ハチは、六角柱を単位とした巣を作ったり、蜜のありかをダンスで知らせたりしますが、これらの行動は、ハチのDNAに、プログラムされているのでしょうか?
それとも、「知恵」を「学習」するのでしょうか。
また、一般にDNAにどこまでが書かれているか、なにが書かれていないのか、についての最新の研究成果を教えてください。
どう答えればいいのか迷いますが。一般論で。
DNAという物質は、塩基配列の形で情報を保持していますが、その大半は「タンパク質」の情報(タンパク質の設計図=遺伝子)と、「タンパク質をつくる際の調節の情報」の2種類です。現在、後者についてはRNA干渉と呼ばれる複雑な調節機構の研究がとてもホットになっています。
http://www.nikkei-bookdirect.com/science/page/magazine/0311/rna....
ミツバチの行動は、基本的に「生得的」なものです(つまり、遺伝子に規定されています)。ですが、学習も可能です(これはフリッシュの実験で証明されていますので、以下の本をどうぞ)。
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS...
具体的に言えば、伝え方(ダンスの方法)は生得的ですが、餌の場所は(当然ですけれど)そのたびに覚えなくてはならないわけですから、学習能力が必要なわけです。
さて、最後に行動と遺伝子の関係ですが、行動そのものがDNAに書かれているということはないですね。ただ、行動を支配する「タンパク質」の遺伝子が存在することは確かでしょう。
次の本が参考になると思います。
明解な回答、有難う御座いました。
(生得的?)行動を支配する「タンパク質」の遺伝子というのは、とても興味深いです。
与えられた「環境」の中で、どうしてそのタンパク質が作られたのか?など、疑問は尽きないです。
ご提示の本を是非読みたいと思います。