「かんぽの宿」食堂売店業務6割、郵政OB企業と随意契約 (読売新聞)
簡易保険の保険料などを原資に建設され、日本郵政公社が運営している宿泊施設「かんぽの宿」を巡り、旧郵政省OBの元キャリア官僚(66)が社長を務める民間企業が、全国61施設の食堂、売店計122店のうち、約6割の70店の業務を、公社から随意契約で委託されていることがわかった。
業務の大半は、小泉内閣が推し進めた公益法人改革で解散に追い込まれた天下り先の財団法人から、引き継がれていた。年間80億円の売り上げが見込まれており、10月1日の郵政民営化に向け、公益法人から民間企業に形を変えて「官益」が温存された形だ。
民間企業は、レストラン運営「夢閑歩(ゆめかんぽ)サービス」(東京都千代田区)。財団法人は、簡保加入者の福祉増進などを目的に1965年に設立され、今年4月に解散した「簡保加入者サービス協会」。
[ 2007年9月18日3時00分 ]
構造ですか。
郵便局が民営化されますよね。
かんぽの宿も民営化されるんですね。
「簡保加入者サービス協会」という財団法人が、かんぽの宿の中にある食堂とか売店を経営していたそうです。もちろん全部じゃないと思いますけど。で、その財団法人は郵政省の天下り先でした。つまり郵政省のOBがたくさんいたのでしょう。でも、その財団法人は小泉内閣のときにできた法律で解散させられた。
つまり食堂や売店はつぶれたことになります。もちろん実際につぶすわけにはいかないので、代わりの経営者を探さなければいけませんよね。
代わりの経営者を探すにはどうすればよいのか具体的には知りませんが、小学生っぽく言うならば、
やりたい人に手を上げてもらう→経営方針とかコストを説明してもらう→一番上手に経営をしてくれそうな会社にお願いする。
ということになりますね。それが一番コストも低そうだし経営もうまくいきそうだ。
つまり自然に考えて、それぞれの売店や食堂の経営者はいろんな人になる。
「ところがどっこい」ですよ。
その売店や食堂の6割を同じ会社が経営しているそうなんです。夢閑歩(ゆめかんぽ)サービスという会社だそうです。しかもその会社の社長は、昔の郵政省のOBだそうです。なんだか昔と同じ感じです。
これは不自然ですよね。これじゃぁ会社の名前が変わっただけで、やってることは変わっていません。今も昔も、売店や食堂の経営をしているのは郵政省で働いていた人です。
売店や食堂の経営をしたがっている普通の会社の中には、夢閑歩より上手に仕事ができるかもしれないし、低コストでできるかもしれない。でも、夢閑歩に仕事がどんどんまわっていくのでしょう。
さらに言えば「随意契約」なんです。つまり入札じゃないんですよ。
これじゃぜんぜん「みんえい」化されていませんね。
構造をどう説明すればよいのか分りませんが、「民営」とか、「民間企業」とか「財団法人」とか、呼び方はいろいろかわったようだけど、中身は変わってないということでしょうか。
アドレスはダミー
「かんぽの宿」というよく問題になる厚生年金施設の郵便局版があり、その営業をお偉いさん方の天下り先だった財団法人が行っていました。それが郵政民営化に伴って業務を民間に委託することになったのですが、実はその民間企業もお偉いさん方の天下り先だった、もしくは解散させられた財団法人が名前だけを変えたものっだたので、民営化の意味がなくなり、結局は天下り先が財団法人から民間企業に変わっただけのお話。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%83%B5%E6%94%BF%E6%B0%91%E5%96%B...
早速のご返事ありがとうございます!朝早くからのご回答大変助かります。
詳しいご説明ありがとうございました。要は民営化となる民間企業までもが天下り先となっている、あるいは財団法人から民間企業に名前を変えても結局郵政OB達が引き継いでる、ということですね。
「簡単訳」
旧郵政省OBの元キャリア官僚(66)が社長を務める民間企業が、公社から随意契約で委託されていることがわかった。
公益法人から民間企業に形を変えて「官益」が温存された形だ。
[超意訳]
要は役人のOBが、自分の思うところに自分の思う様に、公の仕事を自分の経営する民間会社の仕事として作り変えていたという事。
ここでのミソは、それが役人のOBよって行われたという事。
またしても天下り役人による、裁量行政判断が明るみに出た形だ。
[裁量行政とは ウィキペディア]
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A1%8C%E6%94%BF%E8%A3%81%E9%87%8...
早速のご返事ありがとうございます!詳しいご説明ありがとうございました。
裁量行政判断のウィキも参考にしてみます!
http://list.jca.apc.org/public/aml/2006-May/006782.html
この問題の2つのキーワードは「随意契約」と「天下り」です。
役所などおおやけ(公)の団体というのは、特定の企業、団体に利益を供与する不公平を原則的に許していません。
家賃や売り上げの納付などの条件は、税金、この場合は公的な性格も有する簡易保険の運用にかかわってくるだけに、少しでも納税者、もしくは加入者に有利にしなければいけないわけで、そのため複数の企業・団体による入札を基本としています。
当事者同士で隠して契約を結ぶ随意契約はこうした趣旨に反しています。
もっとも、普通に考えれば、発注者側の方が不利になるような条件では契約は結ばないだろう、と考えがちですが、ここで出てくるのが天下りです。
OB、いわば先輩のいる会社で、そのうち自分たちもお世話になる会社かもしれない、ということになれば、相手方の儲けもかなり認めるようになり、契約が多少相手に甘くても構わない、となりがちです。結果として、お金が無駄に使われることになります。
たとえとして適切かどうか分かりませんが、
クラスのみんなで100円ずつ出し合って、3000円のお金でお菓子を買うことになりました。
学級委員長のA君は翌日、チョコレートを20個買ってきました。
みんな「どこで買ったの」
A君「近くの駄菓子や」
みんな「スーパーだったらもっと安く買えたんじゃない?」
A君「分かんないよ。時間がなかったから、家の近くで買ったんだ」
確かにスーパーでは同じようなものを買おうとすれば、25個買えたのです。しかも、スーパーはそれほど遠い場所にはなく、A君もそれは知っていました。ただ、A君が買った店というのは自分のおじいちゃんがやっている店だったのです。A君はおじいちゃんにほめられて「お正月になったら、お年玉上げるからね」といわれていました―。
この場合、「どこで買うか」というのが契約になります。当然、買う側が安い店で買うべきですよね。でも、あえて高い店で買ったわけです。しかも、買った店とA君にはつながりがありました。
A君は自分にとっては利益になることをしましたが、もともとのお金はクラスのみんなが出し合ったものです。しかも、スーパーで買っていれば、クラスのみんなはもっとチョコレートを手にすることができたわけで、クラスのみんなの利益を犠牲にして、自分に都合のいいことをしたわけです。
当然、こうした事情が分かれば、まわりの子供は怒るでしょう。
早速のご返事ありがとうございます!詳しいご説明ありがとうございました。
すばらしい例え方、とても参考になりました。要は日本郵政公社が自分たちが将来世話になる会社かもしれないから、郵政OBが社長を務める夢閑歩に便宜を図ったわけですね。
ありがとうございます!
早速のご返事ありがとうございます!朝早くからのご回答大変助かります。
詳しいご説明ありがとうございました。「公社から随意契約で委託」の意味がようやくわかりました。こういうのを官益温存と言うのですね。