「創作はてな」です。よろしければ、続きを考えてください。
なつかしいなぁ。大昔、学生の時に大学の裏手にあったこの銀行の支店に入ったことあったっけ。
老人はまっすぐな姿勢で品良く言った。
「どの妄想を貯金なさいますか?」
私は答えた。
「学生時代の女友達と再開でき、恋愛をするという妄想を・・」
「かしこまりました。」
そう、私は明日結納する。しっかりしていて、それでいて細やかな思いやりのある職場の同僚と、新たなスタートに向けて動き始める。彼女のためにもこれからすっきり、
現実的に生きたいと思う。
僕はふと思い出した。
「あ、それと、「西海岸で豪華新婚旅行」の妄想、引き出しといてもらえますか。ボーナスに向けてやる気出そうと思って。」
銀行とは似ても似つかない室内。
だが丁度はよい。この椅子も古いが掛け心地はよく、かなりの高級なものだろうか。
戸惑っているとその老人は「初めてのご利用ですか?」と尋ねてきた。
まずは口座を開く必要があるらしい。
静かなおかしさがありました。
ありがとうございました。
「今日はどんなご用件で」
と老人がゆっくりとしゃべった。
「いえ、不思議な看板を見つけたもので」
と私は慌てて答えた。
そう言うと老人はパンフレットらしきものを私にくれた。
「また何か有りましたらお尋ねください」
と老人は言った。
銀行を出た後、早速見てみると銀行の業務内容が書かれていた。
ありがとうございました。
なつかしいなぁ。大昔、学生の時に大学の裏手にあったこの銀行の支店に入ったことあったっけ。
老人はまっすぐな姿勢で品良く言った。
「どの妄想を貯金なさいますか?」
私は答えた。
「学生時代の女友達と再開でき、恋愛をするという妄想を・・」
「かしこまりました。」
そう、私は明日結納する。しっかりしていて、それでいて細やかな思いやりのある職場の同僚と、新たなスタートに向けて動き始める。彼女のためにもこれからすっきり、
現実的に生きたいと思う。
僕はふと思い出した。
「あ、それと、「西海岸で豪華新婚旅行」の妄想、引き出しといてもらえますか。ボーナスに向けてやる気出そうと思って。」
いいですね。
こういうのをイメージしていました。
ありがとうございました。
私はお引き出しを選んだ。
そう。過去の思い出の引き出し・・・・
若がりしアノころ。
まだ結婚したてだったあのころ。
妻はもう居ない。翌年、病気で亡くなった。
私はタイムスリップし、妻との時間を過ごした。
妄想銀行。
今度は、なにを引き出そうか、毎回楽しみである
ありがとうございました。
「例のものは、ご持参頂けましたね?」
一点を見つめていたせいか、執事風の老人がこちらに向かい話しかけている。
「はい。」
そう言うと安心した面持ちで彼はまっすぐ向き直った。
背筋がぴん、と真っすぐな、イギリスの紳士を思わせる人だ、と思う。
初めてのこととはいえ、事前に万全なる準備をしてきたのだ。
わたしは小さな黒いハンドバッグから—母の形見だ—数枚の紙切れと
銀色に錆び付いてしまったブレスレットを右手で取り出す。
カサ、という音とジャラリ、という音が小さく響き 私はそのままそれを、
お預け入れとして開く口の中にそっと入れた。
察知した機械が静かに口を閉じると同時に、手前のやたら眩しい画面に
「暗証番号を入力して下さい」と表示される。
これだって事前に準備をしておいたのだ 私は迷わず、ゆっくりと番号を押す。
きっとここにこれを預け入れたことも、暗証番号も何もかも、
私がわざわざ言わなくてもあの人にはわかるだろう。
そう思うというよりそう確信できる。
立ち上がり振り返ると紳士な老人は姿勢を正したまま、先ほど確認した体勢とまったくかわっていなかった。
かわっていたのは外の明るさだけのようだ。
これだけの動作なのにどれくらいの時間が経ったというのだろう、
この空間には不思議に時間の経つスピートを調節でもできるのかしら。
不思議だけれど悪くはないわ、 そうおもうと少し、笑顔になった。
星新一の作品みたいでした。
ありがとうございました。
席に着くなりその老人は唐突に私に質問した。
「お客様はどのようなご融資をお望みでしょうか?」
全て了解している、という口調だった。私は少し逡巡したが、それでも正直に答えることにした。
「私には妻がいます。そして2歳になる娘がいます。そして私はガンに侵されています。もって半年でしょう」
老人は黙っていた。私は続けた。
「妻は美しく、聡明です。私が死んでも、きっとまた素晴らしい伴侶と新しい家庭を築けると思います。それはもちろん娘にとっても素晴らしい家庭という意味でです」
老人はやはり黙っていた。
「勿論私は悔しい。死にたくなんてない。しかし私は死ぬんだ。間違いなく私は近いうちに死ぬんです。妻は勿論知っている。そして混乱している。死に行く私にはできることは少ない。残せる財産なんてほとんどない。ただ、ただ私にできることは妻と娘を精一杯愛することだけです。私は愛していたと、そしてたとえ私が死んでも愛していると、ただそれだけです」
だから。ただ今私が願うのはそれだけだから。
「だからあなたにお願いがあります。融資といえるのかも分かりません。担保なんてありません。ただ僕に残せるのは今ある命の中で妻と娘を精一杯愛することだけです」
それでもいいのなら。
「私の娘。娘もいずれ結婚する日が来るでしょう。たった一日でいいんです。その日の妻と娘の夢を私に融資してくれませんか?」
私の願いに老人は初めて口を開いた。
「何故です?」と。
「愛しているからですよ」
私は何故か少し微笑みながらそう答えた、と思う。
意識が朦朧とする。視界がぼやける。妻が泣いている。娘が不思議そうな顔で私を観ている。医者がいて、看護婦が急がしそうで・・・。
心配することはないよ。僕は愛している。いつまでも愛しているよ。きっとまた会える日がくるさ。
あの老人はあの時
「ご融資させていただきます」と確かにそう言ったのだから。
不思議な世界ですね。
ありがとうございました。
いいですね。
こういうのをイメージしていました。
ありがとうございました。