私の知人(文系の修士3年)とその知人(修士卒後就職)の話なのですが、彼らは学会の参加費は高額であり、払わずにもぐりこんでも良い、と主張しています。
彼らの主張を要約すると、
・学会参加費は学生にとって高額であり、払わなくても良い(この場合の参加費は6000円でした)
・お金に余裕のある人が払えばよい
・学会にもぐって発表を聞いても、誰も損する人はいないのだから払う必要はない
・貧乏な学生から高額な参加費を徴収するのは倫理的に問題だ
といったところです。
正直なところ、私にとってこれらの主張は噴飯ものであり、社会性のない単なる甘え、フリーライドにしか見えません。そもそも学会に参加する人の金銭的な事情と参加費を払うかどうかは関係ないように思います。彼らはかなり有名な大学の院に所属しており、また一人は私の知人でもありますので、上記のような主張を聞いて驚いています。
そこで質問なのですが、こうした学会参加費に対する軽視、もぐりこみというのは大学院生にとってよくあることなのでしょうか。
院生、研究者、ポスドク、院卒の方など、文理問わず学会経験のある方の回答をお待ちしています。
そんなに正々堂々とはしていませんでしたが、20年前でも、潜り込みの学生はいましたね。
地方の学会に、各駅列車参加して、宿も2~3千円の風呂なしという感じだったですが・・・。
知識を得るためには、それなりの対価を払うべきですし、学生の割引もあるので、払わなくても良いという理論は通りませんね。払えない貧乏学生なら恥ずかしくて、人には言えないでしょう。倫理観をちょっと疑ってしまいます。
コメント欄も空けておくと、色々な意見が出ると思いますよ。
一般に旧帝クラスの大学で、院生時代から学会に入っている人はほとんどいないです。もちろん、もぐりで学会の発表をききにいくなんいう物好きもいません。あれは旧交を温める場所であったり、旅行の口実であったり、ちょっとした政治的なことを決める場所であったりするんで、学生が入ってもメリットないです。
残念ながらそういう事実があるのは事実です。
学会によって違うのかもしれませんが、現状では「参加費を払っていない」証拠として、参加費を払った人に配られるキット(名札、プログラム、これらをいれるオリジナルバッグ)がないから、といって、追い出されたり、ペナルティが課されたり、ということは聞いたことがありません。
とはいえ、学会費が高いのも皆さん了解していますので、「発表したら教授が参加費を払う」「学生会費が設定されている」「ある研究会で優秀であれば、全国大会への参加が『招待』になる」などのように、苦慮されているようです。学会としても、若手が育たないと先がないですから…。
しかし、なぜ参加費が発生するのか、そしてなぜ学会に参加するのか、というところを、その院生諸君には考えて欲しいものですね。おそらく飲み会やケータイにはそれぐらいのお金を普通に払っていると思うのですが…。
反対に、これぐらいの対価が必要であると教えられない学会やその研究室のスタッフの指導力にも疑問をもちますね。
一方、ここ数年「大学院重点化」の影響で、大学院に入りやすくなり、そもそも研究に対する情熱や意欲のない大学院生が増えているように思います。特に、報道にもあるとおり、「大学院に行っても就職口がない」という状況も発生しており、今後院生教育はますます難しくなってくるのでは…と思います。
ありがとうございました、参考になりました。
私が一番驚いたのは、「参加費を払わない」という慣習があるとして、彼らがそれをさも当然のこと、むしろ倫理的に良いこととしてあっけらかんと主張することでした。
自分が好きでやっている研究で、学会費を払わなければそのしわ寄せは自分が生きていく業界に確実に帰ってくると思うのですが。
大学は払ってくれないのでしょうか?学部、修士、博士とだいぶ長い事大学にいましたが、学会やシンポジウムに関しては渡航費、滞在費、参加費はすべて研究費から出ていました(私だけが特例な訳では決してなく、皆そうです)。ですから「潜り込むぞ!」みたいな話は聞いた事がないです。
でも、その費用を全部自分で持て、と言われたら、普通の学生にはとても無理ですし、かといって参加しない訳にはいかないものもあるので、いくつかは潜り込んでしまうのではないかと思います。お友達の様に堂々と主張する気はないですけどね。
ありがとうございます。
文系と理系の違いもありそうですね。
私も、学会の参加費については研究費、スカラシップなどから捻出できる状態が望ましいとは思います。
ただ今回の例の場合、それほど頻繁に学会に参加しているようには見えない人なので疑念が残ります。
文系院生(修士)ですが、私の周りではこのような話は聞きません。
私の参加学会は受付でネームプレートを貰う形式であり、
また全体発表や部会の各入口でチェックされていましたので、
潜り込むのは厳しいと思います。このあたりは学会によっても違うと思いますが。
個人的には、確かに数千円は安いお金ではありませんが、べらぼうに高い、と言うわけではなく、
むしろ丸一日間、または丸二日間、様々な研究者の先端発表を聞くことができる上、
懇親会等で人脈形成も行うことができるので、非常にコストパフォーマンスは高いと思います。
学外や学会以外で大学教授が講演を行うと、たかだか2時間の講演会で数千円~数万円というのも珍しくありませんし。
だいたい院生をやっていれば、1冊数千円の本を買い込むというのもザラですし、
必要なところまでケチるというのは、研究者(の卵)として、どうなのかなぁ、
と言う気がします。
ありがとうございます。
ほぼ全面的に同意します。ただ、院生によっては、そこまで学会に重きを置いていない人もいるということのようですね。
よくある犯罪者の言い訳です。
そんな理由が通ったら著作権違反なんかも全部し放題ですよね。
私は大学時代法学部に在籍していましたが、生徒以外が潜り込んで勝手に授業を受ければ窃盗と同じ扱いになると言われました。
「情報」も一つの商品なのです。
まあ犯罪だと認識していてもしていなくてもする人はいますから、そういう人達は実際に罰を受けるまでわからないのでしょう。
ありがとうございます。
やはり上記のような理由は通りませんよね。
>生徒以外が潜り込んで勝手に授業を受ければ窃盗と同じ扱いになる
これは非常に難しい問題だと思います。
私の学校(都内の旧国立、文系)では、講義へのもぐりというのはほぼノーチェックで、講義を行う教員自身もそれを容認していることがほとんどです。学問の自由、といった観点(そして中世ヨーロッパの大学の伝統からも)により、こうした行動は熱心な行動とされて黙認(時には奨励まで)されていることが多いように感じます。
もちろん「『情報』も一つの商品」であることもまた事実ですから、この場合は資本主義の論理と学問の論理の境界線となり、判断が困難になります。
しかし、今回の質問の例は、明らかにそうした境界線上を逸脱していると考えました。
そもそも誰もが参加費を払って参加するという形式なのですし。
学会にもよりますが、私も研究室で費用を負担してくれました
個人的にいってみたいものまで、たまに、ですが認められていました。
確かに、院までいくとかなりの費用がかかります
研究費用も本代もバカになりませんからね
そんな学生にあの高い費用を負担させるのは、納得いかないですね。
行きたくないときもありましたし・・・・。
そんな遠くまでいって、あまり為にならない発表を聞いても・・・と、時間のムダにも感じていました
他の方の意見にもありましたが、もぐりこんで話だけ聞いていてもあまり意味がないのではないでしょうか?
今の学生さんはどうなのでしょうね?
卒業して数年経ちますが、就職したくないので院に進むといった人もいるようです。経済的に豊になってきたという事でしょうか。
ありがとうございます。
>行きたくないときもありましたし・・・・。
このように、本人の意思とは別に研究室として参加が強制されている場合はまた一考の余地がありますね。
今回のケースは、行こうか迷っていたけど車に空きがあったのでまあ行く、といった感じでしたので、それで払わないというのは物見遊山的な感覚だったのでしょうね。
>もぐりこんで話だけ聞いていてもあまり意味がないのではないでしょうか?
これも同様に、資料が必ずしも必要ではない、といった程度の興味だったのでしょう。
今回のケースは、自分にとって重要度が低い学会であったために払いたくない、という気持ちが出たという面はあるようですね。
しかし知人の知人のほうは、しばしば学会にはもぐっている、と常習者であることを明言しており、こちらはそれ以上の問題があるようです。
学会運営はボランティアではありません。会場を借りる為の費用が必要ですし、いわゆる「学会運営屋」への人件費も生じます。学会規模にもよりますが、数百万円〜数千万円単位の運営費が発生します。
もちろん、学会本部から予算が出ているだろうし、スポンサー等からの寄付もあるので参加費だけで運営しているわけではありませんが、学会参加費は貴重な収入源になっています。だから払って当然です。
#最近は学生参加費を設定しているところもあります。
最後に一言。見ている人はちゃんと見ていますよ。
「あいつ、昔、学会参加費を払わずに参加していたよな」などと、10年、20年先に言われるかもしれませんよ。
ありがとうございます。
そういった事情を考慮できないようでは社会性がないといわれても仕方がありませんね。
理系です。
回答
私の周りでは、「学会参加費に対する軽視」についてはあまりないように感じました。しかし、もぐりこみは私自身も経験がありますし、ちらほら聞きます。
私が所属していた研究室では学会で発表した者は宿泊費交通費全額支給。参加のみの場合、博士は半額支給、修士は支給なしというルールでした。(修士にお金を出さなくなったのは、進学よりも就職を考える学生が多くなったため修士の学会参加の意味が感じられなくなったという経緯があります。)
修士のころは宿泊費交通費が自腹だったし学会参加費を払うのは厳しかったです。実際もぐりこんだこともあります。
もぐりこみを推奨する気は毛頭ないですが、真剣に学ぼうとする学生に対する参加費の控除はもう少し充実させても良いのではないかと感じることがあります。
>社会性のない単なる甘え、フリーライド
これは短絡的です。
なぜなら、全体の付加価値や厚生を最大化するという点から、あなたの知人の主張に大義がないわけではないからです。
もしその知人ような行為が常態化している学会があるのであれば、学会は学生料金、教授料金など、学会に参加する人の懐具合によって課金額を変えるべきでしょう。
個人的には全体として日本の学生は貧乏していますし、学問の一環なのであれば、学会参加費などはタダでいいとおもうんですけどね。
ありがとうございます。
やはり普通のことではないようですね。
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