D菜が恐縮しながらやってきた。
D菜「B美、また新しいホラーをSさんが・・・」
B美は黙って小説を書いた。
「リビング・ルーム」
X月とY音が、Y音家のリビングで話している。
X月「アイドルのJ、どうなったんだろうね」
Y音「最近、見かけないわね」
X月「サインも持ってたのに」
Y音「それ、直接、彼から?」
X月「もちろん。私、Jの隠れファンだったんだー」
Y音「そのこと誰かに話した?」
X月「ううん。Y音はいちばんの友達だから」
Y音「・・・すっごく、うれしい!」
X月「どうしてそんなに喜んでるの?」
Y音「待ってて。すぐ教えてあげる」
Y音はリビングを出ると、重そうな物を抱えて戻ってきた。
X月「それ何?」
Y音はテーブルにアルバムを広げた。
そこにはJの写真がたくさん貼ってあった。
X月は叫んだ。
X月「そういうことだったの!」
X月とY音はJの話で盛り上がった。
その話も終わり、ふとX月が訊ねた。
X月「ところでY音、彼氏とは最近どう?」
D菜「ジャンル名は?」
B美「リピート・ホラー」
B美は続けた。
B美「Sさんに伝えて。あなたも小説、早く仕上げてって。待たせすぎよ」
少々ご無沙汰でした。チャレンジしてみます。
「リピート」ということなので、
小説の終わりからまた最初に戻って似たような小説が繰り返されるけれど、
これを少し変更することでホラーなお話にする、ということかな、と。
これを念頭に以下のような続きを考えました。
-----------------
X月「ところでY音、彼氏とは最近どう?」
Y音「最近、見かけないわね」
X月「手紙持ってたのに」
Y音「それ、直接、彼から?」
X月「もちろん。私、彼の隠れファンだったんだー」
Y音「そのこと誰かに話した?」
X月「ううん。Y音はいちばんの友達だから」
Y音「・・・すっごく、うれしい!」
X月「どうしてそんなに喜んでるの?」
Y音「待ってて。すぐ教えてあげる」
Y音はリビングを出ると、重そうな物を抱えて戻ってきた。
X月「それ何?」
Y音はリビングに箱を広げた。
そこには彼が入っていた。
X月は叫んだ。
X月「そういうことだったの!」
-------------
と、実はY音は彼氏を殺害していたというオチ…。
ちょっと趣旨と違ってしまったかな。うう。
Y音「待ってて。すぐ教えてあげる」
Y音はリビングを出ると、また重そうな物を抱えて戻ってきた。
X月「それ何?」
Y音はテーブルにアルバムを広げた。
そこにはY音の彼氏の写真がたくさん貼ってあった。
X月は叫んだ。
X月「そういうことだったの!」
アルバムに張ってあった写真は、付き合っていたころの多くの2人ものに始まり、最後は彼の安らかなデスマスクで終わっていた。
彼女は最後(最期)まで「所有」する女性だった。
全く見当違いのような気もしますが、
オチというか、怖さの理由が同じもの(繰り返す=リピート)ということで。
zoology様、ありがとうございます。
これは斬新な解釈で、僕の答えより良くできていると思いました。
「リビング・ルーム」
出演者
X月:Jの婚約者、親は政治家で金持ちの令嬢。
Y音:X月の中学の同級生。かってのJの恋人。今は息子と二人ぐらし。
J :二人があこがれた中学時代の先輩。
X月とY音が、Y音家のリビングで話している。
X月「中学時代の二人のアイドルだったJ、今どうしているか知っている(教えたくてうずうず)」
(★リピート★)
Y音「彼が大学を卒業して以来会っていないわ、消息も知らないの」
X月「実はJと結婚するの、婚姻届けも書いてあり、あとは式後に出すだけ」
Y音「直接彼が、記入したの?」
X月「もちろん。昔から密かに会っていたの。彼に頼まれてお父様に彼を秘書にしてもらったの。」
Y音「もう招待状は出したの?」
X月「ううん。Y音は中学の時のいちばんの友達だから最初に教えようと思って」
Y音「・・・そうだったの、でも良かった!」
X月「どうしてそんなに喜んでるの?」
Y音「待ってて。すぐ教えてあげる」
Y音はリビングを出ると、2歳くらいの赤ん坊を抱いて戻ってきた。
X月「その子は誰?」
Y音はテーブルにアルバムを広げた。
・JとY音も含まれている学生たちの山登りの写真。
・同日同時刻頃に撮られたと思われるJとY音二人だけの写真(Vサインをしているがまだ笑顔が硬い)。
・Jが車をバックにしている写真。
・海辺でJの肩に頭を寄せ甘えるY音の写真。
・マタニティドレス姿のY音の写真。生まれたての赤ん坊を抱くY音の写真。
・老夫婦と赤ん坊の写真(抱いている女性はY音の母親だとX月は思い出した)。
・はいはいをする赤ん坊の写真
などが貼られていた。
X月は叫んだ。
X月「そういう理由だったの!」
X月はJに騙されていたことを知り、Y音に同情・感謝するとともに、二人で泣いた。
時には恨みごとも言い合った。互いに涙も乾き、疲れはてふとX月が訊ねた。
X月「ところでY音、Jとは今でも会っているの?」
(つぎのように★リピート★に戻る)
Y音「彼が大学を卒業して以来会っていないわ、消息も知らないの」
X月「実はJと結婚するの、婚姻届けも書いてあり、あとは式後に出すだけ」
:
:
補足:
●「重そうな物」から最初にイメージしたのは、大きくなった赤ん坊を抱きかかえる女性の姿でした。それに「サイン」で思い出すのは契約書の類でした。
●それで、そこから話のつじつまが合うように、元のセリフに乗せる形でストーリーを作りました。
●Y音がうれしがったのは、親友の間違った結婚を回避したというより、X月の幸せを壊したから喜んだのでした。女の嫉妬は同性に向けられるといいますが、言ってみれば嫉妬をテーマにしたサイコ・ホラーのつもりです。
●オチを説明するのも野暮ですが、話がリピートされるのは、二人の女性はショックで一時的に精神が錯乱し論理的な思考が出来なくなったからです。(泥酔した人がよくやるみたいに)
●タイトルの「リビング・ルーム」(居間、生活空間)は何かを暗示しているのかとも思いましたが考えつきませんでした。
ugi1010様、ありがとうございます。
今回のはルール説明が不完全で、いろいろ考えさせてしまってすみません。完全なリピートでなくてOKなのです。
ただ、回答はとても面白いと思います。無限リピートという解は、他の方もそう思われた方がいたようでした。
少々ご無沙汰でした。チャレンジしてみます。
「リピート」ということなので、
小説の終わりからまた最初に戻って似たような小説が繰り返されるけれど、
これを少し変更することでホラーなお話にする、ということかな、と。
これを念頭に以下のような続きを考えました。
-----------------
X月「ところでY音、彼氏とは最近どう?」
Y音「最近、見かけないわね」
X月「手紙持ってたのに」
Y音「それ、直接、彼から?」
X月「もちろん。私、彼の隠れファンだったんだー」
Y音「そのこと誰かに話した?」
X月「ううん。Y音はいちばんの友達だから」
Y音「・・・すっごく、うれしい!」
X月「どうしてそんなに喜んでるの?」
Y音「待ってて。すぐ教えてあげる」
Y音はリビングを出ると、重そうな物を抱えて戻ってきた。
X月「それ何?」
Y音はリビングに箱を広げた。
そこには彼が入っていた。
X月は叫んだ。
X月「そういうことだったの!」
-------------
と、実はY音は彼氏を殺害していたというオチ…。
ちょっと趣旨と違ってしまったかな。うう。
rikuzai様、趣旨もオチもオッケーです!!
ただ、完全リピートでなくてもよい(Y音だけでよい)、というのがこちらの想定と違いました。
これはルール説明をしっかりしてから示すべき問題でしたね。すみません。
ですがルールを100%、正確に当てただけですごいと思います。さすがrikuzai様です。
>X月「ところでY音、彼氏とは最近どう?」
Y音「最近、見かけないわね」
X月「Y音が研究している死者の復活について、うまくいきそうだって聞いたけど?」
Y音「それ、直接、彼から?」
X月「うん、彼氏から電話で直接聞いたわ」
Y音「そのこと誰かに話した?」
X月「ううん。そのことも、今日ここに来ることも絶対に誰にも話すなって言われたから」
Y音「・・・すっごく、うれしい!」
X月「どうしてそんなに喜んでるの?」
Y音「待ってて。すぐ教えてあげる」
Y音はリビングを出ると、重そうな物を抱えて戻ってきて、
布に覆われたその箱をテーブルの上に置いた。
X月「それ何?」
Y音が箱を包んでいた布を取ると、そこには彼氏の生首があった。
しかもその生首はX月にむかって微笑んだ!
彼氏は死んだのではなく、まだ生きていたのだ。
X月は叫んだ。
X月「そういうことだったの!」
Y音の「・・・すっごく、うれしい!」というセリフは、X月の口を封じれば、
自分の行為が誰にも知られずに済むという安堵感から出たという設定だと、
この後さらにホラーな展開に。
タイトルの「リビング・ルーム」から「リビングデッド」
が浮かんだので、無理矢理作ってみました。
FLOW_GAMA様、ありがとうございます。
ヒント発表の後だったとはいえ、問題の趣旨に沿ったいい回答だと思います。とても楽しみました。
>Y音の「・・・すっごく、うれしい!」というセリフは、X月の口を封じれば、
>自分の行為が誰にも知られずに済むという安堵感
というところも正解と一致しています。おみごと。
rikuzai様、趣旨もオチもオッケーです!!
ただ、完全リピートでなくてもよい(Y音だけでよい)、というのがこちらの想定と違いました。
これはルール説明をしっかりしてから示すべき問題でしたね。すみません。
ですがルールを100%、正確に当てただけですごいと思います。さすがrikuzai様です。