未発表オリジナルの創作短編小説を募集します。創作物の紹介ではなく、書き下ろしでお願いします。400字程度(一割程度の誤差は可)の日本語文章、回答で掲示してください。最も優れた作品には200ptを差し上げます。投稿作品は、「萌え理論Magazine(http://d.hatena.ne.jp/ama2/)」「萌え理論Blog(http://d.hatena.ne.jp/sirouto2/)」、また新設予定の携帯サイト・メールマガジンへの、転載をご了承ください。
応募者全員に共通する課題テーマは「萌え」(具体的には、少なくとも一人は美少女または美少年キャラが登場すること)、課題モチーフは、「冬」「バニーガール」「チャイナドレス」「スチュワーデス」「バス(ツアー)ガイド」「温泉・露天風呂」のいずれか選択(複数可)してください。他詳細は(http://d.hatena.ne.jp/ama2/20061122/p2)をご覧下さい。
『その手の温もり』
「熱いから気をつけて」
僕は彼女の手をしっかりと握りながら、岩肌へ腰掛けるように彼女を促す。
爪先が湯に触れると彼女の体がぴくりと震え、思わず足を引っ込める姿が微笑ましい。
雪がひっそりと降る山奥の秘湯にて、僕は彼女のその無表情で端整な顔を見つめていた。
あの事故の日から笑顔と言葉を失くしてしまった彼女。
僕は彼女を守っていくと決意した。
常に寄り添って二人三脚で歩いていくと。
「ほらゆっくり。そう、ゆっくりでいいから」
ひやりと冷たい感触が二人に伝わる。
岩肌に腰掛けた二人の息が降りしきる雪に混ざっては消えた。
僕は肩まで体を沈め、彼女を暖かな湯の中へといざなう。
髪に雪を積もらせながら、恐る恐るという仕草で浸かっていく彼女。
「…あった、かい」
彼女が口元を少しだけ緩めながら言葉を紡いだ。
その両手は僕の手をしっかりと握っていた。
流れ出る湯の音が深閑とした森に響き渡る。
彼女の手の温もりを感じる僕の頬を雪が掠め、一条の線を刻んでいった。
はてなでは、自分が知りたいことや疑問に思うことを人力検索を使って調べることができます。ぜひ活用しましょう
まさにいま、人力検索を活用しているんですけど…。回答履歴を拝見するとボットっぽいですね。お客さんスパムは困りますよ、というわけでボッシュート(回答拒否)です。時間切れで均等分配にならず残念でした。
せめて1000pといえんか?
お気持ちは分かりますが、質問者が求めている回答をお願いします。イラスト部門の回答のときは誤爆の可能性もあると思っていたんですが、今度は二回目ですから、お客さんポイントの交渉は困りますよ、というわけでボッシュート(回答拒否)です。残念でした。
『炬燵』
今日は冷える。
お陰で彼女は炬燵を占領して出てこない。
「なぁ、そろそろ出てくれないか?掃除ができないんだが・・・」
「嫌よ」
彼女は不機嫌そうに、そう答えた。
「猫じゃないんだから、出てきなさい」
掃除機片手に、少し怒った様に言ってみる。
「私、猫でいい」
む、どうやら本当に出る気は無いらしい。
「いつまで、入ってるつもりなんだよ」
無理矢理引っ張り出そうとしてみる。
「いいのぉ、私は炬燵と結婚するんだから!」
そう言いながら、さらに深く炬燵に潜り込み、俺を睨みつけてくる。
やれやれ、今日は一段と手ごわいな。
「お前、この前は『布団と結婚する!』って行ってなかったか?」
「あれは夜の間だけの愛人よ」
「じゃあ、俺が結婚しようって言ったら出てくるのか?」
「そうね、私を離さないで暖めてくれるのなら、出てもいいわよ」
彼女の悪戯っぽい瞳が俺を見つめる。
「本当かぁ?浮気すんなよー」
俺が疑惑の視線を向けると、彼女は優しく微笑んで言った。
「しないわよ、君が一番暖かいの知ってるんだから」
投稿一番乗りありがとうございます。冬といえばコタツですが、夏にコタツの冷房版ってあるんでしょうか。
講評は萌え理論Magazineで行いますので、そちらをご覧下さい。
タイトル:彼女といれば、心はいつも暖かいまま。
冬空の下、彼女と二人で歩く。
「カイロが欲しいくらいだな」
「カイロ、貸そうか?」
そう言いながら彼女は使っていないカイロを出す。
「何だよ。『あたしがカイロになってあげる』とかってサービスはないのかよ」
「そんなサービス、あらへん」
「じゃあさ。せめて言うだけでいいからさ」
「嫌や。恥ずかしいもん」
彼女の照れた顔がかわいらしい。
「あ、あそこにコンビニがある!」
「肉まんでも食うか?」
「もちろん、奢りやろ?」
無邪気に言われりゃ、奢らないわけにはいかない。
「肉まん、あったかくておいしいねぇ」
「でも、おかげで懐は寒くなっちまったよ」
「なら……その……」
彼女はもじもじしながら言った。
「うちが……うちがあっためたろうか?」
「えっ?」
驚いた。さっきまで拒んでたことを、勇気を出して言ってくれたのだ。
「じゃあ、お願いしようかな」
「分かった。これで……」
彼女は100円玉を渡してきた。
「これは?」
「言ったやろ? うちがあっためたるって」
「もしかして、あっためるってこれ?」
「そや。あったまったやろ?」
「何だ。『あたしがカイロ』じゃないのかよ」
「嫌やもん。そんなのは絶対に嫌やもん♪」
彼女は嬉しそうに答えた。
常連の方がいらっしゃいました。いつも仕事が早いです。作品の方は冬らしくカイロが題材です。
『その手の温もり』
「熱いから気をつけて」
僕は彼女の手をしっかりと握りながら、岩肌へ腰掛けるように彼女を促す。
爪先が湯に触れると彼女の体がぴくりと震え、思わず足を引っ込める姿が微笑ましい。
雪がひっそりと降る山奥の秘湯にて、僕は彼女のその無表情で端整な顔を見つめていた。
あの事故の日から笑顔と言葉を失くしてしまった彼女。
僕は彼女を守っていくと決意した。
常に寄り添って二人三脚で歩いていくと。
「ほらゆっくり。そう、ゆっくりでいいから」
ひやりと冷たい感触が二人に伝わる。
岩肌に腰掛けた二人の息が降りしきる雪に混ざっては消えた。
僕は肩まで体を沈め、彼女を暖かな湯の中へといざなう。
髪に雪を積もらせながら、恐る恐るという仕草で浸かっていく彼女。
「…あった、かい」
彼女が口元を少しだけ緩めながら言葉を紡いだ。
その両手は僕の手をしっかりと握っていた。
流れ出る湯の音が深閑とした森に響き渡る。
彼女の手の温もりを感じる僕の頬を雪が掠め、一条の線を刻んでいった。
投稿ありがとうございます。トラックバックの方ではまた別の作品が見られます。今回も期待。
『Silent Thirty Seconds』
「当機をハイジャックします。アッテンションプリーズ! 気を付けないと死にます」
唾を吐き散らす男を誰も止められない。後ろに二人、合計三つの銃口。初めての海外旅行で。
私が絶望したとき、男の隣に一人のCAが並んだ。
それからの数十秒間を、私は忘れない。
「なn」真っ直ぐに伸びた彼女の拳が男の歯を折り飛ばし顎を砕く。倒れることを許されず襟首を掴まれて宙に浮く男。彼女は軽く眼鏡を押し上げた後、槍のように男を放り投げた。後ろで、きゅうと何かが潰れる音がした。
「失礼」
私のシートの上をとんと軽く蹴る音がして、彼女が消える。そして最後の悲鳴が聞こえた。
既に銃口はない。だが誰も声を発さなかった。
CAのCはcyborg? 笑えない。
「ご、ごめんね」
息がし難いような緊張感は本人に破られた。
後ろを見ると、泣き出しそうな子供と、その子の前にしゃがみこみ、泣き出しそうな彼女。
「キャ、キャンデーは?」
私は息を吐く。そして今度こそ本当に緊張をとき、シートに深く身を沈める。
彼女はサイボーグではない。多分。
投稿ありがとうございます。第一回以来久々に参戦です。
ママは傷ついたピーチでした。そんなママを口説いたのは、ジェームズボンドみたいな新しいパパ。
今日はママとパパが結婚式を挙げて、スキー場までハネムーン。視界は吹雪いてて悪いけど、前方のバスの上には十字架が見えます。そこには、ブーケを持ったパパの連れ子が紐でグルグル巻きにされてて、
「メイルちゃんヘルプ!」
と叫んでます。式場で悪戯したあたしを庇ってくれたロックくん。ちょっと格好いい。
「飛ばすよ、メイルちゃん!」
でも。隣でスポーツカーを操って流し目決めるロックくんのお兄ちゃんにも胸キュン。
でもでも、やっぱり一番好きなのは。
「いま助けるぞ、ママ!」
スーパーラインセスを持ったパパが、ドリフトしながらバスに横付け。それをあたしがデジカメで記録してると、バスの中からバスガイトの制服を着たママを抱えたパパが出てきた!
映画みたいにバスが爆発して、助けられたロックくんと新婚さんがあたしの乗る車に着地しました。
「はい、メイルちゃん」
タキシード姿のパパがあたしにブーケを手渡してくれて、隣でいままで見たことのないくらい綺麗なママが微笑んでる。吹きつける風は冷たかったけど、パパとママの間はとても暖かくて、あたしは幸せです。
投稿ありがとうございます。冒頭が印象的ですね。
『冒険』
修学旅行初日。
生まれてはじめて訪れた都会にて、俺は迷子になった。
「困ったなぁ」
今にも泣き出しそうな、白く濁った空に呟く。
閑散とした公園のベンチ。
これからどうしよう。途方に暮れていると、外の喧騒がぼんやり目に入った。
くたびれたサラリーマン、化粧の濃いOL、チャラチャラした学生……。
忙しさを主張するように動き回る、未知の世界の住人たち。
そんな彼らの姿には、自分が追い続けた背中が重なる。
春、寂れた田舎町に転校してきた女の子。
華やかで、眩しくて。ずっと憧れてた。
この街には、俺の知らないあいつの顔、きっと沢山あるんだろうな……。
ため息が、冬の寒空に消えていく。
「何してんのさ」
目の前に、見慣れた制服を纏った女の子が立っていた。
走って探し回っていたのだろうか、肩で息をしている。
「人間観察」
「馬鹿。冷静なフリしちゃって」
本気の怒り顔が、なぜか安心を誘う。
「言ったでしょ。私の街を紹介するって」
引っ張ってくる手は、驚くほど力強い。
今度は置いて行かれないよう、俺も固く握り返す。
騒がしい雑踏の中へ、連れ立って歩いていく。
二人の冒険は、まだ始まったばかりだ。
(終)
投稿ありがとうございます。参加者の方には「旅行」のモチーフが好まれていますね。
春には早すぎる
修学旅行でバスガイドのお姉さんとこんな話をした。
「小学校の修学旅行が京都だったんだけど、熱出しちゃって」
「残念だったね。実家が京都だから遊びに来たら案内するよ」
冬休みが来た。
両親が旅行で家を空けるため、多めの小遣いが渡された。
お姉さんとはメール交換が続いていた。
「私服だと大人っぽいね」
迎えに来たお姉さんが言う。
中学生がそれほど見違える筈もないのに。
そう言うお姉さんも、今日は勿論バスガイド姿ではなく。
記憶の中よりも可愛らしく見える白いファーコート。
その日の京都は今にも雪になりそうな曇天で。
案内されるまま歩くうちに体も冷えて。
「寒いね。どこか入る?」
僕が答えあぐねているとお姉さんが寄り添ってきた。
伝わってきた体温は温かく、
しかし寒さを忘れさせたのはむしろ別のものだった。
「――くんは学校でモテるでしょ?カワイイし」
「そ、そんな事ないです。…女と喋んないし」
「そうなの?」
不意に顔が近づけられた。
そんなつもりで来たんじゃないのに、という気持ちと
初めてそんな事をする興奮とで混乱しながら
僕は夢中でお姉さんの唇に自分のそれを押し当てた。
投稿ありがとうございます。初参加ということで作品も新鮮な印象です。
『の・ぞ・き』
「じゃあ、ちょっとお風呂行ってくるね~」
マネージャーが露天風呂に行った直後、
僕達はすぐさま集まり作戦を開始した。
「岩影C、視界良好、全身隠蔽度オールグリーン」
「岩影F、オールグリーン」
「…部長、全隊配置完了です」
「O・K。各人の健闘を期待する」
ガラッ
「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!?」
「か、カワイイィィィィィッ!!」
「バカヤロ、気づかれる、感動を押し殺せ」
「素晴らしい尻回りだ…芸術だ」
「合宿を露天風呂付き旅館にしたかいはあったな…」
「うちの学校は可愛いマネージャーが多いけど、
やっぱ俺らのマネージャーが一番だよな」
「ああ、サッカー部の岬にも水泳部の望にも負けてないぜ」
「負けてないどころじゃないぞ、圧倒的じゃないか、我が部は」
「いつも一生懸命お世話してくれるマネージャーの身体…くうっ、萌えるぜ!」
「あのくりくりとした大きな瞳、ぷにぷにしたほっぺ、慎みある爽やかな乳首、
小柄でバランスのとれた綺麗な身体…完璧だ…至高の美…」
「ふふぅ。。。えへへ・・・」
「大変です。部員Dが錯乱して泡吹いてます」
「ほっとけ」
「うひゃあああああっ!!」
「ああっ、部員Cやめ!?」
「ぶん殴って黙らせろ!」
ドカッ、バキッ、ガシャーン、コロリンッ、ドタドタドター!
「ん…、あれ、みんな、こんなところで何してるの?」
「んはっ!?」
「いや、その、なんといいますか」
「マネージャーは、綺麗な身体だなと…うへへ」
「バカッ!黙れ!(ドカッ)」
「…?みんな、どうしたの?
一緒にお風呂入れば良いのに。
広くて気持ち良いよ」
マネージャーの視線が僕達の顔をついと外れて、
下腹部をさまよった。
「きゃあああああああ!?」
マネージャーは可愛い顔を引き攣らせて
綺麗な尻穴を両手で押え、あとずさった。
~漢~
後書き
ホモがきらいな女子なんていません!(AAry
投稿ありがとうございます。前回のファンタジーの印象が強いのですが、毎回作風が違って幅広い表現ですね。
『流れ星を掬う』
「東京には本当の空がない」とチエコがいうので、ふたりで阿多多羅山の温泉に行く。
夜天、露天風呂にふたりして浸かり「どうだい、本当の空が見えるかい」と聞いてみれば「見えるわ。本当の空よ。ねえコウタロウさんも観て頂戴」とチエコがいう。
誘われて空を見上げれば、湯煙のかなたには降るような星空。黒々とどこまでも吸い込まれそうな夜に、銀砂を散らしたような星々が光り、揺れるみなもに映りこむ。なるほどこれが本当の空だ。
ふと、チエコの視線がみなもに降り、両手で湯を掬い上げた。
「ねえ。見て?」「なにをだい?」「流れ星。さっき落ちてきたのを掬い上げたの」
覗いて見てもぼくには見えず、だけどチエコには見えるのだろう。だったらそれは真実で、ぼくも確かに頷いた。
「ああ、とても綺麗だね。持って帰ろう。瓶に入れて透かして見よう」
きっと持っては帰れまい。しかし一度の夢でよい。幻ならば幻で、このひとときに幸いが、きっと確かにあるのだから。
(終)
投稿ありがとうございます。東京の空気は汚れていますね。地方に旅行にいったりすると夜空に星が多くて驚きますが、東京で晴れた深夜に星を見つけると少し感動したりします。
応募いたします。
全角498文字、ぎりぎり400字台ではありますが、多少長いでしょうか……。
タイトルは『つめたいみち』です。
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小さな姉妹は、真っ白な平原を歩いていた。一歩一歩。手をつないで。足跡はもうずいぶんと長い。だが、一向に家は見えない。
「もう、いやだよう」
「もう、いやだね」
「いい事ないよお」
「いい事、ないねえ」
姉は妹にばれないように、涙をぬぐった。頬が冷たい。破れてしまいそうに痛い。
「おウチ、まだ着かないのかなあ」
「おウチ、まだ着かな……っ」
強い風が吹いた。凍えてしまいそうな寒さに妹が立ちすくむ。泣き出してしまった。
「もう、やだよおー。おかあさーん、何で死んじゃったのー」
一緒に泣いてしまいたい——。姉はこらえる。
(チアキ、悪い事はずっとは続かないんだよ。我慢してれば、きっと春は来るの)
「ほら、歩こう?」母の言葉を思い出して、無理して微笑んだ。
「嫌だよー、もう歩けない」
「じゃあお姉ちゃん、ちょっとだけ歩くから、ここまでおいで」
数歩進んで振り返った。「……あれ?」
「どうしたのー?」
呆然とする姉に、妹は叫ぶ。姉は手を振って答えた。
「うん、チハル、もうすぐだよ」
「えー、なにがー?」
「もうすぐ終わるよー。嫌な事もぜーんぶ、もうすぐ終わるよー」
寒風に耐える裸の樹。小さなつぼみが、花開きかけていた。
投稿ありがとうございます。例えば一人だけ二倍の量を書くと、そのレベルで差がついてしまうので、どうしても文字数の規定が必要になってきます。しかし数十字のレベルであれば、冗長に感じなければ問題ありません。重要なのは推敲ですね。
<題>「お流しします」
「温泉だー!」
「そうですね」
温泉である。この山の者しか知らない、秘湯中の秘湯である。
秘湯という言葉に目が無い私がここに来れたのは、この山の者と親交のあるK女史のおかげだ。
「ではさっさと入ってきてください先生。この後はホテルで缶詰です」
「わかってますよ」
「後、ここにいるおあらいさまの不興を買うと、二度と新鮮な温泉にあえなくなるので注意してください」
「えっなにそれ!?」
「とっとといけ」
言われて温泉に入る(もちろん服は脱いで)と、湯気の向こうに人の影。こちらに来る。
しかもというか当然というか。
「女…」
その湯霧から現れたのは、やけに長く白い髪をほのかに紅い肌にはりつけた、
どこかで見た顔の女性。
「ってあなた、なにやってんですか、Kさん」
「それは仮の姿。これが私の完全体、おあらいさまです」
「何言ってんのあなた」
「黙れ。今更知らぬ仲でもないでしょう。さあ背中を」
そう言ったK女史の顔は〆切り直前の憤怒の笑顔だったので、私は黙って背中をあずけたのであった。
<終わり>
なんだか、最初に思いついたのとは違う、ほのぼのな展開になって腹立たしい。もとい腹立たしい如。
投稿ありがとうございます。ほのぼの腹立たしい、というのは新ジャンル。年末に近づくと何かとあわただしくなりますが、温泉でゆっくりしたいところですね。
「うさぎの観光案内」
白い湯気たつ、ほかほか肉まん
とつぜん少女に奪われた
憎き泥棒犯人いわく
「もしお兄ちゃん、観光ぴょん? 肉まんお礼に案内するぴょん!」
頭イカレタ少女が一人
必ず語尾にぴょんが付く
肉まん取られた恨みも消えて、ただ関わりたくないと、
男はさっさと歩き出す、少女を無視してさっさと歩く
「私に案内まかせるぴょん。きっといい旅、夢気分」
聞く耳持たず、男は歩く
「ぴょんぴょん待つぴょん待ってぴょん」
そこへ三人少女の知人
「にゃんにゃんがいる」と嘲り笑う
「ほれ、にゃんにゃんといつものとおり、言ってみせろよキチ○イ女!」
困った顔であたふたウサギ
仕方がないので……「帰れにゃん!」
「マジキモイから学校来るな、にゃんにゃん言ってるきもい奴!」
クラスメイトは去っていく
キモイキモイと去っていく
哀れ少女は唇を噛み、ただトボトボと……
「肉まんの礼はどうした?」
「私と、遊んでくれるの?」
「違う。案内だろ。それとおまえ、忘れてるぞ……ぴょん」
すると少女に笑顔が戻る
「ぴょんぴょん案内まかせるぴょん!」
――おしまい――
うさぎ可愛いから好きです。
投稿ありがとうございます。うさぎを擬人化したキャラの語尾が「ぴょん」の「うさぴょん」語って誰が開発したんでしょうね。
*溢れ出る
「……突然、湧き出し量がガクッと減ったんですよ」
テレビに目を向けると。有名な温泉場で温泉が出なくなったというニュース。不思議なことだ。
……ガ……ガ……ガ……
行きたいと思ってた温泉なんだがなあ。地元の人も大変だな、風評被害も大きいだろうし。
ガ、ガ、ガ、ガ
なんか、うるさいな。
ガガガギギガギギリガルガルギギィィー
「はかせ! ただいま戻りましたっ!」
飛び込んできたそいつに首根っこ掴まれて風呂場に引っ張られる。
「さあ! 蛇口を捻ってください」
出てきたのは大量のお湯と湯気、沸き立つ香りは紛う事なき天然温泉。お前の仕業か……
「はかせの装着してくれたドリルさすがです、刃こぼれ一つしてない」
あの温泉からかと聞くと、そうですよと無邪気に笑う、ドリルを回す。何kmあると思ってんだ。
「軟弱地盤にぶち当たった時はどうしようかと思いました、あはは」
あははじゃねえよ。並みの建設会社じゃできねえ工事だぞ。俺の為なんだろうが……
泥のついたこいつの頬と湯気の立ち上る浴槽を見る。しょうがねえな。
「一緒に、入るか?」
「はい!」
(おわり)
皆さんの作品見てたら書きたくなったので書きました。
人数制限緩くなったので、精神的に余裕が出ました。作品に上手く反映できてるとよいのですが。
よろしくお願いします。
投稿ありがとうございます。冒頭に余裕というかタメがありますね。人数制限を緩くすると応募も緩くなって、主催側はあんまり余裕を感じなかったりします。
『はいちゃく!』
雪山で迷った僕と先輩が偶然見つけた山小屋には先客がいたのだが瀕死だったので先輩が瀕死だから瀕ちゃんだねと言う。
毛布は二枚。先輩は冷え性なので僕が瀕ちゃんを暖めなければならない。抱き合うような形になる。
そんな形だと当然瀕ちゃんの顔を上から眺める感じになるわけだが、少し顔色も良くなった瀕ちゃんの寝顔を見ると大変かわいらしい顔立ちをしていることに気付く。そんな女の子と密着していると思うと急にドキドキする。
それにしてもさっきから先輩が何度もこちらをチラ見してハアハア言っている気がするが、もしかして腐女子な先輩は瀕ちゃんのことを男だと思っているのではないだろうか。僕は瀕ちゃんを美少女だと思い胸ドキなわけだが、
なるほど瀕ちゃんは髪も短いので美少年にも見えなくはない。ともすると本当に男かもしれない。きっと先輩は頭の中で僕と瀕ちゃんを登場人物にしたやおい同人誌のネームを切って自家発電しているのだろう。あばずれめ。
僕は考える。瀕ちゃんは男なのだろうか?それにはやはりおっぱいである。瀕ちゃんが別に男でも構わない。
しかし、おっぱいの有無は確かめねばならないと僕のおっぱい星人が囁くのだ。
揉むや、揉まざるや。
(終)
==============================
499文字(すいません)。NO他意(でもすいません)。
最近の好きなマンガは『ハチワンダイバー』です。
投稿ありがとうございます。「先輩」+「遭難」という新ジャンル。
題『当世浮世風呂』
荒涼とした景色に張られた露天風呂にゆっくり肩を浸していると、聴き慣れた声が聞こえた。
「ご一緒よろしいですかー?」
靄の中から現れたのは、細身にバスタオルを巻いた幼馴染みの澪だった。
「混浴だー、えへへ」
澪は早速、僕が入っている湯船に足を入れようとする。
「熱いよ」
「あつっ!」
2mぐらい跳び上がった。
「ぐあー、ぐあー、爪先がじんじんするー」
「言ったのに……」
結局澪は、足だけ浸けて、湯舟にちょこんと座る。
「ん。やっぱお風呂は混浴に限るね。成くんとも、ちっちゃい頃は一緒に入ってたのになぁ……」
「それはまだ幼稚園前の話だろ」
「でも良かった、また一緒で」
「まあ、な」
「ずっと一緒だね」
澪は嬉しそうににへら、と笑う。
その時。
「あ」
澪の押さえていたバスタオルの下からぼとり、という音がした。
「あわ、また垂れちゃった」
澪は腹部の裂創からだらしなく垂れ下がった腸を、ずるずると体内に戻し入れる。
「やれやれ」
僕も左の眼球を湯で洗って、再び眼窩に戻す。
「なあ、澪」
「んー?」
「良かったな、天国には温泉があって」
投稿ありがとうございます。ところで露天風呂はあっても露天ブログはないですね。名前だけならありますけど。
『人肌恋しい季節だから』
「あ、やだっ! あぁん……んぅダメだったら!
ああぁ、それ……やだッ! それ弄ったら壊れちゃうぅ!
もう……私がするから……あぁ、んッ……何もしなくて、いいってばぁ!
あぁっ! まだ入れちゃ、嫌だぁ! まだだよぉ……んぁっ!
あっ……ぁああぁあぁぁ~~ッッ!
そ、そんなトコ駄目! ダメ! らめぇえー!
そんなぁ、と、ところに……入れ、たっ、らぁっ……硬くなっちゃう、よぅ!
あっ! ぁっ……あぁっ! 白いのダメ! まだ……んぅ……出しちゃ、ヤだよぉ!
まだ、駄ぁあ目、ぁっ……だったらっ! んぅッ! が、我慢してぇぇっ!
んぁっ! あ、あぁん! くぅッ、ぁああっアぁああぁあァぁアアッ~~~~っ!
――雑炊はどうする?」
投稿ありがとうございます。インパクトが強い作品です。
『ひとり歩きをする時は』
関東では12月に雪が降ることはあまりなく、彼氏持ちの友人はそちらを優先。目下フリーの身の上につき、ホワイトクリスマスみたいなロマンチックな何事かはテレビの中だけの話な彼女は、一人侘びしく帰路につく。
冬枯れた桜並木からのぞく空は、高くすんでいる。
息を吸えば冷気が鼻腔を叩き、はけば吐息が白く煙る。
お日さまは出ているのにずいぶんと寒いものだ。
こんな日の彼女はしっかりと守りを固めていて、ベージュのダッフルコートに薄紅色の手袋、毛糸のマフラーをぐるぐる巻きに、耳まで隠れるニット帽をかぶる。ホカロンを発明した奴は偉い、と思う。
景色が行き過ぎて行く。
スニーカーが地面を踏みしめる。
道をてくてく、枯葉をさくさく、霜柱ざくざく、うす氷ぱりん。
棒切れみたいな足だけれど、町越え、川越え、よく働くのだ。
やがて彼女の足運びは、ひとつのリズムを取り始める。
ん、ん、ん、くぐもった鼻歌。
そう、たまにはこんなのも悪くない。
――冬の日と踊ろう。
(おわり)
投稿ありがとうございます。最近の東京はそんなに雪降らないですね。子供の頃は楽しいけど、雪降ると交通機関が心配になったりしますね。
『学校帰り。』
「おい、あつし!」
彼女が私を呼ぶ。
公園は白い雪化粧をまとって、夕闇の黒と
混ざりあい、おとぎの世界のようだった。
「なに?」
「・・・寒い。」
横に並んで歩く彼女は
いつものエネルギッシュな様子と違い、
なんとなくしおらしかった。
「そう、じゃあ早く帰ろうな。」
部活帰りの時間帯は非常に冷え込む。
私は気を利かせて少し足早に歩き始めると、
腕がガクンと後ろに持っていかれる・・ってあれ?
ついさっきまで歩いていた後ろを振り返ると、
彼女が怒りの表情で顔を赤く染めていた。
「違うだろ!」
「なにが?」
「いや、その・・なんでこんな恥ずかしいこといわすんだよ!
この馬鹿!」
彼女は怒っているのか困っているのかわからない表情で私の
服を掴んだまま、蹴っ飛ばす。
「恥ずかしいことなのか?」
「え、あっ、違うって!」
私は少し思案する。
見つめ合っているようで、前にしたキスの味を思い出す。
「・・寒いの?」
「寒い。」
しばし、沈黙の後、
私は彼女の手を握るとそのまま自分のポケットに入れる。
「じゃあ、帰ろうか。」
「お、おう。」
投稿ありがとうございます。学校は皆通っていて男女は半数ずつなので、学校帰りに毎日異性と帰るという経験がもっとあっていいはずです。
『冬のあやかし』
冬になると、妹は妖怪こたつむりに変貌を遂げる。
はんてんを着たままこたつから首だけ出して毛布を肩までかぶったこの妖怪こたつむりは、リビングにやって来た俺を発見した。
「ねー」
くいくいと顔だけ振るこたつむり特有の動作でこちらになにかを訴える。
「……なんだよ」
「ポテチとリンゴジュースおねがい」
きたか。お願い攻撃。
「コンソメだからね。うす塩じゃないよ。それとついでにきがえもとってきて。あ、下着わすれるなよー。でも見たら殺す」
こたつもり、ふざけた注文を連発する。
誰がきくか。
だがこたつむりにとって恐怖の刻がついにやってきた。
「理穂子ォーー、おフロ早くはいっちゃいなさいよォーーー」
こたつもりは『もじもじ』というより『ぐがががっ』といった擬音がふさわしい困った表情で体をゆすりだした。(ちなみに、俺はこの表情を『モギモギ顔』と命名している)
こたつむりはいまにも死にそうな勢いで暖かな殻の中をのた打ち回る。そんな妹をニヤニヤとながめるのが冬の楽しみのひとつなのである。
---
思いついてしまったので投稿しました。よろしくです。
投稿ありがとうございます。「こたつむり」にやられた。これ思いついたら投稿したくなる気持ち分かります。
『Fallin'』
「聞いたわよ、キャビンアテンダントになるんですってね」
私の言葉に、彼女は顔をしかめた。
「だからなんだってのよ」
「――昔、知り合いが飛行機事故で死んだんだけど、」
どうしてこんなことを言ってしまうのだろう。
「あなたもそうならなければ良いと思ってね」
彼女の心を切り刻むたびに、得体のしれない愉悦が湧き上がってくる。
いまの私はさぞかし醜く笑っていることだろう。
「そうだわ。私も目指そうかしら、キャビンアテンダント――」
「いいかげんにしてよ」
彼女の声は震えていた。
「ずっとつきまとって、嫌がらせばかり。成績がいいくせに、わざわざ私と同じ大学を受けて」
違うよ。
成績がいいのは、頑張って勉強したから。
あなたと一緒にいたかったから。
「今度は就職まで同じですって? ……やめて。やめてよ。もう私の邪魔をしないで!」
好きなのよ。
信じて、本当に好きなの。
結局、その想いを口にすることはできなかった。
彼女が「墜ちた」と聞かされたのは、それから何年も経ったあとのことだった。
(了)
――
なんというか、黒ツンデレ?
投稿ありがとうございます。黒ツンデレとのことで、期待です。
とりあえず萌えってなんですか←テンプレート
文字数は余裕でぶっちぎるしそこはかとなく下品だしネタを混ぜすぎてひどいことになるしバレると命がないネタばっかりで自分に絶望した!状態です。
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タイトル:『Who's Who of the Gods』
私はフリーのエージェント・レストロオセ。金次第で何でも引き受ける女。今ゲーム会社「アースガルド」主催のパーティに潜入している。
依頼内容は同社の人気ゲームの続編を次世代機「M@rry3」で発売させること、その為には手段を選ばないと、振り込まれた莫大な額が語っていた。
露出度申し分ないバニーガールの衣装は、胸の谷間を強調し私の完璧な体をより魅力的に見せていた…と思っていた。
しかしターゲットである「アースガルド」社長は、年若いボーイとおしゃべりに夢中だ。
(誰、彼?…!見覚えが!)
「僕『フェリディ』買っちゃいました…『M@3』は高くて」
「む、じゃ『エテルナVI』は考えておこうかね、はっはっは!」
社長は頬をばら色に染める少年を…言いたくはないが…好色そうに見つめている。
「きみ、アルセス君とか言ったか…手洗いはどこかね?連れてって貰えるとありがたいが」
「かしこまりました、ただいまご案内致します」
ボーイがにやつく社長を連れて私の横を通り過ぎたその時、耳元で小さく「お先に失礼、レストロオセ嬢」と聞こえた。…あいつめ!
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萌えが未だにわからないのでふて寝します。明日はどっちだ。
投稿ありがとうございます。ものすごい独自路線。
『拾バニーガール譚』
角を曲がった所で、女の子とぶつかった。ありがちな少女漫画のように。ただ――
うさ耳。
編みタイツ。
黒いハイヒール。
ワンピースの水着のような、体にフィットする肩の出たあの衣装。
白いふさふさのしっぽ。
360度どこから見ても、紛う事なきバニーガールだ。
こんな少女漫画あるか。
「あああのすいません見ず知らずの方にこんなことを頼むのは非常に恐縮なのですがいえこんな格好をしていますが私は決して怪しい者ではなくてですねああやっぱり信じて貰えないかなどうしよう、携帯電話を貸していただけませんか、私の充電切れちゃって」
「はあ、別にいいですけど」
平身低頭のバニーガールから詳しく話を聞くと、彼女は今怪しげな派遣バイトの途中で、衣装に着替えた後移動中に仲間とはぐれたらしい。
「――ありがとうございました。会社の人がここまで迎えに来てくれるそうです」
「そのバイト日給いくらですか」
バニーガールは笑顔で手を振って去っていった。
高額バイトをゲットしたので、気分がいい。
私はスカートの裾を翻して、街を歩いた。
――終
初めて挑戦しました。
400字って短くて大変ですね。
初投稿ありがとうございます。やはり400字の制約が最初は不自由に感じると思われるでしょうが、逆にもし仮にこれが4000字や40000字でも、今度は字数を埋めることが大変で、表現を練ることにまで労力が回らない気がするんですよね。
投稿ありがとうございます。トラックバックの方ではまた別の作品が見られます。今回も期待。