http://www.m-net.ne.jp/~h-ochi/Critique/Leblanc/Leblanc_Fram...
クラッシクなところではモーリス・ルブランがいます。元祖ルパンの生みの親です。「813」は良かったですよ。
また正統派の推理小説とは別枠で古いSFの作品は殆ど推理小説の要素を併せ持っています。アシモフのファウンデーションのシリーズなど当にそうです。舞台設定を取り払えば推理小説の部分が浮かび上がります。最近のSFはラノベと同列の作品も多いのですが、きちんと楽しませてくれる作品はほぼ推理小説の要素も含んでいます。両方とも最高峰の純文学と比べると、どうしても表現の美しさや深い感情表現などでは僅かに及ばないことも多いのですが、ストーリーの面白さでは勝るように感じます。
あっと驚く結末に導く事が推理小説の一つの使命であるように哲学でも科学でも{コペルニクスをみよ、ガリレイ、ニュートン、アインシュタインにしても}我々の感覚、常識に反する{合理的な}結論が高い評価を受けるようだ
アクロイド殺しを読まれているということはクリスティは既読ということでよろしいでしょうか。私がここ数年で、読んで一番記憶に残っているのは、森博嗣の『すべてがFになる』です。森博嗣は名大の工学部の元教授で、探偵役の主人公も理系の大学助教授です。森博嗣の著作は数々ありますが、衝撃度でいえばこれが一番かと思います。正統派の探偵小説とは言えないかもしれませんが、victoryさんの質問履歴を拝見すると理系の方なのでもしかするとお好みかもしれません。一読をおすすめします。http://books.yahoo.co.jp/book_detail/19735988
ヴアン・ダインが一人の推理小説家が著せる新の独創的な作品は二、三作にすぎないと言ったが、探偵小説の分野で生みだせる歴史上の本物も十指に満たないのではないでしょうか?
>探偵小説は既にこの枠内で終わってしまっているのでしょうか。
というご質問ですが、私は終わっていないと断言します。
質問を拝見すると、「海外」「古典」「探偵小説」の、割とクラシカルなものをお読みのようですね。
残念なことに、挙げられた作品での私の記憶残り度は以下のような感じです。
ホームズ>ジュブナイル版の長編4つと短編が6つくらい
僧正殺人事件>読んで、ラストで、「それやっちゃだめでしょ」と、思った記憶がw
グリーン家殺人事件>あまり覚えてないです。
アクロイド殺人事件>覚えてますよ。好みとしては「そして誰もいなくなった」の方が好きです。
毒入りチョコレート殺人事件>短編の方の、「偶然の審判」の方を覚えてますよ。
樽>読んだけれども、あまりよく覚えてないんです。
上記の中に挙げたんですけど、「誰も……」は、素敵な作品でしたね。あれが当時出たことを考えると、ゾクゾクします。
クィーンは記憶に残りませんでした? 有名な『Y』は、人にネタバレをされたこともあって、いい印象が無いのですが、私は『シャム双生児の秘密』の最後の台詞が大好きなんですよ。
それと『中途の家』、これはクィーン前期から後期へ移る、まさに中途の作品として記憶に残りました。
それと、カーの『三つの棺』。密室講義で有名ですけど、作中トリックのクラシカルさが大好きです。また、カーだと、『妖魔の森の家』は鮮烈な印象がありますね。
探偵小説の面から言えば、ブラウン神父は外せません。特に『ブラウン神父の童心』中の「アポロの眼」がすばらしいと思います。
そして時代がぐっと下がるのですが、アシモフの『黒後家蜘蛛の会 1』中の「会心の笑み」、そして『鋼鉄都市』は、アシモフのミステリセンスがまさしく光り輝いた作品と言えるでしょう。
それから、日本の島田荘司『占星術殺人事件』、綾辻行人『十角館の秘密』(館シリーズ)、法月綸太郎『密閉教室』、は、私の青春のミステリです。
また、少しさかのぼって、江戸川乱歩の明智もの、小栗虫太郎『黒死館殺人事件』、中井秀夫『虚無への供物』、鮎川哲也『りら荘事件』、土屋隆夫『ミレイの囚人』は好きだから思い出せますし、泡坂妻夫さんの『11枚のトランプ』『乱れからくり』「亜愛一郎」「曾我佳城」シリーズは最高ですよ!
さて自分の好みばかり書いていてもしょうがないので、断言の根拠なんですが、挙げられた作品は次のくくりで分類できませんか?
ホームズ:聖典
僧正・グリーン家・毒チョコ:本格
アクロイド殺人事件:叙述
樽:アリバイ
私は、これらだけを探偵小説の枠組みとして捉えることは、ブラウン神父・黒後家・亜愛一郎に見られる逆説・人間洞察・直感・論理性の融合や、クィーンのエレガントな論理運びを見失うような気がします。
また、僧正なんですが、あのオチで終わって欲しくないがゆえに、私の中では「探偵小説」から、あえて外しかねないです。
もし、私が挙げた中に、未読のものがあれば幸いです。なぜなら、お読みいただくことで、Victory-InPeaceさんの「探偵小説の枠」が広がったとしたら、こんなにすばらしいことはないと思うからです。
なかなかの深いご賢察有り難く味わわせていただきました。しかし、私の言いたいことは私のあげた推理小説でこのジャンルはほとんど言い尽くされており他に余裕の時間があるならば、違う分野にはもっとゾクゾク興味津々たる{文章とは限らない}ものが山積みなのです。短い人生、各舞台の最高の精華を鑑賞するのがベストとは思いませんか。私はこれ以外にも沢山探偵小説もあらゆる分野の本も読みましたが一番時間を無駄にしたと思うのは新しいミステリーを読んだ後です。
Victory-InPeaceさんが何に対する「感動」を覚えたのかよく判りませんので、最後の「探偵小説は既にこの枠内で終わってしまっているのでしょうか」という質問にのみ答えさせていただくとすれば、“その通り”と答えるしかないでしょう。
なぜなら、現在のミステリではこうした旧来の探偵小説に用いられているコードに収まるように書かれているからです。
なので他の作品を読んでもVictory-InPeaceさんとしては「どこかで見たようなトリックだ」と感じてしまうのかもしれませんね。
しかし現在の日本では、旧来からあるコードを大きく離れすぎると、今度は「何だ、これは。ふざけているのか」と読者から罵倒を浴びかねません。
(すいません、海外作品はあまり読まないので、国内作品に限定して話させていただきます)
例えば、清涼院流水が『コズミック』でデビューしたときには、謎に対する回答があまりに反則すれすれというコードからの離れように賛否両論が出たものです。
(ちなみに続篇である『ジョーカー』を読めば、『コズミック』で提出された謎の回答がさらに大きく変わってしまうという二段オチになる仕組みまで用意されていました)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%85%E6%B6%BC%E9%99%A2%E6%...
現実にはあり得ないことだが知的遊戯に耽る事が出来る。そんなステージは哲学にもあるしSFにもある。最近の科学的ノンフィクションは裏付けがあるだけに最高の知的興奮を呼び起こす。量子論の多世界解釈などミステリーのイマジネーションをはるかに飛び越す。天道説から地動説そして一つの宇宙から複数の宇宙へ。我々も現代の反ガリレオ主義者にならないようにしたいものだ。
http://wv-net.com/yokomizo.htm
推理小説の面白さは丁寧に分析しながら読んでいく事を前提に書かれていることでしょうか。
舞台、登場人物、環境、などを描写した後で「事件」が起こります。謎解きの面白さだけではなく、背景描写がストーリーと絡み合って複雑な味わいを醸し出します。「横溝正史」は謎解きの部分はアレですが、前段の舞台が魅力的です。
「八つ墓村」のお寺の石段を踏んでみたいとは思いませんか?。
確かに日本の小説は我々にとって馴染みやすく、入りやすい。しかし、彼もヴアン・ダインに強く影響されており、それを超えるものではない。獄門島の様に日本文化との融合を図って成功した作品もあるが基本的にはその西洋椅子に座って推理の刺繍を編んでいる。私は歴史的な遺物からの空想は楽しむ方だがフィクションの上に立ったイマジネーションはどうも苦手だ。ところで、hnishikiさん貴方の推薦していただいた本は順次、読ましていただきます。有り難うございました。
ご質問で冒頭に「推理小説」と掲げられているのですが、最後の問いかけが「探偵小説」なので、
果たしてどちらを求めていらっしゃるのかとしばらく傍観していました。
オープンされた回答と質問者さんのコメントを見ていて思ったのですが、
質問者さんは「推理小説」といわれるジャンルにおいて、
サブジャンルの最高傑作だけを読みたい、と考えておられるのでしょうか。
hnishikiさんが質問者さんの例示された作品のサブジャンル分類をしてくださっていましたが、
これら以外にも多くのサブジャンルが推理小説には存在します。
さすがにそれをここでまとめあげるのはちょっとつらいものがありますので、
wikipediaのジャンル分けをまず参照していただけたらと思います。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8E%A8%E7%90%86%E5%B0%8F%E8%AA%A...
また↑のサブジャンル内にも記載されていますが、他ジャンルの手法で書かれた推理小説(歴史、SF、ファンタジーなど)も多く、
線引きの難しい部分もあるかと思いますので、一概に「推理小説」という枠にとらわれることもないのではないかとも思います。
hnishikiさんは主に本格といわれるジャンルの代表作を多く紹介されていたかと思いますが、
私は他に社会派の松本清張「点と線」、
法廷物でガードナーのペリィメイスンシリーズ、
歴史物で池波正太郎の「鬼平犯科帳」シリーズなどをお薦めいたします。
ご回答有り難うございました。しかし、一体推理小説とはなんでしょうか?現実にはあり得ない事だが知的興奮を刺激する。ちょうどホームズが煙草の吸い殻を見てその人の最近の経歴を当てたように。だが、哲学にしても同じ様なことをやっている。小難しい屁理屈を並べ立て知的満足を与えるが結局は常識的な結論に導いている。