中近東で日本人が手紙を読んでいると、後から指さして笑う者がいた。
振りかえると、イラン人が「タテに並んでる文章が可笑しい」という。
ところが、彼の持っている手紙は「右から左」のヨコ書きだった。
ペルシャ語とおなじく、漢文の横書きも「右から左」に書いて読む。
日本語の横書きも「右から左」だったが、現在は「左から右」に統一。
回文「たけやぶやけた」を「たけ焼薮竹」と書いたのでは伝わらない。
これらの約束事に異議をとなえると、すべての議論がはじまらない。
四則記号(×÷+-)にも、それぞれ序列があるわけではない。
数式も「右から左を引いてよい」なら「1=2-3」となるだろう。
算盤の足算は「右桁から左桁」に繰りあがる。
しかるに割算は「左から右」に向って「4÷2=1」と置く。
おそらく、ソロバンそのものが、インドから中国を経て伝わったのだ。
アルファベット(ABC)の順序には、法則性がない。
いろは順も、覚えかたの方便であって、論理的な裏づけはない。
将棋に「二歩・打歩」の禁じ手があり、合理的な説明はできない。
五十音ではタマゴ、いろは順・ローマ字ならニワトリが先にくる。
ABC順なら、Chook & Tamago or Chicken & Egg
JISコード漢字順では鶏。漢字でも「鶏卵」は可「卵鶏」は不可。
もうケッコー? ~ 一羽でもニワトリ ~
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20050203
ダ・ジャーレ記念日 ~ Viva da-Jare ! ~
◆
柔軟な発想を
── 小学校での算数ぎらいをなくすには、まず柔軟な思考が必要です。
子供はそれぞれの生活環境や体験によっていろいろなイメージをもっ
ていて、解答に至るまでの過程が、それぞれ異なる場合が多いんです。
たとえば8個のケーキを40円の箱に入れて 600円払いました──とい
う問題でも、ある子供はケーキ1個づつを8個の箱に入れたと考えます。
どちらが正しいということでなくいろいろな解きかたができる点を評価
して、お母さんが第一発見者となって、ほめていただきたい。つぎの段
階では、算数には約束事があることを、ていねいに教えるわけです。
600-40÷8 という式は、考えの順序としてまちがいではありません。
×÷は、先に計算するというのが約束事であるために、(600-40)÷8 と
書く必要が生じます。
中学になると、こうした約束事がたくさん出てくるので、柔軟な思考
をたいせつにするとともに、約束事そのものと上手につきあうことが数
学と仲よくするための第一歩になります。
── 岡山大学教育学部教授(解析学・応用数学)坂田 ●(●=シ+生)
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19850101
── 《中学生諸君! Basic 5 ~ 与太郎の教材 ~ Awa Library》
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20050130
中近東で日本人が手紙を読んでいると、後から指さして笑う者がいた。
振りかえると、イラン人が「タテに並んでる文章が可笑しい」という。
ところが、彼の持っている手紙は「右から左」のヨコ書きだった。
ペルシャ語とおなじく、漢文の横書きも「右から左」に書いて読む。
日本語の横書きも「右から左」だったが、現在は「左から右」に統一。
回文「たけやぶやけた」を「たけ焼薮竹」と書いたのでは伝わらない。
これらの約束事に異議をとなえると、すべての議論がはじまらない。
四則記号(×÷+-)にも、それぞれ序列があるわけではない。
数式も「右から左を引いてよい」なら「1=2-3」となるだろう。
算盤の足算は「右桁から左桁」に繰りあがる。
しかるに割算は「左から右」に向って「4÷2=1」と置く。
おそらく、ソロバンそのものが、インドから中国を経て伝わったのだ。
アルファベット(ABC)の順序には、法則性がない。
いろは順も、覚えかたの方便であって、論理的な裏づけはない。
将棋に「二歩・打歩」の禁じ手があり、合理的な説明はできない。
五十音ではタマゴ、いろは順・ローマ字ならニワトリが先にくる。
ABC順なら、Chook & Tamago or Chicken & Egg
JISコード漢字順では鶏。漢字でも「鶏卵」は可「卵鶏」は不可。
もうケッコー? ~ 一羽でもニワトリ ~
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20050203
ダ・ジャーレ記念日 ~ Viva da-Jare ! ~
◆
柔軟な発想を
── 小学校での算数ぎらいをなくすには、まず柔軟な思考が必要です。
子供はそれぞれの生活環境や体験によっていろいろなイメージをもっ
ていて、解答に至るまでの過程が、それぞれ異なる場合が多いんです。
たとえば8個のケーキを40円の箱に入れて 600円払いました──とい
う問題でも、ある子供はケーキ1個づつを8個の箱に入れたと考えます。
どちらが正しいということでなくいろいろな解きかたができる点を評価
して、お母さんが第一発見者となって、ほめていただきたい。つぎの段
階では、算数には約束事があることを、ていねいに教えるわけです。
600-40÷8 という式は、考えの順序としてまちがいではありません。
×÷は、先に計算するというのが約束事であるために、(600-40)÷8 と
書く必要が生じます。
中学になると、こうした約束事がたくさん出てくるので、柔軟な思考
をたいせつにするとともに、約束事そのものと上手につきあうことが数
学と仲よくするための第一歩になります。
── 岡山大学教育学部教授(解析学・応用数学)坂田 ●(●=シ+生)
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19850101
── 《中学生諸君! Basic 5 ~ 与太郎の教材 ~ Awa Library》
http://d.hatena.ne.jp/adlib/20050130