最近毎日のように中国産の農産物から基準値以上の農薬が検出された、と言う記事を見ます。

ところでこの「基準値」というのは誰がどのような基準を以って決めた物なんでしょうか?

野菜に設けられた農薬の基準値を検索できるサイトがあったので報道されていたピーマンやきくらげの数値を調べてみました。

http://www.fcg-r.co.jp/pesticide/linkpes.cgi?p249500.htm
検出された農薬「ピリメタニル」が違反になるピーマンの基準(0.01ppm)、オレンジの基準(15ppm)。

http://www.fcg-r.co.jp/pesticide/linkpes.cgi?p252300.htm
検出された農薬「フェンプロパトリン」が違反になるきくらげの基準(このページには載ってませんが、報道では0.01ppmと言ってました)、オレンジの基準(5ppm)。

このサイトでも厚生省のサイトでも基準値の決め方についての説明は見つかりませんでした。

正直きくらげやピーマンなんて月に一度食うかどうか?という感じなので対岸の火事的な感想しか持ってなかったのですが、上のページを見て毎日のように食べているオレンジやグレープフルーツは基準値が50倍とか150倍と云う事を知り、なんだか心配になって来たのですが。

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  • 終了:2007/07/17 21:15:43
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回答4件)

id:hokuraku No.1

回答回数533ベストアンサー獲得回数98

ポイント23pt

まず最初に、「誰が」について説明します。

「耐容摂取量(どれくらい食べても大丈夫かという量)」は食品安全委員会が、「基準値」については厚生労働省の薬事・食品衛生審議会がそれぞれ決定します。


次に、「どのような基準で」について説明します。

食品の基準値については、原則的に耐容摂取量に基づき、食品ごとの含有量や摂取量から基準を割り当てて設定していきます。

耐容摂取量は、その毒物がどのような毒性を持っているか、発がん性はあるかなどの複数の項目でチェックされ、安全を見込み健康影響が出る量の50~100倍程度が定められます。


基準値の割り当ては、例えば、1日に50mgまで摂取しても大丈夫な物質があった場合、主食であるお米からは20mgまで、魚からは15mgまで、キノコは食べる量が少ないけど特に含有量が高いから10mgまで…などと考え、これに達しないようそれぞれの食品に基準を定めていきます。

(正確には若干違いますが、まぁおおよそこういうものだと思ってください)


しかしながら、農薬については少し事情が異なっています。

農薬については、栽培する作物ごとに使用する農薬がある程度決まっているため、かつては「この作物で○○という農薬がこれ以上出たらアウト」という風に定まっていました。

ところが2003年の食品衛生法の改正により、「ポジティブリスト制」が定められ、「基準が無いものは一律で残留禁止(○○以上はすべてアウト)」というように変わったのです。

この制度は昨年から施行され、それに伴い農薬関連の違反事例も急増しました。


質問者さんの

正直きくらげやピーマンなんて月に一度食うかどうか?という感じなので対岸の火事的な感想しか持ってなかった

という感覚は至極普通なものかと思われます。

食品の基準値の元となる耐容摂取量は十分な安全を見込んだ数字にしていること、特定の食品(基準を超えた野菜など)ばっかりを食べてるわけではないことなどを考えれば、基準を超えたと言う報道にいちいち過剰反応するのはちょっと疲れてしまいます。

悪質な農薬の過剰使用や添加物の濫用は確かに戒めるべきですが、ごく一部の事例を持ってすべてを避けるのも考え物ですよね。

(あつものに懲りてなますを吹く、というやつです)


参考:

食品安全委員会HP中のQ&A(II-Q6)

国立衛生研究所報告(pdf)

id:taleme

詳しく解り易い説明ありがとうございました。

含有量と平均?摂取量のバランスから基準値が決められたのですね。

つまり、輸入モノのフルーツを食べていても問題ないという事ですね、安心しました。

しかし、、

>>「基準が無いものは一律で残留禁止(○○以上はすべてアウト)」

と、言う所は随分ステキな対応ですね。

この点、基準を決めた薬事・食品衛生審議会は現状の報道等に対してコメントしているんでしょうか、、、

2007/07/11 00:14:03
id:kumankuman No.2

回答回数1107ベストアンサー獲得回数16

ポイント23pt

・人が一生涯にわたって毎日摂取しつづけても健康に何ら悪影響を及ぼさないとみなされる量、一日摂取許容量(ADI)を設定します。

・残留農薬基準は、食品から摂取する農薬が一日摂取許容量(ADI)の80%以内となるように定めます。

http://www.fsic.co.jp/fruits/zanryu/zanryu1.htm

id:taleme

ありがとうございます。

リンク先読んでみました。

2007/07/11 00:20:26
id:TNIOP No.3

回答回数2344ベストアンサー獲得回数58

ポイント22pt

もちろん人体に与える影響から判断されていますが、

オレンジやグレープフルーツなどは皮で守られているため基準が甘いです。

きくらげやピーマンは外側も食べるのが普通なので基準が厳しいのです。


まあ心配ならなんでも国産を食べることです。

高いですが外国産よりはずっと安全ですので。

id:taleme

親が趣味で庭に様々な果樹・野菜を育てていたのである程度の農薬使用は必要悪だと知っています。

スーパーに並んでいる国産の野菜が虫の付着や虫食いの跡が無いのを見ると、なにかしら農薬を使っているなと簡単に推測できます。

(国産はなんでも無農薬で安全だと盲信している人はいないと思いますが)

近所のスーパーでは国産のオレンジやグレープフルーツなんて見た事もなく、国産品を探すと言うのは現実的ではありません。

私は低リスクなら低コストの物を選択する考えなので、通販で有機農産品を購入する気もないです。

今回訊きたいのは、明らかに脅威とは思えない0.01ppmと農薬について何を問題としているのか?他の農産物との違いは何なのか?です。

見れば判る事、現実性のない回答は御控え下さい。

2007/07/11 07:26:55
id:minkpa No.4

回答回数4178ベストアンサー獲得回数55

ポイント22pt

長生きしたいという意味で心配しているのなら問題ありません。

日本人の寿命は約80歳。

その人達は過去にもっと農薬だらけの食べ物を食べていたわけですから。

それに比べたら今の食べ物は安全です。

id:taleme

そうなのかもしれません。

高校生の頃、有吉佐和子の「複合汚染」を読んで環境汚染や農薬について知って、世界中何処にいても影響を受けるのだと思いました。

2007/07/11 07:31:10
  • id:seble
    決め方なんてはっきりいやあ適当ですよ。
    動物実験とかして影響が出る濃度などを元に、多少の安全係数も入れて適度に、決めてるんですね。
    WHOの勧告なんかも考慮されます。
    でも、薬害エイズ問題を見ても分かるように、そこには個人や政治や金など色々な思惑がからみ、やっぱり適当、としか言いようがないです。
    本当はゼロがいいに決まってます。
    農薬が体に良い訳なんてあるはずもなし、、、
    でも、ゼロにしちゃうと生産者が困るから妥協点を作っているのですね。
    やっぱり適当。。
    それさえも大幅に超える中国って、、、
    漢方のやせ薬を飲んで、1週間くらいで肝臓障害で亡くなった人もいましたね。
  • id:hokuraku
    追記です。

    基準値を決める際に考慮すべき事項として、「その基準を守ることがある程度可能か」ということがあります。
    農薬のように人為的に使うものであっても、農業生産の維持のため最低この程度は使わないとやっていけない、というものはあり、それに対し過剰な規制をかけることは民業の圧迫にもつながります。

    TNIOPさんの回答に補足するならば、グレープフルーツなどの一部の柑橘類は、分析対象が果実全体(外果皮を含む)となっていることが基準値が高い(規制が緩い)理由になっています。
    農薬は散布して使用されるため、どうしても中身より外果皮に多く農薬が残留してしまうためです。

    食品の基準は通常、食される部分について設定されるのですが、おそらくグレープフルーツなどはマーマレードなどへの加工も考慮して果実全体を分析対象としているのでしょう。(ここは推測になってしまいます。すいません)

    なお、ポジティブリスト制では、「この作物に使用が認められている農薬しか使わない(※通常使う農薬には基準が別途定められている)」というようにすることで、必要以上の規制にならないよう考えられてはいるのですが、「隣の畑で使ってた農薬がうちの畑にもかかってしまった」とか「昔使った農薬が土に残っていた」などの場合にも検出されることがあり、農業者にとっては大きな関心事項となっているようです。

  • id:taleme
    再度の御回答ありがとうございます。

    >>農業生産の維持のため
    そうですね、私個人も最低限の農薬使用は許容すべきだと思っていますので、過剰な規制は望みません。
    実家の家庭菜園レベルでも害虫対策を人力だけで行うは不可能でしたから、大規模に生産している農家が農薬を使わない方が非現実的だと思ってました。
    だから有機農産品が高いのも判るのですが、そのコストを払う力のない消費者である事が残念です。

    TNIOPさんへの返答は今日改めて見ると礼を逸していたかもしれません。ごめんなさい。
    なにか上段から言われたような気がしたのと、検査する場合、常識的に考えて可食部分(グレープフルーツなら果肉、ピーマンなら果実、チェリーなら果実)を用いて行われるだろうから、皮付きで有ろうが無かろうが関係無いのでは?と思っていた為、回答を読んで反感を覚えたからだと思います。
    しかし、皮をジャムに使用する可能性もあるんですね。考え及びませんでした。すいません。

    >>ポジティブリスト制
    この制度なんですが、知れば知るほど不完全な制度だな、と思うようになって来ました。
    ニュースで0.01ppmという数値を見て、上述の「複合汚染」で出てきた南極のペンギンからPCBが検出された話(正確な数値は忘れました)を思い出したのですが、この数値って、もしかして特定食品を食べなくても普通に生活しているだけで摂取してしまう量なのではないでしょうか?
    消費者としては何が低リスクで何が高リスクなのか?最近のニュースを見る限り正確な情報が開示説明されていないような気がするのですが、、、、
    私だけでしょうか?こんな感じを持っているのは。

    確かに中国を初めとする途上国?は識字率が低い為に生産者が農薬や化学肥料の説明書が読めず、必要以上の量を撒いてしまう。
    交通インフラが整っていない為に輸送時間が長く、腐敗や虫食いを防ぐ為にポストハーベストをやってしまう。
    と、いうような事はあるのでしょうが、じゃあアメリカやEUから空輸で農産品を買う、と言うのも非現実的な気がします。
    安全と廉価を求める1消費者としてはせっかく此れだけ大騒ぎしているのですから、輸出国の農薬教育をしっかりしてもらって、日本側も表面的な騒ぎで終らせないで、制度の矛盾は改善して、厚生省もメディアも消費者に解り易いコンテンツを提供すべきだと思います。







  • id:hokuraku
    ちょっと誤解があるみたいですので微妙に訂正を。
    >>
    ニュースで0.01ppmという数値を見て、上述の「複合汚染」で出てきた南極のペンギンからPCBが検出された話(正確な数値は忘れました)を思い出したのですが、この数値って、もしかして特定食品を食べなくても普通に生活しているだけで摂取してしまう量なのではないでしょうか?
    <<
    ppmというのはpercentと同じように割合(濃度)を表す単位ですので、絶対的な量(何グラムとか)を表す単位ではありません。
    (ppm = 100万分の1)


    ポジティブリスト制はBSE問題などが発生し日本全体に「食の安全・安心」が叫ばれるようになった頃に、中国からの冷凍ほうれんそうの問題があって定められたと記憶しています。
    その時々によって人々の関心が変わっていく中、色々な立場の人のことを考えると「完全な制度」というのも難しいものですよね。
    (sableさん風にすぱっと言うなら「妥協点」でしょうか)
    そういう風に思うと、立法とか行政とか、制度を作るというのもゲーム理論(?)みたいで面白いものです。参院選が楽しみですね。

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