「教師が悪い」「学校が悪い」「教育委員会が悪い」「政府が悪い」etc....
子供たちが自らの命を絶つという異常な事態に陥っているのに、誰もがヒステリックに攻撃の矛先を探している状態です。
「政府が悪い」と叫べば子供を救えるのでしょうか?
学校や教師を責めれば子供が安心するのでしょうか?
確かに、教育現場にも行政にも政府にも問題はあると思いますよ(それを否定するわけではないです)。ていうか、ある。
しかし、「○○が悪い!」「○○に責任があるはずだ!」と誰かを指弾するだけじゃ何も変わらないじゃないですか。
法律が変わったって、役人が変わったって、いじめがなくなるわけじゃない。
なのに、誰もが責任者探しと攻撃に執心するばかりで、子供を守るための意見なんて誰も言いやしない。
こういう現状、どうよ?
どうすりゃ子供を守れる?
何をすべき?そして、何ができる?
やっぱり、誰かを攻撃するのが最善なの?
自分にできること、皆にできること、今、皆で何をすべきか、そういう意見が聞いてみたいです。
10年以上前より、学校制度の観点からいじめの解決を図る具体的な案を提出している論者として、社会学者の内藤朝雄氏を紹介したい。下記のインタビュー記事では、「いじめ」を「暴力系」と「コミュニケーション操作系」に分類した上で、それぞれについて非常に明快な処方箋を提示している。
教育問題というのは、多かれ少なかれ全ての人が「体験」しているだけにあまりに身近すぎて、皆が自分の個別的な体験をもとに好き勝手なことをしゃべるという状況になっている。
これは特にいじめ問題に限った話ではなくて、教育問題全般がここ数十年間こういう状況で全くの停滞状態に置かれている。誰もが、個別具体的で応用のきかない「俺はこれで立ち直った」的な話をしたがるせいで、本当に必要な施策が注目されず、効果も定かでない精神論ばかりが跋扈する結果となっている。
もちろん、個々の体験から全く遊離した議論などできようはずもないし、説得力もない。が、今必要なのは、社会システムを具体的にどのように改良するのか、マクロな視点から徹底的に検証していくことではないかと思う。それによって見落とされるミクロなものは多いかもしれないが、百家争鳴の末の停滞をあと30年やるよりは圧倒的にマシなはずである。
※参考までに、手前味噌ですがうちのエントリを(´・ω・`)ノ
http://d.hatena.ne.jp/Dryad/20061110#p1
http://d.hatena.ne.jp/Dryad/20061112#p1