ですが、TRY/JPYのように高スワップが発生しており、尚且つ長期的にみて金利の高い通貨(この場合TRY)の価値も上昇している場合が最近多いと思うんです。一般論としては最初の意見が正しい気もするのですが、それに当てはまらない例が増えているのには、どのような要因が絡んでいるのでしょうか?
また、それを踏まえると今後の円って国際的な価値としてどうなっていくんでしょうか。今後、国力がそれほど伸びるとは考え難いので、円の価値が高まる、ということ自体にそもそも懐疑的なのですが。
http://q.hatena.ne.jp/1187841945
http://han-rei.com/infule6.html
「金利が高い通貨は弱い通貨」というのは要するに、インフレによって疲弊した経済では金利も上昇するし通貨も下落する、ということを指しています。問題を抱えた経済では金利が上昇することが多いけれども、金利が高いからといって経済が弱いとは限りません。
為替レートとはなにか、を説明しようとする考え方はいろいろありますが、一番基本的な考え方は購買力平価で決まる、というものです。為替レートというのは通貨同士の交換レートで、それぞれの通貨の価値は商品が買える「購買力」なのだから、購買力が等しくなるようなレートで決まる、ということです。だから、インフレで物価が上がればその通貨の購買力は下がり、通貨価値は下落します。
ただ最近でこそ原油も高騰してインフレも現実化してきましたがそれまではむしろディスインフレの時代が続いていましたし、為替レートの決定要因としてはあまりはたらいていませんでした。
また、購買力平価はあくまで基本的な考え方で、実際の為替レートが理論値に収斂するには数年単位の長い時間がかかります。その間に経済状態も変化しているので、現実には常に理論値とはカイ離していることになります。もっと短いサイクルで為替レートを動かしているのは国際的な資本移動です。つまり年金や金融機関などの機関投資家、ヘッジファンド、個人投資家の投資資金です。80年代以降の金融自由化によってその影響力は年々増加してきました。景気が過熱して金利が上昇していても、景気を冷やすほどではないと判断すれば成長力を買って投資もしますし、逆に危ないと思えば一斉に売りに回って通貨危機を引き起こしたりもします。つまりインフレが政策当局のコントロール下にあるならば高金利通貨買いが起こります。
日本の低成長が当面続きそうだというみなさんの見通しに特に異論はありません。ただ、日本円って景気が悪いから下がるとも限らないんですよね。市場最高値を示顕したのが、バブル崩壊後のいわゆる「失われた10年」の最中でしたし。それに今は別に円がどうこうというより、ドルを売りたいんじゃないでしょうか。なので今は円の見通しはよくわかりません。
確かに一般的に考えれば「経済力の弱い=金利が高い」がほぼ成り立ちそうですが(つまり、金利を高くしてお金を集め経済力を高めると言う政策を取った新興国は過去に多くありました)現在は一概にそうとも言えない状況になっています。例えば米ドルの金利/経済安定度合いとユーロの金利/ヨーロッパの経済、日本の金利/日本経済を見れば一目瞭然では無いでしょうか。
その通りなんですが、その要因になってるのは何なのでしょうか?
http://emotion-link.com/2007/04/post_8.html
>一般論としては最初の意見が正しい気もするのですが、それに当てはまらない例が増えている
>のには、どのような要因が絡んでいるのでしょうか?
マネーゲームをするから、過去の常識は常識じゃなくなる傾向にあるような。
こちらも、その通りなんですが、マネーゲームだと何で常識が常識じゃなくなるんでしょうか?
1 高金利通貨が増加する理由
http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070313#p1
上記はサンフランシスコ連銀のそれについてのレポートの和訳です。
わたしが上記を理解するところでは、その理由は:
高金利通貨を買い、低金利通貨を売る投資家・投機家がいるから。
本来これは非合理的な取引なのだが、為替レートの決定要因はまさこれらの非合理的な取引である。その結果、為替レートは高金利通貨高・低金利通貨安と(非合理的に)決定される。
なにゆえにそのような不合理な投資家が市場に存在し続けるのか?という疑問については上記レポートは語りませんが、わたしが思うに、確実なことなど何もない為替レートを相手にする投資家にとって、金利差は唯一確実な指標であり、それに過度に頼ってしまいがちだからではないでしょうか。
2 これからの円の国際的な価値
検討事項は多々あります。それに時間のスケール(来年の話か、それとも今後10年の話か)によっても変わってきますが。
その第一の要因は日本・各国・世界のGDP成長でしょう。
GDP成長率は長期金利の原因ですし、長期金利は為替レートの原因のようです。
で、GDP成長予測ですが……過去10年間の平均名目GDP成長がこれから10年間も続くだろうと仮定するなら、日本は世界各国に比較して低成長ですから、つまり円は低金利、すなわち円安でしょう。
GDP成長の予想は、ググったらもっとマジメにやっている人が見つかると思います。
丁寧な回答ありがとうございます!
なるほど。確かにスワップで利益が出るのって、分かりやすいですよね。
(それで足元すくわれないように注意しなくちゃいけないわけですが。)
ただ、“これから強くなりそうな国の通貨を買え”と良く言いますが、
これから強くなる国(東南アジアとか、中国とか、トルコとか)って
景気の加熱っぷりを抑えるために金利を上げてるところも多く、
一概に「信用ないから金利高いんだ。」とも言い難いんじゃないかなぁと
最近思ったりもしてます。私見ですけど。
私見で結構なので、他に何かあれば、一度回答された方も再度の回答をお待ちしてます。
http://han-rei.com/infule6.html
「金利が高い通貨は弱い通貨」というのは要するに、インフレによって疲弊した経済では金利も上昇するし通貨も下落する、ということを指しています。問題を抱えた経済では金利が上昇することが多いけれども、金利が高いからといって経済が弱いとは限りません。
為替レートとはなにか、を説明しようとする考え方はいろいろありますが、一番基本的な考え方は購買力平価で決まる、というものです。為替レートというのは通貨同士の交換レートで、それぞれの通貨の価値は商品が買える「購買力」なのだから、購買力が等しくなるようなレートで決まる、ということです。だから、インフレで物価が上がればその通貨の購買力は下がり、通貨価値は下落します。
ただ最近でこそ原油も高騰してインフレも現実化してきましたがそれまではむしろディスインフレの時代が続いていましたし、為替レートの決定要因としてはあまりはたらいていませんでした。
また、購買力平価はあくまで基本的な考え方で、実際の為替レートが理論値に収斂するには数年単位の長い時間がかかります。その間に経済状態も変化しているので、現実には常に理論値とはカイ離していることになります。もっと短いサイクルで為替レートを動かしているのは国際的な資本移動です。つまり年金や金融機関などの機関投資家、ヘッジファンド、個人投資家の投資資金です。80年代以降の金融自由化によってその影響力は年々増加してきました。景気が過熱して金利が上昇していても、景気を冷やすほどではないと判断すれば成長力を買って投資もしますし、逆に危ないと思えば一斉に売りに回って通貨危機を引き起こしたりもします。つまりインフレが政策当局のコントロール下にあるならば高金利通貨買いが起こります。
日本の低成長が当面続きそうだというみなさんの見通しに特に異論はありません。ただ、日本円って景気が悪いから下がるとも限らないんですよね。市場最高値を示顕したのが、バブル崩壊後のいわゆる「失われた10年」の最中でしたし。それに今は別に円がどうこうというより、ドルを売りたいんじゃないでしょうか。なので今は円の見通しはよくわかりません。
詳しい回答ありがとうございました。
はてなはこういう回答をして頂ける方がいるからこそ、使う意味がありますね。
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