私がその店で働き始めてから半年くらいたった頃、
タナカという男性から1本の予約が入りました。
12月28日、9名のご予約です。
予約当日。
予定の時間に、タナカと名乗る痩せたご老人が一人、店を訪ねてきました。
「お連れ様はまだお着きになっていないようですが…。」
そういう私に無言で頷き、タナカさんは持っていた本のようなものを大事に抱えて、
案内された個室に入っていかれました。
すると料理長は「それではそろそろ始めさせていただいてよいでしょうか」とタナカさんに訊ね、
人数分の料理と酒を用意させたのです。
その部屋には、タナカさんしかいないはずなのに。
~~~
その他はコメント欄に。
ズバリいきます。
タナカさんは、亡くなったご老人です。
「その店」は「葬儀店」。
ただ、最初に電話したタナカさんは、喪主である中年の息子。
当然親子ですから同じ名字です。
>私がその店で働き始めてから半年くらいたった頃、
>タナカという男性から1本の予約が入りました。
>12月28日、9名のご予約です。
おそらくタナカ家のおじいちゃんは12月27日頃、亡くなってしまわれたかと。
9名の予約、というのは、家族だけのひそやかな葬儀を生前より希望していたおじいちゃん。
電話をした長男夫婦(2)+長男の子供(2)+独身の長女(1)+次男夫婦(2)+次男の子供(2)=9名だけの葬儀です。
>予約当日。
>予定の時間に、タナカと名乗る痩せたご老人が一人、店を訪ねてきました。
痩せた老人…もう棺に入って2日目、当然痩せています。
>「お連れ様はまだお着きになっていないようですが…。」
葬儀屋のスタッフが霊柩車で先に遺体を葬儀場まで運びますので、遺族は通常追って会場入りします。
「私」は優しい性格で、遺体に対して話しかけたのです。「お連れ様」は遺族のこと。
>そういう私に無言で頷き、タナカさんは持っていた本のようなものを大事に抱えて、
>案内された個室に入っていかれました。
葬儀場は当然貸し切りの個室のようなもの。本のような物は遺品。おじいちゃんの愛読書などを家族が持たせてあげたのでしょう。遺体に優しく話しかけるほどの優しい「私」のこと、おじいちゃんが呼びかけに対して無言で頷いたように見えたのでしょう。
(別解釈:ここでのタナカさんは喪主の長男という解釈もあり。その場合、本のような物は遺影。神妙な雰囲気なので遺族はたいていの呼びかけには無言で頷く。霊柩車は渋滞ルートにはまって遅れている)
>すると料理長は「それではそろそろ始めさせていただいてよいでしょうか」とタナカさ
>んに訊ね、
>人数分の料理と酒を用意させたのです。
>その部屋には、タナカさんしかいないはずなのに。
遺族も間もなく到着するでしょうから9名分の準備を始めます。
(別解釈:先に遺族が到着したパターンの場合、聞いた相手は長男であり、「棺がまだ到着しませんがお通夜の準備を始めてもよいですか?」という問いかけをした。タナカ家だけの葬儀ですから、タナカさんしかいません。)
どうでしょうか?
料理長は客であるタナカに人数分の料理と酒を用意させた
9人分とは書いてないから人数分(つまりタナカの分だけ)を自分で。
つまりここはセルフサービスのレストラン。
何もおかしなところはないです。
なるほど~、たしかに「人数分」ですね。
でもセルフサービスならきっと、料理長はタナカさんに「始めてもよいか」などと訪ねないのでは。
「人数分の料理」9人分とは言ってないですね。
ですから、まず1人分だけ用意したのでは。
こちらも同じく「人数分」ですね。
確かに面白い発想だと思いますが、一人だけで宴席を始めるのはちょっと一般的ではなさそうです。
本のようなもの=遺灰?
生前好きだったものを~ とか。
メインストーリーは近いでしょうか。
でも遺灰(位牌?)は「本のようなもの」とは見間違えにくいでしょうね。
タナカさんはレストランのオーナーで、9名分注文したのはお店のスタッフの為のものではないでしょうか。
なるほど、普段の働きを労って、ですね。
料理長だけは知っていて、みんなを驚かせようとしていたということでしょうか。
「本のようなもの」の説明がありませんが、これはこれで素敵な話になりそうです。
「人数分の料理と酒を用意・・・」
部屋にいるのはタナカさん1人なので、1人分の料理と酒を用意させたのでは?
うーん、「人数分」説ですね。
予約が立て込んでいるのでちゃんと時間内に始めないと…って、人気の居酒屋みたいですね。
>タナカさんは持っていた本のようなものを大事に抱えて
遺影ですね。
他8名の・・・
こちらもメインストーリーはOK。
こちらの用意した回答はもしかして(皆様が期待していない)一番素直なストーリーだったかもしれません。
私は料理長に促されるままに料理を運んだ。
何度も料理長の顔色を伺おうとしたが、いつもと違う表情だということしか
判らなかった。
タナカという老人もただ、本の表紙をなでながら、空席を眺めるだけだ。
なんだか気味の悪い…
料理長がそばから離れた隙に、私は先輩コックにこっそり聞いてみた。
「あの…実は予約された方が…」
「いいから黙ってろ」
(なんだよ、みんな知ってるのか…?)
ギャルソンが料理長を呼びに来た。
「料理長、整いました」
「ん」
厨房隅の鏡に向かって帽子を直すと料理長は、タナカ氏の元に行った。
「…お前は知らないのも当然さ、タナカ様は年に1度、こうして来店されているんだ」
料理長が厨房からいなくなると、先輩が小さな声で話し始めた。
「え?毎年…ですか?」
「あぁ…」
「お前……って事件、知ってるか?」
「え、あの…!え、まさか…!?」
私は大きな声を出しそうになった。
「シッ!…そのまさか、なんだよ」
私は改めて、タナカ氏の様子を思い出した。
あの、本のようなものは…アルバムだったのだろう。何度もなでていたが、開かなかったのは…まだ写真を見ることがつらいのだろうか…。
「その晩、本当にこの店をご予約頂いていたんだ。あの方は少し早い時間にお見えになってね…料理長にいろいろご相談なさっていたんだ。」
「…じゃぁ…それが…」
「あぁそうだ。あの時もあのアルバムをお持ちでね…料理長と思い出話をしていたんだ。でも、待っても待ってもご家族がお見えにならなくてね、料理長が心配してご自宅に電話をかけたのさ。そしたら…」
「そしたら、なんです?警察の人が出たんですか?」
「…おまえ、そこ大事なところか?」
「いえ…」
「あれから料理長もずいぶん変わったよ…」
もう少し聞き出そうとしたところで、ギャルソンが入ってきたので結局聞けなかった。
「タナカ様がお帰りになります」
私たちスタッフは、全員タナカ氏を見送りに店の玄関に出た。
タナカ氏はおぼつかない足取りだが、アルバムをしっかりと抱えていた。
「有難うございました」
私たちスタッフは頭を下げたが、私は下げつつもタナカ氏をしっかり見届けようと、ギリギリの上目遣いで様子を伺った。
息を飲んだ。
抱えているあのアルバム…あの裏表紙の染みはいったい…。
「料理長、また来年まいりますよ…」
「…お待ちしております」
料理長の震えるような声と、タナカ氏の声…。
私はこの夜のことを、おそらく一生忘れることが出来ないだろう、そう確信した。
おぉ、ストーリー仕立てでありがとうございます。
ちょっとホラー気味ですね。私が用意したシンプルなものよりこちらのほうがいいかも。
「アルバム」「毎年」というキーワードを入れていただいたのも最初ですね。
んー
本のようなものは死んだ人の名前が書かれていて
その方たちのとむらうための会であった。
いまいち
いまいちかもしれませんが、メインストーリーはそんな感じですね。
割と普通で申し訳ない。
最初は、幽霊かと???もしかしてボケ???
それか、仲間が亡くなるまで毎年食事会をしていてとうとう田中さん一人になってしまったってことかな???
後半がほぼ正解です。
うーん、素直すぎたでしょうか、ちょっと申し訳なくなってきました。
「また、みんなで○年後の12月28日にここで会おう。」
そう約束していたのに、生き残っているのが自分ひとりなんて・・・
今日はこのアルバムをみんなだと思って呑むことにするよ・・・
まぁ近いうちには俺もそっちに行くだろうよ。
数年前にまた会おうと約束していた戦友達。
年月が経つうちに、一人を残してみんな亡くなってしまったのでは・・・
こちらも大体のところは用意した回答と同じです。「タナカさん」も「料理長」も知っていた、というところがちょっと違うところでしょうか。
調べたら
1986年12月28日-山陰線余部鉄橋列車転落事故
と言うのがありました。
この事故でタナカさんのご家族8人が亡くなった。
残されたのは店に来たタナカさん1人。
持っていた本は聖書か何かで
ご家族の命日に追悼の祈りを捧げる食事
…でしょうか?
うーん。普通すぎるか…。
「持っていた本のようなもの」がわからない!
おぉ、昔の事件まで調べていただいて厚みを持たせていただきましたね。
でも実は12月28日という日付にはそれほど意味がなくて、単に「年末」というだけのつもりでした(^^;
「追悼」は皆さん普通にお考えなのですねぇ。
ズバリいきます。
タナカさんは、亡くなったご老人です。
「その店」は「葬儀店」。
ただ、最初に電話したタナカさんは、喪主である中年の息子。
当然親子ですから同じ名字です。
>私がその店で働き始めてから半年くらいたった頃、
>タナカという男性から1本の予約が入りました。
>12月28日、9名のご予約です。
おそらくタナカ家のおじいちゃんは12月27日頃、亡くなってしまわれたかと。
9名の予約、というのは、家族だけのひそやかな葬儀を生前より希望していたおじいちゃん。
電話をした長男夫婦(2)+長男の子供(2)+独身の長女(1)+次男夫婦(2)+次男の子供(2)=9名だけの葬儀です。
>予約当日。
>予定の時間に、タナカと名乗る痩せたご老人が一人、店を訪ねてきました。
痩せた老人…もう棺に入って2日目、当然痩せています。
>「お連れ様はまだお着きになっていないようですが…。」
葬儀屋のスタッフが霊柩車で先に遺体を葬儀場まで運びますので、遺族は通常追って会場入りします。
「私」は優しい性格で、遺体に対して話しかけたのです。「お連れ様」は遺族のこと。
>そういう私に無言で頷き、タナカさんは持っていた本のようなものを大事に抱えて、
>案内された個室に入っていかれました。
葬儀場は当然貸し切りの個室のようなもの。本のような物は遺品。おじいちゃんの愛読書などを家族が持たせてあげたのでしょう。遺体に優しく話しかけるほどの優しい「私」のこと、おじいちゃんが呼びかけに対して無言で頷いたように見えたのでしょう。
(別解釈:ここでのタナカさんは喪主の長男という解釈もあり。その場合、本のような物は遺影。神妙な雰囲気なので遺族はたいていの呼びかけには無言で頷く。霊柩車は渋滞ルートにはまって遅れている)
>すると料理長は「それではそろそろ始めさせていただいてよいでしょうか」とタナカさ
>んに訊ね、
>人数分の料理と酒を用意させたのです。
>その部屋には、タナカさんしかいないはずなのに。
遺族も間もなく到着するでしょうから9名分の準備を始めます。
(別解釈:先に遺族が到着したパターンの場合、聞いた相手は長男であり、「棺がまだ到着しませんがお通夜の準備を始めてもよいですか?」という問いかけをした。タナカ家だけの葬儀ですから、タナカさんしかいません。)
どうでしょうか?
細かい家族設定ありがとうございます。個人的には
>独身の長女(1)
の行方が気になりますがそれはさておき。
きれいなストーリーですね。
私の予想もしていなかったストーリーで、しかもきれいに収まっています。
いるか最有力候補でしょうか。
12月28日といったら年末ですね。
という事は忘年会でしょうか。
タナカさんは忘年会に年に一回集まる約束を8人と交わしたしたんではないのでしょうか。
だけどタナカさん以外の残り8人はもうこの世にはいなくて、
(死んだか何かで)
それでもタナカさんは残り8人の事を想いながら
年に一回12月28日にそのお店に行っているのではないのかと推測します。
(料理長はその事情を知っているから何も言わずに用意している)
大事そうに抱えている本みたいなものはその8人とタナカさんにまつわる何か思い出の品と。
(「みたいなもの」と書いてあるのは本ではなく別の何か、8人の名前が書いてある記帳とかそういった8人に関係のある何かなのではないのかと)
ほぼ正解です!
「忘年会」「料理長は事情を知っている」「思い出の品」あたりがポイントですね。
タナカさんはこの店のオーナーで、毎年恒例年度末の宴会をスタッフと行う。
新人はドッキリ宴会で驚かせられ、1年の疲れをオーナー自ら労ってくれるというのではないですか?
本の様なものは…お土産かな?
「オーナー」派ですね。
年末は飲食店にとって書き入れ時、いくらオーナーといえど営業時間に慰労会はちょっと勇気がいるかもしれません。
彼は着席すると、おもむろに荷物を机の上に置きました。それは、小さな鞄でした。古い使い古された、広辞苑ぐらいの大きさです。そしてポケットから小さな蝋燭を出して火を着けます。明かりが揺らいで暫くすると、鞄の中から音が聞こえ出しました。そして、中から蓋が押し開けられ、八人の小人が出てきました。そう彼は魔法の国の王子様だったのでした。小人でも一人前の料理を食べるのかって?そう、彼らは働き者なので驚くほど食べるんです。こんなもんでどうでしょうか。
おぉ、メルヘンですね。
でもやっぱり、この手の問題に魔法とかお化けとか小人さんとかはご法度だと思うのですよ。なんでも説明できちゃいますからね。
持っていた本というのがアルバムなのでしょうね。
それが家族の物か、学校の同窓生の物か、会社の同僚の物かは分かりませんが、思い出の店で予約を取ってそれぞれの席に写真を飾って昔を偲ぶ、という場ではないでしょうか。
はい、ほぼ正解です。
やっぱり素直すぎましたか…。
予約したタナカさんと、タナカと名乗る痩せたご老人が別人だったのでは?
案内された個室が予約したものとはどこにも書いてないですし、
人数分の料理と酒=9人分ではなく、老人1人分だった、
と考えれば・・・。
ただ、そう考えると果たしてナポリタン風といえるのか疑問だし、
>持っていた本のようなものを大事に抱えて
という部分が意味のない文章になってしまうのですが・・・。
そうですね~、ナポリタン的にはやはり、不要な文字はできるだけ削除したいところ(短い文にしたほうが美しいと勝手に思ってますので)。
書かれている文字は余すところなく使っていただきたいですね。
タナカさんがもっていたのは今は亡き戦友たちの遺影
戦争で一人生き残ったタナカさんは戦友たちとの約束を
守り続け、毎年この日に戦友たちとの会合を続けている・・・。
ナポリタンは初ですが、初ゆえに突拍子も無い勘違いを許してください・・・。
いえいえ、作るほうも初めてなので、勘違い同士が出会えば何か新しいことが始まるかもしれませんよ?
とはいえ、今回のはこちらの想定しているものとメインストーリーでほぼ同じです。
解釈1
タナカさんは以前は9人家族だったが、何らかの原因で家族は皆一度になくなった。
12月28日は家族皆の命日。
タナカさんは年1回なくなった家族の分まで食事を用意し弔いをしている。
うーん、ありがち…。
解釈2
タナカさんは9人家族。
その部屋には、タナカさんしかいないのは当然。
なぜなら家族全員苗字は田中だから。
うーん、伏線を全然使えてない。
解釈3
タナカさんは大食いチャンピオン。(大食いの人は痩せ型が多い。)この店では9人前を食べると料金がただになる。
「それではそろそろ始めさせていただいてよいでしょうか」と聞く場面があるのは制限時間をはかるため。
解釈4
タナカさんはカメラマン。このレストランの紹介記事の写真を取りに来た。本のようなものは実はカメラ。
9人前用意させたのは豪華な食事を撮りたいため。
うーん、どれもあまりしっくりきません。回答オープンが楽しみです。
うーん、やはりありがちでしたか、すいません。
こちらが用意していたものは後ほどコメント欄に掲載させていただきます。
>解釈2
この話は誰か言うかと思いましたが最後まで出てきませんでしたね。「お連れ様」がいないのでちょっと無理がありそうです。
>解釈3
痩せた老人ではさすがにちょっと厳しいような。いや、できるならぜひ絵的に見てみたいですが。
>解釈4
うーん、これは思いつかなかったですね。面白いです。
「お連れ様」のところがちょっと説明しづらいでしょうか。
細かい家族設定ありがとうございます。個人的には
>独身の長女(1)
の行方が気になりますがそれはさておき。
きれいなストーリーですね。
私の予想もしていなかったストーリーで、しかもきれいに収まっています。
いるか最有力候補でしょうか。