。
しかし、この母体保護法 第三章 母性保護には
http://list.room.ne.jp/~lawtext/1948L156.html
(医師の認定による人工妊娠中絶)
第十四条
1
都道府県の区域を単位として認定された社団法人たる医師会の指定する医師(以下「指定医師」という。)は、次の各号の一に該当する者に対して、本人及び配偶者の同意を得て、人工妊娠中絶を行うことができる。
とあるので、それ以外の人間が人工妊娠中絶を行うことはできません。
すると、結局のところ、
1、怪しいところで、受精する。
2、誰とも連絡を付けなくても良い状況を10ヶ月ほど確保。
3、人知れず出産。(かなりのハイリスク、死の危険あり)
4、胎児を食す。
かなと考えました。うーん、スマートじゃ無いっすね。
http://x51.org/x/06/04/1009.php
身体同一性障害に関する記述です。
日本の症例者を探すか日本で逢うか
条件は限定されますが見つかって
合意が得られた場合は
肉を離したい者⇔肉を得たいもの
フレッシュな人肉を合意の元に得られると思います。
紫河車についてひとこと。漢方薬を専攻している薬剤師です。
紫河車がすぐに手に入るような回答がありますが、最近では少し違っています。
現在の日本では、人間の胎盤は「特定生物由来製品」というカテゴリに分類され、厳重に取扱と記録を義務付けられています。(改正薬事法)
そのため容易に手に入ることはないと思われます。
一般的に販売されているプラセンタは他の生物の胎盤で代替などしています。効果的にはほとんど同じですが(^-^;
ヒト胎盤製剤はなかなか手に入らないという補足でした。
質問の意図を正しく理解していただけて嬉しいです。
> 2.医療廃棄物処理法で遺体扱いされない人体の部位等を食べる。
この方法は想定していませんでした。なるほど。